秋冬シーズンは,チューブレスタイヤとして
IRCのSERAC CXを履かせていた.
これから夏になると,普段乗りやロングライドにてオンロードを走る機会が増えてくると思われる.
SERAC CXでオンロードを長距離走ると,パターンがすり減ってもったいない!ということで,昨夏も履いていたグラベルキング32Cを再インストールすることにした.新たにブラウンカラーの32CがTLCになったので,今回からはチューブレスで運用してみる.
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IRCのタイヤは,フロアポンプだけでビードを上げられたが,グラベルキングはフロアポンプでは無理….IRCと同じ手順を踏んでも上がる気配すらなかった.
今後しばらくはチューブレスタイヤで走るので,思い切ってインフレーターに課金した.
グラベルキング32C(チューブレス)
過去に一度記事にて紹介したが,クリンチャーだったグラベルキングが「TLC(チューブレスコンパーチブル)」に対応した.
サイズは32C,カラーはブラウンにした.これまでブラックしか履いたことがなかったので,ちょっと気分を変えてブラウンに変更.楽天市場にて2本セットを購入.1万円でおつりがきた.
IRCタイヤを外す
新しいグラベルキングを装着するにあたり,まずは今ついているIRCのCXタイヤを外す.
シーラントを50mLほど入れていたが,果たしてどんな状態になっているか.
空気を抜いて,苦労してあげたビードを落とす.ああ・・・またビードを上げるのかつらいなあ・・・と思いながら,タイヤを外していく.
IRCのタイヤをフロアポンプだけでビード上げした苦労話はこちら.
タイヤを外してみると,内側には液状のシーラントがしっかりと残っていた.
シーラント入れてから5か月だし,冬場はCXレース以外は買い物くらいでしか乗ってないから,このくらい残ってるのはまあ想定通り.
まだまだ使えそう?ということで,タイヤを慎重に外し,シーラントを注入するときに使うドレッシングボトルに戻しておいた.うまく移せなかったから,20mLくらいしか戻せなかった(残りはこぼれたり,あきらめて拭き取ったり).
新しいタイヤをはめる
さて,IRCのタイヤは置いておき,新しいタイヤを開封する.
グラベルキングは3本目だけど,ブラウンサイドははじめて.黒×黄の愛車に合うかどうかは,ビードをあげてシーラントを封入し,空気漏れがないか確認できるまでのお楽しみ~(先は長い).
袋から出して,まずは丸くクセをつける.グラベルキングは,IRCのタイヤより硬いから,ちゃんとクセづけてからでないとリムにはめることができない.
一応タイヤレバーも用意しておいた.
タイヤを外したリムには,若干シーラントが付着していたので,グラベルキングを装着する前に雑巾で拭いておく.水ぶきだけで充分きれいになった.
きれいになったら,タイヤをはめる.クリンチャーグラベルキングだったら,タイヤレバーなしではまずはめられないほどの硬さだが・・・チューブレスだと素手ではめることができた.
このあと前輪も,IRCのタイヤを外し,シーラントをふき取ってグラベルキングをはめた.
石鹸水とフロアポンプでビード上げ
前後輪はめ終わった.
茶サイド,なかなかかっこいい.
さてこのあとやることは,チューブレス化最大の難所・ビード上げである.
この時点ではインフレーターはおろか,CO2ボンベも持ってないので,フロアポンプで挑戦することにした.IRCでもうまくいったし,とりあえずフロアポンプだけでやってやろう・・・
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と,意気込んで長時間格闘したが
フロアポンプ・石鹸水ビード上げは失敗した.
理由はいろいろ考えられるが・・・
すぐに思い浮かぶのは,「グラベルキングのビードが,IRCよりも固いこと」.グラベルキングを触ったことがある方ならわかると思うが,奴の固さは並大抵のものではない.チューブド運用するときに,タイヤレバーではめようとしたらタイヤレバーがへし折れるんじゃないかという固さ.
そして,今使っているホイール(アレックスリム RXD3)が,グラベルキングに対して相性が悪い,ということも考えられる.
いずれにせよ,フロアポンプだけではビードが上がらなかった.
チューブを入れて片側ビードを上げる
このままでは埒が明かないので,解決策をGoogle先生に聞いてみると
どうやら「チューブを入れて空気を入れ,ビードを上げてから,片方だけビードを落としてチューブを抜く」という方法があるらしい.この方法を使えば,少なくとも片方のビードだけは上げることができる.
物は試し,半年ほど出番がなかったチューブを引っ張り出してきて,さっそくタイヤにはめてみた.クリンチャーでグラベルキングをつけると,タイヤレバーでないとはまらない.
フロアポンプで空気を入れてみると,パチンパチン...とビードが上がる音がする.ここまでは普通のクリンチャータイヤと同じ.
空気を入れたら,片側のビードだけ落としてリムから外す.1周全部外してからチューブを抜いた.そのあと,チューブレスバルブをはめ直して,タイヤをはめる.途中で反対側のビードが落ちないかヒヤヒヤしながらはめたが,何とかビードは上がったまま.写真のように,片側だけビードが落ちている状態までもっていくことができた.
ただ,片側だけビードが上がったところで,反対側のビードが上がりやすくなるか?というと,実際そんなことはなかった.フロアポンプと石鹸水で挑戦してみたが,空気漏れが多すぎて到底無理.
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そんな感じでフロアポンプだけで格闘してきたが,これは無理だな,IRCみたいにはうまく入らないや,とあきらめた.とりあえず片づけて,PCの電源を入れてインフレータをググる.
インフレーターを買った
インフレーターは,空気を先にタンクにためておいて,一気に開放して高圧で空気を注入するという優れもの.ただし,その分値段もお高い...
フロアポンプ一体型になっているタイプと,フロアポンプから空気をためるタイプの2種類があった.その中でコスパがよさそうなシュワルベを選んだ.
お値段¥7,200-,ここからキャッシュレス還元で¥6,840- .う~ん,高い!でもインフレーターないとチューブレス運用はできないから,ここは思い切って投資.
amazonでのお買い物を終えたところで,1日目は終了.ホイールとタイヤを室内へ戻して,翌日のインフレーター到着を待つ(お急ぎ便).
シュワルベ「TIRE BOOSTER」
翌日午後にはインフレーターがやってきた.
安さと信頼,シュワルベ製の「TIRE BOOSTER」というインフレーター.
つるつるしたガスボンベ,という感じ.頭には空気をもらう仏式のバルブがついていおり,そこからノブを介してホースが伸びている.
フロアポンプの半分くらいの大きさ.
消火器を細長くのばしたようなサイズ感と形をしている.
さて,これでビード上げができるのだろうか.
インフレーターで一発
付属の説明書を流し読み.
なんかいろいろ書いてあるけど,要するに
- インフレーターをホイールのバルブに差し込む(バルブコアを外して差す)
- インフレーターのノブを閉じる
- フロアポンプをインフレーターにつなぐ
- フロアポンプから空気をためる(最大11Bar)
- インフレーターのノブを開放
- ビードアップ!
こんな具合らしい.
さっそく説明書通り手順を踏んでいく.
まずはバルブコアを外して,ホースをつなぐ.なお,インフレーターのホース先端には,銀色のアダプタのようなものが付いている.この銀色アダプタをチューブから外し,下の写真のようにバルブに取り付ける.ここが緩いと空気が駄々洩れになるので,ちゃんと締める.
バルブコアにアダプタをねじ込んだら,アダプタがもともとついていたホースをつなぐ.黒い部分をちょっと回しつつ差し込むとうまく入った.
そのあと,フロアポンプ(仏式)を,インフレーター頭にあるバルブ(仏式)に差し込む.普段使っている仏式のフロアポンプで空気を送れるのがいいね.
フロアポンプをシュコシュコやって,ためた空気は7barほど.最大は11barだけどそんな高圧でなくても上がるだろう.
空気がたまったところで,ノブを開放.緊張の瞬間・・・
ノブをゆっくり目に倒したが,それでも空気がブシューっと入った.
息次ぐ間もなくタイヤのビードが「パチン!パチン!」と気持ちいい音を立てて上がったではないか!
ご覧の通り,一発でビードをあげることができた.IRCのタイヤしかり,今回のグラベルキングしかり,何時間もかけて石鹸水とフロアポンプで苦闘したのは,いったい何だったのか?そのくらいあっさりできてしまった.
一度空気を抜いてビードが落ちないことを確認してから,シーラント材を注入.そのあともう一度空気を入れる.
もう片方のタイヤでも同様に行う.こちらも一発で成功.インフレーターすげえ・・・
まとめ:インフレータは神
以上,グラベルキングのチューブレス化についてまとめた.
インフレーターのおかげで,難なくビード上げに成功した.フロアポンプでためた空気を一気に送って,ビードが上がるあの音が気持ちよかった!はめるタイヤはないけど,あと2回ぐらいチューブレスタイヤはめたくなった.IRCはめるときにさっさと買っておけばよかった.石鹸水で手をべたべたにして,筋肉痛になるくらいフロアポンプを押したのも,過去の思い出になった.
ということで,インフレーター,7,000円払う価値はあった.もうちょっと安いのも,逆にもっと高いのもあるけど,シュワルベで十分だと思う.これでストレスなくチューブレス生活を送ることができる.やったね.
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シーラント入れたし,あとはエア漏れがないか確認しつつ慣らし走行してこようと思う.秋以来のグラベルキング,楽しみだな~.
【追記】チューブレス化によって受けられた恩恵について書きました。チューブレスはいいぞ。
関連記事
グラベルキングの良さについては,以下の記事で書いた.未舗装路が得意そうな名前をしているけど,実際はオンロードも結構快適に走れる.そしてとにかくパンクに強い.
チューブレス化に必要なアイテムについては,以下の記事を参考にどうぞ.