佐世保港に寄港したAdora Magic City号を見物してきた

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JR九州783系特急「みどり7号」で佐世保までやってきた。つぎの大村線方面 快速列車まで時間があったので,佐世保駅周辺で時間をつぶすことにした。佐世保国際港に中国の大型クルーズ船が寄港していたので,見物していった。

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佐世保にクルーズ船がいた!

佐世保には,学部生のときにいちど,サイクリングで訪問したことがあり,駅からあるいて港へ行けるし,こぎれいに整備された公園のようになっていて,ショッピングモールも併設されていることをしっていた。ちょうど一眼レフのバッテリーが低下していたので,駅についたら,スターバックスにはいって充電しながらのんびりして,「佐世保バーガー」をたべて快速列車に乗り込もうと,考えていた。

それで「みどり7号」で佐世保についたとき,国際港におおきなクルーズ船が停泊しているのが目に留まった。これはめずらしい。せっかく港にきたのだから,と,このクルーズ船を見ていくことにした。

まずはショッピングモールの方から,佐世保港に停泊しているクルーズ船をのぞむ。まあまあ離れているのだが,それでもこの大きさ。ちょっと逆光なのがざんねん。

国際ターミナルビル「葉港テラス」へ

せっかくなのでもう少し近くで見てみようと,国際ターミナルビル「葉港(ようこう)テラス」まで歩いていく。今日は晴れているが風が非常につよい。その中を,ポツポツと,クルーズ船から降りてきたとおぼしき観光客が歩いてくる。顔をみるかぎり,アジア系(中国,あるいは,東南アジア)の旅客が多いようだった。

国際港まで来た。真正面からみてみると,大きさがよりわかりやすい。

葉港テラスのなかでは,ちょうど,乗組員の歓迎セレモニーが行われていた。外国人の船長・副船長が,佐世保市の代表などから歓迎を受けていた。船のなまえは「愛達・魔都号」というようだ。どうやら,中国のクルーズ船らしい。こうやって,異国の地からやってきて,船から降り立った外国人をみると,どうも物珍し気に見える。江戸時代や明治時代には,外国人は船でやってくるものだっただろう。だから,きっと,江戸・明治の日本人も,こんな服を着た外国人船舶の乗組員を,ものめずらしげに見たに違いない。

国際ターミナルは,「CIQ(税関、出入国管理、検疫)機能を有する旅客ターミナル」1で,港のまわりはフェンスで囲まれている。したがって,乗員・乗客以外が,船舶のすぐ横まで行くことはできない。ただ,葉港のターミナルビルには,船を見送れるデッキのようなものが併設されており,ここから,船の全容を眺めることはできた。

中国初の国産大型クルーズ船:愛達・魔都号(Adora Magic City)

アルファベット表記は,「ADORA MAGIC CITY」となっており,愛達アドーラ魔都マジックシティ号と読むことがわかった。船についてはさっぱりくわしくないのだが,どうやらこの船舶は,中国が自前で製造した初の大型国産クルーズ船のようだ2。まだあたらしい船らしく,白いボディ(といっていいのか,船体)がまぶしい。

総トン数13万5500 t,全長323 m,船籍はパナマだ3。中国の船でも,船籍はパナマ:これは高校の地理の授業で勉強した「便宜置籍船」の一例だ4。そして,このクルーズ船が,中国「初」の大型クルーズ船である点は意外だと思う。

大型クルーズ船の造船はヨーロッパ一極集中

造船業界自体は,かつて日本が世界一のシェアを誇り,現在でも,韓国・中国に次いで3位をキープしている5。したがって,日本のみならず,中国でも「船」自体はつくっている。

一方で,これら3か国をふくめたほとんどの国では,大型クルーズ船をほとんどつくっていない,というか,建造の難易度がたかすぎて,そう簡単にはつくれないようだ。たしかに,これだけ大きなものを海の上に浮かべるだけでも大変なのに,そのなかにたくさんの客室と,豪華な設備をてんこ盛りにするわけだから,建造がむずかしいのもうなずける。

現在,大型クルーズ船の建造シェアは,ヨーロッパ大手3社が7割以上を占めている6。日本・韓国は,かつてこの牙城を崩そうとして惨敗した模様。そこに,いよいよ中国が挑んでいくという形になっている。中国は,果たしてどこまで,その牙城に食い込んでいけるのだろうか。

さて,佐世保でのクルーズ船見学を終えたら,ショッピングモールの方へ戻って,スターバックスで少し休憩した。ここでカメラの充電をさせてもらった。それから,佐世保駅にもどり,駅構内にあるハンバーガショップで「佐世保バーガー」をテイクアウトした。港で食べて行ってもよかったのだが,クルーズ船の見学と,カメラの充電をしていたら,予想外に時間がすぎていた。

実は,カメラのセンサにゴミが付着していることに,佐賀→佐世保間の特急「みどり」車内で気づいた。ほかにもいくつか写真を撮ったのだけれど,そのゴミゆえに,全然紹介できなかった。ちょっと残念。

ということでここからは,「ぐるっと九州きっぷ」による九州鉄道旅に戻ります。

(つづく)

  1. 佐世保市役所:「旅客ターミナルのご案内」,URL: https://www.city.sasebo.lg.jp/kouwan/koukanri/terminal-info.html, [Access: 2024.4.29] ↩︎
  2. 世界の艦船:「中国国産初の大型クルーズ船「アドーラ・マジック・シティ」来航! 」URL: https://www.ships-net.co.jp/%E2%97%8F%E4%B8%AD%E5%9B%BD%E5%9B%BD%E7%94%A3%E5%88%9D%E3%81%AE%E5%A4%A7%E5%9E%8B%E3%82%AF%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%82%BA%E8%88%B9%E3%80%8C%E3%82%A2%E3%83%89%E3%83%BC%E3%83%A9%E3%83%BB%E3%83%9E%E3%82%B8/ [Access: 2024.4.29] ↩︎
  3. idyllicocean 海と船の情報ポータル:「アドーラマジックシティー / Adora Magic City – idyllicocean」URL: https://idyllicocean.com/vdb/ship18_vsl_info.php?id=3494 [Access: 2024.4.29] ↩︎
  4. 乗り物ニュース:「「パナマ船籍」なぜ多い 船籍をあえて外国へ 世界をまたにかける外航海運業の戦略とは」,URL: https://trafficnews.jp/post/80610#google_vignette [Access: 2024.4.29] ↩︎
  5. 日本経済新聞 NIKKEI COMPASS:「造船業界 市場規模・動向や企業情報」,URL: https://www.nikkei.com/compass/industry_s/0291 [Access: 2024.4.29] ↩︎
  6. 東洋経済オンライン:「中国が初建造の「大型クルーズ船」、年末に完成へ ヨーロッパの造船会社の独占状態崩せるか | 「財新」中国Biz&Tech」,URL: https://toyokeizai.net/articles/-/675165,[Access: 2024.4.29] ↩︎
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