「夏休み四国満喫きっぷ」の旅
JR四国全線 及び
土佐くろしお鉄道・阿佐海岸鉄道・JR四国バスが乗り放題,
特急列車自由席も乗り放題の
4日間フリーきっぷにて,
四国をじっくり堪能する鉄道旅.
今日は3日目.JR四国内で残る未乗路線のうち南西部の路線,
- 土讃線(高知~窪川)
- 土佐くろしお鉄道/中村・宿毛線(窪川~中村・宿毛)
- 予土線(宇和島~窪川)
に乗りに行く.
午前中は窪川まで2000系特急しまんと1号にて行き,窪川から鉄道ホビートレイン(四国新幹線)にて予土線を北上し宇和島へ向かう.
しまんと1号|高知→窪川
朝の高知駅.今日はここから西へ向かい,最終的にはまた高知駅に戻ってくる行程.かなりの移動距離になるけれど,1日列車に揺られることは全く苦ではない.
しまんと1号中村行
高知駅から,県南西部方面(窪川・中村・宿毛)への一番列車は,高松始発のこの列車.
特急しまんと1号中村行
高知0820=窪川0926
土讃線特急はほとんどの列車が高知駅で系統分離されている.そんな中で数少ない,土讃線・土佐くろしお鉄道(窪川~中村)への直通列車である.
「しまんと」ってドコ走ってるの?
高知県西部へ流れる清流・四万十(しまんと)川から名付けられた「しまんと」という愛称は,「南風」に比べるとやや影が薄い印象.運行本数が少ないし,四国内完結の特急列車だからという理由も考えられる.
岡山=高知・中村「南風」
高知=中村「あしずり」
しまんと・南風は宇多津=高知間で併結される列車もある.
予讃線特急いしづち・しおかぜは,本数がほぼ同じで,同じ号数の列車が必ず併結する.土讃線はそういうわけではないから,しまんとは四国外の人には馴染みが薄い列車だろう.
予讃線と対比させるとわかりやすい.
いしづち≓しまんと(高松発着の列車)
宇和海=あしずり(県南西部完結の列車)
≓と書いたのには理由がある.南風やしまんとには,中村まで直通する列車もほんの少し存在するのだ.中村を宇和島と同じように考えれば,かつてしおかぜが宇和島まで直通していたことと似ている.(ということは,将来的には高知で完全に系統分離されるかもしれない・・・実際宿毛までの直通特急は廃止となった)
画像引用:SHIKOKU’S World JR四国より
自由席はほぼ満席
自由席に着席.高知駅自由席乗車口は,出発10分前くらいから行列ができていた.高知駅出発時点で車内はほぼ満席.
高知駅のパン屋さんで買ったパンと,コンビニの珈琲で朝ごはん.今日も2000系のエンジン音が素晴らしい.
高知駅を出てしばらくは,郊外の地域を走る.
旭,朝倉,伊野.ポツポツ停車してく駅には,学生の姿が多い.そういえば今日は平日か.
これらの駅を過ぎると,多少混雑は緩和する.が,まだまだ乗客は多い.さすが始発列車.
_ _
2000系はエンジン音を響かせながら,快調に飛ばしていく.土讃線高知以西の区間は割と線形がいいので,直線区間の気持ちいい走りを楽しめる.
朝ごはんを食べ終わりうとうとしていると,もうすぐ須崎駅に到着.
何かの工場が見えた.須崎はたしか,セメント工場が有名だった気がする.
須崎駅,「すざき」ではなく「すさき」と読む.
非常ブレーキ作動
土佐久礼を出発してしばらく走ったところのトンネルに入る途中で,非常ブレーキが作動して列車が止まった.強烈な排気ブレーキの音とガクンと大きな衝撃があった.
しばらく停車していたが,安全確認が終わった旨の放送がありすぐに出発した.
原因は何だったんだろう・・・
機械の誤作動とか?
気になるなあ・・・,
土佐くろしお鉄道との境界駅・窪川駅
高知から1時間少々で,土讃線の終着駅・窪川駅に到着.
それなりの乗客が降りていった.
窪川からは予土線に乗るので,自分も下車.
中村方面は「土佐くろしお鉄道」の区間となり,乗務員が交代する.
土佐くろしお鉄道の制服は水色のポロシャツ.ビシッと決めたJRの乗務員とは対照的に少々ラフな印象.まあ,これはこれで素敵.
では,2000系とはしばしのお別れ(今日高知へ戻るときにふたたび乗車する)
予土線・鉄道ホビートレイン
2000系しまんと号を見送っていると,
横に現れたのは・・・新幹線!?
1両編成の新幹線()
予土線のホームに停車中なのは,四国新幹線・・・ではなく,鉄道ホビートレイン.0系新幹線をモチーフにした,1両編成の気動車だ.
四国は沖縄をのぞく全国で唯一,新幹線が全くない地域.あまりにも新幹線が欲しすぎて,ついつい造ってしまったのだ(嘘)
実態はただの普通列車.
普通 宇和島行
窪川0940=宇和島1223
運転士の視界を確保しつつ,丸い団子鼻をどうにかして再現しようとした結果がこの形.本物と似ているかどうかは別として,愛着のある顔だと思う.
ちなみに反対側は,運行の都合なのか予算の都合なのかはわからないけど,キハ32系に0系先頭車のラッピングを施したのみ.
う~ん・・・これはどう見てもキハ32だ.
ホビートレインの車内
”鉄道ホビートレイン”という名前の通り,車内には鉄道模型や,鉄道に関する資料が展示されている.宇和島までは2時間40分のロングランだが,これなら飽きずに楽しめそうだ.
運賃表示器に注目.
予土線の駅の下に・・・なんと東海道新幹線の駅名がある!
しかもちゃんと開業当時の駅名になっている(品川,三島,新富士,掛川,三河安城がない).遊び心満載の車内だ.
ロングシートで四万十川沿いをゆく
「世界最遅の新幹線」とも称されるこの列車は,のんびり走る.
ロングシートの車内は,座席が7割ほど埋まっている.地元の利用客と観光客が半々くらい.
予土線と中村線が分岐する川奥信号場で一旦停車.信号を待って出発し,右側の線路へ進む.ちなみに中村線はここからループ線を走行して中村へ進んで行く.
予土線単独の区間最初の駅は家地川(いえぢがわ)駅.
右側車窓には四万十川が見える.ここから江川崎駅まで,蛇行する四万十川と並走を続ける.予土線の愛称は「しまんとグリーンライン」.美しい清流が,一番の見所だ.
四万十川は清流として名高い,美しい川.
予土線は川から少し高い所をゆっくり走る.本物の新幹線では,こんなにのどかでゆっくりとした車窓は楽しめない.
ほとんどの区間が単線だが,列車の本数も少ないので,列車交換はなく淡々と進む.
予土線内は面白い駅名が多い.
大正から昭和へ行ったり
禿げたりする
半家(はげ)駅
ひらがなで「はげ」と書かれると,吹き出しそうになる.
江川崎駅で長時間停車
窪川から1時間で,予土線内の主要駅・江川崎駅に到着.立派な駅舎がお出迎え.江川崎駅始発・終着の列車も2,3本あり,停泊列車が存在する.したがって,駅の隣には宿舎もあるようだ.ちなみに予土線全通までは,当駅が終着駅だった.
1面2線のこの駅で,かなりの時間停車する.たしか30分近く停車していたのかな?
線路を挟んで駅舎の反対側からは,四万十川の支流・広見川のせせらぎが聞こえてくる.ここら辺を自転車で走ったら気持ちいいだろうな~
駅周辺にはそんな自分を誘うかのように,サイクリングのポスターがたくさん貼られていた.今度四国に帰省したときにこの辺走ってみようかな.
駅横のトイレで用を足し,しばらくすると,窪川行きの上り列車がやってきた.乗客の多くが,一度下車して,鉄道ホビートレインの写真を撮影していた.
後から到着した上り列車が,先に出発.
広見川と四万十川の合流地点にある橋を渡って,ゆっくり走り去っていった.
そのあと数分ほど待ってから,鉄道ホビートレインも出発.
高知から愛媛へ
江川崎より宇和島方は,四万十川の支流・広見川沿いを進む.
しばらく車窓は自然の風景が続くが,愛媛県との県境を越えると徐々に市街地が広がってくるようになる.
途中で,臨時列車「アンパンマントロッコ」とすれ違った.トロッコタイプの指定席には,地元の幼稚園か保育園の児童がぎっしり乗っており,こちらに向かって手を振っていた.かわいらしい!
近永駅.
予土線主要駅のひとつで,ここが終着となる列車もある.
宇和島に近づくにつれて,乗客が増えてきた.
学生が多く乗車しており,立ち客もいる.
宇和島駅
窪川から2時間40分のロングランを終え,宇和島に到着.
予土線の列車はトイレがついていないけど,途中長時間停車があるので,そこで用を足すことができた.
宇和島駅は南予のターミナル駅.
お正月に訪れて以来だ.
予讃線日帰り旅|愛ある伊予灘線経由・松山→宇和島【お正月18きっぷ旅】
【#がんばってます!南予】予讃線日帰り旅|内子線経由・宇和島→松山【お正月18きっぷ旅】
まとめ:のんびり眺める四万十川
以上,しまんと1号&予土線鉄道ホビートレインの乗車記.
世界で最も遅い新幹線から眺める風光明媚な予土線の景色は,長時間のロングシート乗車でも飽きない,美しい景色だった.
四国新幹線の将来は明るいぞ.
午後からは宇和島バスと土佐くろしお鉄道を活用し,残す窪川~宿毛間を乗破する.
宇和島からはバスで宿毛へワープ.