近鉄特急ひのとりプレミアムシート乗車記|大阪難波→近鉄名古屋

2日間の大阪観光は,名阪特急「ひのとり」のプレミアムシートで優雅にしめくくり。

80000系「ひのとり」プレミアムシート

1月の3連休,近鉄特急「ひのとり」にのって,大阪うまいものめぐりをしてきた。

>>【食欲】写真でつづる大阪うまいものめぐり(2023年1月)

名古屋から大阪(なんば)までの往路は,近鉄特急80000系「ひのとり」のレギュラーシートを利用。東海道新幹線より約2000円(正規運賃比)安く,くつろぎの車内空間を楽しみながら移動できた。

>>新型名阪特急「ひのとり」(近鉄80000系)乗車記|近鉄名古屋→大阪難波

プレミアムシートもネット予約で

「ひのとり」は,新幹線よりもひろびろゆったりな車内空間で,とくに急がない自分たちの旅行にはぴったりだった。そんなわけですっかり「ひのとり」の魅力にあてられてしまったので,なんばから名古屋までの帰りも「ひのとり」に乗ることにした。

レギュラーシートもいいけど,せっかくだったら,上級クラスの「プレミアムシート」に乗ってみたい!と思った。事前に調べたところによると,新幹線のグリーン車ほどの追加金が必要なく,それでいてグランクラス並みの座席に乗車できそう。

帰りの時間は決まっていなかったので,当日現地で,ネット予約をつかって座席指定を試みた。2人掛けが空いていないか探すと,17時台の「ひのとり」に,1つだけ2人掛けが空いていた(それ以前の列車は,ほとんど全部満席!)。すかさずネット予約で座席を押さえて,なんとかかんとか「プレミアムシート」をゲット。「プレミアムシート」は,追加料金が安いゆえ,手軽に乗れることから,結構な人気ぶり。

プレミアムシートは編成両端の2両

学割の乗車券を買って,大阪難波駅の地下ホームへ赴き,待つこと数分。発車の10分程度前に,深紅の車体が美しい近鉄80000系「ひのとり」が入線した。

ひのとり17レ
大阪難波17:00→近鉄名古屋19:10

「プレミアムシート」は,編成の両端の車両だ。「ひのとり」には,8両編成と6両編成の場合がある。17列車は6両編成だったので,1号車と6号車とがプレミアムシートの車両となっている。

「ひのとり」編成図:特急ひのとり|近畿日本鉄道より引用

本革+電動リクライニングのプレミアムシート

さっそく,6号車の車内に乗り込む。プレミアムシートは,レギュラーシートより1段高い位置に配置されていて,階段を数段上った先に客室がある。ドアをぬけて車内にはいると,カーペットが敷いてある。そして,見るからにゴージャスなシートが目に入る。これはすごい。

座席の設備については,ホームページや他のブログに詳しいので,ここでは割愛する。とにかく,こういった上級座席への乗車経験に乏しい自分にとっては,「格の違う」座席・車内空間だった。

座席にすわるとこんな景色。3列掛け(2+1)で,各座席の前後間隔は130cm。全席バックシェルで,リクライニングは,ひじ掛けについたボタンで動かす電動式だった。座席は本革。レッグレストや背面ヒーターも装備され,まさに「至れり尽くせり」の座席だった。座席自体もかなり大きめに作られているので,各座席のプライベート感はレギュラーシートを上回っていた。

後ろの席を気にすることなく,思い切りリクライニングしてくつろぐ。背面を後方へ倒すと,座面も前側へスライドできた。レッグレストも好みの高さに合わせられた。ヘッドレストも高さを調節できて,かけ心地はもう極上だ(庶民がこんな座席に乗っていいのか…?)

静粛性の高い車内

列車は,日の暮れた大阪線を快走するが,「プレミアムシート」は線路より高い場所にあること,床にカーペットが貼ってあること,(モータを積んだ)電動車でないことから,静粛性がかなり高かった。座席の豪華さはもちろん,この「静粛性」も「プレミアムシート」の利点だと思った。

「ひのとり」には,淹れたてのコーヒーやお菓子が買える「カフェスペース」が付いているが,これはプレミアムシートに近い1号車と6(8)号車の編成両端についている。コーヒー片手に,流れゆく車窓を,静かな車内からゆったり眺める….素敵な時間だ。

今回は時間が遅かったこともあって,お湯をいただきました(お湯はタダ(¥0)です)。

名古屋までの2時間は,大阪うまいものめぐりで撮った写真を見返したり,うつろう夜景を眺めながらぼんやり過ごしたりした。本革のシートが心地よすぎて,たびたび眠くなったが,もったいないのでがんばって眠らないようにした。

名古屋が近づくと,車内の天井が青く照らされた。綺麗だったので写真を撮った。ちなみに,フルリクライニングしていると,目線はこれくらいの高さになる。

こんな感じで,プレミアムシートは,予想を上回る「豪華さ」を備えた座席だった。(乗車したことはないが)東海道新幹線のグリーン車より,豪華な内装なのではないだろうか。どちらかというと,グランクラスに近いと思われた。

【コスパ◎】差額はわずか700円

さて,そんな「ひのとり」プレミアムシートの料金だが,近鉄名古屋⇔大阪難波間で,レギュラーシートと比較すると,以下の通り。

座席大人1名あたりの料金(運賃込み)
レギュラーシート4,540円
プレミアムシート5,240円
「ひのとり」(大阪難波⇔近鉄名古屋)の合計料金(運賃+特急料金+ひのとり特別車両料金)

プレミアムとレギュラーの差額は700円で,これは「ひのとり特別車両料金」の差額にあたる。運賃と特急料金は,それぞれ2,410円と1,930円で同じ。

つまり,レギュラーシート+700円追加で払えば,プレミアムシートにアップグレードできる。プレミアムシートの豪華さを考えると,差額700円は「破格の安さ」,圧倒的にコスパが高いと思った(JR特急や新幹線でこのクラスの座席に乗車しようとすると,何千円は払わなければならない)。

個人的には,座席の豪華さはもちろんのこと,プレミアムシートの静粛性が気に入った。観光での思い出作りにはもちろん,出張帰りのビジネスマンがゆっくり休むのにも好適だと思った。

もちろん,これだけしか差額が無いので,「プレミアムシート」は人気が高い。今回は,土・休日に利用したが,ネット予約で残席を見ると,前々日~当日には半数近くの列車が「満席」となっていた。プレミアムシートは座席が豪華な分,席数が少ないので,乗車するなら特急券のネット予約を活用して,早めに予約するのがオススメだ。

以上,近鉄80000系「ひのとり」のプレミアムシート乗車記。今回の大阪観光では,

  • ゆき(名古屋→なんば):レギュラーシート
  • かえり(なんば→名古屋):プレミアムシート

を利用した。こうやって乗り比べることで,プレミアムシートの図抜けた豪華さと快適さ,そしてコストパフォーマンスの良さが際立った。もちろん,レギュラーシートも十分快適なので,予約状況やスタイルに応じて,使い分けるのがいいかもしれない。

近鉄には,このほかにも観光特急「しまかぜ」や,「伊勢志摩ライナー」など,個性豊かな特急列車が走っている。外観が個性的なのはもちろん,車内はとても快適そうで,「移動自体が目的になる」列車だと思う。また機会をつくって,「ひのとり」以外の列車へも乗りに行きたい。

(おわり)

レギュラーシートの乗車記はこちら。

>>新型名阪特急「ひのとり」(近鉄80000系)乗車記|近鉄名古屋→大阪難波

ちょっと昔の近鉄乗車記。

>>名古屋から近鉄特急に乗って伊勢神宮へ日帰り旅|下宿大学生の親孝行シリーズ