ロードバイク用のタイヤにグラベルキングをおすすめしたい話

2018年夏から1年半近く,グラベルキング32Cを履いてきた.

そして先日,リアホイール故障に伴う前後ホイール交換と同時に,グラベルキングからIRC SERAC CX EDGEをインストール.

すり減ってきたグラベルキングを引退させることにした.

グラベルキングのよさをこの1年半で存分に味わうことができた.荷物を大量に積んでガシガシ走ったり,舗装路をそれなりに巡航したり,輪行したりして,いろんなところに連れ回した.

惜別記事,というわけではないが,ツーリングタイヤとしてのグラベルキングの良さを,この記事に書き残しておく.

ツーリングタイヤとしてのグラベルキング

とにかくパンクしにくい

2018年の夏に卸してから,2019年の秋まで
ほとんどグラベルキングを履いて走った.

そのうちパンクしたのは一度だけ.

2018夏に北海道・稚内の歩道でリム打ちしたときのみ.自分の不注意・・・

稚内でのリム打ち以外は,パンクした記憶はない.

グラベルキングはとにかく強かった.

サイドカットもないし何かを踏んで貫通パンクもない.道の上に落ちている小石や落下物を踏んでも,パンクする雰囲気がないのだ.

そんなグラベルキングを履いて,2019の夏は名古屋~北海道を走った.2000kmの行程でパンクはゼロだった.大量の荷物をキャリアに積載していたので,もしパンクすると修理が非常に面倒な状況だった.そういうときにパンクゼロで全行程を走り終えられた実績のあるタイヤなのだ.

1年半近く履いてきて,グラベルキングの耐パンク性の高さを実感した.

舗装路でも転がる・軽い

グラベルキング」は直訳すると「砂利道の王

グラベルロードという車種があるように,グラベルというのはオフロードというイメージが強い.

「グラベルキングって舗装路だと重たそう」

という印象を持った人もいるかもしれない.

実際,自分も購入前はそう思っていた.

自分が購入したのは32Cのスリックタイヤ.いざ履いてみると,これが28Cのシティタイヤよりも軽く感じるのだ.パナレーサーホームページによると,実重量は290g.耐パンク性を高い水準に保ちながら,軽量化も実現されているのだ.ただ単に耐パンク性能だけを追い求めるのであればシュワルベのマラソンあたりもいいのだろうけど,軽さとの両立という点において,300gを切ってくるグラベルキングは優位だと思う.

太さは32Cだったが,見た目は30C程度に感じる.数字以上に細く感じる.”しまっている”タイヤというのが履いてみた第一印象だった.

スリック形状なので,舗装路を走っても以前履いていたシティタイヤと遜色無い.グリップ,転がりの良さに関してはグラベルキングの方が上であると感じた.

28Cのシティタイヤより32Cのグラベルキングの方がよく転がる,という事実.

グラベルキングは「オフロードタイヤ」でもあり,そして「ツーリングタイヤ」でもあるのだ.実際,パナレーサーのホームページにおいて,グラベルキングはツーリングタイヤに分類されている.

突然の未舗装路も大丈夫

舗装路だけでなく,未舗装路も走れるのがグラベルキングの強み.

ロングライド中に突然現れた舗装の荒れや砂利道も,大きな心配なく走り抜けることができる.

これは北海道ツーリングにおいて非常にありがたかった.

北海道の道は,手入れの行き届いていないところがたくさんあって,路肩のアスファルト剥がれまくり・・・みたいなのが1日に何カ所もあった.また,キャンプ場までの道のりに砂利が敷かれていて未舗装,というパターンもあった.

そういうとき,細いロードタイヤだと,自転車から降りて慎重に押し歩きしなければパンクの心配がある.一方,グラベルキングなら乗り切ることができた.

舗装林道や田舎道を経由するロングライドにおいては,非常に頼もしい存在だといえる.

ただし,スリックパターンのタイヤは,本格的なオフロードには向かない

もし,オフロードツーリングがメインならスリックよりブロック形状の「グラベルキングSK」を考えるべき.

スリックパターンのノーマルグラベルキングは
多少の砂利道やガレ,舗装のハガレに強い
というイメージの方がいいだろう.

雨の日も安心

グラベルキングを履いて走った1年半近くで,何度も雨の日の走行を体験した.

雨天時におけるドロップハンドルでの高速走行は,慣れていても怖い.ちょっとでも油断して側溝なんかに突っ込んだりすれば,横転の危険もある.

そういう雨の日の走行でも,グラベルキングは心強かった.

もちろん,普段よりは速度を落として路面に気を遣って走るのだけれど,足下の安心感はシティタイヤの時よりもずいぶん高かった.

これはグラベルキングというよりも32Cの太さのおかげかもしれない.

高速走行と安定感はトレードオフ.太いタイヤだと安心感は増すけど重たくなってスピードは上がりづらい.自分の場合,30km/h以上で巡航することはほとんどないので,多少太めの32Cを履いてツーリングにおけるバイクの安定感を高めることの方が優先だった.ツーリング用のタイヤはだいたい28Cがメインであるように感じるけど,グラベルキングは32Cでも実際は30Cぐらいの太さ・軽さだったので,ツーリングでの快適性は28Cと遜色無いと思う.

グラベルキングラインナップ

グラベルキングのラインナップをまとめておく.

太さによってチューブレス対応・非対応があるが,基本的な性能は同じ.

耐パンク性が非常に高く,価格は5000円少々.

チューブド(~28C)

ノーマルのグラベルキング.

サイズは23C,26C,28C

この3サイズは,いずれもチューブドタイヤ.ブラックサイドとブラウンサイドがある.

ロードバイクに履かせるにはぴったり.特に28Cは軽さ・転がり・耐パンクのバランスがいいのでおすすめ.

参考価格4,858円(+税)だが,amazonでは4,000円を切ってくる.前後でも9,000円でおつりがくる.

ブラウンサイドも渋くてかっこいい!次グラベルキングを買うならブラウンが欲しい...

追記:茶サイド買ってみた.履かせるとこんな感じになる.

【追記】チューブレス化によって受けられた(感じられた)恩恵をまとめてみました。

ガチじゃない自転車乗りがチューブレスにチャレンジしてよかったこと
ダイレクトなハンドリング,「ふわふわ」な乗り心地。素人でもチューブレス化のメリットは十分に味わうことができた。

チューブレスコンパチブル(32C~)

700×32C,35C,38C,

27.5×1.50,1.75,1.90

の6サイズはすべてチューブレスコンパチブル(チューブレスレディ)となっている.たしか,以前は32Cのグラベルキングはクリンチャーのみだった気がするが,チューブレス化の隆盛の波に乗る形で,太い方の6サイズはチューブレス化対応となった.

もちろんクリンチャーでも履くことができる.

ツーリング・街乗りには32Cがちょうどいい.28Cよりストレス無く走ることが出来る.

こちらもamazonが安く売っている.

オフロードツーリングをするなら35Cより上のサイズを検討するのもいいかもしれない.

グラベルキングプラス(26C,28C,32C)

僕が1年半前に買ったときはまだ発売されていなかったNewモデル.

グラベルキングPlus

パナレーサー自身が「GravelKing最強バージョン」と謳う,耐パンク性能が更に向上,耐摩耗性,耐久性も強化されたモデル.

ノーマルのグラベルキングより,1,000円ほど値段は張るが

本格的なツーリングをする人,高頻度で走る人にはプラスを買っておけば交換頻度が下がって結果的にはオトクなのかもしれない.

26C,28Cの2サイズはチューブド.

32Cはチューブレスコンパチブルでの展開.

まとめ:ロングライドから通勤までこれ一本

以上,グラベルキングのいいところとラインナップを紹介してきた.

ロードバイクでロングライドをする人,通勤する人にはぴったりなタイヤだといえる.とにかく耐パンク性能が高くて,ノンストレスで走れるのが強み.価格もそれほど高くなく,前後で揃えれば長く使える.

また,納車から初めてのタイヤ交換にもおすすめできる.タイヤを替えるだけで結構走りは変わるものだ.

週末のロングライドも,長期のキャンプツーリングも,毎日の通勤通学にも.頼もしい相棒になること間違いなし.

チューブレス運用について

グラベルキングのチューブレスタイヤを買って,実際にはめてみた.

【茶サイド】グラベルキングのチューブレス化|インフレーターは神
待望のチューブレスグラベルキングを,優秀なシュワルベのインフレーターでビード上げ!

参考:グラベルキングを買う人に・・・

さて,グラベルキングを買うときに揃えておいた方がいいアイテムがある.それは「タイヤレバー」.グラベルキングは耐パンク性能が非常に高いが,その分サイドはとにかく固い.素手で嵌めようものなら皮はめくれ上がり,握力は地に落ちる・・・というのは大げさだが,初めての人はリムにはめ込むのに苦労する.

ということで,シュワルベのタイヤレバーを,タイヤ交換に活用するのがおすすめ.

参考:チューブレス化入門

チューブレス化についてはグラベルキング引退と同時に行った.大変な作業だったけど,その分快適な走りを手に入れることができた.チューブドとは違う乗り物.

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