【渦の道】鳴門線に乗って大鳴門橋とうずしおを見に行こう|夏休み四国満喫きっぷの旅(3)

「夏休み四国満喫きっぷ」の旅

JR四国全線 及び
土佐くろしお鉄道・阿佐海岸鉄道・JR四国バスが乗り放題,
特急列車自由席も乗り放題の

4日間フリーきっぷにて,
四国をじっくり堪能する鉄道旅.

2日目のスタートは徳島駅.

午前中は未乗路線・鳴門線と,
路線バスを乗り継いで鳴門へ.

うずしおの”渦巻き具合”は微妙だったけれど..
大鳴門橋の真下を歩けたのが楽しかった!

大鳴門橋では阿波踊りも…?

鳴門線|徳島⇔鳴門

迫り来る台風から逃れるようにして宿泊した,蔵本のビジネスホテルを出発.

朝の蔵本駅.徳島駅から徳島線(よしの川ブルーライン)で2駅のところにある.2面2線の対面式ホームをもち,特急列車「剣山」も多く停車する.徳島大学医学部の最寄り駅.

徳島へ遊びに出てくる人で満員の普通列車に揺られて,徳島駅へ.

気動車天国・徳島駅の朝

全国唯一の電車なし県・徳島県のターミナル駅

徳島駅の朝.

乗車する鳴門線の列車までちょっと時間があるので,特急列車などを観察.

改札口目の前にある2番ホームには,徳島線を阿波池田へ走る特急「剣山(つるぎさん)」が停車中.車両はキハ185系,四国では唯一の国鉄型特急車両だ.深い緑の国鉄カラーではなく,JR四国のモチーフカラーである水色の塗装.この塗装は剣山として走り始めるときに導入したらしい.

キハ185系 特急「剣山」

「剣山」には本日2日目の午後から乗車した.古き良き?というにはまだまだ早い,良い列車.

 

徳島駅を発着する特急は

の3本.

特急「うずしお」で導入されている2700系が留置中.数編成しか製造されなかった2600系をベースに,制御振り子装置を搭載した気動車特急2700系は,土讃線での運用を見込んで開発された.

まだまだ「新車」のイメージが強いけど,先日ついに土讃線特急「南風」「しまんと」での本格運行がはじまった.量産も始まっているし,これからは徐々に2000系での運行は減っていくのだろうか…?

2000系はJR四国が誇る名車両,運行が少なくなるのは寂しい.

鳴門線普通列車に乗車

コンビニで飲み物を買って,鳴門線の列車が発着する4番ホームへ.

4956D
普通 鳴門行
徳島0909=鳴門0958

安定のワンマン単行列車.

愛媛県内を走る気動車に比べれば,トイレがある分マシだ.

【#がんばってます!南予】予讃線日帰り旅|内子線経由・宇和島→松山【お正月18きっぷ旅】

予讃線・予土線を走る普通列車にはトイレがない()

昨日同様,1200型気動車の最前方に着席.

前面展望を楽しみながら,鳴門へ.

所要時間40分少々の短い路線

午前の目的は鳴門でうずしおを見ること.

鳴門線徳島~鳴門間の所要時間は40分~50分,短い路線だ.

住宅街の中を走る,鳴門⇔徳島間の通勤・通学路線というイメージだったが,実際に乗って見るとそのとおり.

 

徳島駅を出て,吉野川橋梁を渡る.吉野川は別称「四国三郎」.坂東太郎(利根川),筑紫二郎(筑紫川)と並び,雄大な流れを誇る徳島・高知の水源の一つ.雨が少ない瀬戸内海側の住民だった僕からすれば,吉野川は憧れの存在()

途中の池谷駅までは,鳴門線と高徳線は同じ線路を走る.

吉成か,勝端か,どちらかの駅にて2700系が追い抜いていった.

こうやって見ると,2700系は結構カッコイイ.JR四国非電化区間の将来を担う次世代のエース車両.

車内に高校生の野球少年たちが乗り込んできた.鳴門でどっかの試合の偵察にでも行くのだろうか??

 

池谷駅で高徳線と鳴門線が分岐.

鳴門線の列車は右側へ進む.池谷駅は一応,高徳線所属の駅らしい.

池谷駅

池谷駅は,高徳線と鳴門線のホームが分岐するY字の先にそれぞれ設置されている.Y字の間に駅舎がある恰好だ.なんというか,JR四国らしい,分岐駅だ.

 

池谷から先は,珍しい・興味深い駅名が続く.

立道(たつみち),教会前,金比羅前,撫養(むや).教会前とか金比羅前は,地元密着型の駅名という雰囲気.国有化される前,この路線は民間鉄道(阿波鉄道)だったことが要因なのかな.

_ _

徳島から49分で鳴門駅到着.

乗客はそれなりにいたように思う.終点の鳴門駅で多くの観光客や地元の学生が下車していった.

 

 

徳島バス|鳴門駅→鳴門公園

鳴門駅を出てすぐ渦潮が見られる...わけではない.

渦潮を見られるのは,大鳴門橋の足下にある鳴門公園.鳴門駅からは少々離れている.

鳴門公園までは,徳島バスが運行する路線バスがあるので,そちらを利用する.

車内は観光客数人と,地元の学生がひとり.

週末の日中・昼前の便ということもあって,ガラガラ.

 

海沿いまで出てくると,車窓には大鳴門橋!対岸の島は日本で一番大きな島・淡路島だ.

四国から陸路で脱出するためには,必ず橋を渡らなければならない.幾多ある橋の中の一つである大鳴門橋はコンパクトな部類.

来島海峡大橋とか,瀬戸大橋に比べるとかなり小さく見えてしまうが,この2つの橋が別格であるだけ.大鳴門橋も十分カッコイイ.

20分ほどバスに揺られて鳴門公園に到着.運賃は320円.

参考:鳴門公園線時刻表|路線バス|徳島バス

 

東洋一のエスカレーター「エスカヒル鳴門」

鳴門公園駐車場から階段を上って,大鳴門橋の方へ.

鳴門公園にはうずしお関連の観光施設がいくつかあって,今回はその中から2つえらんで行ってみた.

 

1つ目のスポットへ行く前に,とりあえず大鳴門橋を歩道でオーバーパス.

ちょっと曇ってるけど,潮風が気持ちいい!

この道路は神戸淡路鳴門自動車,高速道路だ.足下を車がビュンビュン通り抜けていくのも爽快だ.

壮大なスケールの大鳴門橋にしばし見とれる.

大鳴門橋をオーバーパスして階段を降りると,「エスカヒル鳴門」に到着.

ここには,大鳴門橋が一望できるパノラマ展望台と,「東洋一」を謳うエスカレーターがあるらしい.

このあと訪問する「渦の道」との入場券セットを買って,早速エスカレーターに乗ってみる.

鳴門公園周辺施設の入場には,有料の入場券が必要.複数施設の入場券が組み合わされた「セット券」が各施設にて発売されているので,入場前に行きたいところをえらんでおくのがオススメ.
「セット券設定施設」+「渦の道」 通常料金⇒セット料金
1.「大鳴門橋架橋記念エディ」+「渦の道」
大 人
1,130円 ⇒ 900円
中高生
820円 ⇒ 660円
小学生
520円 ⇒ 400円
2.「エスカヒル鳴門」+「渦の道」
大 人
910円 ⇒ 710円
高校生
810円 ⇒ 710円
中学生
510円 ⇒ 410円
小学生
360円 ⇒ 280円
3.「うずしお汽船(小型船)」+「渦の道」
大 人
2,110円 ⇒ 1,850円
中高生
2,010円 ⇒ 1,850円
小学生
1,060円 ⇒ 920円
4.「うずしお観潮船(大型船)」+「渦の道」
大 人
2,310円 ⇒ 2,030円
中高生
2,210円 ⇒ 2,030円
小学生
1,160円 ⇒ 1,010円
5.「鳴門市ドイツ館」+「渦の道」
大 人
910円 ⇒ 730円
高校生
810円 ⇒ 730円

引用:お得なチケット情報 – 渦の道より

“東洋”というフレーズは少々昔風な聞こえだけど・・・その実力やいかに.

 

・・・

え,すごい.この長さ.

傾斜は普通のエスカレーターより少しキツいくらい,だけど,長さがとんでもなく長い.上のフロアに到着するまで3分かかる.

あまりの長さに,上を見ているとバランスを崩して下に転げ落ちて行ってしまいそうになる.写真左側にある「危険!カメラ撮影注意」の注意書きは,紛れもない事実.手元に気を取られていると平衡感覚を失ってしまいそうになる!

これは「東洋一」の名に恥じないエスカレーターだ.

 

エスカレーターを降りて階段(エレベータ有)で展望台へ.

パノラマ展望台からの景色↓

うん,上等!大鳴門橋を一望できる.

良い景色だ.

大鳴門橋の異空間?「渦の道」

エスカヒルから10分ほど歩いて,次に向かうは「渦の道」.

渦の道は,大鳴門橋の道路下の空間を利用した,地上45mの高さにある遊歩道.鳴門海峡を走る渦潮を真上から見下ろすように見られる,渦潮の有名見物スポットだ.

公式サイトには,毎日の「渦潮の見頃時間」が紹介されている.訪問前に要チェックだ.

渦の道入口に,本日の渦潮の見頃時間が掲載されていた.本日の見頃は...満潮時刻が13時.11時半から14時半までは渦潮が巻く目安時間だ.今の時刻は11時を回ったところ.ちょっと早かったかな・・・?まあ,とりあえず行ってみよう.

大鳴門橋は現在のところ,道路専用となっている.

本州と四国を結ぶルートは,他に本四備讃線・瀬戸中央道(瀬戸大橋)と,西瀬戸自動車道(しまなみ海道)がある.このうち道路・鉄道併用なのは瀬戸大橋のみ.しまなみ海道はいくつもの島を結ぶ自動車道で,鉄道を敷設するにはあまりにコストがかかりすぎる.

じゃあ大鳴門橋は鉄道は敷かないのか?ということだけど,橋の下には鉄道が通れる空間が設計されている.建設当時は四国新幹線が通る可能性があったから,とりあえず造っといた,ということだろう.しかしながら,神戸淡路ルートを形成するもう一つの橋「明石海峡大橋」は道路専用で設計され,建設された.したがって,もし四国新幹線を神戸淡路鳴門ルートで建設するなら,淡路~本州間は別途ルートを新設する必要が出てくる.だから,大鳴門橋を鉄道が通る可能性は低い.1980年には,大鳴門橋鉄道部分は単線運行設計に変更されているので,仮に運行するとしても単線での運行となる.

参考:大鳴門橋 – Wikipedia

そんなわけで,現在では四国新幹線のルートは,瀬戸大橋ルート(在来線と並走)と紀伊水道(海底トンネル??)ルートが多少有望視されている(といっても海底トンネルを掘るのもかなりの費用がかかる・・・どっちにしても四国新幹線は費用がかさむ・・・)

大鳴門橋

鉄道が通れそうな空間?

鉄道利用部分を使わないなら,観光スポット化してしまえ!ということで,ここに遊歩道ができた.それが「渦の道」.

上は高速道路,大型トラックが通るたびにドスンドスンと音と振動が響く.

高さも45m,ところどころに設置されているガラス張りの床から見る鳴門海峡がスリル満点.

で,肝心の渦潮は・・・う~んちょっと巻いてるけど,完全な渦ではないかな.自然が織りなす景色だから,そう簡単に見られるものではない.

それでも,海峡の潮流には感動した.渦潮をつくる潮の流れは,やっぱり速い.肉眼で見て「海の水がグングン流れて行ってる・・・!」と実感できるくらいの速さ.時速だとだいたい20km/h以上は出てるかな?どこかにスクリューでも付けて,ジャバジャバ水を押し流してるんじゃないかというくらいのスケール.

渦潮を見物できる,広場のようなスペースでは
地元の阿波踊りグループ「ほんま連」が,阿波踊りイベント?を開催していた.

大鳴門橋の下,渦潮の上で,阿波踊り.徳島の名物がいっぱい詰まった景色.

(あとは徳島ラーメンとすだちがあれば完璧?)

生で阿波踊りを見るのははじめて.

柔らかいけど力強い,笑顔が素敵な踊りだった.近くで見ると感動する.

偶然だったけど,いいものを見られた.

渦潮はまた今度リベンジしよう.

 

渦の道を歩いて戻り,バス停でちょっとバスを待ちながら休憩.

バスと鳴門線で徳島へ

鳴門見物はこれにておしまい.

短かったけど,大鳴門橋の真下を歩けたし,阿波踊りも見られたしよかった.

 

帰りも路線バスと鳴門線を乗り継いで,徳島へ.

写真のバス,行先を見ると「徳島駅前」.

鳴門線に乗らなくても,このバスで徳島駅前まで行けてしまうのだ.

鉄道にこだわらないのであれば,バスで一気に徳島駅まで行くのもいいかも.

帰りのバスは満席に近い状態だった.鳴門公園から帰る観光客が沢山乗っていた.

鳴門駅では鳴門線の列車と好接続.心配だったバスの遅れはほとんどなく,乗換時間3分で鳴門線の列車に乗り換えることができた.ナイスタイミング!

4967D
普通 徳島行
鳴門1306=徳島1353

列車も帰りは混雑していた.座れないことはなかったけど,ほとんど全部の座席が埋まっていた.赤字路線とはいえ,週末の昼間は利用者に恵まれているみたいだ.

まとめ:充実の半日鳴門観光

以上で,半日鳴門観光は終わり.バスと鉄道を有効活用して,半日でも結構充実した散策だった.

 

神戸淡路鳴門自動車道全通,モータリゼーションの波に押されて影が薄い鳴門線.

バス・車の方が便利で安いのは否めないけど,利用客あっての路線.存続のためには利用客をしっかり維持して頑張って欲しい.

 

午後からは徳島ラーメンを食べて,特急「剣山」と「南風」を乗り継ぎ,はるばる高知県高知市まで向かう.特急列車楽しみだ~!

【1日目はこちら】