【永遠の疑問】勉強って何のためにするの?に対する答えのようなもの

なにかしら立てた目標に対して,
自分が何を知らないのかを自覚すること.

その知らないことを知るために,
どうすればいいかという方法を探ること.

探り当てた方法で,それを知ろうとする.

身についた知識を使って,目標に近づいていく.

これが,勉強の意義のようなものではないだろうか.

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「目標」に達する「手段」

具体例として,今やっている卒業研究を上げてみる.

というのも,「勉強することってこういうことか!」と気づいたのが,卒業研究を通してだったからだ.

卒業研究の最初の方の話

配属が正式に決まり,4月から卒業研究をはじめた.

配属後,最初に行われたのが「テーマ決め」だ.うちの研究室では,いくつかのチームがあり,そのチームの中である程度具体的な研究内容(テーマ)が用意されていた.

テーマが決まると,とりあえず先輩方から資料をもらって「先行研究」についての調査を進めた.だいたいのテーマが,以前から先輩方が継続的に取り組んでいるものなので,先行研究というものが存在する.まずは,研究室内でどのような成果が得られているのかを,卒論や修論を読んで把握するのだ.成果については,卒論よりも研究会への投稿論文の方がまとまってわかるので,そちらもいくつか読んだ.

成果がわかったら,今後の課題・やるべきことを,論文の結びなどから読み取った.

そして,5月ごろにテーマにおける成果と課題を把握し,現在位置を見定める.定まったら,助教の先生や同じテーマの先輩とのミーティングで,今後の計画を具体的に決めていく.幸い,自分のテーマの場合は助教がある程度やりたいことを持っていらっしゃったので,それを進めていけばよいということになった(真の研究,というのは,そういう今後やるべきことも自分で考えなければならない).

研究計画がまとまったら,ミーティング資料にして報告した.事前のミーティングでかなり詳細に説明いただいたおかげで,報告自体に何か突っ込まれることはなかった.

研究計画作成と並行して,テーマに関する基礎知識の勉強をした.自分が担当するテーマは,世の中に幅広く使われているにもかかわらず,これまで深く研究がなされてこなかった(らしい),とある電力部品について.研究が少ないので,教科書も少ない.なので,いきなり総説論文や英語の教科書を読むこととなった.(幸い,コロナで自習期間がとられたので,その間にある程度読み進めることができた)

難しかったけど,総説論文や教科書を読むと,研究室内ではなく,「世界規模」で研究がどうなっているのかがある程度把握できた.その現状と,研究室内で今後取り組むべき内容を照らし合わせると,ようやく「自分が何をしていかないといけないか」を自覚することができた(もちろん,それがうまくいく保障はどこにもないが).研究をするための「常識」が,論文や教科書によって身に着いた.

これが本当の「勉強」か!

実験計画を立てた後は,計画であったうちの一つの項目について実験を進めた.

実験を進めていくと,ある程度まとまった「結果」が得られた.その「結果」が何を意味するのか,報告に際して考えなければならない.これは学生実験でさんざん練習させられた「考察」だ(学生実験では,考察の有無,深さ,独自性が評価の対象だったように思う).

考察をするためには,実験で起こっている何かしらの物理現象をイメージしなければならない.ただし,その物理現象について,完全に把握している人はだれもいない.つまり,ぼんやりとしたイメージはあるけれど,まだ系統立った理論がないのが現状だ.

得られたデータにはある程度規則性が見られたり,逆に予想とは違う結果が得られたりした.また,条件を変えてもあまり観測値が変わらないこともあった.これをどうやって説明するか.
あくまでも物理現象にすぎないので,基本法則を超越するような理屈は使ってはならない(たとえば,発生した熱エネルギーが低温側から高温側へ移動するとか,重力に逆らって物体が移動するとか).

ある程度起こっている現象のイメージはつかめていた(伝熱現象)ので,あとは,その現象を説明できるような理論を組み合わせていく.のだが・・・考えを進めていくと,自分には起こっていると思われる現象に関する知識がないことがわかった(熱力学・・・!).そもそも,熱がどうやって伝わるのか,伝熱にはどのような現象があるのかを,まったく知らなかった.知っていたのかもしれないけど,わからなかった.

だから,熱力学や伝熱工学の教科書を読んでみた.読んでいくと,伝熱にはどういう種類があって,熱力学の基本法則はこういうことで・・・というのが,少しずつわかってきた.そのような事項がわかってくると,「イメージ」にすぎなかった考察が,より具体的で定量的なものになっていった.そして,考察の報告に説得力が増してきた.目の前にある現象が,熱力学や伝熱工学という「現状解明されている現象=常識」によって,少しずつ解きほぐされていく感じがした.

この経験を通じて,気づいた.

そうか,これが勉強なのか」と.

知らない・わからない現象があって,それを解明するために,教科書を読んで知識をつける.

あるいは,物性データがわからないので文献を読むとか,

圧力を測定したいけど,実験方法がわからないから,類似の研究が報告されている論文を読むとか,

「目的に達したい」あるいは「目標に少しでも近づきたい」という欲求に駆り立てられて,その道筋を探りあてる「手段」として勉強する.これが「勉強する」ことの本来の姿なのだと感じた.

そして,学部3年間で受けてきた「講義」というのは,真の勉強ではなくて,あくまでも「研究のための物理的・科学的な常識を習得する」ことに過ぎなかったということに気づいた.

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根本的に必要なこと

勉強することの意義はわかったけど,その前にそもそも必要なことが2つあると考える.

できるだけ明確な目標をたてること
何を知らないのかを自覚すること

やりたいことを明確にする

まず,自分がやりたいことを明確にして,そこを「目標」とすることが必要.

やりたいことがないままに,漠然と何かを続けることほど,辛くて退屈なことはない.

「こういうアプリがつくりたい」とか「ブログのデザインをもっとよくしたい」とか「人工知能を使ったサービスをつくって会社を興したい」とか・・・なんでもいいけど,とにかくそのような具体的な目標がないままに,「プログラミングの勉強やります」といっても,続くはずがない.

あるいは,「これから毎日素振り100回やります」とだけ決めて,ただ漠然と素振りをしても続けることは難しい.そうではなくて,「飛距離を10m伸ばして,外野のアタマを越せるような打球を打てるようになる.そしてクリーンアップに座る」という目標を立てたうえで,毎日素振り100回やりますというプランを組んだ方が,続きやすいのではないか.

目標を立てるとは,そういう(勉強に限らない)何かを続けて新たな力をみにつけるために重要なこと.

「プログラミングの勉強」自体が目的になってしまってはいけないのだ.あくまでも勉強やトレーニングは「手段」で,その先のゴールがどういうものなのか.それを最初に明確に決めておいた方がいい

「知らないこと」を知る

次に,目標を達成するにあたって,何を知らないのかを自覚することが必要.

たとえ,「自分はわかっている」と思っていても,因果関係を含めて詳細な説明をしようとすると「あれ?意外とわかってない・・・」と思うことは誰しもあるはず.

そのような「知らないこと」を自覚して,自分がやるべきことを把握するのが大事.

重要なのは「この高度に複雑化した現代社会で,自分のアタマのなかに無知が存在するのはあたりまえだと自覚する」こと.知らないことはあって当然で,多くの他者がもっている知識に依存して,「コミュニティ」的に生きているのが現代人.

「知らないこと」がわかったら,それを知るためにどのような方法で勉強するのかを考える.現代社会は,膨大な知識のプラットフォームである「インターネット」へ容易なアクセスが可能となった.あるいは書籍や論文という選択肢もあるだろう.

先ほど挙げたプログラミングの話だと,

「自分のWebページを,もっと美しくデザインするために自分が知らないことはなにか?」を考えていく.そうすると,HTML/CSSやJavaScript,あるいはデザインにかんする知識が必要になってくることがわかってくる.
では,HTML/CSSやJavaScriptを習得するためにはどうすればよいか?ウェブ上で学べるオンラインスクールに参加するとか,書籍を買ってみるとか.いろいろある.

また,素振りの例だと,

「飛距離をのばして,外野のアタマを越せるような打球を打てるようになる」ためには,何が必要かを考えていく.ただがむしゃらに素振りを積み重ねるのも,まあ悪くはないが,下半身の筋力トレーニングとか,力みをとるとか,そもそもフォームを見直すとか...いろいろ「知らない」ことが見つかる.じゃあ,その知らないことを知るためにはどうすればよいか?YouTubeでプロ野球選手のフォームやトレーニング方法を勉強するのもいいし,監督やコーチにアドバイスを乞うのもいいだろう.

このようにして,手段を探るためには,「無知」を自覚することが大事.

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まとめ:勉強のための勉強はダメ

大学の卒業研究を通して思ったことと,
最近大学生協の書籍で買って読んだ本に書いてあったことが,
あまりにもマッチしていたので,記事に書いてみた.

駄文でも,書いてみると思考が整理されてすっきりする.

先日,電子工作ネタを記事に書いた.鉄道模型のパワーパックやVVVFインバータ音を実現したいという具体的な目標があるので,電子工作にかんする勉強はまったく苦にならない.

ArduinoとモータドライバICによるDCモータの駆動制御
ブリッジインバータやフィードバック制御回路を組むことなく,ICによって簡単にモータを制御することができる.

最近電子工作をやる人が増えているみたいだけど,それもやっぱり「何か作りたいもの」がなければ続かないし,勉強もやる気が起こらない.最初に作りたいものを明確にすれば,そのために必要な知識をみにつけようとする.それが「勉強」であって,それは意外と面白い.

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このブログを書いている人

タケ

自転車・鉄道で旅する理系大学生.一眼レフ片手に,ぶらぶら気ままに出かけます.自転車はロングライド,キャンプツーリング,鉄道は乗る・撮る・聴くのが好き.

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