内向的な大学院生にとってパンデミックは「悪者」ではない

M1前期は,研究と講義と学会に追われた学期だった。

M1前期は忙しいと,B4の終わりごろに先輩から言われていた。覚悟はしていたものの,実際目の回るような忙しさだった。研究はB4のころと同じことをやっているから,負担は少ない。講義と学会がかなりハードだった。これら2つが,自分を「忙しさ」の渦の中に放り込んだ。

そんな中,COVID-19は,B4のころから引き続いて猛威を振るってきた。流行は未だ続いている。その流行が始まってから,1年半近く経って,ワクチンの接種が始まった。自分もついこの間,1回目の接種(職域接種,モデルナ製)を受けてきた

COVID-19のパンデミックは,これから数十年かけて起こるであろう社会の変化を,一気にまくり寄せた。そして,今までの「日常」や「愉しみ」,「娯楽」を(一時的に)奪っている。この影響は,もちろん大学にも及んでいる。研究室でのミーティングは基本オンライン,講義もオンライン主体,さらには学会まで・・・。一見すると「悪者」でしかないパンデミック。

でも,自分は,「内向的な大学院生」が研究をするという,ごくごく限られた範囲においては,パンデミックはさほど悪くもないのかな,と考えている。こう考える理由は,(1)学部時代のように気軽に遠くへ出かけられない分,研究に集中でき(2)大々的な飲み会や食事会がないという2つだ。

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いいところ1:研究が進む

自分は,定期的に遠くへ出かけて現実逃避をする癖をもっている。何もない日に急に外へ出て,ビジネスホテルに一泊するくらいは強い癖だ。

【コロナなので】観光も旅行もせずに,ただビジネスホテルに泊まってきた

この例はちょっと極端過ぎた。もうちょっと柔らかく書くと,おでかけが好きなのだ。鉄道や自転車などを使って,地図を眺めながらぶらぶらする,知らない土地の空気を吸い,その雰囲気を肌で感じることで,現実からの距離をとって来た。定期的に現実から物理的に離れて自分の心をリセットすることが必要だった。学部時代は,講義のない平日にも遊びに出かけたりしていた。講義があるときも,「次はどこへ出かけようか・・・」とか「新しいギアが欲しいな」とか,うつつを抜かしていた。

が,パンデミックの影響で,そう簡単にぶらぶらできなくなった。もちろん,きちんと感染対策をすれば出かけられるが,「自分がすでに感染していたら」「油断したときに感染して,周りの人に拡げてしまったら」と思うと,そのハードルはグッと高くなってしまう。

一方で研究は,平日頻繁にぶらぶらしているようでは,進まない。社会人と同じか,あるいはそれ以上の時間を使って,研究室で黙々と進めるのだ。

自分の場合,そんなパンデミックでぶらぶらできなくなった時期と,研究をはじめた時期がちょうど重なったのだ。自分にとって「都合がいい時期にパンデミックが来た」といえる。パンデミックがあろうとなかろうと,大学院生は忙しい。研究から講義,そして学会の準備まで。平日フルで頑張ると,土日はもう何もする気力が起こらない。逆に,平日フルで頑張れるのは,「どうせ土日が来てもどこへもでかけられないし」という半ばあきらめのような気持ちがあるからだ。

研究は,頭が若い今の時期しかできないと思っている。せっかく大学院にまで進学したのなら,研究に目一杯時間を割いて,自分がどこまでやれるのか試してみたい。研究に適性があるのか,じっくり向き合ってみたい。そんな考えを実行するのには,ある意味でぴったりの環境だといえる。

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いいところ2:大々的な飲み会や食事会がない

これは,いいところ1の「一要因」とも考えられる。

パンデミックは,研究室における「コンパ」文化を(一時的に)壊滅させている。大学院生が所属する研究室というのは,自分の知る限り,年に数回飲み会や食事会を開く。これは,もはや「文化」みたいなものだと感じる。そんなコンパ文化は,パンデミックによる「飲食店20時閉店」や「酒類提供の自粛」,さらには「密の回避」という観点から,かなり厳しい立場に立たされている。

うちの研究室の教授は,こういうことに対してかなり慎重だ。自分が研究室に入ってから,新歓や学会含めて一度も「コンパ」や「飲み会」は開かれていない。(先輩や同期とメシを食べに行くことはあったが)先生方と,お酒を飲みながら食事をする機会は,一度もないままM1の前期まで来た。

こういう「飲みニケーション」はとても大切だといわれる。でも,自分はこの文化になじめない。内向的で,そういうのが好きではないからだ。ごはんに行くくらいはいいけど,なんかお酒飲んで長時間話すのって,もったいないし面白くない。そもそもお酒もほとんど飲まないし,好きではない。

だから,今の状況がまったく苦でない。むしろ,そういうものを断る労力が減って楽チンだ。もちろん飲み会が好きなひと,お酒が好きな人にとっては苦しい状況だと思うが,

逆に,自分のように,飲み会がなくなって嬉しい人もいるだろう。パンデミックで,自分のような立場の人への冷たい視線が減ったのなら嬉しいことだ。

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パンデミックの(個人的に)良くない影響

もちろん,パンデミックには悪いところもある。

悪いところは,気晴らしができなくて精神的に疲れるところ。今までと同じように現実逃避することができないからだ。ここでの現実逃避は,気晴らし,ストレス発散などと言い換えられる。今まで以上に,頑張りすぎないよう気をつけている(それでも自分は,前期の終わりに,暑さと忙しさとに負けて,1週間ダウンしたが・・・)。やりたくないときに,無理やりやっても,いい結果は得られない。このことは,1年以上研究をやっていて,なんとなくわかってきた。

もう1つ悪いところは,学会で出張できないこと。これは,研究室に入る前,ひそかに楽しみにしていたことだったのだが・・・このパンデミック下で,多くの(ほとんどの)学会がオンライン開催となっている。自分が参加した2つの学会も,オンラインでの開催だった。

GW明けの先生との雑談~M1の終わりに国際会議?~でも書いたように,会場への移動が無くなる分,学会参加へのハードルは下がる。それはいいことなのだが・・・でもやっぱり,学会ついでに先輩や先生方といろんなところへ行ってみたかった。出かけることが主目的ではないにしろ,「学会で出張する」というのは,なんか1つのあこがれみたいなものだった。でも,この憧れは,少なくとも修士課程にいる間では現実になりそうでない。自分の見立てでは,混迷を極めるCOVID-19パンデミックは,少なくともあと1年は続く(じゃあD進すればいいじゃん)

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まとめ

結局,パンデミックの悪い影響は

物理的距離をともなう気晴らしをやりづらくさせたこと

くらい。

パンデミックのおかげで,うつつを抜かさず,研究をさぼらずやれる。しかも,飲み会やコンパを断る労力が減る。こうやって考えると,パンデミックは必ずしも「悪者」ではない

・・・

前向きに考えすぎだろうか?

でもまあ,パンデミックの収束にはあと2-3年かかるだろう。悲観的になったってしょうがない。今の環境になったのは自分のせいではないのだから,受け入れて何ができるかを考える方が大事だ。

「パンデミックの間,あなたは何をしていましたか?」そう聞かれたときに,「パンデミックだったので何事も成すことができませんでした」という言い訳はしたくない。

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