北海道新幹線で新函館北斗に到着,いよいよ北海道に上陸した.
新函館北斗からは,函館本線特急列車「スーパー北斗」にて札幌へ.
はじめての冬北海道,猛烈な風雪の中懸命に走るキハ261系,力走を楽しんだ札幌までの乗車記.
スーパー北斗17号で札幌へ
名古屋から北海道へ,飛行機を使わず,
また,東海道・東北新幹線を使わずに移動する鉄道旅.
ルートは以下の図,青色で示した線.
今回が最終回!
いよいよ函館から北海道庁所在地・札幌へ.
2020春ダイヤ改正で「スーパー」の冠が外れるキハ261系スーパー北斗にて,夜の函館本線を北上.
北海道フリーパスを使おう
“在来線で北海道をめざす旅”のブログ記事バックナンバーには書いていないが,この旅の本当の目的は「冬の北海道で鉄道旅をすること」である.したがって,名古屋から函館までの旅は序章に過ぎないのだ(既に当ブログで7記事も費やしているが・・・).北海道を旅するのに使うきっぷが「北海道フリーパス」.
北海道フリーパスは繁忙期を除く通年で発売されている,北海道内のJR線及びJRバスが7日間乗り放題のきっぷ.
値段は27,430円と,お高いフリーきっぷだが,
その値段相応,いや値段以上の魅力がある.
まず,フリーきっぷであるので,思いついたときに思いついたところへふらっと行ける.えきねっと等で発券したきっぷではできない,散歩のような乗りつぶし旅ができるのだ.
そして,JR北海道内全線で特急列車自由席が乗り放題.普通列車の本数が少なく,そしてバカでかい北海道は,特急列車に乗らないと移動がかなり非効率になってしまう.乗りつぶしには非常にありがたい特典.
さらに,特急列車指定席も6回まで乗り放題なのだ.混雑する区間では事前に指定席を予約することで,自由席にすわれない…ということを防げる.
青春18きっぷ+2日間の有効期間があって,特急も乗り放題.北海道周遊や乗りつぶしには最強のフリーきっぷである.
吹雪の新函館北斗駅
新函館北斗駅に着いたら,さっそく札幌までフリーきっぷで特急列車に乗る.
函館に泊まるのもいいかな,と考えたけど,この日の函館は吹雪.悪天候の中ホテルに泊まると夕食の買い出しとか,外出が億劫になってしまう.また,新函館北斗=函館間だけフリーきっぷを1日分使ってしまうのももったいない.ということで,雪の降り方が弱い札幌まで行ってしまうことにした.せっかくフリーきっぷもあるんだし.
さて,新函館北斗駅からのスーパー北斗17号.全部で8(もしくは9)両編成のうち,2両のみが自由席.さっそくフリーパス特典をつかって指定席を買うかどうか迷ったけど,自由席の並び具合を見てやめた.指定席には外国人観光客などが列をなしていたが,自由席は数人がいるのみだった.日曜日の下りだし大丈夫だろう.
新幹線のりかえ改札の横にある小さいキオスクで,森彦珈琲とサンドウィッチを買って改めて在来線ホームへ.
今日,道南は悪天候.雪が少ない道南もドカ雪予報らしい.函館も吹雪.ホームにはさらっさらの新雪がうっすらと吹き込んで積もっている.歩くと足跡が付く,いよいよ雪国に来たなあ・・・.
入線~出発!
吹雪の中,ヘッドライトを眩しく光らせ到着.
スーパー北斗17号札幌行
新函館北斗1655=札幌2033
キハ261系.夏のツーリングで乗って以来.
このディーゼルエンジン音,いいねえ・・・!
上り特急キハ281系で運転のスーパー北斗14号の到着を待ってから,出発.
笛のような警笛,エンジンを吹かして加速.
スピードに乗ってくると7打点チャイム.この流れが本当に好き(下に貼った動画の5:50~に該当列車の出発放送を紹介している)
自由席の車内は,予想通りガラガラだった.
8号車の車内は数人しか乗っていない.大沼公園方面へ向かうキハ261系の走りをしばしの間楽しむことにした.
大雪の道南
道南は,道北や道東・道央に比べると雪の量は少ない.
夏などは東北地方とあまり気温が変わらず,普通に暑かったりする.
そんな道南でも,今日はドカ雪の様相.
車窓にはずっしりと積もっている雪が見える.
北海道は駅間が長く,その間には民家が一軒もありませんみたいな車窓がたくさん流れる.こういう景色を見ていると「ああ~北海道に来たなあ~」と実感する.
冬の北海道は人生初.本州とは雪の量・寒さが桁違い.今年は暖冬で,実際道民にしてみればこんな寒さたいしたこと無いんだろうけど,瀬戸内育ちの自分には身にしみる寒さである.
よくもまあ,こんな厳しい環境で列車を運行してくれるものだ.JR北海道の経営環境が厳しいのも,冬の列車に乗ってみると納得できる.
鉄道旅で食べる弁当は最高に美味い
S北斗は大沼公園を経て,森駅にやってきた.ホームにも雪が吹き込む強風の中,待っていた乗客が何人か乗ってきた.
森駅といえば,いかめし.
昨夏,ツーリングで森駅を訪れ,駅前の柴田商店で購入した.しょうゆベースで味付けされたごはんが,分厚いイカの中にぎっしり詰まった弁当.シンプルだけど,本当にうまかった.
かつては駅売りをやっていて,今でも細々と続いているらしいけど,さすがに夕方~夜の時間はやっていない.いかめしは食べられないけど,お腹が空いたのでサンドウィッチを食べよう.
キオスクで買ってきた普通のサンドウィッチ.北海道ザンギミックス,というところはちょっと北海道らしいかな?
どんなものであれ,列車旅で食べる弁当・総菜は美味い.流れゆく車窓,聞えてくる走行音が最高のお供だ.
東室蘭でポイント不転換?
のんびりサンドウィッチを食べ終え,時刻表のページが室蘭本線・千歳線に移り変わって少し過ぎた.
洞爺駅に到着.
洞爺駅では,1分先に出発する上りのスーパー北斗20号が遅れている,との放送があり,出発が遅れた.
北海道ではいろいろな理由(単線で普通列車に詰まる,鹿と衝突する,行き違いの列車が来ないetc)でしばしば列車が遅れる.走行距離が長い特急列車では,特に遅れの頻度が高い.
10分くらいかな?洞爺駅を遅れて出発.
そのあと12分で伊達紋別.遅れは回復しないまま,全力疾走で東室蘭へ向かう.
東室蘭に行く途中の駅で,列車がブレーキをかけて停止.あれ?まだ東室蘭駅じゃないのになあ・・・明るいホームだが,駅名標が見えない位置に停まったからどこかわからない.
しばらくすると,車内放送で案内があった.
「ただいま,え~…東室蘭駅でポイントが切り替わらない事象が発生しており,一つ手前の本輪西駅に停車しております.信号が切り替わりますまで,今しばらくお待ちください…」
なるほど,ポイント不転換発生で本輪西駅に抑止を喰らってしまったのだ.雪でポイントが切り替わらないとか…さすが北海道だ.
結局,20分近く遅れて東室蘭駅に入線.到着番線を変更しての客扱い.外はものすごい風雪.運転士が交代していたが,めちゃくちゃ寒そうだった.駅にうっすら降り積もった雪が風で舞い上がっている.
20分近く遅れて東室蘭駅を出発.ここまで遅れると札幌までで回復はできないだろうなあ.
懸命の回復運転
遅れているもんだから,キハ261系は渾身の力走を見せてくれる.急いでいる乗客にとって遅れは嫌だけど,鉄道ファンにとっては長く列車に乗れて,列車の本気の走りを見られて,いいことが多い.
苫小牧駅.フェリーに乗るときはお世話になる苫小牧のまち.駅前の信号と街灯で照らされた部分は,雪で白っぽくなっていた.
車内では車掌が巡回し,釧路への最終スーパーおおぞら(南千歳)へののりかえ客がいないか確認している.
そのあと千歳線に入り,到着した南千歳駅では石勝線のスーパーおおぞらを待たせていた.さすがに釧路方面ののりかえ客を待たないわけにはいかないか.
南千歳を出ると,線形のいい千歳線を快走.
731・733系と多くすれ違うようになり,ようやく札幌近郊区間に入ってきたなあと実感する.
17分遅れの札幌到着
結局札幌駅には17分遅れで到着.
元々のダイヤがタイトなのか,かなりの力走だった割に4分程度しか回復できなかった.
いや,打ち切りにせず,最後まで運転してくれたのだから,それだけで十分だ.
風雪の中走ってきて,ヘッドマークは曇っている.頭についた「SUPER」の文字は3月で見納め.
力走だったキハ261系をねぎらいながら,札幌駅からホテルへ向かった.
まとめ:雪ニモマケズ
以上,キハ261系スーパー北斗17号の乗車記録.
新函館北斗からほぼ4時間かけて,札幌へ.
ものすごい吹雪だったけど,それに負けない力走で,乗っていて爽快だった.さすがキハ261系.
新潟から特急・特急・新幹線・特急と乗り継いで,1日で札幌までやってきた.朝新潟にいたのが信じられない.
鉄道を満喫しまくった,長い1日だった.
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これで,「在来線で北海道をめざす旅」は終わり.
次回から「北海道フリーパスの旅」を紹介します.お楽しみに.
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