紙の本が好きだけどKindleも捨てがたい|読書のあり方

コロナによる外出自粛期間中は,新しい本を手に入れるために図書館や本屋さんに行くことができなかった.

そこで活躍したのがKindle.

本屋へ行くことなく,amazonからダウンロードして本を読むことができる.Kindleにとっては当たり前だけれど,外に出られない状況では,ダウンロードで本が読めるのが便利.

読書するなら紙の本が好きだ.けれど,外に出られなかった自粛期間で,Kindleもなかなか捨てがたいということに気づいた.

これをいい機会に,読書のあり方についてちょっと考えをまとめておく.

紙の本かKindle(電子書籍)か

KindleやiPadなどの電子書籍と,紙の本について,どっちがいいかというのは個人によって好みがわかれるところ.

正直,どちらも一長一短.一概に「こっち」とは決められないな~と,最近思うようになっている.

Kindleのいいところ

Kindleのいいところは,以下の4つが挙げられる.

  • 外に行かなくても買える
  • 紙版より安い(ことが多い)
  • 寝っ転がって読みやすい(片手で持てる)
  • 省スペース化

今回のコロナによる自粛期間において,1つ目の「外に行かなくてよい」というのは大活躍だった.

大学3年の後半くらいから,あんまりKindleは使っていなかったのだけれど,この自粛期間中は再ブレークといった感じ.自粛期間中に買った本は,全部Kindleで読んだ.

書籍の電子化を行っていなかった東野圭吾氏が,緊急事態宣言下限定で電子書籍を販売したニュースは記憶に新しい.

また,紙だとかさばる大長編・シリーズものの歴史小説も,Kindleだと手軽に買うことができる.

コロナで大学に行けなくなってからの日常
家にいる時間が長いので,自炊・読書・散歩など,ストレスを貯めないようにしています.

上の記事で紹介したのは,司馬遼太郎「坂の上の雲」は,8冊にも及ぶ大長編.紙でそろえると本棚の容量はたちまち圧迫されてしまう.ニトリのカラーボックスひとつしか本棚を持っていない下宿大学生にはちょいと厳しい.

Kindleなら,クラウドデータなので,省スペース化できる.

春休みに引き続き,コロナで大学が休みになった期間を活用して,この長編は全部読破することができた.Kindleだからこそ,紙の本特有の「積読による読まなければというプレッシャー」に圧迫されることなく読み進められたのかな~と思う.Kindle自体軽いので,寝る前にごろっと寝転んで読めたのもよかった.

紙の本のいいところ

一方,紙の本のいいところは以下の3つ.

  • 運命的な出会いがある
  • 内容が頭に残りやすい
  • 書き込み・折り込みが速い

特に1つ目と2つ目は,Kindleより優れている特筆すべき長所だと感じる.

まず,紙の本を手に入れる場所は,図書館や町中にある書店である.これら「リアルな売り場」が,Kindleストアと決定的に違うのは,運命的な出会いがあること.

本棚の間を1~2時間,背表紙を嘗め回すように見ながら歩き,「おっ,これは面白そうだ」という背表紙を見つけたら,パラパラめくってみる.流し読みして面白そうだったら,ジャンルを問わずに買ってみる.

名駅前のジュンク堂書店は定期的に訪れるお気に入りの書店.

画像引用:honto店舗情報 – 名古屋店:ジュンク堂 – 店舗詳細

ビビッとくるタイトルのものは,ずらりと並んだ本たちのなかでキラッと光っている感じがするもの.そのようなリアルな書店での「宝さがし」は,Kindleストアでは味わえない偶然の出会いを生んでくれる.

読書は自分の教養を広げるため,ということばをよく聞くが,リアルの書店でブラブラすることはまさに教養を広げてくれる素晴らしい行為だと思う.それによって,自分が普段読まないジャンルの本に手を伸ばし,お金を出して買って,帰りのバスや電車の中で読む.すると,今まで読んでこなかったそのジャンルの面白さに気づく.面白いからまた本屋に行って「運命の本」との出会いを求める・・・これを繰り返すことは読書の魅力の一つではないかと思う.

何かの本で,「本屋で背表紙を眺めながら歩くだけで賢くなった気分になれる」という文章を読んだ記憶があるのだけれど,まさにそんな感じだ.

***

また,紙の本は,Kindleよりも記憶に残りやすい(感じがする).これはあくまでも個人的な感想・感覚であって,一様に「紙の本がいい」というわけではない.

紙の本が記憶に残りやすい理由はいろいろ考えられるけど,ひとつあげるとするならば「物理的な存在感と空間的な距離感」というもの.

Kindleでの読書は,平らな画面に映し出されているものを「見ている」という行為に近い.

一方,紙の本は,物理的な厚さがあり,手で持つと曲がり,重みがあり,ページをめくると音がする.視線をまっすぐにしてよんでいるつもりでも,右から左へ,ページの最初から終わりに行く間に,目の角度が大きく動いている.残りのページ数が少ないのは,左手に持っている紙の薄さで気づくし,書店で手に取ってみた分厚い本は「この本は気合入れて読まないといけないだろうな~」とわかる.

無意識でも,物理的な距離感で,勝手に「強弱がつく」のが紙の本だと思う.

紙の本を読み終えたとき,脳みそが「Aという内容は,ここら辺のページの左側30%くらいにある」と,距離感とともに覚えてくれているような感覚が残る.また,読み終えた本の物理的な存在が,本棚に残る.このような身体に染みついている感覚・読み終えた本の物理的な存在感から,本の内容が記憶によく残っていると感じるのだと思う.

場面・ジャンルで使い分ける

自分は紙の本が好きなのだが,もちろんKindleにもいいところがある.

どちらがよくてどちらがダメ.という極端な考え方から,どちらかを切り捨てて完全に軸足を移してしまうと,切り捨てた方の長所が消えてしまう.それはもったいないこと.

だから自分は,Kindleも紙の本も並行して使っていきたいと考えている.

 

たとえば,場面やジャンルで使い分けるという方法がある.

  • 旅行や帰省など,あまり荷物を増やしたくないというときには,物理的なスペースが少なくて済むKindleやタブレットを使いたい.
  • 外出ついでにぶらっと立ち寄った本屋で,きらりと光る「運命的な出会い」をした本は,紙で買って帰ってじっくり読む.
  • じっくり腰を据えて読みたい,専門的な要素が強い本は紙の本で読みたい(これには大学の教科書や専門書があたる).
  • 小説や新書,内容が軽めなものはKindleで読みたい(ただし,小説の中でも著名な作家さんが書かれたものには電子化されていないものも多い,そういう本は紙で読む).

といった具合だ.これはあくまでも個人的な例に過ぎない.

余談になるが,自分はやっぱり紙の本が好きだ.もし,社会人になって金銭的な余裕ができたなら,自分が読みたいと思った本を紙で躊躇なく買いたいし,書斎のような部屋をつくってそこに大きな本棚を置きたい,なんて思っている.

画像:読書の秋にぴったり!趣味に没頭できる書斎&趣味コーナー4選|create-shin.com

結局,Kindleも紙の本も「読書」という行為の形態にすぎない.あんまり考えすぎず,新しい出会いを大切にして,自分が面白いと思う本を読んでいくのが大事なのではないかと思う.

まとめ:読書という知的な世界への入口

大学に入ってから,毎日本を読む時間をつくるように意識してきた.

ここ最近,ようやく「面白い本」と「そうでない本」の見分けがつくようになってきた.

一方,まだまだ読めていない・手を出せていない,というジャンル・作家さんも多い.

本を読むと,自分がもっているちっぽけな世界観が大きくなる感覚がある.それがたまらなく面白い.充実した人生を送るためには,そういう知的な面白さが必要なのかな~と考える.

***

最新版のKindlePaperwhiteは,防水でかなり高性能らしい.今持っているPaperwhiteは,動作がもっさりしてきているし,起動しないこともあったし,タイムセールになったタイミングで買い替えるのもあり.

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