名古屋駅でDE10牽引のキヤ97系気動車を目撃!列車の正体は?

昼過ぎの名古屋駅で,DE10牽引のキヤ97という,珍しい列車を目撃した。名古屋駅にDE10を含めた国鉄型機関車が停まるのは,そう頻繁にあることではない。

調べてみると,この列車はJR貨物名古屋港線なごやみなとせんからやってきたレール輸送列車であることがわかった。

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DE10が名駅に入線!

夏真っ盛り,熱風吹きこむ名古屋駅へ,「しなの」グリーン車乗車のためにやってきた。時刻は14時過ぎ。「しなの」の出発まで,まだだいぶ時間があった。なので,10番・11番線でボーっと電車を見ていた。

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すると,お隣の12番線に,バズーカのようなカメラを抱えた鉄道ファンがいた。1人や2人ではなく,10人近くはいた。このような場合,鉄道ファンたちの視線の先には,必ず珍しい(あるいは人気の)列車がやってくる。これは,鉄道が好きになって,各地を旅してわかったことだ。そして彼らは,目的の列車が来る時刻になると,一斉に静まり,カメラをその方へ向け始める。

自分もそれに合わせて,動画を撮り始めた。手にしていたのは,ビデオカメラではなく,手持ちのiPhoneSE2だったが・・・。

何が来るかも知らずにしばらく待っていると,どうやらディーゼル車らしい音が聞こえてきた。これはたぶん,JR貨物の機関車だろうな。それも,ディーゼルの機関車。そう思っていると,向こうから赤色と灰色,それに白色のラインをたたえた「DE10」がやってきた。なるほど,12番線の鉄道ファンたちは,この車両を待っていたのだ。

12番線の鉄道ファンを横目に,DE10がゆっくりと入線してきた。

JR貨物のDD51が,(名古屋駅を起点とする)関西本線の貨物から撤退して,国鉄型ディーゼル機関車が名駅付近へ顔を出す機会はめっきり減ったと思われる。そんな名古屋駅に国鉄型のDE10がやってきたのだから,鉄道ファンが集まるのも納得だ。

DE10型機関車を間近で!

さて,DE10は11番線,自分の目の前に停車した。名古屋駅で,しかもこんな目の前で国鉄型のディーゼル機関車を見られるなんて・・・そんな場所に,たまたま居合わせた自分はとても幸運だ。

やってきたのは,愛知機関区に所属している「DE10-1592」だ。愛知機関区といえば,EF64やDD51(廃車?)など,国鉄型の機関車が現役で所属している機関区だ。この機関区において,DE10何両所属しているのかは知らないが,そう多くはないだろう。

DE10-1592

前々から別記事でも書いてきたが,自分は国鉄型の機関車が好きだ。DE10は,「凸」の字の前側が伸びたような形をしている。「凸」の字のアタマのところは,横向きの運転席となっている。一般的な視点だと,あんまりかっこいい形ではないだろう。しかし自分は,こういう形の機関車が好きだ。鉄道ファンが貨物のことを「かま」と呼ぶのも,よくわかる形をしている。

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さて,油の匂いをムンムンただよわせるDE10に近づいて(黄色い線の内側で),車体をじっくりと眺めてみる。側面にはJR貨物のロゴマークである「JRF」が付けられている。製造から年数が経過しているものの,よく整備されている。おかげで,ロゴマークは夏の日差しをピカピカと反射している。

そのロゴマークの下には,番号が付されている。銀色の文字は,ナンバープレートではなく「直付け」されている。この番号は,白いラインにきっちりと収まっている。

製造は「日本車輌にほんしゃりょう」,その下,見えづらいが「昭和48年製造」とある。運転席窓の下には,「愛知機関区」を表す「愛」のプレートがはめられている。かつては,愛知機関区以外に所属していただろうから,このプレートとは別のプレートが入っていたんだろうな(製造直後から東新潟機関区所属の期間が長かったようだ:参考 DL履歴表)。

側面から少し顔を上げる。停車中でも,DE10は独特のアイドリング音を奏でている。この音,好きだなあ。電気機関車もいいけれど,「音」を楽しむならディーゼル機関車の方がいい。このあたり,「玄人くろうとの鉄道ファンは気動車が好き」なんてことを聞いたことがあるけれど,自分もその域に達して来たのかもしれない。耳だけ。

運転席の窓は,暑いからなのか,開け放たれている。中には,JR貨物の制帽被った運転士さんがいらっしゃった。これだけ近い距離だから,運転席の中が良く見える。運転席の構造はよく知らないが,いろいろな電気機器,ハンドル,計器,などが所狭しと並んでいる。そして特徴的なのが,進行方向と平行に運転台が付いていること。これは,こちらから見て運転台が正面に見えることから,わかる。

牽引されるのはキヤ97系気動車

DE10だけが単機でやってきたのではない。後ろには,JR東海の黄色い「キヤ97系気動車」が牽引けんいんされていた。「キヤ」とは,気動車の職用車(非営業用)であるという意味。

「キ」は気動車(ディーゼルカー)であることを、「ヤ」は職用車(役所の「ヤ」)、つまり営業用ではなく事業用の車両であることを表す。

JRの安全支える名裏方、キヤ・クモルって何だ?

キヤ97系は,運転台の間に長ーい荷物置き場が付いていた。ここには,レールが載っていた。ロングレールではなく,定尺レールだと思われる。ちなみに,キヤ97系気動車には,定尺レール運搬用とロングレール運搬用があるそうだ(JR東海キヤ97系気動車 – Wikipedia)。運転台だけが飛び出していて,真ん中にレール用の荷台。さっきの機関車とは逆の「凹」の形をしている。

形も違うが,機関車と貨車が1つになっているという点も,従来のレール用貨車(チキ)とは異なる。機関車と貨車がまとめて一つになっているということはつまり,

  • 機関車を運転する技術
  • 貨車と機関車を両方の整備
  • 動力集中による機回きまわ

などが不要になる。従来より,レール運搬における仕事(労力)が減っていることは間違いない。JR東日本にも,こういう車両はあったように思う。ちなみに,機関車+チキの組み合わせは,以下の動画に収録してあった。こんなにも長いチキ編成を,機関車ひとつで引っ張っていく姿は,キヤとはまた違ってかっこいい。

列車の正体:名古屋港線臨8661レ

さてさて,ここまでは外見だけを書いてきた。では,

DE10+キヤ97

この列車の正体はなんなのか?

この記事を書く前に調べてみると,どうやら名古屋港線なごやみなとせんを名古屋方面へ走る臨時貨物列車(8661レ)であることがわかった。手持ちの貨物時刻表(2020)を調べてみると,たしかにこの列車(および名古屋から港へ向かう8660レ)が掲載されていた。運行は週3回,編成内容は「その他」となっていた。

貨物時刻表(2020) p.99より

名古屋港線とは,山王さんのう信号場-名古屋港駅を結ぶJR貨物の路線。この路線,かつては貨物輸送も担っていたそうだが,現在は週3回レール輸送列車が走るのみとなっているようだ。

個人的な用事で,港区の方は何度か歩いたことがある。このときの景色を思い出してみると・・
名古屋高速4号東海線の足元の道から,東海通を西へ進むと,見知らぬ単線に突き当たる。ここには「臨港線踏切りんこうせんふみきり」(名古屋港線は,東(あるいは中)臨港線とも呼ばれるそう[文献])という名古屋市バス停もあったはずだ。そして,その線路はさらに南側へ延びている。電化されていないので,ただ1本の線路が,盛土の上をずーっと延びていくだけの風景だ。ところどころにある踏切や,設けられたフェンスの横には,「JR貨物の・・・」という注意書き。

この線路を見たとき,何の路線かわからずにいた。それ以来ずっと,もやもや気になっていたのだが,どうやらこの「ずーっと延びる非電化単線」こそが,名古屋港線らしい。それが,今回の記事執筆で明らかになった。そしてここを走る列車は,週3回のレール運搬車しかないことも判明した。

なぜキヤ97系気動車が自走しないのか?

この列車の正体がわかっても,まだ1つ疑問が残る。それは,「キヤ97系気動車は動力分散方式によって普通の気動車と同じように運転できる。気動車だから非電化区間も走れるはず。それなのになぜ,DE10によって牽引されて名古屋駅まで来たのか?」というものだ。

この疑問は,Wikipediaをはじめ,鉄道に詳しい諸兄しょけいによってまとめられたインターネット上の記事によってすぐに解決した。代表として,Wikipediaにおける本疑問の回答を載せておく。

名古屋港線は日本貨物鉄道(JR貨物)の路線であるため本車両は自走できず、DE10形ディーゼル機関車1両に牽引されて運用されるが、この区間はJR貨物の貨物列車扱いとなるため「JR旅客会社所有の気動車を使用して運転される貨物列車」という極めて珍しい列車ということになる。

JR東海キヤ97系気動車 – Wikipedia より

要するに,名古屋港線はJR東海の路線でないから,所有者であるJR貨物の列車が引っ張らないといけないということだ。だから,愛知機関区所属のDE10が,わざわざ単機たんきで出向いて(8660レ),キヤ97という「荷物」を引っ張って(8661レ)きたのだ。

この荷物は,名古屋駅到着後しばらくしてから切り離された。JR東海の制服を着た運転士によって,空ぶかしなどの点検を済まされたのち,ライトを切り替えた。どうやら進行方向が変わるようだった。

このあと,キヤ97がどこへ行ったかは定かではないが,方向としては名古屋車両所の方へ走って行った。もしかしたら関西線や,あるいは中央線,東海道線上り方面へと進入したのかもしれないが,いずれにせよJR東海が所有する線路を走って行ったのに違いない。

一方,一仕事終えたDE10は,単機で稲沢いなざわの方へ回送していった。「荷物」の方には見向きもしなかった鉄道ファンだが,DE10にはホームから見えなくなるまで,熱い視線を送っていた。そして,10番線にいた一般人も,つられて目を向けたり,スマホで写真を撮ったりしていた。鉄道ファンでも,そうでなくても,古いものにノスタルジーを感じて,親近感を覚えるのかもしれない。

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まとめ:名古屋港線へも足を運びたい

さて今回は,名古屋駅で目撃したDE10+キヤ97について,その列車の正体を暴くとともに,目の前で見ることができたDE10について熱く語ってきた。豪快なアイドリング音を立てながら,油の匂いをムンムン漂わせるDE10は,鉄道ファンにはたまらない機関車だった。

機会があれば,この機関車(とキヤ97)が走る姿を目で見て,写真に収めたいと思った。そのためには,この列車が走っている名古屋港線の方へ出向く必要がある。運転日が隔日,しかも沿線のようすもよくわからないので,ちゃんとリサーチしてから名古屋港線へ見に行こうと思う。

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