オシンコシンの滝,天に続く道,根北峠|ウトロ~斜里~標津【2019夏自転車旅㉑】

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昨年,一昨年は名古屋~苫小牧を太平洋フェリーで移動.

愛車で北海道内をぐるぐる走った.
おかげで北海道内はたくさん走ることができた.

【まとめ】2018北海道自転車旅|大自然に感動し、グルメを愉しみ、被災に涙した旅

「今年の夏は東北も走ってみたいな・・・」

ということで,名古屋から北海道まで東北経由で全部自転車で走ることにした.全部,自転車で
「北海道まで自転車で行く」自分の中では思い切った挑戦だ.でもこういう長い期間の放浪(?)旅は学生の間しかできない,来年からは研究の方が忙しくなるだろう.やるなら今しかない.

名古屋を出発してから北海道内を走り終えて,また名古屋に帰ってくるまで,25日.自分史上最も長い自転車旅の記録.

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<この記事の内容>
21日目:ウトロ~斜里~標津

<前の日>
20日目:標津~知床~ウトロ

<次の日>
22日目:標津~別海~根室

21日目:ウトロ~斜里~標津

国設知床野営場にて起床.カラスの鳴き声で目を覚ました(覚まされてしまった).

いつも通り朝の準備を済ませて,8時過ぎに出発.朝食後に,謎の腹痛に襲われたけど正露丸糖衣のプラシーボ効果によって回復した(昨晩買ったセコマのエッグ&メンチロールを朝に食べたのがいけなかったか?)

ウトロ・オシンコシンの滝

知床野営場から猛烈な下り坂を下って,ウトロの市街から出発.予定変更の影響で,今日は再び標津まで戻る行程.知床半島をぐるっと1周半することになる.

ウトロの観光名所といえば,オシンコシンの滝.GoogleMapを眺めているときに見つけた.名前のインパクトが強い.

ウトロからオホーツク海側を国道334号線に沿って走ると,トンネルを抜けた左側に現れる.

オホーツク海に面したR334

滝だけあるのかな~と思っていたけど,路側帯には広い駐車場があって,お店もあり,トイレも完備されていた.すっかり観光名所になっている.

自転車を駐輪場に置いて,滝の方へ行くと,ざぁーっと轟音が聞えてくる.木の階段を上ると「オシンコシンの滝」が姿を現す.

ウトロに来るまでこの滝のことをよく調べていなかったから,どのくらいの規模だとかいうのは全然知らなかった.実際に見てみると想像以上に迫力があってビックリした.

高さもあるし,水の量が多い.

ザバザバと勢いよく白いしぶきをあげながら,オホーツク海に向かって注ぎ込んでいる.海に近いところでも,落差の大きい滝が見られるのは珍しいのではないか?朝からいいものを見られた.

国道334号・天に続く道

ウトロから国道334号線を思考停止で20km走ると,本日2つ目の見所「天に続く道」に到着.海沿いから「天に続く道入口」までのアップダウンが地味に辛かった記憶がある.

「天に続く道」は斜里町の国道334号の一部に付けられた愛称.平野部をジェットコースターのようにアップダウンしながら一直線に貫かれた道路は,まさに「天に続いている」かのように錯覚する.

入口写真撮影スポットからの景色,圧巻だ…すごい.

天に続く道

入口には駐車場があって,たくさんの車が入れかわり立ち替わりやってきていた.やっぱり有名な観光スポットだから,車で来る人も多いみたい.

谷をひとつ下っていくと,展望台があり,さらに開けた景色が見えるようになる.

天に続く道

ひととおり景色を楽しんだら,ジェットコースターのような道を自転車で思い切り下る.富良野のジェットコースターの道もそうだったけど,自転車は観て楽しい走って楽しいで2度楽しめるのがすばらしい.

写真で綴る道央ツーリング|名寄・旭川・富良野・美瑛【2018北海道自転車旅】

天に続く道は,そのまま国道334号に接続する.入口で見えた”天に続いているような”直線道路を走って,斜里市街へ向かった.

斜里でお昼ごはんを食べることにした.

定食屋さんとかいろいろ探したけど,行くところすべて閉店か休業日か,営業時間外だった…そもそも斜里はそこまで大きい街ではない.

ということで困ったときは,セコマ飯.釧網本線・知床斜里駅前にあるセイコーマートにて,100円パスタとか菓子パンとかを買い込んで道の駅で食べた.結局セコマが一番手軽でどこにでもあるし,美味しいから,十分事足りる.ここのセコマはお昼の時間,多くの人で賑わっていた.地元の利用客もかなり多いみたいだったし,セコマは地元密着型だな~と改めて感じた.

R244・越川橋梁跡と根北峠

午後からは向かい風の中,峠越え.斜里と標津を結ぶ国道244号線をひたすら走る.

ツーリングマップルにも書いてあるけど,R244の斜里から標津まで50キロ間には,民家やGS,コンビニなど全く無い.ただひたすら,道が延びているのみである.午後の眠たい時間,気温も上昇する中,何も無い道を根北峠まで登るのは精神的にも辛い.しかし,裏摩周や国道391号まで迂回するのは面倒だし,距離も相当伸びるので,おとなしく根北峠を登る.斜里市街から峠までは20km少々.標高は487m.

峠までの登りの途中にある,唯一の見所は旧国鉄の【越川橋梁跡(第一幾品川橋梁跡)】.根北線の未成線区間に残された橋梁跡.

根北線越川=上越川間の橋梁として戦時体制下に建設されたもので,資材不足から鉄筋が使われていないコンクリートアーチ橋.1957年から1970年まで斜里駅から越川駅まで運行されていた根北線は,列車が越川橋梁を渡ることなく廃線となってしまった.幾人かの殉職者を出してまで造られた立派なコンクリート橋は,一度も使われずに役目を終えてしまったそうだ.

根北線 – Wikipedia

越川橋梁 – Wikipedia

現在では,国道244号拡幅に伴い,橋脚が2本ほど撤去されたそうだ.それでも,橋梁はかつての面影をしっかりと残していた.今では考えられないほど細い線路1本分の幅を,鉄筋の使われていないコンクリートの橋脚が幾重にも重なって繋いでいる.柵もガードもない,線路だけが橋脚の上に敷かれる予定だったのだろう.この上を走る列車に乗ってみたかったなあ.

Google Maps
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さて,橋梁から根北峠までは9km.ここから峠の頂上まであと300m以上は登る.徐々にキツくなってくる勾配に心折られそうになりながらも,ゆるゆる登っていった.峠までの道沿いには,本当にお店一つなかった.つぶれた商店の一つでもあるかな,とも思ったけどそんなのすらなかった.つぶれるお店すらないのだ.

つづら折れとか,急坂とかもないまま,峠の頂上に到着した.

根北峠頂上

昨日知床峠を登ったから,あっさりと頂上に着いてしまった感じがする.

根北峠の頂上は標津町と斜里町の境界.ちなみに根室振興局とオホーツク振興局の境界でもある.峠の頂上に着いたはいいが,ここには駐車帯しかない.景色もとくに見えない.完全な交通のためだけの峠だ.

知床峠が冬期間閉鎖中は,この根北峠が唯一,知床半島を南北に接続する道路となる.それなりに重要な道路であることは間違いない.ただ,自転車で走るには退屈な峠だった.

標津町・「海の公園」オートキャンプ場

根北峠から標津市街までおよそ30km.距離が長いので,気持ちよく下れない.下ったり登ったりを繰り返しながら標高を下げていく感じだった.もちろん標津市街に出るまでは商店ひとつないので,市街地まで無心で走った.

川北の集落を過ぎたあたりから,山がちな区間を抜けて平野に入る.地図を見るとわかるが,R244の標津側の区間はずっと直線道路.走っていると先が無限に続いているように錯覚されて,漕いでも漕いでも進んでいないような錯覚を覚えた.標津は鮭の名産地.それにちなんで,直線道路には「サーモン街道」なんて名前がついていた.青看板には「根室」の文字も見えてきた.この旅の目的の一つ「最東端・納沙布岬制覇」が近づいてきて,疲れた身体にもちょっと元気が出た.

標津まで忠類川沿いに走ったら,今日の宿へ向かう.

標津市街を南下した海沿いにある
しべつ「海の公園」オートキャンプ場

に宿泊.日没前に到着できた.たしか17時前だったかな?

1泊510円,ゴミ捨て場や炊事場,トイレがきちんと整備されていて,綺麗な芝サイトだった.近くにホーマックやセコマがあって買い出しもできる.

疲労した身体でなんとかかんとかテントを張って,夕食・風呂へ向かう.今日は長距離走ったし時間も遅いので,夕食は外で済ませることにした.

標津の食堂「亀代食堂」

GoogleMapで適当に探して見つかった
キャンプ場のすぐそばにある食堂,亀代食堂へ.

もう閉店の支度をしているところだったけど,店主さんが入れてくれた.ありがとうございます!

店に入るとおばあちゃんが丁寧にもてなしてくれる.標津産の牛乳をウェルカムドリンクとして出してくれたり,「弁当系のメニューはもうできないんよ~ごめんね~」と丁寧に説明してくれたり,とてもいい雰囲気の食堂.

注文したのは焼肉定食.プレートに載っかっている焼肉,洋食風の根菜炒めが付け合わせとしてついていた.

長距離走って峠も越えてきた身体に,温かいごはんがうまい…!柏崎で食べた焼肉定食(国産豚使用)にはさすがにかなわないけど,やさしいおばあちゃんの愛情がつまった美味しい定食だった.

公衆浴場くすのき

風呂は食堂から自転車で5分ほどの公衆浴場くすのきにて.

まちの銭湯といった佇まいだけど,浴槽は広くて,ちゃんと温泉が使われていた.海沿いの街なので,しょっぱくてヌルヌルとした泉質.熱かったけど,気持ちよかった.

ちなみに,食堂すぐ横にあるホテル(標津川温泉ぷるけの館ホテル川畑)は,日帰り入浴を行っていないとのことだった.注意!

風呂でサッパリして,涼しい海風の中セイコーマートに寄り道してからキャンプ場へ戻った.標津市街は静かだ...

まとめ:根室が近づいてきた

以上,21日目の記録.

一昨年のツーリングで行けなかったオシンコシンの滝や,天に続く道の絶景を見られてよかった.根北峠は退屈だったけど,途中にあった越川橋梁は鉄道好きの僕としては面白いスポットだった.タウシュベツ橋梁と同じくらい古くて貴重な遺産だと思う.もっと有名になってもいいのではないか?

標津の市街地まで来たことで,いよいよ根室まで100km少々になった.今回のツーリングの目的のひとつである「最東端・納沙布岬制覇」も達成できそうだ.

別海観光&花咲ガニが食べられる根室のライハ|標津~別海~根室【2019夏自転車旅㉒】
別海を観光しつつ根室まで走り,2000円のライハ「インディアンサマーカンパニー・ライダーハウス」に宿泊.

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21日目走行距離:100キロ
累積走行距離:1795キロ

食費:2,743円
宿代:510円(しべつ「海の公園」)
風呂代:440円(公衆浴場くすのき)
雑費:100円
合計:3,793円

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