銚子電鉄で犬吠埼灯台を観に行こう

房総半島鉄道旅2日目。総武本線の終点・銚子までやってきた。旅を終えるにはまだ少し早い時間だった。せっかく銚子まで来たので,銚子電鉄の電車にも乗ってみることにした。ついでに,犬吠駅から歩いて犬吠埼灯台へも行ってみた。

銚子電鉄は,銚子駅から外川駅をむすぶ私鉄。経営が苦しかった時期に,副業だったぬれ煎餅の売上を増やして,存続の危機を乗り越えたという逸話がある。ただ,ぬれ煎餅だけで経営状況を劇的に改善させるのはむずかしいようで,傍からみるとよく鉄道の運行をつづけているな,という印象を受ける。

年始期間ということで,「迎春」のマークを掲出していた。

さて,そんな銚子電鉄の電車は,銚子駅のJR線ホームから少し犬吠方面へと歩いたところにいた。銚子駅内には,銚子電鉄専用の改札口はない。JRの列車から直接乗り換えるには,銚子電鉄の電車の車内で車掌さんからきっぷを買えばいい。

今回は,いちど終点の外川まで行って,すぐ折り返し,犬吠で降りることを考えた。ちょうど車掌さんが,外川までの往復運賃と同額のフリーきっぷがありますので,そちらで発券しますね,と気を利かしてフリーきっぷを売ってくれた。

南海の中古車は,路地裏の線路をゆっくりと走っていく。コンプレッサの音がいい。最近の電車に積まれているコンプレッサは,こんな仰々しい音は立てなくなった。車内では,各駅ごとや沿線のポイントを通過する際に,自動放送にて案内がされていた。このあたりでは,冬が温暖なのを活かして,キャベツを作っているらしく,キャベツ畑がとても多かった。林のトンネルを抜け,海が見える区間もあった。これから行く犬吠埼の灯台もちらりと見えた。

外川ではすぐに折り返し。駅舎は昭和の雰囲気をそのまま残していた。ドラマや映画のワンシーンが,そこにあるような感じ。

終点の外川(とかわ)駅。すぐに折り返す。「ワンマン」とあるが,車掌は全線で乗務していた。

外川駅には,「デハ801」が青空の下,展示されていた。外川駅で見た時は知らなかったが,じつは出自が伊予鉄道らしい1。1950年生まれなので,今年で76歳。暖かい日差しのとどく静かな場所で余生を送っている。

外川駅の本線末端にある車止めの先には「デハ801」が停まっていた。調べてみると,この車は,当初伊予鉄道で活躍していたらしい。

折り返しの電車で犬吠駅へ。ここで下車。

犬吠駅から犬吠埼へは,10分少々歩けば行くことができる。

犬吠埼にある犬吠埼灯台は,全国に16ある「のぼれる灯台」の1つ2。せっかくなので観覧料を払って上ってみた。上部へ向かってすぼむような円筒になっていて,その中を螺旋状にぐるぐると階段が続いている。暗い中の螺旋階段を上り続け,目が回りそうだ,と思ううちに階段とその周りの空間は狭くなり,やがて出口に出た。

外へ出ると,かなり高い。犬吠埼自体が崖というか岬というか,海から高いので,その高さと灯台の高さで,結構な高度感がある。もちろん太平洋は絶景。

外からみると,灯台の形がとても美しいことに気づく。

近くにあった霧笛(むてき)は,最近まで現役で稼働していたのを,休止をきっかけにそのまま静態保存しているらしい。かまぼこ型の建屋の中も見学することができた。いかにも昔の機械という感じで,電子制御が当たり前になった現代では,まず見られない代物。

公園内を歩き,いか焼きを買い,海を見ながら食べ,そして黄昏れた。帰りは,16時44分犬吠発の電車で銚子まで帰った。

銚子駅のホームにE259系(「しおさい」)が停まっていた。銚子電鉄と比べると,ずいぶん高性能だし,デザインも近未来的だ。

銚子駅で出発を待つE259系「しおさい」

この日は銚子市内のホテルで一泊。

(つづく)


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  1. 銚子電気鉄道株式会社:「外川駅の「デハ801」」,URL:https://www.choshi-dentetsu.jp/railway/1951/ (最終アクセス日:2026/03/08) ↩︎
  2. 公益社団法人 灯光会:「見学できる灯台 アーカイブ」,URL:https://www.tokokai.org/tourlight/ (最終アクセス日:2026/03/08) ↩︎

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