【NEX】E259系成田エクスプレスに乗車|成田空港→大船

前回の記事に書いたように,「のんびりホリデーSuicaパス」をつかって,横須賀線・総武快速線を直通する普通列車に乗車し,成田空港までやってきた。

このきっぷでは,別途,特急券を買うことで,在来線特急列車にも乗車することができる。

そこで,成田空港から横須賀線方面への復路では,特急「成田エクスプレス(NEX)」に乗車してみることにした。

成田空港を散策

成田空港駅で降車してから,NEXに乗るまでの間に,空港のなかを散策した。

空港では,JRも京成線も関係なく,一種の交通機関(鉄道)として案内される。

せっかく空港に来たのだから,飛行機の写真でも撮って帰るか。そう思ってデッキに行こうとすると,改築中のために立ち入ることができなかった。残念。。しかたがないので,ショッピング施設でウィンドウショッピングしたり,フードコートを眺めたりした。

そのあと,空港のなかにあるタリーズコーヒーで一服した。成田空港は,国際空港だ。第1ターミナルには,海外ゆきの飛行機も多かった。まわりには,外国人ばかりいた。日本なのに外国にいるような気分でコーヒーをのんだ。

ここで帰りの電車を予約した。えきねっとにて,「成田エクスプレス」の指定席を予約した。出発の1時間前くらいだった気がするが,この時点ではまだ,空席ばかりだった。1両あたり数人しか予約していなかった。

成田空港→大船の特急料金

特急料金は,「チケットレス35%OFF」割引が適用されたことで,成田空港→大船:1,550円だった。行きの普通列車グリーン券(逗子→東京→成田空港:101キロ以上)と同価格だ。

NEX出発までもう少し時間があったので,バスターミナル側へも行ってみた。

南ウィング側。南北ウィングをつなぐ建物には,「成田国際空港」とある。英訳は「Narita Airport Terminal 1」。すなわちここは,第1ターミナルだということ。

2つの空港特急

今回は成田空港までJR線(横須賀・総武快速線)に乗って来た。いっぽうで,成田空港には京成電鉄も乗り入れている。空港駅(第1ターミナル)では,JRと京成とが並ぶようにして改札を設置している。

京成のほうは,「スカイライナー」というアクセス特急を走らせている。在来線では日本最速の特急列車となっている(営業最高速度は160 km/h)。

スカイライナーは,NEXと競合している。どちらのほうが人気なのかと気になったので,改札口付近でようすをみていた。京成のほうは,日本人のみならず,外国人も頻繁に行き交っていた。人の流れが速い。乗り慣れているひとが多そうだ。

京成側のきっぷ売り場兼案内所。スーツケースをもった外国人をはじめ,多くの客が行き交っていた。

一方でJR改札は,自動券売機に人が並んでいるものの,京成と比べると,列の進み具合や人の行き交い方はゆるやかだった。あまり鉄道に乗り慣れていない日本人や,外国人が中心であるように見えた。これから観光にいくために,JRのSuicaを買い求めているようなひともみられた。

JRの乗車口は,京成と並んでいる。右手にあるのが成田エクスプレス(NEX)の券売機。券売機に並ぶのは,多くが外国人,もしくは,鉄道をあまり利用しない日本人と思われる。京成のきっぷ売り場と比べると,いくぶん落ち着いている(空いている)ように見える。

この日の観察のようすからすると,どうやら,京成のほうに分があるようだった。

成田エクスプレス(NEX)で帰ろう

改札の行列を横目に,モバイルSuicaをタッチしてホームへ入った。乗車券部分は,「のんびりホリデーSuicaパス」に紐づけてある。

東京で切り離されて大船と新宿へ向かう

乗車するのは,16:44発の「成田エクスプレス38号」だ。これに乗って,終点の大船まで向かう。行き先は,大船:新宿となっている。これは,NEXが,途中の東京駅にて,2つに切り離されるため。

成田エクスプレスの行先案内。基本的に,東京駅から大船ゆきと新宿ゆきに分かれる。

JR側のホームは,1面2線の島式になっている。待合室は,1番線と2番線の間にある。壁面には,NEXをモティーフにしたイラストによって飾られている。先ほどの行き先が,わかりやすく描いてある。東京から南へむかうNEXの経路上には「YOKOHAMA」とある。読んで字の如く,大船方面へむかうNEXは,横浜への利用を意識して設定されているのだろう。

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新塗装のE259系

壁面に描かれている車両はE259系。これはいまも変わらないが,塗装がすこし違っている。ここに描かれているのはいわゆる「旧塗装」だ。旧塗装時代のE259系は,基本的にNEX専用列車として運転されていた。

それが最近では,次の写真の塗装に変わっている。具体的にはまず,前面の貫通扉が銀色かつ「SERIES E259」の文字のみ記されている。NEXという文字はなくなった。

これは,E259系がNEXのみならず,特急「しおさい」(総武本線)にも充当されるようになったためらしい。たしかに,「しおさい」の車両に「NEX」と書いていたら混乱しかねない。

車体側面にも,大きな字で「SERIES E259」と書いてあった。シルバーメタリックにディジタルライクな文字は,近代的かつスピード感がある。空港アクセス特急にはふさわしいデザインといえる。

ただし,天井まわりのカラーリングや車体の形状は変わっていない。ゆえに,全体のイメージとして,やはりE259=NEXというイメージは変わっていなかった。

実際,この間の出張で,用事があって新小岩あたりで降りたときに,ちょうどE259系が「しおさい」として入ってくるのを目撃したことがあった。放送や案内を見ていなかったので,これが「しおさい」だとは思わなかった。前面の貫通路のデザインが大幅にリニューアルされていても,だ。

E259系は,デザインがいちどリニューアルされている。斬新すぎるデザインゆえに,いまでも「最新型車両」という雰囲気を醸し出している。ただ実際には,もっとも古い車両で,登場から15年以上経過している。車体側面の行先案内表示まわりから,経年具合を感じられる。

そうはいっても,この車の本業はNEXだ。空港駅に居て,キャリーケースを転がす旅客の前にいれば,じゅうぶん恰好がつく。

NEXの出発を待つ空港利用客。日曜夕方だったので,日本人客が多いようにみえた。ほとんどの客がキャリーケースを転がしている。いかにも空港駅らしい景色だ。

NEXの車内および混雑具合

さて,折り返しの車内清掃が終わったので,車内に入った。日曜日の夕方ということもあって,観光から帰ってくる乗客が多く乗車してきた。前後左右はもちろん,品川までは隣にも乗客がいた。私が乗車した大船ゆきの車両は,乗車率が6割~7割くらいだった。

座席は,JR東日本の特急列車によくみられる,背面の大きい,プライベート感のあるものだった。赤い差色がカッコいい。

車内環境で特筆すべきは,キャリーケースを置けるスペースが確保されていることだ。これは空港アクセス特急だからこその設備だといえる。

乗客が多いから,少々騒がしいところもあったが,まずまず快適な車内だった。

もちろん速さでいえば京成スカイライナーに負けてしまう。ただ,東京以南へのアクセスであれば,のりかえなしでいけるNEXに分があるだろう。もちろん,新宿ゆきのNEXに乗れば,渋谷や池袋にも行きやすい。これらは,NEXが上野どまりのスカイライナーに勝るところだ。とりわけ海外の観光客には使い勝手がいいのだろう。

終点の大船駅に到着したE259系。一時は,ここから横須賀線へ乗り入れていたこともあったらしい。現在では,定期列車のすべてが大船どまりとなっている。

もう6月。大船に着いてもまだ明るかった。かつては,横須賀線へ乗り入れるNEXもあったらしいが,現在では基本的に大船(東海道線)どまりとなっている。

おわりに

幼いころに電車図鑑で見かけてから,名前だけは知っていた「成田エクスプレス(NEX)」にようやく乗ることができた。できることならば,初代NEX(E253系)と乗り比べてみたいが,この路線ではもうできなくなっている。ちなみにE253系は,現在,長野電鉄の特急として活躍しているらしい。長野方面へ出かける機会があれば,ぜひ乗りに行ってみたい。

それから,総武本線の特急「しおさい」にのって,銚子方面へも行ってみたい(そしてそして「銚子電鉄」に乗ってもみたい)。「わかしお」や「さざなみ」にも乗りに行かねば。

という具合に,また乗りたい特急をふやした旅になりました。乗ってきたらまた,レポート書きますので,ここで会いましょう。

(つづく)

前の記事 【JO】横須賀線・総武線直通列車で成田空港へ

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Rin Suigetsu, Ph.D.

鉄道を主とした一人旅の見聞録を書いています。特急列車と国鉄型・凸型の電機が好き。ときどきロードバイクにも乗ります。写真はPENTAX K-3iiiで撮っています。博士(工学)。

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