
北海道&東日本パスの旅2日目。
2日目は,まず,宿泊地:長岡を昼過ぎに出発したあと,上越線で小出駅へ移動した。それから,小出駅にて只見線の普通列車へと乗り継ぎ,全行程4時間超の旅へと乗り出した。
只見線へのアクセス|上越線で小出駅へ
只見線の列車は,後で書くように,日中の会津若松ゆきが1往復しかない。そこで午前中は長岡駅周辺にて時間をつぶしたあと,上越線1734M越後湯沢ゆき(12:34長岡→小出13:09)にて,小出駅まで移動した。


長岡市街を抜けると田園地帯を走った。信濃川沿いへと至ると,少しずつ山が近くなってきた。途中の越後川口と小出駅にて,まとまった乗降があった。前者は,飯山線への乗り換え駅,後者は,只見線への乗り換え駅だ。飯山線については,過去にいちど乗りに行ったことがある。
関連記事 雪国の絶景と十日町雪まつり!飯山線乗車記|在来線で北海道をめざす旅③
小出駅では,上越線から只見線へのりかえ。乗換時間はちょっと短い。すでに只見線の列車(キハE120)が,向こう側のホームに待ち構えている。写真を撮ったら,跨線橋を昇降して急ぎ足でのりかえた。


只見線を走る車両とその車内
小出駅からは,只見線普通列車会津若松ゆき(430D:小出13:12→会津若松17:24)にのりかえた。この列車は,キハE120形気動車2両編成での運転だった。
只見線は,2025年現在,主にキハE120とキハ110の2種類の気動車で運転されているようだ。

キハE120は,セミクロスシートの座席配置になっている。ボックス席は,2+1。会津若松ゆきの場合は,進行方向左側が2列掛けのボックス席,右側が1列掛けのボックス席となる。ボックス席は,シニアを中心とした鉄道ファンでだいたい埋まっていた。2両編成の車内は,各人が好きなように座るのにちょうどいい乗車率だった。



各車両にはちゃんとトイレがついている。また,今回乗車した430Dは,只見駅・会津川口の各主要駅にて,10分程度停車する。トイレについては,これらの駅の停車中に駅設備を利用することもできる。

もう1種類の車両(キハ110系気動車)は,この日,小出ゆき427D(会津若松13:05→小出17:47)に充当されていた。この列車とは,会津川口駅にて,行き違いを行った。写真のように,キハ110+キハE120という異種併結での運転だった。

2025年現在のダイヤでは,只見線を日中に全線走破するのは,ここまで紹介した2本の列車1往復のみだ(430D,427D)。ちなみに10月下旬~11月上旬の紅葉シーズンには,これらに加えて,もう1往復臨時列車が設定されている(2025年ダイヤ)1。いずれにせよ列車の本数はきわめて少ないので,混雑をできるだけ避けられるよう,ハイシーズン以外に乗りに来るのが賢明かもしれない。
山間部の区間では,上の写真くらいの乗車率がずっと続く。唯一,只見駅にて,1割ほどの観光客と地元客が乗降するくらいだった。それから,会津若松の平野へと降りてくると,通学の中高生がどっと乗ってくるイメージ。
只見線の車窓
キハE120形は,県境より新潟県側では,比較的快調に走る。車窓は,ほどよい田舎という具合。田んぼはちょうど稲刈りの時期で,黄金色の稲穂が風にそよいでいて気持ちいい景色だった。




いっぽうで,福島県側に至ると,只見川の蛇行に沿うようにして,線形が悪くなった。同時にスピードも乗らなくなってくる。

駅の有効長も1両分しかなくなる。ワンマンカーだから問題はない(乗降は前側1両のみ)けど,後ろ側の車はホームからはみでて停車するようになる。

ダムも多くて,川の流れは停留し,茶色く濁っているところも散見された。集落は駅付近のみで,駅間の多くの区間で川沿いギリギリの谷底を走る。もしくは,山中をトンネルやスノーシェッドで抜けて行く。





このような景色が,会津若松側の平野へ降りてくるまで続いた。これでもかというくらい山・川・田んぼの景色を見られる。

只見線のひと
只見線は,新潟・福島豪雨にて長期不通となっていた。このようなローカル線では,最近,災害で被災すると,鉄道での復旧を断念して廃線orバス転換となるケースが多いようだ。只見線でも,もはや鉄道での再開は不可能なのではと思われたが,一部上下分離方式を採用することで,全線鉄道での復旧を遂げた。

このような背景もあってか,只見線の沿線では,なんとかして地元から応援しようという気概を感じられた。横断幕や看板はもちろんのこと,通過する列車に手を振ってくれるシーンもなんどかみられた。
主要駅の会津川口駅では,上下列車が行き違う時間をつかって,地元の生徒が出迎え・課外活動を行っていた。待ち時間の間にパンフレットを配布してくれたし,列車の出発時には手を振って見送りしてくれた。

上下分離で数往復しか列車が走っていない状況であっても,こうやって地元から応援してくれるのであれば,まだもう少し鉄路が維持されていくのでは,と思った。
*
会津若松駅には,通学する中高生とともに到着した。4時間以上も1つの普通列車に乗り続けると,さすがに達成感があった。

このあと,磐越西線の快速「あいづ6号」にて,郡山まで移動することにした。
(つづく)
次の記事 磐越西線 快速「あいづ」|北海道&東日本パスの旅2025(4)(2025/10/17 19:30公開予定)
関連記事 長崎本線 上下分離された非電化区間をゆくキハ47の旅
関連記事 大船渡線に乗ってBRTを見に行く|盛岡→一ノ関⇔気仙沼|夏の東北鉄道旅 (10)
- 9427D:会津若松10:14→小出14:40と,9428D:小出9:15→会津若松14:15の2本(コンパス時刻表2025年9月号に基づく)。 ↩︎
✉ メルマガも配信中
➡ ブログトップページはこちら