欲しいと思うものや,やりたいと考えていることはたくさんある.
しかし,それらは「心から」欲しい・やりたいことなのだろうか?
実は,自分以外から植え付けられた欲望に過ぎないのではないか・・・?
紀元前後を生きた偉人の本を読んでいて,考えたことを書く.
他人本位になっていないか?
気を抜くと,情報の海に溺れそうになる.
自分で考えるのを辞めてしまいそうになる.
そうして,自分の脳が,他人本位の思考に埋没していく.
本当にやりたいこと・欲しいものを見出すためには,自分本位で考えることが必要.
すべての人生は必ず終わる
人はいずれ死ぬ.
自分も,周りにいる人も,その子孫もすべて,いずれは死んでしまう.
いずれ死んでしまう人の脳内に生きる,あらゆる記憶・名誉・業績も何もかも,人が死んでしまえばそれまで.
口伝えや記念碑で残せないこともないけれど,「都市」や「人が住む場所」が消滅してしまえば,途絶える.
自分に関するなにもかも,いずれは消えてしまう.
人生なんてしょせん,そんなもの.
だから,他人にどう思われているかとか,自分がどのような功績を残したのかとか,そういうことは人生において本質的ではない.
明日はミイラ,灰.
自然に還る.
すべては自然から生じたものであって,降りかかる出来事に善悪はない.ただの運命.
「善悪」を決めているのは人間の内なる「主観」に過ぎない.
人生即主観.主観を持たないということはつまり,人生を生きていないということになる.
溢れかえる第三者の評価=レビュー
最近,主観を持たない,奪われている人が多いのではないか.
先の話から考えると,そのような人々はすなわち「自分の人生を生きていない」ということになる.
スマホ・インターネットが普及したことによって,「他人がどう考えているか」を容易に知ることができるようになった.
外食をするときは,GoogleMapのクチコミを見る.
欲しいものを買う前に,レビューサイトや比較サイトを巡回する.
そもそも何が欲しいのか?という感情も,メーカーの美しい宣伝文句に(見事なまでに)わしづかみにされている.
旅行に行くときは,雑誌やYouTubeで目にしたところを中心にプランを立てる.いや,そもそも旅行代理店にあるプラン旅行を選ぶかもしれない.
就職だって,自分が「こうありたい」という信念よりも,ほかの人が評価した会社評を中心にして進めていく.
*
挙げればキリがないが,とにかく現代社会では「他者評価」があふれかえっている.
それも,顔の見えない第三者の評価だ.
インターネットにいつでもつながるゆえ,気を抜くとすぐに他者評価が目に入ってくる.
他人の情報に乗っかるのは悪いことか?
他者評価を参考にすることで,エネルギーを節約することができる.
つまり,「ラク」に生きられることは間違いない.
なぜエネルギーが節約できるか?というと,「考えなくてよい」からだ.
レビューでもなんでも,受動的に比較することで,なんとなく最適解を見つけた気分になれる.
比較過程においては,自分で思考することはほとんどない.
*
しかし,「考えない」と,どんどん「第三者の評価」に染まっていく.
すると,自分の「欲望」は跡形もなくなる.
残るのは,他人色に染まった偽物の欲望のみだ.
先ほども書いたように,人生すなわち主観だとすると,
「他人の情報に乗っかるだけ」では「自分の人生を生きていない」ことになる.
エネルギーを投入して思考する
昔の人は,もうちょっと少ない他者からの情報と,
多くの自分の考えの中で,生きてきたのではないだろうか?
もしそうだとすれば,現代を生きる人よりも,自分本位な人生を送れていただろう.
自分で考えるためには,
- それなりのエネルギーと,
- 周囲に惑わされない自信と,
- 実行に移す勇気
が必要になる.
自分で考えることは,つまり他人からの情報を比較するより,大変なことだ.間違えた結論を導き出す確率も高いかもしれない.
でも,自分で思考することを中心に据えれば,いろいろな問題に対する答えを,自分の価値観を軸にして見つけられる.そこに他人の意思や評価が存在する余地はほとんどない.
たとえ自分で考えたことが間違いだったとしても,損するのは自分だけ.別に周りのひとが損するわけではない(迷惑かもしれないが,どうせいつかは忘れられる).だから,間違ってもかまわないと思う.それが,自分で思考した結果なら.
そうして主観を中心にして考えた結果は,おそらく自分の「本当」の欲望に従っている.
その結果が,本当に欲しいもの,やりたいことなのだろう.
何かを買ったり,
これからやることを考えたりするときは
主観を大切に.
実は自分にとって不必要なのに,「幻想」を抱かされて,
そのような不必要なものをつかまされることがないようにしたい.
まとめ:「自省録」より
以上,「自省録」を読んでいて考えたこと.
この本を書いたのは,ローマの哲人皇帝,マルクス・アウレーリウスという人.紀元100年代を生きた人だ.
今から2000年近くも前に生きていた人の本から,いろいろと考えさせられるなんて・・・
哲学本はやっぱりすごい.難しいけど,読み甲斐がある.
結局,自分で考えることが大事.
これ,どっかで聞いたことあると思ったら,ちきりん氏の本だった.
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1カ月無料,2か月でも99円で体験ができるようです.
コロナ巣ごもりの暇つぶしにどうぞ.