東海道新幹線のぞみで名古屋へ【出張記#4】

8月上旬の平日に名古屋へ出張してきた。初日の朝が早かったので,前泊含めて2泊3日での出張だった。

前泊日のさらに前日には,東京へ出かけていた。したがって,行きは東京から名古屋へ,帰りは名古屋から新横浜まで,東海道新幹線にて移動することにした。

「スマートEX」でチケットレス乗車

就職してから東海道新幹線に乗るのは初めてだった。学生時代は,学割で乗車することばかりだった。学割運賃・新幹線特急券の総額は,スマートEXでの割引料金より安い。それゆえ,これまで「スマートEX」を使用することはなかった。

もう学生の身分ではなくなったので,学割はつかえない。そうであるならば,「スマートEX」をつかわない手はない。少しばかり割引があるうえに,わざわざ窓口で紙のきっぷを発券する必要がない。ということで,今回から,社会人らしく?「スマートEX」で東海道新幹線に乗ってみる。

往路は,上記のように,東京→名古屋間を「のぞみ343号」に乗って移動することにした。指定席の窓側(E席)を予約した。日曜午後の下り列車ということもあって,1,2日前の予約にもかかわらず,窓側の座席も空きが見られた。

東京駅の乗車待ちにて

宿泊していたホテルをチェックアウトしたあと,東京メトロを乗り継いで東京駅にやってきた。まだ出発まで10分以上あった。ただ,コンコースは人が多い。待合室も混雑していた。ということで,ホームに上がって新幹線を見ていることにした。

スマートEXを紐づけたモバイルSuicaをタッチすると,「ご利用票」が改札から出てくる。きっぷの代わりのようなもので,乗車終了まで持っていればいい。ご利用票には,乗車する列車・時刻のほかに,指定席の場合,号車と座席が記載されている。これらの情報は,「スマートEX」の予約画面では,何度かページ遷移しないと表示できない。改札通過時に,座席を印字した紙が出てくるのは,かなり親切でありがたいサービスだ。

さて,ホームに上がると,1つとなりのホーム「のぞみ341号」がすでに入線して,発車を待っていた。この列車は,わたしが乗車する「のぞみ343号」の1本前を走る。こういうとき,自由席券をとっていれば,さっと1本前の新幹線にも乗れるのだけど,今回は指定席なので見送るしかない。

「のぞみ341号」には,JR東海のN700S系が充当されていた。ずいぶん見慣れてはきたものの,未だに格好いいなあと見とれてしまう。

14号車指定席への乗車だったため,東京駅ホームの末端側まで行ってみた。N700S系の最後尾だ。「究極の新幹線」と呼ぶにふさわしい,最適化の極みのような先頭形状をしている。これでも,N700Aよりは格好いいと思っている。

N700S系を見ていたところで,さらに奥のホームにN700系「のぞみ2号」(博多からの始発列車)が到着した。ちょうど2つの形式が相並ぶようにして停車した。こうしてみると,N700S系とN700系は,番号こそ同じであるものの,先頭車両の形状が意外なほど違うことがわかる。N700Sは,N700のマイナーチェンジではなくて,フルモデルチェンジ車である,というのも,こうして比べるとよくわかる。

N700S(のぞみ341号)とN700A(のぞみ2号)が並んだ。デュアルスプリームウィング(N700S)とエアロダブルウィング(N700)の形状,それにヘッドライトの形状の違いなど,近くでみるとよくわかる。

のぞみ号の車内

そうしている間に,のぞみ343号の車内清掃が終わった。まもなく,ドアが開き,乗車できるようになった。のぞみ341号は,表紙に載せたように,N700系での運行だった。

14号車指定席は,事前の予約状況の通りで,D席とB席はもちろん,窓側のA席にも空席があった。最近の東海道新幹線にしては空いている部類に入ると思われる。そして乗客の多くが海外からの観光客だった。

さて,名古屋までは1時間40分ほど。3月の引っ越しで乗車して以来の東海道新幹線である。

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日曜日で仕事をする気分も起きなかったので,車窓を眺めてウトウトしたり,インターネットで暇をつぶしたりした。

そうそう,これまでほとんど使い物にならなかった「新幹線free Wifi」を久しぶりにつかってみたら,速度・接続状態ともかなり改善されていた。ちょっとしたネットサーフィンであれば,快適に楽しめるくらいだった。

のぞみ343号は,名古屋駅に定刻通り到着した。名古屋では,8年間の大学生活を過ごした。

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要するに,ここに余所者として降りるのは,大学入試のとき以来である。とはいっても,引っ越してから4か月しか経っていないので,懐かしいというより「ああ,帰って来たなあ」という感覚の方が強かった。これといった感慨深さはなくて,とにかく暑いという感想しか出なかった。ホームに降りたときは,サウナに降り立ったのかと思うくらいだった。

帰りはN700S「のぞみ34号」で

名古屋での2日間の用事はぶじに終わった。名古屋からの帰路でも,スマートEXにて列車・座席を予約することにした。

名古屋にいたときは,新幹線で東名間を移動する際,200~400番台の「のぞみ」を好んで利用していた。大阪以西の乗客が少ないために,空席が多い傾向にあるからだ。

しかし,出先から名古屋駅へ移動する地下鉄の車内にて,空席状況を確認すると,新大阪始発「のぞみ」数本では,窓側が満席であることがわかった。

いっぽうで,博多始発の「のぞみ34号」には,まだ窓側に空席があった。これは意外だった。山陽区間(新大阪以西)から東海道区間(新大阪以東)の需要は,名古屋以西にとどまる傾向にあるのかもしれない。

博多始発の定期「のぞみ」の窓側を予約した。

少し待ち時間はできるけれど,少しでも空いている方が快適だ。それに,「のぞみ34号」は,N700Sでの運転と表示されていた。スマートEXの予約画面では,空席状況だけでなく,使用車両が表示されているのもありがたい。

窓側が空いている&N700S,という好条件がそろったので,「のぞみ34号」の指定席(A席;3列掛けの窓側)を予約した。

予約を終えたころ,タイミングよく名古屋駅に着いた。ひとまず太閤通口の方へ行ってから,喫茶店で20分弱,一服した。発車時刻の10分前に店を出てホームへ上がった。

指定席は16号車だった。東京方の先頭車だ。ホーム端まで歩いてから,乗車待ちの列に並んだ。まもなく,N700Sがゆっくりと入って来た。やはり,N700Aより格好いいと思う。

16号車からの乗降は,それぞれ数人ずつだった。名古屋から新横浜までは80分弱。ぼーっと休むにはちょうどいい時間だった。

4月に引っ越してきてから,4か月振りに名古屋へ行った。スマートEXはとても便利だったので,今後の出張でも使っていきたい。それと,名古屋から新横浜・東京まで乗車するのであれば,新大阪始発の電車でなくても,意外と座れるチャンスがある,という知見も得た。

(つづく)

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Rin Suigetsu, Ph.D.

鉄道を主とした一人旅の見聞録を書いています。特急列車と国鉄型・凸型の電機が好き。ときどきロードバイクにも乗ります。写真はPENTAX K-3iiiで撮っています。博士(工学)。

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