地下鉄の洗礼【出張記#2】

先週に続いて,今週も出張だった。先週の出張記は,以下の記事にまとめた。

常磐特急ひたち【出張記#1】

地下鉄直通のありがたさ

先週のは日帰りだったが,今週の出張は泊りがけだった。用事は2日間だったが,朝の集合時間が早かったので,前泊した。したがって,2泊3日での出張となった。

往路は,定時後にバスと京急を乗り継いで都内までアクセスした。京急で横浜・川崎・品川方面へと向かうのは久しぶりだった。この区間はだいたいJRのグリーン車で通過することが多い。

関連記事【静寂を買う】通勤ラッシュが嫌すぎてグリーン車課金する新入社員

乗車したのは「快特」だった。

横浜に着いたときには,すでに日が暮れていた。外が暗かったせいかもしれないが,横浜~川崎~品川の間の「快特」は,とんでもなく速かった。

夕方に都心へむかう列車なので,混雑はさほどひどくない。特に遅れてもいなかった。それなのに速い。いったい誰と競っているのか?と疑いたくなるような飛ばしっぷり。

床下から響くモータ音が,横須賀線や東海道線のE235系やE233系より段違いに大きかった。そう,京急のライバルは東海道線だ。東海道線に負けまいと飛ばしているのだ。

とにかく,爽快になるような吹っ切れた走りだ。あまりにも飛ばすので,車体の揺れも大きかった。京急は,線路の幅がJRより広い(JRは狭軌,京急は標準軌)はずだが・・・?まあともかく,その不快さもどこかへ吹き飛ぶような速さだった。京急は速いと聞いていたが,こんなに速いとは思わなかった。

さて,品川方面へむかう快特電車の多くは,泉岳寺から地下鉄線(都営浅草線),さらに京成線まで乗り入れる。この日の宿は,東京メトロ沿線に予約してあった。

こうして,地下鉄線へと直通してくれると,乗り換えの回数と手間が少なくなるから,とてもありがたい。この夜は結局,浅草線(都営)から「日比谷線」(メトロ)へと乗り換えることで,予定時間に宿へ到着できた。

メトロと都営を乗り継ぐ

翌朝。寝坊することなく宿を出発した。乗換については,昨晩のうちに調べておいた。朝食は食べずに宿を出て,早めに到着したうえで,近くの喫茶店でモーニングする予定を立てていた。

乗り換えルートに関して,安全に行くのであれば,宿から10分以上歩いたうえで,都営浅草線に乗るだけのルートを選択するところだ。ただ,この日は雨だった。ゆえに,乗り換えアプリで検索した結果のなかで,もっとも歩く距離が少ないルートを選んだ。

要するに,空腹の状態で,初見の路線を乗り継いでいくこととなった。これがまずかった。

まずは「有楽町線」(メトロ)で有楽町駅までむかった。昨日きた路線(日比谷線)と違う路線で出発しているが,これは,ホテルが日比谷線と浅草線のちょうど間にあるからであって,間違えてはいない。したがって,ここまでは事前に乗り換えアプリで調べたとおりに来ていた。

駅名と路線名を混同

問題は,有楽町線(メトロ)有楽町駅での乗り換えだった。事前に乗換案内アプリで調べておいたはずなのに,ここで違う改札へ入ってしまった。ふつうの状態なら,改札を通過するまえに合っているか確認するところだが,空腹でぼんやりしていたせいか,それを怠った。具体的には,有楽町駅から,都営三田線へのりかえるところを,誤って東京メトロの改札(日比谷線)に入ってしまった。

これは,東京メトロ有楽町線 有楽町駅と都営三田線 日比谷駅とが,同駅(路線図やのりかえアプリでは乗り換え可能駅となっている)にもかかわらず,駅名が異なっていることに起因する。つまり,日比谷「駅」へ乗り継いでいくはずなのに,日比谷「線」のほうへ行ってしまったのだ。

このことに,改札を通過して,ホームへ降りようとするときに気づいた。日比谷線の路線図には,見慣れない駅名ばかりがずらりと並んでいた。言い換えれば,これから行く先の駅名がないのだ。

このように,鉄道マニアを自称しておきながら,出張先で地下鉄を乗りまちがえてしまった。

幸いにして,出先は三田線で数駅のところだった。無人改札でやりとりして三田線の方へ入り直すのも面倒だった。なので,そのまま東京メトロ 日比谷線で移動することにした。

東京の地下鉄網は大変密なので,違う路線であっても,駅が近接していることもしばしばある。この日も,下車予定だった駅にもっとも近い日比谷線の駅で降りたあと,予定より長めに歩くことで,なんとか出先にたどり着けた。

東京タワー。iPhoneで撮った。広角側だからか,塔体がゆがんで見える。

時間に余裕をもって出発しておいたおかげで,集合時間には十分間に合った。目星をつけていた喫茶店でモーニングをする余裕も残っていた。

そのあとは,出先で1日用事を済ませた。2日目は,上述の失敗を教訓として,間違いなくのりつぎを成功させた。おかげで,遅刻欠席早退なく,出張を終えられた。

関東の路線網をおぼえていきたい

関東に来てから2か月以上経った。JR各線の路線の交わりと広がりについては,少しずつ頭に入りつつある。

いっぽうで,私鉄各線ならびに地下鉄については,覚えているのは会社名だけで,路線名や各線の直通運転・乗換可能駅については,ほとんどできていない。

首都圏に住んでいる一般の方々は,いったいどれくらいの解像度で,地下鉄や私鉄の路線網を把握しているのだろうか。気になるところである。

ともかく,出張へ出てきて地下鉄を乗り継ぐときは,もうしばらくの間,乗り換え案内に頼ることになりそうだ。

わかりやすいし乗り慣れているから,ついついJRばかり乗ってしまうけど,せっかく首都圏にいるのだから,私鉄も乗って行かないとなあ,と思う。

(つづく)

参考:都営地下鉄|東京都交通局

Rin Suigetsu, Ph.D.

鉄道を主とした一人旅の見聞録を書いています。特急列車と国鉄型・凸型の電機が好き。ときどきロードバイクにも乗ります。写真はPENTAX K-3iiiで撮っています。博士(工学)。

フォローすると更新情報をすぐに受け取れます

アーカイブはこちら

2025年6月
 1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
30