JR東海 383系ブレーキ緩解・GTO-VVVFサウンド収録&公開(@名古屋駅)

あたらしい機材をつかって,名古屋駅に行き,383系「しなの」出発時のサウンドを録って来た。中央西線をはしる特急は,2029年ごろをめどに,385系へと置き換えられる予定だから,383系のサウンドを収録するなら,いまのうちだ。

新機材での「鉄音」収録

ブログ休止期間中に,「音鉄」活動のための「り鉄」機材として,これまでつかっていた無指向性のリニアPCMレコーダにくわえて,指向性をもつPCMレコーダを導入した。導入目的は,走行中の音声だけでなく,車外にきこえるメカサウンド(鉄道車両の機械的・電気的な音)を収録するため。

導入後は,なんどか収録練習にでかけた。まず,手近なところとして,JR中央西線の高蔵寺駅へでかけて,315系の緩解音+ジョイント音を収録した。こちらについては,すでに音声を公開した。

ここでの収録で,ある程度手ごたえをかんじたので,こんどは名古屋駅にかよった。名古屋駅へは,東海道・中央・関西各本線からの列車がのりいれており,貨物の通過も頻繁にあることから,収録対象には事欠かないためだ。

383系の発車シーンを収録

今回紹介するのは,そこで収録したうちの1つで,383系の発車シーンだ。

収録日・列車・場所

収録場所は,名古屋駅10番線・11番線1。10番線からは,長野方面への下り特急が出発する。11番線からは上り列車として到着し,折り返しとなる回送列車が出発する。収録した列車と年月日は以下の通り。

  1. A3編成 しなの10号 (1010M) – 10番線 (2023年11月12日)
  2. A?編成 2しなの13号 (1013M) – 10番線 (2023年12月9日)
  3. A1編成 しなの15号 (1015M) – 10番線 (2023年12月9日)
  4. A1編成 回送 – 11番線 (2023年12月9日)

これら収録した4本分を動画にまとめ,YouTubeチャンネルにアップした。

聴きどころ

収録した最初の3本は,下り特急「しなの」として出発していくサウンドだ。「聴きどころ」ポイントは,以下の3つ。

  • ブレーキ緩解音
  • 東芝製GTO-VVVFによる変調音
  • レールを擦る音とジョイント音

さらに,追加で収録した回送列車については,構内徐行のため,フル加速せずノッチオフする。これは,本線を走る列車にはない聴きどころだ。

383系の後継車両製作が決まっている

385系のデビューは2029年ごろ目標

そんな383系だが,JR東海は,後継車両「385系」量産先行車を新造することを発表した3。量産車の走行試験は2026年度からはじまる予定としている。さらに,量産車は,2029年ごろをめどに投入予定としている。つまり,中央西線で383系が活躍するのも,あと5年程度と考えられる。

ちょうど2年前,ダイヤ改正をまえにして,315系デビューで気になる国鉄型・特急型車両の今後という記事をかいた。ここでは,中央線315系デビューの話題にくわえて,キハ85系および383系特急型車両の置き換えについても言及していた。このうち,キハ85系は,383系に先んじてHC85系におきかえられたのは周知のとおり。それから,383系については,2022年から数年程度で,置き換えの話がでてくるのでは?と予想していた。

しかし,キハ85系の製造期間は,1988年から1997年である一方,383系の製造期間は1994年から1996年。製造開始期間の差が6年であることを考えると,今後数年で383系についてなにか話が出てきてもおかしくないのでは?と考えています。

315系デビューで気になる国鉄型・特急型車両の今後

上述のように,計画どおりに製造・試験がすすめば,およそ5年後には385系が383系をおきかえることになる。ちょうど,上記の予想があたったかたちだ。また,このことから,JR東海としては,製造から25~30年程度を区切りとして,特急型車両をおきかえていくことをかんがえているとわかる。

機器更新がなくても,GTO-VVVFサウンドはあと5年程度

このことから,仮に383系の走行機器が更新されないとしても,GTO-VVVFサウンドをはじめとした豪快な走行音を聴けるのは,あと5年程度とかんがえられる。

もし,この間,制御機器の更新があれば,GTO-VVVFサウンドはより早い段階できけなくなってしまう。たとえばつい最近,おなじくGTOサイリスタ制御のJR四国8000系が機器更新された。これについては,以下の記事で書いた。

JR四国8000系が機器更新されるらしい~現役続行とGTO-VVVF消滅~

ただし,8000系については,今後も予讃線特急「しおかぜ」に充当することをかんがえての更新だった。同様にして,他社車両でも,制御素子をGTOからIGBTやSiC半導体モジュールに変更する例がみられるものの,それらの車両は今後も活躍することを見通してのものだ。383系は,後継車両によって置き換えられることから,機器更新の可能性は低いのでは,とかんがえている。

いずれにせよ,平成初期を代表する特急型電車であった383系の活躍も,いよいよ最終盤にさしかかってきた。記録をするなら,いまのうちだ。

まとめと今後の公開予定

今回は,名古屋駅で収録したサウンドのうち,JR東海383系をとりあげた。

ここではほかにも

  • 貨物列車の通過音
  • 新型特急型車両「HC85系」のサウンド
  • 681系の出発音

も収録した。今後は,これらも順番に動画へとまとめていくことをかんがえている。特に,681系(「しらさぎ」)は,北陸新幹線敦賀延伸によって,運行区間が大きく短縮され,話題となっている。さらに,今回紹介した383系とおなじく,GTO-VVVF制御の車両でもある。まずはこちらの音声をまとめていく予定だ。

気になる方は,以下のボタンからチャンネル登録して頂けると,通知が来て便利かと思います。

(以上)

  1. 各番線の向かい側,すなわち,10番線の列車は8番線から,11番線の列車は12番線から収録した。ちなみに,名古屋駅には9番線がない。(参考:名古屋駅|構内図:JRおでかけネット↩︎
  2. 編成番号を記録し忘れた。 ↩︎
  3. 東海旅客鉄道株式会社:「新型特急車両「385系」量産先行車の新製について」 (2023), URL: https://jr-central.co.jp/news/release/_pdf/000042834.pdf [Access: 2024/3/24] ↩︎
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