読書を習慣化するために大学4年間でやったこと

高校まで,読書をする時間といえば,学校の朝の時間10分くらい.あとはほとんど勉強と部活の日々だった.そんな本を読まない自分だったが,大学に入って1か月くらいたった頃だろうか.大学生協の書店にふらっと立ち寄ったときに,「読書マラソン」というのがあることを知った.全国の大学生協が実施しているもので,1冊本を読むごとに簡単なポップのようなカードに感想を書いて,生協書籍のカウンターへ出す.これを10回繰り返すと,書籍の本なんでも15%OFFクーポンが手に入る.というもの.

大学生になったし,時間は有り余っているし・・・感想書いて出すだけでクーポン貰えるなら読書始めてみようかな・・・そのくらいの軽い動機で読書を始めた.最初はベストセラー本や自己啓発本など読みやすいものからはじめて,徐々にふか~い内容のもの,純文学にも手を出すようになっていった.最近は哲学本もかじったり.とにかく面白そうなものに手を出していると,次第に本を読むことの醍醐味がわかってきた.

大学院生になった今では,すっかり本を読むことが習慣化した.寝る前の1時間は,だいたい本を読んで過ごしている.リュックサックやカバンには,必ず1冊本を入れている.バスや電車の中は,絶好の読書タイムだ.

そうやって大学生活において読書を習慣化させた大学院生が,学部時代にやっていたことを紹介していく.

読む時間・場所を決めて読む

習慣をつけるためには,まず第一に「時間・場所を決めて繰り返す」ことが必要.

とにかくそこから.

自分は,以下の時間・場所で本を読むことを始めた.

  1. 大学の講義の休み時間(15分)に読む
  2. 寝る前にベッドで読む

大学の講義の合間には,15分程度の休み時間がある.移動しなければならないときは,15分もは時間はとれなかったけれど,それでも空き時間にちょっとでもいいから本を読む.自分は大学のすぐそばに下宿しており徒歩通学なので,通学時間に読むということはない.だったら,休み時間に読もうという考えだった.

そして,寝る前に,ベッドに寝転がって本を読む.

この2つの時間帯・場所で読むことを繰り返した.

書店へ行って本を買う

読む場所・時間が決まっても,本がなければいけない.

さて,本を手に入れる手段としては以下の4つが考えられる.

  1. 図書館(大学図書館,市民図書館)
  2. 古本屋(ブックオフ,古書店など)
  3. 通販(メルカリ,amazonなど)
  4. 書店(大型書店,地域の本屋さんなど)

自分が最も多く本を手に入れた場所は,「4. 書店」だ.

ここでは,読書を習慣づけるにあたって役立った「書店のいいところ」を書いていく.

それは,以下の3点.

  • あらゆるジャンル・新旧さまざまな本が揃う
  • 背表紙を眺めるだけで楽しい
  • 新品が手に入る=好きなように読める

特に,駅前や都心の大きな書店では,だいたいのジャンルにおいて品ぞろえがよい.名古屋だと,名古屋駅前のジュンク堂がオススメ.コロナ前は,月に1回~2回,このジュンク堂で暇をつぶしつつ,面白そうな本を2,3冊ほど買って帰っていた.

関連記事: お出かけついでに望遠レンズで名古屋駅のビルを撮影してきた

書店で新品の本を買って帰ると,机や本棚にいわゆる「積ん読」状態が形成される.それらはすべて,自分でお金を出して買ったもの.これによって,本を読む習慣がなくても,読んで元を取らなければ!という気持ちが醸成される.

『声に出して読みたい日本語』で有名な齋藤孝先生は,以下の著書などにおいて「本はお金を出して買うべき」と勧めている.

面白そうな本から読む

書店で買うべき本は,「背表紙を見て面白そう」と思った本だ.

読書による自己啓発を勧める本を読むと,そこで薦められている書籍は,難しそうな古典や歴史の解説本,さらには本格派ビジネス書であることが多い.

しかし,これらはすべて「ある程度活字を読むことができる」読者を対象にして書かれている.よく考えてみて欲しい,まず「本を読むことを習慣にしよう」と考えている人が,そんな難しい本を読んで,果たして面白いだろうか?

「終わりより始めよ」とよく言われるが,読書に限っては「とりあえず始めてみる」の方が大切だ

自分の場合はまず,比較的ライトなビジネス書から読み始めることにした.いわゆる”自己啓発本”を読んでみた.以下の2記事は,そのうちのごく一部を「読書記録」として文字に起こしたものだ.

【読んだ】モチベーション革命|理想の生き方を自分なりに考えてみた

『内向型を強みにする』は独り好きで引っ込み思案な人のバイブルだ!

今読み返すと,恥ずかしさで顔を覆いたくなるような黒歴史的な記事だが・・・自己啓発本は,読み手をグイグイと引き込み,読者に暗示をかけることにおいて優秀なので,とりあえず習慣をつけるためには数冊読んでみるといい.

自己啓発本に加えて,面白そうな新書も片っ端から買ってみた.高校時代は読書の習慣がなかった,と書いたが,新書だけは読むことができたし,ほんの少し面白さも感じていた.新書は,自己啓発本より堅い内容のものが多いが,自分が興味のある分野についてのものであればなんとか読み進められた.

参考: 今年読んで面白かった本(2019ver.)

1冊ごとの読書記録はつけない

読書をはじめるにあたって,読書記録を付けるべきか否かということもよく聴かれる.

読書から知識を肥やし思考能力を耕すことが目的ならば,読みっぱなしではいけないとも考えられる.しかし,読書を習慣化するという目的からは,読書記録は不要だ

どうしても,自分が読んだ記録を残したい!という場合は,手帳の白紙ページに

  • 通し番号
  • 読んだ日付
  • 本のタイトル
  • 著者

の4項目を,1冊につき1行メモしておけばいい.それ以上の感想やメモを残そうとすると,読書を習慣化する負担になる.たとえば以下のような具合にメモをする.

2列目:冊目は,大学の読書マラソン用に記録していたもの.面白かった本には◎を打ってある.それ以上の感想は記されていない.

もし面白いと思った考えがあっても,今後多くの本を読んでいくと,その考えが必ずしも正解ではないことがわかってくる.ある程度の冊数を読み終えるまでは,その考えが一方向からの視点でしかないことに気づけない.

だから,読書を習慣化する段階においての,読んだ本の感想や考えのメモは不要だ.とにかく冊数を積み上げ,それだけを記録に残して,本を読めるようになってきた!という自信をつけることが大事だ.

まとめ:実は読み書きが好きだったという事実

高校までまったく本を読まなかった自分だけれども,大学に入ってから読んだ本は,もう100冊以上になっている.正直,自分でも驚いている.意外と活字が好きだったのだ.最近はむずかしめな哲学本も,少しずつ読めるようになってきた.

参考: 【自省録】それは自分が本当に欲しいもの,やりたいことなのか?

プロフィールにも書いたけれど,家族では自分だけ理系.父も母も兄弟もみんな本が好きだった.本屋に行ったら自分が一番最初に飽きてしまって,フロアの椅子でぼーっと待っているような,そんな感じだった.

でも実は,自分が「理系」だと思い込んでいるだけで,実際は家族同様,活字を読んだり,書き物をしたりするのが好きだったのだ.それに気づくのが少しだけ遅かった・・・高校時代に本を読んでいれば,もうちょっと人間味あふれる文章が書けるようになっていたんじゃないか?なんて思ったりする.

本を読んでいると,もともと内向的なのが,内省の深まりによって,ますます内向的になっていく.最近は,”生きているコミュニティ”も狭まってきて,つながりがある人といえば,家族と研究室くらい・・・・.でも,まあ,そのくらいのコミュニティでも十分生きていけるな~と,最近は思うようになってきた.いろいろなことについて,考えることは楽しい.読書は,その「考える」ためのヒントやアイデアをくれる.

参考: 結局いちばん面白いのは「つくって」「考える」こと

関連記事

紙の本がいいか,Kindleがいいかについては以下の記事に書いた.

紙の本が好きだけどKindleも捨てがたい|読書のあり方

いろいろな本を読むことで,読解力が付いた.これによって,大学の教科書を読むスピードがかなりあがった.院試免除がとれたのも,そのおかげかもしれない.

筆記試験免除の大学院入試で内定をもらった~書類選考と面接