「夏休み四国満喫きっぷ」の旅
JR四国全線 及び
土佐くろしお鉄道・阿佐海岸鉄道・JR四国バスが乗り放題,
特急列車自由席も乗り放題の
4日間フリーきっぷにて,
四国をじっくり堪能する鉄道旅.
今日は4日目最終日.
午後には名古屋へ戻らなければならないので,午前中を使って未乗路線を乗破する.
乗り残した路線は土佐くろしお鉄道・ごめんなはり線,高知県南東部の第3セクター路線.土讃線の後免駅を起点とし,阪神タイガースのサブ本拠地的位置付けの安芸を経由して,海沿いの町・奈半利を結ぶ路線だ.
車窓に見えるは太平洋,走る列車は阪神タイガース応援列車.見て楽しい・乗って楽しいごめんなはり線乗車記.
土佐くろしお鉄道ごめんなはり線
昨晩宿泊したのは高知駅近くのビジネスホテル.
ごめんなはり線に乗るために,まずは高知駅へ向かう.高知駅からは,ごめんなはり線に直通する列車が走っている.通過駅はわずかながらも,一応快速列車も設定されていて,本数も多い.ローカル線ながら利用しやすい路線.
土讃線・高知駅から出発
昨日に続き,高知駅のホーム.
ごめんなはり線直通・奈半利行きの列車は4番のりばからの出発.
朝の時間帯には快速列車が設定されていた.大都市圏の「快速」とは異なり,停車駅の方が多い.普通列車から一部の停車駅を除いた「一部通過」列車という方が正しいだろう.実際,駅の次列車案内標にはそのように案内されている.
快速 奈半利行
高知0830=奈半利0941
もちろんディーゼルカー.
“快速”と案内されるが,主要駅のみ掲載のコンパス時刻表を参照すると普通列車にしか見えない.
そんなちょっと速い普通列車は,黄色いボディが印象的.前面右下には”Baseball park in Aki“の文字.野球好きの方であれば知っていると思うが,安芸には阪神タイガースがキャンプで利用する安芸市営球場がある.球場の愛称は「安芸タイガース球場」.安芸は,阪神のお膝元のまちなのだ.
ということで,ごめんなはり線には阪神タイガース応援列車があり,それがこの黄色い汽車なのだ.
列車は2両編成.このうち前寄りの1両(奈半利行)がタイガース応援列車,後ろ側(安芸止め)は普通の車両.
奈半利まで行くので,とりあえず途中までは後ろのノーマル車両で行くことにした.
座席は転換クロスシート.座席の背面がJRの列車より高い.普通に座ると前側の視界は大部分が座席になる.
後免駅から土佐くろしお鉄道へ
高知~後免間およそ10kmの区間は,JR土讃線と重複.所要時間はわずか15分.ひらがなの”ごめん”が目立つホームへ入線して,乗務員が交代する.
ごめんなはり線に入っても,車窓が大きく変わるということはない.高知市街から続く,田園と住宅の混在した車窓がそのまま見えている.
先ほどローカル線,と書いたが,郊外路線という方が適切な表現かもしれない.
途中にはポツポツと利用客がある駅が続く.それなりのお客さんが乗降しており,市街地の小都市を結ぶ路線という雰囲気だった.
タイガース一色の阪神応援列車
安芸駅が近づいてきたので,前側車両「阪神タイガース応援列車」に移動してみた.
車内は黄色と黒の阪神タイガース一色.至る所にラッピングが施されている.天井側面には選手の写真も貼ってあったりする.
外側ももちろんタイガース仕様.
地元のタイガース熱がひしひしと伝わってくる車両だ...名古屋在住の自分は中日ファンだから,あれだけど,阪神ファンの方にとっては非常に面白い車両に違いない.
安芸駅のひとつ前には,その阪神タイガースの練習場がある「球場前」という駅に停車.駅のすぐ近くに,大きな室内練習場と野球場が見えた.
駅名標の下に描かれているマスコットキャラクターは,高知県出身のやなせたかし先生が生み出したごめんなはり線のキャラクター.各駅にひとつずつ,やなせ先生が生み出した個性豊かなキャラクターが設定されている.
安芸駅で1両編成に
第3セクターらしからぬ?高規格路線を快走して,安芸(あき)駅到着.高知から1時間弱.
安芸駅で後ろ1両を切り離して,阪神タイガース応援列車単独となって終着奈半利駅まで各駅に停車していく.
終点・奈半利駅
安芸駅からいくつか駅に停車して,終着の奈半利駅到着.
一面一線だが,高架駅.
昨日乗車した中村・宿毛線もそうだけど,土佐くろしお鉄道は全体的に高規格路線.そこを1両単行の列車がガンガン飛ばすもんだから,面白いと言えば面白い.
奈半利駅には太平洋を見下ろす展望台があったけど,この日は開いていなかった.駅の下には名産品を扱うお店があったかな?想像以上に立派な駅で驚いた.四国民御用達のマルナカもあるし.
奈半利から甲浦・室戸方面へ路線が延びて,徳島方面へ鉄道でアクセス出来るようになれば,四国のみぎした(南西部)はもうちょっと活性化するような気がする.でも,現状では中途半端に奈半利止まり.予算的に厳しいのか,それとも別の理由があるのかはわからない.
後免へ戻る
10分の停車ののち,すぐに安芸方面へ同じ列車が折り返す.
黄色い列車に,地元客が大勢乗り込んでいく.
普通 安芸行
高知0951=安芸1012
帰りの列車は安芸止まり.
大勢の地元客で賑わう列車に揺られて,安芸駅でのりかえ.
普通 高知行
安芸1014=後免1105
快速ではなく,普通列車.2分で乗り換えられる好接続.
徳島で買った文庫の続きを読んでいたら,あっという間に後免駅.
後免駅0番線奥には,やなせ先生が書いた「ごめん駅でごめん」の唄を発見.
2番ある唄の中に,”ごめん”が猛然と出現・・・なんだか,圧力が凄い.
南風と新幹線を乗り継いで名古屋へ
土讃線との接続駅・後免駅からは,南風に乗って岡山を目指す.
この旅最後の特急列車だ.
南風12号岡山行
岡山までの長時間乗車に備え,後免駅近くのコンビニで昼食を買い込み,1番のりばへ.
特急 南風12号岡山行
後免1122=岡山1340
最後はやっぱり2000系.
4日間の旅を,土讃線特急で締めくくり.
土讃線~瀬戸大橋線の車窓
祖谷かずら橋のオブジェがある大歩危駅を通り
大歩危・小歩危峡を眺める.
阿波池田から高知方面への下り南風に乗ったときは夕方だった.
【新旧特急乗り比べ】剣山7号と南風15号を乗り継いで徳島から高知へ|夏休み四国満喫きっぷの旅(4)
そのときとはまた違う雰囲気を味わえる.青空と,森の緑に囲まれたカーブの多い難所を,振り子でスイスイ抜けてゆく.
四国山地を抜け,琴平駅,多度津駅,丸亀駅に停車.
いよいよ四国最後の駅・宇多津駅へ.
南風は宇多津駅から瀬戸大橋線に入る.同じ瀬戸大橋線を走る特急しおかぜは,いしづちとこの駅で連結・解結を行うために停車するが,南風は宇多津駅を通過する.
予讃線から左へ逸れて,瀬戸大橋線に入る.
今まで何度も通ってきた瀬戸大橋,ディーゼルカーで渡るのは久しぶり.しおかぜが電化される前以来だ.南風で渡るのははじめて.
しおかぜやマリンライナーで何回も渡った瀬戸大橋だけど、南風で渡るのは初めて、快晴で気持ちいい! pic.twitter.com/pybpgImVvS
— タケ|自転車と鉄道 (@take26confi) September 25, 2019
四国満喫きっぷが有効なのは,瀬戸大橋線児島駅まで.
児島から先は,通常の乗車券と特急券が必要となる.
ということで,この日の朝に高知駅で買ったきっぷたち.児島→岡山の特急券は,新幹線特急券との乗り継ぎ割引が利いて270円になっている.
満喫きっぷ,たくさんハンコが押されて良い感じ.
岡山駅でのりかえ
岡山駅到着.
すぐに新幹線にのりかえ.
岡山駅新幹線のりかえ口はいつも混雑している.山陰・山陽・四国など,在来線各方面の乗客がのりかえてくるのだから,当然といえば当然かもしれない.
のぞみ28号 東京行
岡山1353=名古屋1530
のぞみだけど,平日昼間だから自由席に乗車.
乗車率は7割ほどで,通路側の座席なら多く空いていた.ただ,窓側の座席はほぼ満席.さすがに博多始発東京行の定期列車は乗車率が高い.
1時間40分で名古屋駅.やっぱりのぞみは速い!
まとめ:四国の鉄道路線完乗!
以上,四国満喫きっぷの旅・最終日の記録.
土佐くろしお鉄道ごめんなはり線を乗破したことにより,四国内(ライトレールを除く)の鉄道全線完乗を達成した.
何度も訪問している北海道の方が先に達成できるかな~とか思っていたけど,四国満喫きっぷのおかげで一気に四国内の路線を乗りつぶすことができた.
完乗を目標に乗り鉄をしているわけではないけど,やっぱり全部の路線に乗りきったということは嬉しい.達成感でいっぱいだ.
次はJR北海道完乗かな?宗谷本線・根室本線・室蘭本線,廃線が濃厚な日高本線・区間が短縮された札沼線・・・まだまだ先は長いけどちょっとずつ乗りに行きたい.