
大湊線の快速「しもきた」による旅を野辺地にて終えた。野辺地から,青い森鉄道線とIGRいわて銀河鉄道線の普通列車へ乗り換えて,旧 東北本線を上っていくことにした。
青い森鉄道|野辺地→八戸
前回の記事 大湊線 快速「しもきた」の旅|北海道&東日本パスの旅2025(10)
青森から盛岡までの区間は,東北新幹線の開業後,青い森鉄道(青森県)とIGRいわて銀河鉄道(岩手県)によって運行されている。いずれも,第3セクターなので,青春18きっぷでは乗車することができない。一方で,「北海道&東日本パス」では,これらの3セク線も,乗り降り自由の範囲に含まれている。せっかくここまで来たので,これらの路線を乗り通していくことにした。
野辺地からは,まず,八戸ゆきの電車に乗り換えた。青い森鉄道の電車だ。
青い森鉄道 普通 八戸ゆき(574M)
野辺地12:45→八戸13:31

青い森鉄道には,すでに,青森から野辺地までの区間で乗車してきたが,このときはE721系ベースの車両だった。野辺地からは,これとは違い,701系ベースの列車だった。JRの701系と同様,車内はロングシートだ。
途中,三沢のあたりで,上空を,何かが轟音が通り過ぎていった。この瞬間は,何が通ったのかわからなかったが,あとでこれが航空機であることがわかった。旅客機ではなくて,どうやら戦闘機の類であったと推定された(戦闘機という表現が正確かはわからない)。というのも,三沢には自衛隊の航空基地があり,三沢駅には,航空ファンと思しき人の姿が多く見られたからだ。ちょうど,この車両に,ブルーインパルスのキャップを被ったシニアが乗車してきた。そして,この翌日が,三沢の航空祭らしいことが,ネットで調べた結果判明した。きっと,さっきの戦闘機は,そのリハーサルか何かで飛行していたのだろう。
三沢駅は,青い森鉄道の主要駅の1つで,航空ファンのほかに多くの乗降があった。
青い森鉄道とIGRいわて銀河鉄道

八戸からは,次の列車に乗り換えた。まだ青森県内なので,正確には青い森鉄道の管轄なのだが,のりかえる列車はIGRいわて銀河鉄道のものだった。ここから先,途中で青森から岩手の県境を超えるので,IGRの車両が岩手から青森へと越境して乗り入れている,という形になっている。
青い森鉄道・IGRいわて銀河鉄道
普通 盛岡ゆき(4528M)
八戸13:35→金田一温泉14:05

八戸から乗り換えたこの列車にしばらく乗り,県境を超えた。岩手県区間の最初の駅は,目時駅。しかし,この駅をふくむ県境区間は,住宅があまり見られない過疎地だった。峠道のほかは,なにもなさそうだ。
この列車は,セミクロスシートで,私はボックス席を確保できていた。県境を超える辺りまでは,八戸から30分。時刻表を見ると,「金田一温泉」という駅があることがわかった。すぐちかくまで来ている。ボックス席を離れるのは惜しいが,それ以上に,この温泉へ行ってみたいとも思った。地図をみると,駅から歩いて行ける範囲にありそうだった。金田一温泉駅は,県境をこえて2つ目の駅である。このまま南下していくだけだとつまらないので,金田一温泉駅で途中下車してみることにした。

金田一温泉駅にて途中下車

温泉駅で降りたからには,ぜひとも温泉に入っていきたい。駅からいちばん近い温泉までは,徒歩20分ほど。近いとはいえないが,歩いていけない範囲でもない。タクシーを待つ時間で歩いていけばいいやと考え,小雨のなかを歩き出した。駅前道路を少し歩き,幹線道路を交差して田舎道に入る。川沿いの小道をだんだん奥へ進むと,雨が少し強まってきた。こんなところに温泉宿があるのか?と幾ばくかの不安を抱きながら歩いていると,目的地の「ホテル金田一」が見えてきた。しかし,その外観を見たとき,「これはやってないかも」という直感が働いた。一人旅を続けていると,この店は繁盛しているとか,地元に人気だとか,逆にあまり良くなさそうとか,そういうことが直感的にわかるようになってくるもの。
その直感は正しかった。入口のところに,「日帰り入浴休止中」の貼り紙があった。事前に電話して確認してから行くべきだった。さて,ここで大人しく引き返して駅で待つか,それとも温泉街の別の宿あるいは風呂を目指すか,判断することになった。雨は強まってきているが,駅へ戻ってもすることがない。それにここまで来て引き返すのももったいない,という気持ちになった。そして,次の温泉を目指して,もう少しだけ歩くことに決めた。

ちゃんと傘を指していないと濡れるような雨のなか,Googleマップで次の温泉を探した。歩ける範囲で良さそうな温泉を探して歩き出した。さらに20分歩かなければならないが,タクシーがすぐ捕まる場所でもないので,大人しく歩いた。途中,Googleマップによって,田んぼのあぜ道に案内されたときは,さすがに心が折れそうになった。スニーカーは雨に濡れ,雑草が無様に付着していた。
はじめから駅でタクシーを捕まえればよかった,と後悔し始めたくらいのタイミングで,温泉のあつまる地区へたどりついた。このなかで,スーパー銭湯風のところを選んで入った。ここの駐車場を見ると,雨にも関わらず,多くの地元客が車でやってきていた。このようすなら,間違いないだろうと思って選んだ。
ここの温泉には,主浴,炭酸泉,源泉(ぬる湯)の3つの湯船があった。広さとバリエーションがちょうどいい。源泉は冷泉に近いらしく,入ってみると,温泉と呼べるかどうか,ギリギリの湯加減だった。これ以上冷たくなると,入浴というより,入水と呼ぶほうがふさわしい温度だ。逆に言えば,いつまでも入っていられるような温度なので,出るタイミングがむずかしい。このときばかりは,電車で来たことを後悔した。
次は,車かタクシーで来てみたい,あるいは宿泊したい,と思いながら,バタバタと風呂を出て着替えた。その後,休憩所で少し休んでいた。帰りも歩こうと思って,20分もしないで風呂を出てきたが,窓の外をみると,いよいよ土砂降りになっていた。こんな中を湯上がりで歩いた間違いなく風邪をひくと思った。
そこで,受付でタクシーを呼べるか聞いたら,地元のハイヤーにタクシーを手配してもらえた。さすがは温泉街である。これなら,入館のときに手配してもらっておけば,もう10分,いや15分は源泉に浸かっていられた。しまったなあ,と後悔しながら,休憩所のTVで大相撲を見て時間をつぶした。まあちょうど一休みくらいにはなってよかった。

駅まではタクシーで5分少々。料金は1010円だった。わかってはいたが,やはりひとりで乗るには,タクシーは贅沢だ。
金田一温泉から盛岡へ

駅で10分弱待ち,上りの盛岡ゆきに乗った。
IGRいわて銀河鉄道
普通 盛岡ゆき(4530M)
金田一温泉15:54→盛岡17:18
金田一温泉から,IGRいわて銀河鉄道の盛岡までは,普通列車で80分かかる。
途中,二戸にて,後続の貨物列車に追い抜かれた。大雨のなかを,EF510牽引のコンテナ列車が走り去っていった。このタイミングでは,また,東北新幹線の下り列車も出発していった。数人が,駅前のロータリーから車へ乗っていった。
金田一温泉駅についた時には,雨が小康状態になっていたものの,二戸ではふたたび強雨となっていた。窓ガラスは白っぽく曇っている。二戸を出て,一戸まではなんとか起きていたが,そこから御堂駅までは記憶がない。雨で白む外の景色と,温泉で温まった体がゆっくり冷めていくのとで,猛烈に眠くなってしまった。
この区間は,ちょうど,旧 東北本線の最高地点にあたる峠があったらしい,ということをいわて沼宮内駅のWikipediaを読んで知った。沼宮内駅では,SLの時代に,前補機を2つもつなぎ,SL三重連にして八戸方面へと下っていたらしい。今でも,貨物列車は,秋の時期に枯れ葉でスリップして登れなくなることがあるらしいと,Wikipedia には書いていたが,この日乗車したIGRの7000系は,大雨でも問題なく峠を超えていった。

好摩駅は,JR花輪線の乗り換え駅。花輪線も,八戸線や大湊線と同じく,東北本線の3セク化で,東北本線との接続が失われた路線の1つである。ただし,花輪線は,大館で奥羽本線と繋がっているので,大湊線のような完全な飛び地路線ではない。運行上も,花輪線の列車は,盛岡からIGR線を経由して直通していくことが多い。ちょうどこの日も,花輪線へと向かうだろうキハ110形と行き違った。時刻表を読むに,所定では大館ゆきの列車のようだ。しかし,停まった時に行き先をみると,途中の鹿角花輪ゆきとなっていた。この日の大雨の影響かと思ったが,調べてみるとそうではなく,少し前の豪雨の影響で鹿角花輪から大館の間が運休となっていたためだった。なお,この区間は,旅の数日後,運転再開している。
好摩から先は,盛岡近郊区間と思われるが,大雨で早々に窓が曇ってしまい,外も暗くなってしまってよくわからない。各駅に止まるごとに,長靴を履いた人や,カッパを着た人が乗ってきている。相変わらず強い雨が降っているようだ。ともかく,列車が運休になることなく,青森からここまで上って来られたことに安心した。今日の目的地である北上へは,あともう少しである。
盛岡駅は,東北本線から少し八戸寄りのホームに着いた。このIGR線のほか,花輪線の列車が,東北本線から離れたホームに発着する。0・1番線と呼ばれているようだ。今日の列車は1番線に入った。

盛岡からはJR東北本線で北上へ
盛岡から南は,JR東北本線となる。まだ大雨が降り続いている。
のりかえ先のホームへ降りると,下り貨物が出発を待っていた。



この日最後は,北上ゆきの上り列車に乗車。
東北本線 普通 北上ゆき(2536M)
盛岡17:55→北上18:26

701系はツーマン運転。ワンマン運転のIGR線や青い森鉄道線と比べると,JRの本線らしさがある。盛岡から北上の区間は,昨年も乗車したうえ,すでに日没のため,外はみえない。音楽を聞いたり,時刻表で次の日の旅程を考えたりして過ごした。宿の都合や自宅までの旅程など考えると,明日は仙台を超えて郡山あたりまで上っておくと良さそうだ。


(つづく)
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