【立席】北海道新幹線はやぶさ21号で北海道に渡る!|在来線で北海道をめざす旅⑤

2日目昼過ぎ,いよいよ新青森駅にやってきた.

新青森から北海道へ.
北海道新幹線で津軽海峡を渡る!

新青森から新函館北斗までは,利用客が多くない区間なので「立席特急券」を使うことで料金をちょっと節約できた.

3回目の北海道新幹線乗車記録.

北海道新幹線はやぶさ21号

名古屋から北海道へ,飛行機を使わず,
また,東海道・東北新幹線を使わずに移動する鉄道旅.

ルートは以下の図,青色で示した線.

今回紹介するのは,赤で示した部分(津軽海峡).

青森までの記録は以下の記事からどうぞ.

【振り子全開!】しなの3号自由席で名古屋から長野へ|在来線で北海道をめざす旅①
名古屋を8時に出発する「しなの3号」の自由席に乗って,まずは長野を目指す!
長野から飯山へ,北陸新幹線で3セク回避|在来線で北海道をめざす旅②
第3セクターに移管された長野~豊野間を北陸新幹線でワープし,一気に飯山まで.
雪国の絶景と十日町雪まつり!飯山線乗車記|在来線で北海道をめざす旅③
飯山から飯山線で新潟方面へ.雪景色の千曲川沿いをゆるやかに走るキハ110のボックスシートで極上のひとり旅.

立席特急券で乗る

新青森から新函館北斗までの乗車ということで,「立席特急券」を新潟駅のみどりの窓口にて発行した.乗車券は青森までだったので,学割乗車券も合せて買い足した.

なお,新青森までの特急「つがる」特急料金は,新青森駅乗り継ぎ扱いで,乗り継ぎ割引が適用された.ラッキー!

ちなみに,新青森→新函館北斗間を通常の指定席特急券で発券すると4,530円(通常期)

自由席だと指定席料金から530円引きとなる.北海道へ直通する「はやぶさ」には指定席のみ設定されているが,指定席に対して”立席”というシステムもある.これは「“立席”という名目で,指定席の空いている座席に座っていいよ」というシステムである.これが実質的な自由席扱い.したがって立席特急券料金は4,530円から530円引いて4,000円

新青森~新函館北斗間は,過去2回の乗車でいずれもガラガラ状態だった.

したがって,無理して指定席を買って列車を決めなくても
自由席(立席)で好きな席に座るので十分.

北海道新幹線は高い…

1時間少々で津軽海峡を渡れて,札幌・函館へのアクセスもいいのはありがたいんだけど

それにしても,青函トンネルくぐるだけで4,000円は高いよなあ・・・

青森=函館の移動だけで,学割効かせても6,000円を超えてしまう.

参考までに,フェリーなら2~3000円あれば津軽海峡を渡れる.
青森北海道間の移動手段比較

津軽海峡移動手段の比較(禁転載)

開業前にはこんな意見もあったみたい.

時間はかかるけどフェリー,高いけど速いから新幹線という棲み分けもなされているようだ.

新幹線開業前は特急『白鳥』『スーパー白鳥』で,手軽に海峡を渡ることができた.特急列車しか走らない青函トンネル区間(蟹田~木古内)は”青函特例“と呼ばれる,特急料金無しで特急に乗車できる制度も存在したらしい.上で引用した記事にも掲載されているが,青森~函館を特急で移動しても往復1万円程度だったらしい.つまり,新幹線とフェリーのちょうど中間的な立場で,手軽に利用できる手段が青函特急列車だったといえる.それが,新幹線一本に帰結したことで,価格と速さの二極化が進んでしまったということだ.

これから札幌延伸もされるらしいけど,料金に見合ったスピードアップか,もしくは料金を下げないと乗車率は向上しない気もする.このままではJR北海道は,北海道新幹線が「足かせ」になって経営が苦しくなると言えなくも無い.あくまでも短絡的な意見だが.

新青森駅を出発

そんなことを考えながら,新青森駅の乗り換え改札をくぐってホームへ.

乗車するのは

3021B
はやぶさ21号新函館北斗行
新青森1531=新函館北斗1630

はやぶさが入線する反対側のホームには,H5系が停車していた.

E5系とは帯の色が違うだけなんだけど,編成数が少ないので見かけると嬉しくなる.

出発数分前から接近のアナウンスがあり,E5系が滑るように入線.派手なブレーキ音を立てて停まる.

車内から続々と乗客が下車してくる.新青森までの乗客は結構多いんだよなあ.はやぶさ21号は東京から3時間10分で新青森までやってくる.新青森~青森は一駅だから,乗換時間も含めて4時間未満.いわゆる「4時間の壁」を切っていて,東北新幹線は東京=青森間でそれなりのシェアを誇っていると思われる.

東北新幹線と北海道新幹線の境界駅である新青森駅では,乗務員が交代する.ここからはJR北海道の運行区間.

列車に乗り込み,デッキから出発のようすを撮影.新青森駅の発車メロディは「ねぶた囃子」.特徴的なメロディと共に出発.

青函トンネルをくぐる

ブーン..と低めのモータ音とともに加速.津軽海峡へ向けて走る.

自動放送のあと,車掌によるアナウンス「これから,青函トンネルを通り,北海道へご案内いたします.…」旅情溢れるアナウンスでいいね.日本中どこを探しても,これほどワクワクする新幹線の車内放送はないと思っている.

さて,デッキから指定席の空席へ着席する.各号車,乗車率は30%ほどで,予想通りガラガラ状態だった.難なく窓側の空席をゲット.これなら立席特急券で十分だ.

この先,木古内駅にしか停まらないので,今空いている席はどこでも立席に相違ない.背面ポケットにあるJR東日本の雑誌を読む.沢木耕太郎の「つばくろ」が好き.

 

奥津軽いまべつ駅は,貨物列車を待たせて通過.外はいつの間にか吹雪だ.

いくつかのトンネルをフェイントのように通り抜け,青函トンネルに入ったら,しばらく読書タイム.

 

青函トンネルはこれで3回目だ.いずれも新幹線.かつてはここを在来線で抜けられたのが羨ましい.一度くらいは「白鳥」とか「はまなす」とかで青函トンネルをくぐってみたかったなあ.今となってはもう遅い.鉄道に興味を持つのと,時間的自由を得たのが,ほんの数年,遅かった.その間に国鉄特急は次々と姿を消し,寝台列車も幕引き.列島を小さくした新幹線は,わずかな国鉄の残り香を疾風怒濤の勢いで消し去ってしまった…

速さを手に入れると,旅情は失われてしまう.失われた旅情は簡単には取り戻せない.今からスマホを手放し,連絡は全部黒電話と紙の手紙でやってください,写真は全部フイルムカメラで,情報収集は図書館と新聞のみです,といわれても多分無理だ.心の弱い,常に便利さを追い求める人間は,常に前を向いて進むしかない運命にあるのかもしれない.

北海道上陸

と,そんなことを考えている内に青函トンネルを抜けて北海道に上陸.

外は粉雪が風に舞っている.木々の枝には着雪.すべてが白色の世界に変わった.

どこか別の国に来てしまったかのようにも思える.

温暖な瀬戸内育ちの人間は,ただ口を開けて窓の外を眺めていることしかできなかった...!

 

木古内駅ではほんの少しの乗客を降ろした.

整備新幹線とはいえ,200km/hを越えるとかなり速く感じる.そしてたたきつけるような雪の中でもスイスイと走ってしまう新幹線の技術力に驚いた.

新函館北斗到着,在来線へのりかえ

新函館北斗駅には12番線への入線.

上り列車は全列車が,11番線からの出発.到着列車は車両基地に引き上げるのかな?

 

12番線の隣には,13番線が形だけ作ってある.線路は無い.札幌延伸・開業したら,この駅も停車駅のひとつになって,ALFA-X(E8系とか?)が東京から札幌まで直通する日がくるのかな?

ホームはさすがに寒い.締め付けるような冷気が身体中にまとわりついてくる.行き止まりの札幌方を見ると,粉雪がぱらぱら.本州とは雪の質が全然違う.ああ,北海道に来たんだと実感した.

まとめ:どうなる北海道新幹線

以上,北海道新幹線乗車の記録.

かつては海峡線を特急列車が走り,今の道南いさりび鉄道は江差線としてJRの乗車券や青春18きっぷで乗ることができた.が,現在では鉄道による,青函トンネル通過の選択肢は実質新幹線一択になってしまった.

速くて快適なのはいいんだけど,ちょっと正規運賃が高すぎる.

もし事前に予約できるのであれば,えきねっとでネット予約してeチケットで新幹線に乗った方が断然オトクだ.

えきねっとトクだ値:20%割引
お先にトクだ値(乗車日13日前):40%割引

ただし,えきねっとの割引きっぷは,すぐに売り切れてしまうのが実情.

自分のように,突発的に「青函トンネルを渡って北海道に行きたい」という場合,正規運賃で乗るほかは方法がない.かつての青函特急であれば,そういう直前に決めてパッと乗る,というのでもそこまで高くなかったのだけど...まあ,仕方ない.

乗車率はあまり高くないみたいだし,札幌開業まではまだまだ時間がかかる.

どうなる北海道新幹線...

在来線で北海道をめざす旅

北海道新幹線に乗って北海道までやってきた.

最後は新函館北斗から札幌へ,「スーパー北斗」に乗る.

お楽しみに!

雪ニモマケズ,スーパー北斗17号で札幌へ|在来線で北海道をめざす旅(終)
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北海道新幹線乗車記

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船酔いが心配だった...18きっぷ片手に台風に追われるように北海道へ.

今回は北海道まで在来線で行きましたが,
名古屋北海道間を全部新幹線にすると,1日で移動できます(重課金).

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