この間の京都出張に続いて,今度は東京へ日帰りで出張してきた。
筆者は,自称・ひねくれ鉄道マニアであり,かつ,人混みが嫌いなので,慢性的に混んでいる「のぞみ」ではなく「ひかり」を選んで東京名古屋間を往復してきた。
「ひかり」は,停車パターンが一定でなく,のぞみ並みの速達性を持っていたり,こだま並みの鈍足だったりする。
今回は,名古屋からの(ほぼ)最速達ひかりを選んで,行きは指定席,帰りは自由席に乗ってみた。いずれも,のぞみより空いていて,混雑を回避することができた。
ひかり644号指定席|名古屋→東京
名古屋から乗車すれば「のぞみ」とほぼ同じ
まず,名古屋から東京まで乗車するのは
ひかり644号東京行
名古屋10:31→東京12:12
(所要時間1時間41分)
この「ひかり」は,新大阪始発の東京行き,東海道新幹線内完結のひかり号だ。
新大阪から名古屋までは各駅に停車し,
名古屋以東は豊橋,新横浜,品川と停車する。
すなわちこの列車は,
名古屋までは「こだま」と同じ停車パターンで
名古屋から先は,豊橋以外は「のぞみ」と同じ停車パターンで走る。
この「ひかり」に名古屋から乗車すれば,ほとんど「のぞみ」と同じ所要時間で東京へ行けるというわけだ。名古屋から東京までの所要時間を比較すると以下の通りで,その差はわずか1分だ。
ひかり644号(当列車): 1時間41分
のぞみ98号・100号(1・2本前): 1時間40分
(2021/12/21~12/31のダイヤで比較)
ひかり644号は,定期の「のぞみ」より1駅停車してもなお,「のぞみ」とほぼ同じ所要時間で走れる。これは,東海道新幹線内の列車が,加減速力の優れるN700系列で統一されたからこそできる芸当だ。
日中上りの指定席はE席が人気
今回は,この列車の指定席(A席)を予約しておいた。乗車日の4日前に,大学の旅行センターで予約をとった。富士山側・2人掛け窓側のE席は,やはり人気なようで,A席しか空いていなかった。
「ひかり」指定席は,以下の特徴をもつ。
- 「ひかり」自体の本数が少ない
- 「のぞみ」より指定席車が2両少ない
これだけ見ると「短所」なようにも感じられるが,実際は「のぞみ」の利用客が圧倒的に多いはず。なので,「ひかり」指定席の取りやすさが「のぞみ」に劣るわけではないと思われる(ただし,繁忙期は例外)。
そんなA席に着席すると,すでにE席はほとんど埋まっていた。一方のA席は,自分以外数人しか座っていない。通路側はほぼすべて空いている状況だ。
E席から順に埋まるのは,名古屋からの日中の上り列車特有の現象だと考えられる(富士山が見える&ビジネス需要がひと段落)。
参考: 新幹線からの富士山!のぞみ222号自由席で名古屋から新横浜へ
復刻弁当(770円)
「ひかり644号」は,名古屋駅で数分停車してから東京へ出発。
名古屋まで「こだま」のように各駅停車してきた当列車は,ここから先「のぞみ」並みの速さで東京へ向かう。
最初の停車駅は豊橋駅。
豊橋に「のぞみ」は停車しないので,のぞみ並みの所要時間で東京へいける当列車に多くの乗客が乗り込んでくると思っていたが,実際は数名のみだった。自由席車の方へ乗る人が多いのか,もともと需要が多くないのか,理由は定かではない。
関連記事: JR東海【豊橋往復きっぷ】で週末鉄道旅②|秋の豊橋さんぽ&帰りは新幹線
豊橋からは静岡県内の駅をすべて通過していく。車窓には,無慈悲に飛び去って行く浜松,掛川,静岡,新富士,三島,熱海各駅が見えた。
*
東京到着は12時過ぎ,出先での用事は13時半から。出先へは中央線に乗り換えて向かうため,ここで昼ご飯を食べていくことにした。
名古屋駅待合室のキオスクで買っておいた「復刻弁当」,770円。包装紙に「\200」と書いてあるが,これは当時の価格であって,現在は左下のラベルにある770が正しい。
外装用紙には,昔風な書体で,東海道を駆け抜けた国鉄の名車両たちがあしらわれていた。「汽車100年」を記念した弁当の復刻版のようだ。販売は松浦商店,こちら大正11年の創業,老舗が売り出す昔の弁当だ。
770円は,駅弁の中では安い方で,中身は予想通りシンプルだった。
豪勢な名物が入っていたり,温められるような仕組みが施されていたりするのもいいけれど,出張ついでに食べるならこれくらいシンプルな弁当がいい。
味の濃いおかずで,ちょっと多めの白米を食べる。これが一昔前の「弁当」スタイルだったんだろうな。
おいしく駅弁をいただいたところで,「ひかり」は品川を出発。すぐに東京へ着いた。
*
東京からは,中央線の中央特快にて移動し,出先には予定通り到着。
16時過ぎまでの予定を消化し,再び中央線で東京へ戻った(途中,新宿で寄り道した)。
寄り道の記録: リコーイメージングスクエア東京探訪&FA31Limitedの修理依頼
新宿から東京へ中央線快速電車で移動したが,反対側の下り列車は相当な混雑だった。ちょうど夕ラッシュの時間帯だったようだ。幸い,上り電車は終点が近く,座って移動できた。上りでよかった。。。
関連記事: 【究極の新幹線】N700Sで行く日帰り京都出張記
ひかり657号自由席|東京→名古屋
東京駅に着いたら,研究室への土産を買って,東海道新幹線ホームへ。
東京駅にはホームがいくつもあり,たくさんの列車が待機している。
当初は,適当なのぞみで帰ろうと思っていたが,ちょうどいい時間に新大阪行の「ひかり」があったので,のぞみは止めにして,ひかりを選んだ。
ひかり657号新大阪行
東京18:33→名古屋20:14
(所要時間1時間41分)
この「ひかり」は,往路の644号と同じで,品川・新横浜・豊橋と停車する速達ひかりだ。
帰りは自由席,1~5号車まであるが,前の号車(若番)ほど乗客が少なかった。単純に前の号車の方が階段・エスカレータから遠いからだろう。時間はあったので,私は1号車まで歩いて乗車した。
1号車には,東京出発時点で数人しか乗っていなかった。月曜夕方,下りのひかり自由席の乗車率は相当低いようだ。
しかもこの列車は,岡山・広島行(500番台)ではない。東海道新幹線完結(600番台)だから,余計に空いているのだろう。
ガラガラだったおかげで,静かな車内で快適に名古屋へ帰れた。
まとめ: 「ひかり」で混雑回避!
「ひかり」は,「のぞみ」より本数が少なく,停車パターンもまちまちだ。
鉄道ファン以外には少々選びづらい列車に思われるかもしれない。
しかし,乗車区間や列車によっては,「のぞみ」と同等の所要時間で目的地までたどり着ける。
今回の記事では,その一例として,600番台の「ひかり」で名古屋東京間を移動したようすを紹介した。
600番台の「ひかり」は,東海道新幹線内完結で,名古屋以東で「のぞみ」+1駅(小田原or豊橋)しか停車しない(夕方以降の列車は,停車駅が増えるので注意)。
ゆえに,東京名古屋間の移動には,600番台の「ひかり」で混雑回避を狙うのがおすすめだ。
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☆☆☆参考☆☆☆