東北鉄道旅にて,福島から名古屋に東北新幹線で帰ってきた。
参考:東海道新幹線(こだま)グリーン車 乗車記|東京→名古屋|夏の東北鉄道旅(番外編)
東京駅で,東北新幹線から東海道新幹線へのりつぐ時間があった。東京駅の東北・上越・北陸新幹線ホームには,なかなか来る機会もない。ということで,何枚か新幹線の写真を撮って来た。
東北・上越・北陸新幹線を運行するのは,JR東日本だ。わけてもエース格の車両はE5系で,東北新幹線「はやぶさ」「やまびこ」などで運用されている。一方で,上越・北陸系統は,現在,E7系新幹線が主として運用されている。
E7系は,北陸新幹線の金沢延伸開業に合わせて投入された形式だ。この日撮影したのは「F4編成」で,JR東日本(長野新幹線車両センター)所属の車両だった。E7系は,ほかに,JR西日本所属の車両もあって,これは「W7系」とよばれている。
北陸新幹線の最高速度は,東北新幹線ほど速くない。それゆえ,E7系は,E5系とくらべると,先頭車両の「鼻」(ノーズ)がみじかいのが特徴だ。
とはいえ,北陸新幹線は,他線区とくらべて,厳しい条件もある。たとえば,急勾配区間や電源周波数が2つあることなどだ。これらに対応するべく,E7系は50 Hz/60 Hzの両方の周波数地区で走れるようなシステムをもっていて,30‰の急勾配も上っていける駆動系を搭載している。見た目は落ち着いているが,じつはパワーと器用さを兼ね備えた新幹線なのだ。
新幹線の高速化は,騒音や空気抵抗との戦いで,これをすこしでも軽減すべく,先頭車両のノーズはどんどん長くなってきた。そんな歴史にあって,この形式だけは,「長すぎない」ノーズになっている。そのため,現在JR東日本で主力の新幹線車両(E5系,E6系,E8系)にくらべると,小ぶりでバランスがいい外観に仕上がっている。
基調となる色にはアイボリーホワイトがつかわれていて,E5,E6,E8系のビビットなそれと比べると,いくぶんおだやかに仕上げられている。中心をずばっと貫くさわやかだ青色は,北陸地方の空をイメージしているそうだ。そして,他では類をみない「銅色」が,みじかめのノーズを引き締めている。
E7系は,現行の新幹線車両のなかではいちばん好みなデザインだ。かつて東海道新幹線 初代「のぞみ」として活躍した300系新幹線を彷彿とさせるフォルムが,とても気に入っている。北陸新幹線の敦賀延伸によって,名古屋から北陸へ行きづらくなり,E7系を目にする機会が減ってしまったのが残念だが,今後も末永く活躍してくれることを願っている。
【E7系に関する記事】
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参考:E7系:JR東日本