【信州の鎌倉】別所温泉街を散策~上田電鉄別所線の旅【秋の現実逃避旅⑤】

秋の現実逃避鉄道旅は2日目.

1日目のおわりに「上田電鉄別所線」なるローカル線があることを知った僕は,

2日目の午前中にその別所線で旅をしてみることとした.

たまたま終着駅は温泉街だし,
夏休み明けからの研究疲れをここで一気に癒してしまおう!

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上田電鉄別所線の旅|上田⇔別所温泉

1日目の最後に,しなの鉄道115系で上田にたどりついた.

上田駅前のホテルを出て,とりあえず別所線の旅をするべくきっぷを買いに窓口へ.

別所線の改札は,新幹線としなの鉄道の改札口の近くにあった.きっぷ売り場が開くのを少し待っている間に,「入浴券付ききっぷ」なるものがあることを発見する.別所線の終点・別所温泉駅周辺には,公衆浴場(外湯)と入浴施設(あいそめの湯)があるようだ.どちらも温泉を使っているみたい.

駅員さんにそのきっぷをくださいというと,「外湯入浴券つききっぷ」と「あいそめ湯ったりきっぷ」の2種類があるらしい.外湯は駅から10分ほど歩いたところにあって,あいそめの湯は駅のすぐ近くにあるそうだ.

どっちにしようかちょっと迷って,あいそめの湯きっぷにした.正式名称は「あいそめ湯ったりきっぷ」.1,340円で上田⇔別所温泉往復乗車券+あいそめの湯日帰り入浴券がついている.通常往復運賃は590円×2=1,180円だから,それにプラスして160円であいそめの湯に入れる(通常は入浴券500円)お得なきっぷ.

あいそめ湯ったりきっぷ

ほかにも,途中下車が自由なきっぷもあるらしい.沿線での撮影がメインなら,途中下車自由なフリーきっぷを使うのもいいなーと思った.今回は温泉に入りたかったので,こちらのあいそめ湯ったりきっぷで.

参考:企画きっぷのご案内|上田電鉄株式会社

豪雨で崩落した橋

上田駅の改札にあるポスターや掲示で初めて知ったのだが,別所線の上田⇔城下の一駅区間は,千曲川にかかる橋が先の豪雨で崩落してしまったらしい.先の豪雨といっても,最近は毎年のように豪雨が起こっているからわかりづらい.E7系が水没した台風豪雨,というとわかりやすいだろうか.あの豪雨で千曲川が増水して,そこを渡っていく別所線の橋が落ちたようだ.

なので,この一区間のみバスでの代行輸送を行っているということだった.そういえば,改札の向こうにはホームがあるけれど,電車は来ていない.改札業務は行われず,立ち入り禁止となっている.

別所温泉駅に着いたら温泉に入るつもりだったが,温泉がオープンする時間まで待ち時間ができそうだったので,その崩落した橋を実際に見に行ってみることにした.

まず上田城址の下にあるファミマでお金をおろして,朝ごはんにパンとコーヒーを買う.それをかじりながら,別所線が架かる千曲川へ歩く.しなの鉄道の高架をくぐると,ちょうど115系が通過していく.最近のステンレス製電車とは異なり,「ゴツンゴツン….」という重々しいジョイント音が響く.これぞ国鉄電車,いい音だな.

ひんやりとした空気の中を10分ほど歩くと,開けた視界に大きな千曲川が飛び込んでくる.日本一長い「信濃川」は,長野県のこのあたりでは千曲川と呼ばれている.さすがに日本一長い川だけあって,川幅はずいぶんと大きい.道路橋から上田駅の方へ歩くと,赤い大きな橋が見えてくる.立派なトラス橋,これが別所線の不通になっている橋だ.

上田駅側の橋の終点部分から,橋の方を見てみると,人が立ち入らないように柵が設けられている.上田駅側も同様.堤防から上田駅までは,コンクリートの高架線でアプローチしていて,小さい私鉄の割には立派な設備だな~と感心する.

全体を見ると綺麗な橋だけど,よくよく見てみると城下側の橋脚上にあったはずであろうトラス部分が,すっかりなくなってしまっている.かなり大きいはずだが・・・こんなものを流してしまう増水した千曲川,恐ろしい.

橋の復旧工事は,渇水期から行われるらしい.もし,台風シーズンである今工事を始めたら,途中で増水してそれこそ工事部分がまた水の泡になってしまうからだろう.ここを渡る電車は,背後の山と相まってすごく絵になるだろうから,ぜひとも復旧してほしいな~.

橋を見終えたところで,アプローチ線の高架下を歩いて上田駅の方へ戻った.さてそろそろ,代行バスの出発時間になる.

代行バスから接続|別所温泉行

城下駅で別所温泉方面の列車に接続する代行バスは,上田駅の温泉口前から出発する.温泉口は千曲川の方にあって,反対側の入り口と比べると少し寂しい雰囲気.

別所線代行バス
上田駅温泉口9:06 = 城下駅前バス停9:14

代行バスには,観光客数名と,地元の利用客も数名が乗車する.マニュアルのシフトレバーをガチャガチャと操作する運転手さんの運転で,バスは千曲川の方へ出発.やっぱり路線バスはマニュアルがかっこいいよな~と思いながら,車窓を眺めていると,すぐに千曲川を渡る.横にいた観光客と思しき女性2人組は,別所線の方の橋を指さして何か言っている.やっぱり,あの大きな橋が落ちるのはインパクトが大きいようだ.

城下駅までは8分で着く.

バス停は城下駅前に設置されていて,駅横には簡易事務所がある.ちょうど,別所温泉方面からの列車が到着し,乗客がこちらのバスを目指して降りてくる.彼らと入れ替わるようにして,きっぷを見せて列車へ.接続は12分,ゆとりがある.

城下温泉行
城下9:26 = 別所温泉9:51

ローカル線だからさぞかし古い車両なのだろうと思っていたが,意外と新しい.関東の私鉄には詳しくないのでわからないが,どうやら東急電鉄の車両のようだ.線路設備なども東急を踏襲しているのかな?

上田電鉄は2020年で99周年,歴史ある鉄道会社だ

停車中の列車の隣には,引退したステンレス車両(5200系というそうです)が置かれている.それ目当てと思しき鉄道ファンが,シャッターを向けて撮影している.全部銀色で,なかなかインパクトのある車両だった(写真は撮ってないので,Twitterの検索結果からみなさんの写真を覗いてみてください).

5200系の城下駅展示は9/27で終了したそうです
参考:5200系車両の駅展示について

ロングシートに収まり,列車は定刻で出発.運転士さんが若くてびっくりした.

さっき車両が新しいと書いたけど,車内の銘板を見てみるとこの車両は平成に入ってから製造されている.自分よりは少し年上くらいの,まだまだ新しい電車だ.

ブレーキ緩解音などは,まさに都会の電車のそれ.しかし,車窓は別所温泉に近づくにつれて,どんどん田園風景が広くなる.向こうの方には,山がどっしりとそびえている.都会な車両で,田舎の風景を楽しめる.これって結構楽しいかも.

途中,下之郷という駅で上田方面の電車と行き違い.この下之郷駅は,上田方面からの列車の一部が終点となる中心駅で,駅横の留置線では車両が洗車中だった.ホーム上には,赤い柱の色が目を引く駅事務員室があった.

車内には,観光客が7割くらい,でも地元の利用客も3割くらい乗っている.終着駅は別所温泉という温泉街だけど,それ以外の駅は地元の利用客のみが使うのだろうな~という感じ.観光路線というよりは,上田から各地区への輸送を担う地方路線なのだろう.

路線規模こそ小さいものの,電気設備や保線はしっかりされている.ローカル線と呼ぶには失礼なくらい,きちんとした会社だ.

沿線からの撮影に挑戦

25分の乗車で,終点の別所温泉駅に到着.駅では袴姿の女性の駅員さんが,きっぷを回収している.同じ温泉街である道後温泉が登場する小説「坊ちゃん」のマドンナの格好が近い.温泉といえば,この格好.

別所温泉駅は,温泉街の駅にふさわしいようなレトロな駅舎.駅舎には,ドラマや映画のロケの舞台となった沿線のスポットが所狭しと並ぶ案内が掲げられている.それにしてもすごい数だ.それだけレトロな雰囲気が残っているということだろう.

駅舎のそばには,古い車両が置かれていた.これはいつ頃走っていた車両なのだろう?上田電鉄別所線の歴史を感じさせる.来年2021年,上田電鉄別所線は開業100周年を迎えるそうだ.おめでたい.

このまま温泉に入るのもいいけど,別所温泉駅周辺が秋っぽくていい雰囲気だったので,列車の風景写真を撮ってみることとする.まずは,別所温泉街から上田方面に降りてくる道路から撮影.稲穂が黄金色に輝いていて,思わず見入ってしまうような風景.そこを列車がゆっくりと別所温泉駅に入っていく.

今度は,沿線に咲いているコスモスを取り込んで撮ってみる.線路脇なのにこんなにたくさんの秋桜が咲いているなんて珍しい.まさに「咲き誇る」といった表現がふさわしい.

先ほど別所温泉に入っていった車両が,今度は上田へ折り返す.そこを狙って撮影.満開の秋桜の中,駆け抜けてくる列車,秋らしい写真が撮れた.

温泉に入って温泉街めぐり

写真撮影を楽しんだら,割引きっぷについている「あいそめの湯」へ向かう.別所温泉駅からすぐのところにある入浴施設.コロナ対策がしっかりしてあるので,安心して入ることができる.

受付でタオルを買って,いざ風呂場へ.

別所温泉は,信州最古の温泉.歴史ある名湯.泉質は「弱アルカリ性」の,お肌がすべすべになるタイプ.

あいそめの湯」には,露天風呂があって,温泉街を眺めながらのんびり浸かることができる.お湯の温度が低めで,旅の疲れを癒すのにちょうどいい!露天風呂には,壺型のお風呂もある.足を伸ばして,ぼーっとする...静かなまち,ぬるめの温泉,最高の時間だ...

温泉でさっぱりしたら,温泉街の方へも出向いてみる.あんまりおなかは空いていなかったので,駅前にあるお店で信州名物・おやきを2つほど頂いた.

中心の道路を歩いていくと,外湯や宿が立ち並ぶ温泉街中心部へたどりつく.足湯があったので,近くにあった温泉に関する案内看板を見てみると,どうやら別所温泉は「日本武尊」くらいの時代がルーツらしい(本当?).かなり古い温泉であることは間違いないのだろう.

さらにぶらぶら歩いていると,お寺に行きつく.「北向観音」という名前.その名の通り「北に向いている」観音様.

同じ長野にある「善光寺」は南向きで,この北向観音とあわせて参らないと片詣りになると書かれている.善光寺は,2019年夏に参拝したから,1年越しの両詣りというわけか.なにも計画を立てずに来たのに,すごい偶然だ...

ひっそりとしたお寺を参拝したら,温泉街をさらに散策してみる.

外湯へ通じる道路を渡って,安楽寺というお寺へも行ってみる.ここには国宝もあるらしいけど,拝観料がいるということで...今回はパス.国宝は見なかったけど,お寺前の参道が素晴らしい.高い木々に囲まれた緑の木漏れ日に照らされ,心が洗われる.

別所温泉街は「信州の鎌倉」とも謳われているが,鎌倉はたぶんこんな感じなのかな(行ったことがないのでわからない).大きすぎなくて,のんびりしている温泉街だ.

温泉街から駅までは,静かな住宅地を歩いていく.農家が多いのか,すごく大きくて古い家も多い.家のそばには温泉のお湯をつかった共同洗い場なんてのもある.

こうやって知らない土地の日常を感じながら,ぼーっと歩く.秋の風と日差しは,歩くのにはちょうどいい.気持ちいい季節だな~と思いつつ,駅まで戻った.

別所温泉→上田

城下行 (城下から代行バスで上田)
別所温泉13:04 = 城下13:31 = 上田13:40

温泉のおかげでまだポカポカする身体で,電車に乗り込む.

改めて別所温泉駅のレトロな雰囲気を味わってから,上田に向けて出発.

昨日と同じ,午後の秋の空は高い.車窓を眺めているだけでも気持ちいい.いい季節だな~.

車内は,行きよりも地元の利用客が多くなっている.これから上田へ遊びに行くのだろう,学生の姿も多い.地元密着型の鉄道路線として,しっかり機能しているようすだった.

城下駅から代行バスに乗って,上田駅に戻って来た.

これにて半日の別所線の旅はおしまい.

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まとめ:小さくても頼もしいローカル線

以上,上田と別所温泉をむすぶ別所線の旅の記録.

路線の規模は決して大きくないけれど,車両は新しくて快適,線路設備はしっかりしていて,ローカル線なのに頑張っている別所線に頼もしさを覚えた.これからも頑張ってほしい.

また,千曲川の橋が復活したら,乗りに来よう!

到着した上田からは,しなの鉄道の115系に乗って篠ノ井へ向かう.国鉄電車の醸し出すノスタルジックな雰囲気を楽しみながら,旅をしめくくる.

 

(次回記事へ続く)

まだ乗れる!しなの鉄道で115系の爆音モータを楽しむ【秋の現実逃避旅⑥】
乗るだけで懐かしい感じがする「国鉄形」の115系電車が,バリバリ現役で走るしなの鉄道で,名古屋への帰路につく.

旅の写真はPENTAX K30DA18-135mmF3.5-5.6ED AL[IF] DC WR

でお送りしました.

参考情報

上田電鉄株式会社|長野県上田市にあるローカル線「別所線」

別所線時刻表|上田電鉄株式会社

長野県の観光と温泉は信州上田別所温泉へ|別所温泉観光協会

鉄道・乗り物 鉄道旅
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このブログを書いている人

タケ

自転車・鉄道で旅する理系大学生.一眼レフ片手に,ぶらぶら気ままに出かけます.自転車はロングライド,キャンプツーリング,鉄道は乗る・撮る・聴くのが好き.

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