研究が一段落した4月上旬。初夏並みの陽気に誘われて,久しぶりのロングライド。
根尾谷淡墨桜を見に行くライド
岐阜県 本巣市根尾にある「根尾谷淡墨桜」を自転車で見に行ってきた。今回は,名古屋から岐阜まで輪行し,そこから根尾谷まで走り,また岐阜まで戻ってくるという行程で行ってきた。
金山から西岐阜まで輪行(JR東海道線)
7時過ぎに起きて,朝食を取り,身支度を整えて,8時に名古屋を出発。まずは金山まで自転車を転がして,そこからJR東海道線で西岐阜駅まで輪行。特別快速 米原行。まだ18きっぷシーズンということで,車内には立ち客もいた。
名古屋~岐阜間は,何処を走っても車が多い。信号も多くて,走っていて不快。一方,輪行すれば,600円少々(補給1回分+αくらい)でワープできる。かかる時間も当然短い。しんどい市街地は,さっさと輪行してしまって,おいしい部分だけを万全な状態で味わうほうが楽しい。
西岐阜駅までは20分少々で着いたと思う。初めて降りる西岐阜駅は,改札が跨線橋のうえにあって,自転車をエレベータで降ろした。
輪行解除をチャチャッと済ませる。まだ9時過ぎだが,既に気温は高い。モンベルのジャケットを脱ぎ,サドルバックへ入れてから走り出す。
山あいの田舎道を走る
西岐阜駅からしばらくは,市街地を走りながら,北の方へと進んでいく。久しぶりの自転車なのに,手元のGPSウォッチを見ていると,だいたい25 km/h前後で走れている。後半タレないよう,出力抑えめで行っているはずなのに,なぜか快走。
岐阜県道167号を10km弱ほど北進したところにあるファミマで補給。西岐阜駅からは12kmほどしか走っていないが,ここから先の岐阜県道79号(里山かおり街道),さらに合流する先のR157根尾谷方面には,コンビニが無いため,早めの補給とした。
ミニつぶあんぱん。貧乏ツーリングの定番。
この5コ入りのパン,3個食べて2個携行するのが便利すぎて,よく食べていたのだけれど,しばらくサイクリングへ行かない間に,145円にも値上がりしていた。前は100円ちょっとで買えたのに…
そしてここでの休憩中に,コンビニの幟(のぼり)が追い風方向になびいていることに気付く。なるほど,追い風だったから,出力抑えめでもペースが速かったわけだ。
*
コンビニを出てしばらく走ると,田舎道になり,つづいて山あいの道となる。ちょっと登りになってきたなあ…と思っていたら割とちゃんとした登坂になった。平坦だと思っていた。完全に油断した。1ケタ km/hでチンタラチンタラ登った。自転車乗ってなさ過ぎて,両脚が早くも売り切れの危機。
途中で数回,快調に下るローディとすれ違った。苦悶の表情を横目に見られて恥ずかしかったが,挨拶を交わしたことで元気になり,なんとか峠のてっぺんまで来た。ここから本巣市に入る。
下りも結構な勾配で,ご無沙汰のダウンヒルは慎重めに走った。怪我したら研究できない。この下りは1-2 kmほどで終わって,もう1回登り返しがあった。さっきの登りと同じくらいの,1 km少々,平均勾配5%(Stravaデータより)ほどの登りだ。こっちもまた息を切らして太ももに乳酸を貯めながら,なんとか超えた。
ダーっと下り終えると,丁字路で国道157号に行き当たる。ここを右手に曲がると,根尾川に沿って,今日の目的地まで行ける。ここから先の国道157号も,基本的には登り基調で,ところどころ急峻な登坂もあった。
ただ,周囲の風景がのどかで,走っていて楽しい区間でもあった。ハイライトは,日当(ひなた)あたりで大きく蛇行する根尾川。橋の上から見ても,透き通っていて綺麗。群青色。向こう側は,たしか樽見鉄道の日当(ひなた)駅だったと思う。
さらに走ると,R157はおおむね根尾川に沿っていくようになる。進行方向には,R157の行く手を阻む山々が連なっている。なんという山かはわからないが,山頂はまだ,雪の帽子を抱いている。
根尾谷淡墨桜を散策
1回目の補給から20㎞少々,西岐阜駅から30km少々走ったところで,目的地である根尾谷淡墨桜公園に到着。公園入り口の少し手前から,岐阜・名古屋など,近郊からやってきた車列ができていた。さすがは,桜の名所。東海地方の各地では,先週から桜が満開だった。ただ,先週末は天気が悪かったこともあって,今週末に花見へ出かけたひとが多かったのではないだろうか。
そんな渋滞を横目に,ソロライダーはひとり坂を上り,観光バスの横にある駐輪場(といっても,柵に立て掛けるだけだが)へ愛車を停めた。
駐輪場から桜までは歩いて数分。途中には露店が軒を連ねており,いい匂いが空腹を刺激してくる。
「淡墨桜」は,その通りを抜け,広い芝生広場の真ん中に鎮座していた。この桜は,1500余年の樹齢を誇る,日本三大桜の一つ。度重なる再生・保護工事のおかげで,これだけの樹齢でもまだ,花をしっかりと咲かせているようだ。
本巣市公式サイトによると,満開は白色で,散り際には薄い墨色になってくるらしい。今日は散り始めだったが,墨色には感じられなかった。このことを後から知って,写真を見返すと,この記事のトップにある写真(後ろ側から見たとき)は,まあ墨色に見えなくもない・・・かな?くらいだった。それよりも,葉桜になっていて,薄い緑と,白~薄ピンクに感じられた。色の見え方には個人差があるので,こればっかりはなんともいえない。
この淡墨桜は、桜の全種300余種の内でも名花中の上位にあると云われる品種で、蕾のときは薄いピンク、満開に至っては白色、散りぎわには特異の淡い墨色を帯びてくる。
特徴|本巣市
公園には大勢の花見客が居て,そこかしこで敷物を広げて,思い思い過ごしている。
芝生広場の周囲にも露店が多く出ている。たこ焼きにイカ焼き,どて串,もち串,うどん・そばから,名産品の桜ういろうまで,いろいろあったが,今日は,ねぎ焼と大判焼きを食べた。ねぎ焼は,芝生広場に座って,桜を眺めながら食べた。ソース味がうまい。途中からは,桜なんて眼中になく,ねぎ焼を夢中で食べた。「花より団子」を体現。
最近の自転車事情を思う
さてさて,ひとしきり桜を眺め,食べたいものも食べたところで,帰路につくこととした。
名古屋・岐阜から来るにはちょうどよい距離ということで,クルマはもちろん,バイクやチャリダーもいっぱいいた。観光バスの駐車場にある柵が駐輪場として確保されていたのだが,自分が着いたときにはこれだけのチャリが止まっていた。
それにしてもみんな,いいバイク乗ってるなあ。。。最近,めっきり乗らなくなって,すれ違うロードバイクの雰囲気とかわからなくなってたけど,カメラと一緒で,高級志向が強まっているのかも。実はこの日,うっかり鍵を忘れてきてしまったが,これだけ高級車が揃っていたら,まあ取られないだろうと高を括っていた(今度からちゃんと持って行かないと)。
高級バイクの乗り手たちは,恰好もこなれていた。グループライドの模様。
一方,自分のバイクはといえば,2017年(もう6年前!)に納車したエントリーシクロクロス。まだ,今ほど自転車の値段が上がっていない時期で,12万円ほどで買えたもの。
まじめに続けていれば,そろそろ2台目が欲しくなってもいいころなのだろうけど,あいにく,研究やらほかの趣味やらで忙しく,ここ3年ほどは停滞気味。そういうわけで,未だにこのバイクに乗っている。値段もスペックも,間違いなくさっき停まっていたバイクより劣っている。でも,愛着と思い出のつまり方は,負けていないと思う。楽しく走れればそれでいいのだ。
ということを考えながら,最後に記念写真を1枚撮って,帰路についた。
岐阜市街まで走って名鉄で輪行
行きとは異なり,R157 金原付近の県道79号の分岐を折れずに,そのままR157を走って帰った。行きと同じ道を帰るなんぞ,芸のないことだ(というのは建前で,本音は,行きに苦しんだ坂を越すのが嫌だったから)。
R157は県道79号とは異なり,根尾川沿いを進む下り基調のルート。楽ちん,・・・のはずだったが,行きが追い風だったということは,帰りは向かい風。安定した南風が吹いており,開けた平地に差し掛かると,急激に脚が重くなる。
久しぶりのサイクリングで,すでに脚は売り切れ寸前。乳酸のたまった太ももとふくらはぎに鞭打ち,なんとかかんとか,本巣市街まで戻って来た。そこから先は,岐阜県道78号に進路を変え,南西に進みながら岐阜市街地を目指した。
本巣から岐阜北部(岐阜大学のあたり)までがイチバンつらかった。完全に運動不足だ。筋力の低下を痛感しながら,岐阜駅まで走った。岐阜大学がめちゃくちゃ田舎にあったことと,その周りにやたらラーメン屋が多かったことしか覚えていない。
*
帰りは,名鉄にて,岐阜駅から輪行。
ファミマで,おにぎりとハムカツを買い,中部国際空港ゆきの特急(一般車)にて,金山まで移動した。一応,鉄道マニアでもあるので,輪行中は車窓を眺めるのに忙しいのだが,この日は運動不足と向かい風ですっかり参ってしまい,国府宮から名古屋あたりまでは記憶がない。
*
金山で輪行解除して,下宿まで走ると,お尻・首回り・背中,そして太ももに至るまで,早くも筋肉痛を感じた。特に,お尻の痛みは辛かった。ロードバイク(というかシクロクロス)で初めて遠出した時の,あの感覚に近かった。筋肉痛が早く来るのはまだ安心(年を食うと,筋肉痛が時間差で来るらしい)だが,60km少々でこれだけ身体中痛むのは,筋力が落ちている証拠だ。
と,最後の方は辛いしんどいばっかりだったが,淡墨桜までの道のりは,いわゆる田舎道で,気持ちよく走れた。いいルートだったので,また気候のいい時期に走りに来たいと思った(次は,もう少し基礎体力をつけて!)
データなど
【走行データ(Garmin Vivoactive3で測定)】
- 距離:67.0 km
- 獲得標高:401 m
- 実走行時間:3時間23分
Stravaデータ↓
【お金】
- JR乗車券(金山→西岐阜)680円
- ファミマ (補給) 253円
- お賽銭 5円
- ねぎ焼き 400円
- 大判焼き 150円
- ファミマ (補給) 384円
- 名鉄乗車券 (岐阜→金山) 620円
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合計:2492円
参考情報
関連記事
「淡墨桜」のすぐそばには,樽見鉄道の終点である「樽見駅」がある。
ここから,シャトルバスで5分ほどのところには,道の駅「うすずみ桜の里・ねお」と「うすずみ温泉四季彩館」がある。残念ながら,温泉のほうは,令和5年3月21日をもって休業に入っているが,道の駅のほうは営業中。
以下の記事にあるように,大垣から樽見鉄道で1時間ほどで行けるので,鉄道旅もオススメだ。
【樽見鉄道】「運賃タダ」のフリーきっぷ!名古屋から日帰り温泉旅
(おわり)