夏の東北鉄道旅(1) のぞみで品川へ

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前の記事に書いたように,お盆に入るまでに論文を修正し,再投稿できた。まもなく盆休みに入ったのだが,この期間は大学の一斉休業で研究室に行けない。いい区切りだし,ちょっと気晴らしに遠出でもしようかと考えた。ただ,盆休みは宿が高い。それに,どこへ行っても混雑していると考えられる。

それだったら,と,盆休み中は3本目の論文修正に充てることにした。この期間でも開いている図書館に毎日行った。おかげで,ひととおり改訂できた。改訂原稿は,週明けに先生へ送り,読んでもらっている間に出かけることにした。ついでに,月末までに提出しなければならない英語の検定試験も受験しておいた。

このようにして,盆休み中にやらなければならないことを終わらせて,盆明け最初の月曜日,旅に出発した。

旅の目的地は,東北地方の太平洋側とした。理由は3つ。きびしい残暑から逃れたかったこと,数少ない未訪問の都道府県である岩手県を散策したかったこと,未乗の多い東北地方のローカル線にのりたかったこと。これは,前々からぼんやり考えていたことで,盆休み前くらいに具体的なプランを練った。

初日の目的地は仙台と決め,ここまでは,優等列車に課金することとした。

まずは東海道新幹線で東へむかう。10時過ぎに名古屋を発つ予定だった。が,なぜか早朝に目覚めてしまい,寝付けなかったので,そのまま出かけてきた。7時前でも,東山線が混雑していたのに驚いた。スーツ姿の人が多かった。世間は早起きだ。

地下鉄を降りたら,東海道新幹線のホームへ。まだ7時すぎだが,コンコース・ホームとも,人が盛んに行き交っていた。特に,在来線のコンコースは,ちょうど通勤・通学ラッシュが始まっていて,大量の客が改札へ向かっていた。

上り線のホームへゆき,列車を待つ間,下りの新幹線を眺める。下りホームの方が混雑しているように見られた。

こちらは上りホームの14番線。「のぞみ68号(68A)」(名古屋0722発)が出発していく。

時間的にはこの列車でもよかったが,姫路6時始発の「のぞみ」自由席は,窓側がほとんど埋まるくらい混雑していた。

なので,これを1本見送って,後続の新大阪始発列車のようすをうかがうことにした。

後続は,臨時の「のぞみ288号(9288A)」(名古屋0729発)。

これは68A出発後,わずか6分でやってきた。JR西日本のK5編成だ。

東海道新幹線は,1本見送っても,すぐに続行がやってくる1。間隔をつめて走る続行列車は,大抵,その前の列車より空いている。

特に,山陽直通の「のぞみ」につづく,新大阪始発の列車は,この傾向がつよい。実際,9288Aの自由席は,窓側でも空きがあった。これを確認して,9288Aに乗車し,進行方向左側の窓側(E席)座席を確保した。

今回は,東京ではなく品川までの乗車。仙台へむかうには,東京で東北新幹線に乗り換えるのが常道。だけど,もうそのルートは過去に数回乗車済。

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せっかくの鉄道旅だし,べつに急いでもいない。そこで今回は,品川から常磐線の特急「ひたち」で仙台まで行ってみることにしたのだ。かねてから乗車したかった特急の1つだった。したがって,「のぞみ」は,「ひたち」の始発駅である品川で降りる。

名古屋から品川までは約90分。学部時代にくらべると,だいぶ見慣れてきた車窓が,飛ぶように去ってゆく。

E席といえば富士山だが,いままで1,2回しか,その山体をしっかり見られたことがない。昼間に乗っても,裾野から山頂にかけて雲がかかっていることが多いからだ。

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それがこの日は珍しく,中腹に雲があるものの,山頂は雲がなく,山体を拝めた。

品川には,9時頃に到着した。何度も通過してきたが,ここで降りるのはまだ2回目だ。1回目は,たしか学部時代に工場見学の講義で降りた。そのときは,集団行動だったため,ちゃんとようすを見られていない。

品川駅は,名古屋駅とは異なり,完全に屋内型のホームになっている。2面4線に,次々と列車が飛び込んでくる。東京駅とは,同駅として扱われていて,多くの乗客が列をなして乗り込んでいた。

ゆるやかなカーブ上に駅が配置されているので,望遠レンズをつかえばなんとか,カッコいい写真も撮れる。

ただ,太陽光が入らないから,日中でも薄暗い。口径の小さいレンズだと,どうしても高感度で撮らないといけなくなるのが難点。

何本か後続列車の写真を撮ったら,いちど改札を出た。

蒸し暑い品川駅のコンコースには,人が川のように流れていた。東京のひとは,歩くのが速い。その川をさかのぼるようにして,隅のほうを歩いていると,駅周辺の地図が目に入った。線路のかたちを見ていると,なにやらどこかでみたことがある線形が目に入った。これあれだ,京急の超有名撮影スポットだ。

品川駅には,京急が乗り入れていて,ここを出発する列車が最初に通るのが,「八ッ山鉄橋」と「品川第一踏切」だ。撮影スポットとして,超有名だが,同時に,大量の列車が行き交うことで,「開かずの踏切」が形成されてもいる。これを解消するべく,品川駅周辺では,連続立体交差の工事が行われているようだった。

のりつぎの常磐特急「ひたち13号」の出発までは,まだ3時間以上ある。ということで,実際に八ッ山鉄橋と品川第一踏切に行ってみることにした。

(つづく)

【京急】八ツ山跨線線路橋(品川第一・第二踏切)

夏の東北鉄道旅(2) 常磐特急「ひたち」品川→仙台

  1. ちなみに9月の連休初日(9月14日)には,68Aの3分後に,臨時の「のぞみ286号」が追いかけるスジとなっている(参考:JTB小さな時刻表2024夏号↩︎
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