Walking along a riverside in Tokushima city

学会で徳島に来て3日目。この日は,休息日とした。しかし,ホテルにいてもすることがない。外は快晴で,春の陽気だった。そこで,カメラをもって,徳島市中心部をさんぽすることにした。まずは,駅前通りから商店街周辺をあるいた。くわえて,徳島市中心部には,新町川という川がながれており,これに沿うように,ウォーキングルートが整備されている。このルートを,徳島駅前からスタートして,河口方向へむかって,徳島県庁周辺まであるいてきた。

ホテルで朝食ブッフェを食べて,一休みしてから出発。

まずは,駅前通りに架かる歩道橋から,眉山びざんの雄姿を1枚。徳島市のシンボルであり,観光名所の1つでもある。写真中央から上方向に伸びるロープウェイにのれば,数分で頂上までいけるらしい1。道路からまっすぐに伸びるヤシの木が,やたらと南国の雰囲気をだしている。

こうやってみると,まずまず都会のようにおもえる。が,横道にはいると,昭和~平成で時がとまったかのような建物や商店が目に付く。これはかっこいい洋館風の建物。

まだ朝早い時間で,数少ない現役商店は,ようやく起き出したところ。陽光がまぶしい。

「モノトーン」で現像。

駅前通りを眉山びざんのほうへあるき,新町川にかかる橋の上にきた。こうしてみると,眉山の足元を都会にみせたビル群も,けっこう年季がはいっている。

「モノトーン」で現像

めちゃくちゃ雰囲気のあるカメラ屋さんを発見。ちょっとなかをのぞくと,カメラもしっかりならんでいた。まだまだ現役のご様子。

「クロスプロセス」で現像。

この川沿いをふくむ徳島市街地においては,太平洋戦争末期に,大空襲に遭った。その結果,木造家屋はほとんどすべてが消失してしまったそうだが,その例外として焼け残った建物が現役でのこっていた。煉瓦れんがづくりだったとおもうが,弾痕が生々しくのこっているところに,いくつかの店舗がはいっていた。

「モノトーン」で現像。

この建物の裏へぬけると,新町川沿いのウォーキングロードにでた。いい天気だ。あたたかいし,歩いているだけで気持ちいい。

「両国橋」の欄干らんかんには,阿波おどりの銅像がある。この橋は,徳島駅と周辺の商店街をむすぶメインロードのようだ。

新町川をどんどん河口のほうへあるいていき,ちょっと小休止していたら,下流から上流へとさかのぼるようにして,一隻のボートがいきおいよくとおりすぎていった。

どうやら,この新町川をふくむ市街地をながれる河川を,周遊できるクルーズがあるようだ。しらべてみると,「ひょうたん島クルーズ」2というものらしい。両国橋の北詰から,新町川や助任川を,船に乗って,周遊できるようだ。そこまで川幅は広くないが,船はけっこういきおいよく通過していく。川面はいきおいよくうねり,両端におよんだ波は,波消しブロックで打ち消されていく。

さらにあるくと,新町川はJR牟岐線と交差した。新町川には,富田川橋梁という,大正2年竣工のプレートガーダー上路橋3がかかっている。3基ある橋台はレンガ貼りだ。線路は1本だけの単線で,ここで写真を撮っている間,列車はついに来なかった。(このあと,徳島県庁のほうへ歩いていったタイミングで,ようやく1両通りかかった)。まえの記事4にもかいたように,徳島県内に電車は走っておらず,この牟岐線も例外なく非電化路線。したがって,架線もない。

富田川橋梁とならぶようにして,「かちどき橋」という道路橋もかかっている。この橋は,国道11号線(R11)の一路をなすもので,R11の終点にもあたる。橋のたもとには,R11起点(R195終点)の碑が建っていた。「建設省」は,国土交通省として,平成13年に(運輸省,国土庁,北海道開発庁)に統合されるまえの名称だ。

この国道11号線は,四国内の国道でもっとも若い番号の道路で,徳島から高松を経て,松山市へと至る,四国の大動脈でもある。かちどき橋は,その起点であり,片側3車線をひっきりなしに車が行き交う。さきほどのJR牟岐線とは対照的だ。

この国道11号線をわたり,さらに新町川河口方向へすすむと,徳島県庁がある。県庁舎はなかなか立派な建物。華美な装飾がなく,質実剛健だ。

新町川さんぽはこのあたりで一区切り。ここから少し歩いたところのスターバックスにはいって,一服した。ことしはじめてアイスコーヒーをのんだ。それくらいあたたかな日だった。

かえりに,かちどき橋から県庁舎とそのたたずむ風景を撮影。河口が近いことから,川岸にはいくつもの船が停留していた。

さて,こんかいは学会の空き時間をつかって,新町川をさんぽしてきたわけだが,春の陽気のなか,悠然とながれる川沿いをあるくのは,とても気持ちよかった。いい気分転換になった。

たっぷりと水をたくわえた川をいだく県庁所在地は,息苦しくなくて,すてきだとおもう。

(おわり)

  1. 徳島県観光情報サイト阿波ナビ:「あわぎん眉山ロープウェイ」https://www.awanavi.jp/archives/spot/2537 [Access: 2024.3.25] ↩︎
  2. 徳島県ホームページ:「ひょうたん島クルーズ|ようこそ徳島県へ」https://www.pref.tokushima.lg.jp/japanese/tourism/experience/cruise [Access: 2024.3.25] ↩︎
  3. 四国社会資本アーカイブス:「富田川橋梁(JR牟岐線)」https://www.shikoku-shakaishihon.com/archives/display/1206 [Access: 2024.3.25] ↩︎
  4. 工学研究者のSkhole:「To Tokushima by trains↩︎
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