もうすぐお盆休みもおわり.
この夏はまったく旅行へ出かけることができなかった.
なんとなくホテルの予約アプリを開いて,なんとなく近くのホテルの空室状況を眺めていると
お盆休みの週末にもかかわらず,割と安い値段で空室があるようだった.
そのまま勢いでポチっと予約.
出かけられない腹いせ(というか現実逃避)に,
隣の市にあるそのホテルに1泊してみた.
ただホテルに泊まるだけでも,旅行した気分に浸れるのか・・・?
非日常を味わう
「用もないのにホテルで1泊する」
元ネタは,春休みに実家で読んだphaさんの本.
よくよく考えれば,別に観光なんかしなくても
ホテルに泊まるだけでそれなりの非日常が味わえる.
旅なんてしょせん現実逃避と非日常を味わい,マンネリ化した日常をリセットするようなもの.
そう思いながら,JR東海道線の普通電車に20分ほど乗って,予約したホテルへ向かった.
1泊5800円の非日常
今回予約したのは,1泊5800円で朝食付きのシングルルーム.
駅から歩いて5分ほどのところにある,ごく普通のビジネスホテル.
ツーリングや鉄道旅行で1泊5800円の宿は,自分にとってちょっと豪華な部類に入る.
けれど,ツーリングそのものにかかる費用(食費,移動費,観光費・・・)や,鉄道旅行で必須となる交通費を含めた「旅行費」と比較すれば,5800円は安い.
その5800円で非日常を味わえるのであれば,結構いいんじゃない?と思う.
*
部屋に入ったら,クーラーをつけて,荷物を置いて,ベッドにダイブ.
西向きの部屋で,窓の外からは傾き始めた陽が差し込む.そういえば,明るいうちにホテルに泊まるのは久しぶりだ(普段の鉄道旅行であれば,だいたい夜遅くまで列車に乗りまくってから宿泊する).
クーラーが効いてきたら,のっそり起き上がってパソコンを取り出す.
やったこと1:ブログを書いた
別にホテルから出る用事はないので,午前中に書き始めていたブログの記事を進めた.
家に比べて特段変わった環境ではないのだが,なぜか集中して執筆できた.
これはたぶん,カフェや喫茶店でブログを書くと捗るのと同じ原理だろう.
適度に新鮮な「刺激」があった方が,脳みそが活性化されて,文章が進むと思われる.
やったこと2:コンビニのメシを食べた
夕方になって,おなかが空いてきた.
フロントに鍵を預けて,歩いて数分のところにあるローソンへ行く.
適当に夕食を買って,また部屋に戻る.
今日の夕食はこちら...
だいたい旅行中は,ふだん食べないようなものを食べるので,今日もそのスタイルで.
カップ麺も,総菜パンも,旅行中でなければあまり食べることはない.
こういうものを食べることで「非日常」側へ自分を置くことができると思う.
(ちなみにこの油そば,売上No.1!と書いてあったけど,味は普通だった.わざわざ選んで買うかな?というとそうでもない)
やったこと3:TVを観た
ホテルに泊まる愉しみといえば,ベッドに寝転がってTVを観ることだ.
下宿にはTVを置いておらず,動画といえばYouTubeかPrimeVideoくらい.あとはラジオだ.
ドラゴンズの中継も,radikoから聴いているのだけれど,
今日はTVで観られる・・・!
ナイターゲームをTVで観ながら食べるコンビニメシ.
これこそ,自分にとっての非日常だ.
ちなみに,この日は東京ドームで,首位・巨人との3連戦(初戦).
最下位に沈む中日は,巨人との連戦で勝ち越して少しでも借金を返したいところだが・・・
結局,このゲームは完敗だった...
せっかくTVで見られる試合に限って負ける,しかも巨人に...辛い.中日ファンにとって,東京ドームで負けるほど口惜しいことはないのだ.
(なお,翌日から連勝して,最終的にこのカードは勝ち越した.やったね)
*
ナイター中継が終わったら,地上波に戻って金曜ロードショウ.
夏休み恒例のジブリ特集,今週は「となりのトトロ」だった.
実家で毎年のように観たトトロ,久しぶりに観たらオープニングだけでなぜか感動した.
丸太とか木の板が順番に開いて,
虫たちが出てくるんだけど,
メイが歩いてきたら閉じるやつ.
懐かしい...
トトロを最後まで観た.
あらすじは全部わかっているのだけれど,随所でジーンと来てしまった.
昔は単純に子供目線で,ネコバスのシートに座ってみたいとか,ふっくらふわふわのトトロにしがみついて空を飛んでみたいとか,思っていたけど
今回久しぶりに観ると,昔の日本の風景や,森や自然に対して,ちょっとした憧れを感じた.高度に情報化された都市で暮らす自分にとっては,あまりにも遠い.でも,10年くらい前は,今の情報化された都市の方が遠くて,森や自然は近い存在だったと思う.いつの間に逆転してしまったのだろう.
もう何十年かあとで観ると,今度は父親目線,そしておばあちゃん目線で観られるようになるのかな.
20歳を過ぎてから観て,昔とはまた違った感情を抱くのだから,ジブリの作品ってすごい.
やったこと4:ふかふかベッドを満喫
トトロを観る前に風呂に入っておいた.
本当は大浴場で思いっきり足を伸ばしたかったけど,今回のホテルにはなかったのでしかたがない.
でも,家の風呂よりは広いし,入浴剤がサービスされていたから,ユニットバスでも十分くつろげた.
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トトロをみおわったら,身支度をしてベッドに入る.
ゆるゆるのナイトウェアを着て,ふかふかのベッドに包まれる.
最高の時間だ...
いつも通り,寝る前に本を読む.
24時前に眠気に襲われ,本を置いてブラインドを下げて就寝.
やったこと5:バイキング朝食を食べた
翌朝,起床.
ブラインドの遮光性が高いおかげで,部屋の中が真っ暗だ.
まだ眠いし,暗いし,もうひと眠りするか~と思って時計を見るともう8時だった.
8時間寝たようだ.ふかふかベッドのおかげでぐっすり眠れたみたい.
ブラインドを開けると,強烈な日差しが差し込んできて,世界が真っ白になる.
しばらくぼーっと日光を浴びる.今日も猛暑日だなー暑そうだなーと思いながら,徐々に身体を起こす.
ホテルの朝食は9時までらしい.
支度をして8時半くらいに部屋を出て朝食会場に向かう.
コロナの感染対策はきちんとされていた.
消毒をして,手袋をしてのバイキング形式.
和洋両方用意されていて,自分は和食な感じでそろえた.
普段はパンとコーヒーとヨーグルトだから,和朝食を食べるだけで非日常な気分になった.
斬新なメニューはなかったけれど,漬物も味噌汁も和惣菜も安定のおいしさ.食後に食べたヨーグルトと,コーヒーもおいしかった.
そのあとは部屋で適当にTVを観てから,10時前にチェックアウトした.
まとめ:旅は現実逃避に過ぎない
本当にホテルに泊まっただけで,観光も何もしなかった.
移動もJR東海道線にちょっと乗っただけ.
それでも,ホテルに泊まるだけで,結構「非日常」な気分に浸ることができた.
今は遠くへは出かけられない.
しかし,ホテル側はホテル側で,旅行・出張需要が激減して苦しい.
それならば,あえて近所のホテルにただ泊まってみるのも面白い.
自分たちは「非日常」の気分に浸れて,ホテル側も部屋の回転率をちょっとでも上げられる.これぞWin-Winの関係.
*
観光もせず,遠くへも行かず,ただホテルに泊まるだけで「非日常」を味わえる.
しょせん,旅は退屈晴らしであり,そして日常という現実からの逃避行にすぎないのかもしれない.