最近は週末を下宿ですごすことが多い。
楽しみの1つは,YouTubeでちょっと昔の鉄道風景を観ることだ。それも,自分が生まれるより前の風景。たとえば,寝台特急の運転席のようすや,昨今引退した列車の開発ドキュメンタリーなど。
というわけで今日は,自分が大学に入ってから現在まで,ブログをきっかけとして残してきた写真をふりかえってみる。そのなかでも,「現在ではもう見られなくなった鉄道風景」をテーマに,いくつか紹介していく。
この記事では,特に,2017年から2018年春までの間の写真を,時系列順で紹介していく。
【写真回顧】今はもう見られない鉄道風景①
2017年
2017年は,大学1年生だった。鉄道熱が再燃するまえで,鉄道にかんする写真はほとんどない。
そのなかで唯一,「今はない鉄道風景」が見つけられた。はじめて18きっぷをつかって移動したときに撮影した700系(B編成)だ。写真はこちら↓
撮影地は相生駅。年末に,18きっぷをつかって実家へ帰省していたときだ。たしか,相生から岡山までワープしようとしていたところだと思う。
当時は一眼レフをもっておらず,上の写真はホーム上からiPhoneで撮ったもの。先頭車側面に「JR700」のロゴがあることから,JR西日本所属の「B編成」だと思われる。
2017年末時点での700系B編成は,Wikipediaによると,15編成のうち2編成しか廃車されておらず,まだまだ現役だったようだ[1]。
現在では,みなさんご存じのように,700系新幹線はJR西日本のE編成(レールスター)を除いて,全車引退済み。今では700系自体を見られなくなってしまったわけだが,2017年当時はこのように,本線を通過する運用もあったらしい。
コロナの影響でラストランがなくなった700系。幼いころは,カモノハシみたいな顔が新幹線らしくなくて,あんまり好きになれなかったが。。。現在までつづく700系ファミリーの基礎であり,新幹線の「標準車両」の礎をつくった名車両であることには間違いない。
2018年春
大学2年生になり,徐々に鉄道への熱が戻って来た。
4月には,18きっぷをつかって名古屋から関東へと1泊2日の鉄道旅を敢行した。
そのときの写真から数枚をピックアップする。
中央東線「あずさ」E257系0番台
まず,名古屋から中央線経由で東京へ行く途中,大月駅でみかけたE257系の「あずさ」だ。
引用元記事でも,置き換えに関して言及している。ちょうどこのころ(2018)は,中央東線の「あずさ」について,E353とE257とが入れ替わる過渡期にあたっていたようだ。E353の「あずさ」は,このときは「スーパーあずさ」と呼称されていた。
この車両もいずれE353系に置き換えが進んでいきます。昔の主力車両がどんどん新しい車両に置き換わっているので,乗れる列車は乗れるときに乗っておきたいと、最近思います。いなくなってからでは遅いんですよね。
乗れる列車はのりたいときに乗っておく。「乗り鉄」の座右の銘のようなことばだ。
E257系0番台は,2019年3月改正をもって,中央線系統の定期特急運用から退いた。その後,波動用へ改造されたり,2000および2500番台へと改番されたうえで,東海道線へと活躍の場を移したりしている。おもに特急「踊り子」および「湘南」の運用に就いている[2]。
塗り替えられたE257系は,写真でしか見たことがないが,青色も結構似合っている。東海道線なら,中央東線より乗りに行きやすいので,ぜひ乗りに行きたい。
また,E257系については,500番台が房総地区の特急運用に就いているので,こちらも乗りに行きたい。
JR東日本の205系
次は,新前橋から東北本線にて,那須塩原まで北上する途中に乗車した,宇都宮線の205系(600番台)。
本形式には,宇都宮から那須塩原まで行くのに乗車した。
また,那須塩原から宇都宮まで戻る復路でもこの形式に乗車した。(写真が適当なのは申し訳ないが)この風景も今では見られない。宇都宮線・日光線で運用されていた205系600番台は,2022年3月改正をもって引退した[3]。丸いライトが愛らしい,独特な顔つきだな~と思いながら乗車したことを記憶している。
現在,宇都宮線の205系600番台は,E131系によって置き換えられている。
なお,同じ205系でも,鶴見線・南武支線・仙石線で走っている形式は,現在も活躍中[5]。
七尾線に乗り入れる413系
つづいては,2018年5月の写真。
GWに,能登半島を1周するキャンプツーリングに出かけた帰りに,七尾駅から輪行するついでに撮ったものだ。七尾から金沢までの輪行に利用したのは,七尾線の413系。
七尾線の普通列車は,当時,すべてがこの国鉄型で運用されていた。輪島塗をイメージした赤色が特徴的だった。
七尾線にはこのほか,415系という,よく似た形式も乗り入れていた。
413系と415系は,ぱっと見だけだと同じように見えるが,その出自はまったく異なる。
まず,写真の413系は,もともと急行用だった車両を改造したもの。外見でわかるのは,ドアの数。近郊型では3ドア車が多いが,この413系(元・急行)は,2ドアとなっている。
一方,415系(800番台)は,もともとは113系直流近郊形電車。
七尾線は,絶縁破壊等の問題から,直通する北陸本線(交流)とは異なり,直流で電化された。すなわち,北陸本線金沢方面から直接七尾線に乗り入れる交直両用電車が必要となった。それで,種車に113系をもってきて,これに交流機器を載せることで,415系800番台として運用を開始したらしい(Wikipedia参照)[4]。
さすがJR西日本,コスト削減にはぬかりがない。。。
本区分番台および413系は,2021年3月で七尾線での運用が終了された。現在は,後継車両の521系が運用についている。そういうわけで,この風景も,現在ではみられないものだ。
個人的な記録の愉しみ
以上,今回の記事では,2017年から2018年春にかけての「今では見られない鉄道風景」を写真にて紹介してきた。
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ブログや写真といった個人的な記録の愉しみは,時間が経ってから見返すことだ。今回紹介した写真たちも,特に意識することなく,「日常」のひとつとして撮影したもの。そのときは何とも思わなかったのに,時間が経つことで,勝手に色づいてきたものばかりだ。
今回紹介した写真はもちろんだが,ブログの方も,見返して楽しいのはずっと前の記事だ。
たとえば,ブログ黎明期に書いた記事は,もう今から5年も前のものだ。今となっては顔を覆いたくなるようなヘタさだが….一方で,今よりも直接的に感情を書いてある。
おかげで,思い出や当時の気持ちは,色あせることなく振り返ることができる。
こういうものは,時間がたつほどに「味」が出てくるものだと考えている(俗にいう「エモい」)。
もちろん,記録でなくて記憶に残していることもたくさんある(ブログに書いてあることは,生活のごく一部だけ)。それでも,「記録にのこしたい」と思ったこと・ものについては,その気持ちに逆らうことなく,これからもこつこつと記録していきたい。
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リアルタイムなソーシャル・メディア全盛の今は,個人的な考え・思考・思い出,なにもかも流動的になりがちだ。たとえば,すばらしい写真や作品をつくりあげて,Twitterに投稿したとしよう。その情報に共感する人がどっと押し寄せたとしても,次々に押し寄せてくる別の情報にあっというまに流されてしまうだろう。
これでは,せっかくのすばらしい作品も,どこか遠くへ飛んで行ってしまう。最後には,作り上げた本人も,それを振り返ることはなくなるだろう。Twitterは「フロー」のメディアであって,「ストック」できるメディアではない。
これはすごくもったいないことだ。そのすばらしい作品や体験を,どこかに「ストック」しておけば,検索エンジンが機能している間は,共感してくれるひとが訪れ続けてくれる。Twitterのように爆発力はなくても,時間的に積分すれば,より多くの共感をえられることになるかもしれない。また,共感の絶対数は少なくても,それは,Twitter上で得られるものより「濃い」ものに違いないだろう。
そういうわけで自分は,個人的な記録をストックできるブログを,細々と,自己満足でいいから,続けていきたいと考えている。
参考文献
[1] 新幹線700系電車#B編成(3000番台) – Wikipedia
[2] JR東日本E257系電車#0番台 – Wikipedia
[3] 国鉄205系電車#日光線・宇都宮線向け(600番台)- Wikipedia
[4] 国鉄415系電車#800番台 – Wikipedia
[5] 列車カタログ:JR東日本