シンプルなアウトライナ「Workflowy」をしばらく使ってみた。
有料プランに入って,Bullet1の上限を開放して使ったので,その感想をまとめておく。
アウトライナが活躍したところ
もっとも活躍したのは,研究で文書をつくるときだった。
ここでの文書とは,論文,研究計画書,成果報告書,さらには,就職活動にかかわる志望理由書などを指している。
おもに「構造を固めるための下ごしらえ」としてつかった。
この段階があることで,構造をつくりやすくなった。
構造があれば,真っ白な状態から,文章を書き起こさなくてよくなる。
このことが,文書作成をラクにしてくれた。
アウトライナで思考メモの構造を保つのはむずかしい
アウトライナは,単なるメモとして使うこともできる。
一時期,「Think」というBulletをつくって,メモを書いていた。考えたことや見聞きしたことを,どんどん増やしていた。
ただ,これらのメモのほとんどは,結局,つかわれることがなかった。
要因の1つとして,メモの構造が複雑になってしまったことが考えられる。
インデントやリンクという構造しかもたないシンプルさが,整理をむずかしくした。書き上げた瞬間のメモは,綺麗な「構造」を保っているのだが,数日ほったらかしにしたあとで,別のメモとつなげたり,書き足したりすると,そのメモがだんだん発散してしまった。
ついには,なにがどこにかいてあるのかわからなくなった2。これによって,メモたちが,書いた当時の文脈を失ってしまった。そして最後には,もともと何が書きたかったのか,よくわからなくなった。
こうして,「Think」というBulletには,つかわれなくなったメモの「ゴミ」が,今も残されている。
アウトライナは構造化するツール
上述のような体験から,アウトライナはあくまでも,まとまった文章を書くため,いいかえればアウトプットするためのツールにすぎないことがわかった。
アイディアやデータから文章の構造をつくっていくとき,初稿に至るまでには
- 思考→メモ書き(走り書き)
- メモや思考の構造化
という2つのフェーズがある。このうち,アウトライナは「2」に向いている。一方で,「1」の分散的な思考をとらえるのに,「階層的」な構造では少々やりづらい。
要するにアウトライナは,アイディアやデータなどの材料がそろっていて,かつ,その材料を文章化したいと思っている場合に活躍するといえる。
今後の課題:メモを「腐らせない」方法の探求
今後は,文章化するかどうかわからないけど残しておきたい,そういう思考や見聞のメモを保管・整理する方法も考えていきたい。
どうすれば,メモの文脈を維持したまま,文章の材料としておいておけるだろうか。
(つづく?)