
お金で回避できる苦痛は,積極的に回避していく所存です。
ラッシュ時間帯に電車に乗らないといけない
4/1,会社の入社式に出席するため,寮から都心まで出て行かなければならなかった。会場への集合時間は10時だった。寮から会場までは,バスに40分乗ってから,JR線に1時間少々乗ってようやくたどり着ける。集合時間に余裕をもって間に合うには,7時台に寮を出発しておく必要があった。つまり,JR線には,8時~9時台に乗らなければならなかった。
JR線に限らず,朝時間帯における関東の上り線は,猛烈に混雑する。いわゆる通勤ラッシュだ。通勤ラッシュに慣れていない(私のような)新入社員は,1時間の乗車で疲れ切ってしまうと予想された。
このような人間のために,JR東日本はありがたいサービスを提供してくれている。それが,普通列車のグリーン車である。
普通列車グリーン車で通勤ラッシュを回避しよう
普通列車グリーン車は,最近,JR中央線にも導入されて話題となった。これは,乗車区間の運賃(乗車券:きっぷ,ICカード)に加えて,別途,Suicaでグリーン券を買えば,グリーン車の好きな座席に着席できるサービスだ。
うちの会社は,交通費を負担してくれるが,グリーン券は対象外だ(これは,ほとんどの会社でも同じだと思う)。それゆえ,グリーン券分だけは,身銭を切らなければならない。これを損と考えるか,得と考えるかは本人の価値観次第ではある。
私は,朝夕のラッシュ時に限って言えば,上述のような苦痛を回避できるようになるという点から,グリーン券を買うのは「得」だと判断した。
そういうわけで,社会人初日から,モバイルSuicaでグリーン券を買った。乗車時間は1時間で,料金は1000円ちょうど。
一般に,首都圏の主要区間を走る普通列車には,グリーン車が2両連結されている。だいたい,編成の中ほどであることが多い。グリーン車は2階建て車両が充当されている。私はこれまで,1階席と2階席にはそれぞれ乗車したことがあった。
普通列車グリーン車は平屋席が断然快適
一方で,グリーン車の車端部は平屋席となっている。各号車の前後に,2列掛けが通路をはさんで2つ,これが3列もしくは2列並んでいる。この平屋席は未だ乗車したことがなかった。そこで今回は,グリーン車の平屋席に乗ってみることにした。

結論からいえば,グリーン車の平屋席は,2階建て車両の1階席・2階席よりもずいぶん快適だった。普通列車グリーンに乗るなら,この席が断然いいと思った。理由は以下の3つ。
まず,平屋席は,座席数が少ない。2名がけが3列もしくは2列しか配置されていない。このことが,車室のプライベート感と静粛性を増している。グリーン車そのものが,普通車より断然静粛(普通列車グリーン車は,この「静粛」を買っている)なのだが,座席数が少ない分,それだけ乗客も少ないから,静粛さが高い。
次に,平屋席は車内が広い。1階席や2階席は,デッキから階段を下りるもしくは上ることで座席へと向かうが,これらの座席は,1両の上下に配置されているので,普通車より天井が低く感じる。この方がプライベート感があってよいと考える人もいるかもしれないが,私はこれを若干息苦しく感じることがあった。一方で平屋席は,普通列車と同じように車室が割り当てられている。いわゆるクロスシートやセミクロスシートと同様の空間配置なので,息苦しさが少ない。広々としているから,思い切りくつろげる。もちろん,作業にも適している。
そして,平屋席は乗り心地がいい。グリーン車のうち,特に2階席は,高さがあるから,見晴らしはいいものの,車両の横揺れ(ロール振動)が増幅されて不快に感じることがあった。いっぽうで平屋席は,上述のようなクロスシート車やセミクロスシート車と同じなので,ふつうに電車に乗っている感覚と変わらない。
思惑通りグリーン車で混雑を回避できた
以上の理由から平屋席グリーン車はとても快適だった。そして思惑通り,都心のラッシュによる混雑をも回避できた。目的地まで,静寂のなかで落ち着いて移動できた。車掌の車内アナウンスから察するに,普通車は相当混雑していたようだ(とりわけ,都心に近い駅では,出発前には盛んに「車内中ほどまでお進み願います」とアナウンスしていた)。
グリーン車といっても,自由席なので,当然,満席であれば立ち客が出る可能性があった。ただし,その可能性は,普通車に比べれば限りなく少ない(いいかえれば,着席客/立ち客の比率がきわめて高い。着席保証サービスたる普通列車グリーン車の面目躍如だ)。この日,平屋席では,目的地の数駅前で,1名だけ立ち客がいたが,車内の雰囲気を察してか,そそくさとグリーン車デッキの方へと行かれた。おかげで,ほとんど満席となっていたグリーン車の落ち着きは,乗車駅から降車駅まで保たれていた。その結果,心穏やかに,体力も温存したまま,入社式へと向かうことができた。
アラサーの新入社員は,このようにして,朝の混雑を金で回避できることを知った。それからは,4月の研修のうち,朝から都心へ出てくる必要がある際,あるいは,夕方に都心から帰る際には,ほとんど毎回,グリーン車に課金した。もちろん,混雑する列車に乗らないことが本望なのだが,立場上そういうわけにはいかない。せめてもの抵抗として,自腹を切ってグリーン車に乗っているのだ。背に腹は代えられない。金はかかるが,ここは金の出し所だと腹をくくって出すのだ。幸いなことに,JREポイントとモバイルSuicaを紐づけしていれば,ICによる乗車とグリーン券の購入・乗車で(多少は)ポイントがたまっていく。これをせめてもの慰めとして,今度の東京出張もまた,グリーン車に乗って混雑を回避するつもりだ。
ただし,どうしても先輩や同期と帰るときには,混雑する下り電車の普通車に乗らなければならないこともあった。軟弱者なので断り切れずにこれに乗るのだが,グリーン車に乗り慣れてしまうと,この混雑にはかなり参ってしまう。家に着いたころにはクタクタにへばってしまう。情けないなあ,と思いながら,風呂に入るのだ。
(おわり)
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