1月が行っても,2月が逃げても,僕は論文から逃げない

B4は卒論の提出、M2は修論の提出と審査に向けてそわそわし始めた。

このそわそわ感は,M1である僕にも1月を突きつけてくる。

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年明けの3カ月は飛び去って行く

「1月は行く,2月は逃げる,3月は去る」とよく言われる。

この言葉は,

1月(「い」ちがつ)は行く(「い」く)

2月(「に」がつ)は逃げる(「に」げる)

3月(「さ」んがつ)は去る(「さ」る)

という風に,頭韻を踏みつつ,新年明けの3カ月が体感的に短く感じられることを言い表した言葉だ。

たしかに,1月は,最初の方が正月休みで,2月はそもそも日数が少なくて(28日/29日),3月は年度終わりで,いずれも実働期間が短い。単なる言葉遊びには思えないほど,年明け3か月の短さをうまく言い表している。

ところで僕は,この言葉が好きだ。なぜなら,年明け3ヶ月のそわそわ感,ばたばた感を,片手で転がすようにさっぱりとシニカルだからだ。

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さっぱりとあっさり

さっぱり」といえば,料理の風味を形容するのによく使われる。

似たような雰囲気の単語に,「あっさり」というものもあるが,この2つはどう違うのだろうか。よく似ているが違う言葉で,二つを入れ替えて料理を形容すると,なんだかしっくりこない。

自分のこれまでの感覚からすると,それぞれ以下のような料理を形容するのに使ってきたように思える。

  • さっぱり…「酸味」をふくむ料理,口の中に爽快感がある料理
  • あっさり…酸味にかぎらず,薄味で淡泊な料理

コトバンクで調べてみると,デジタル大辞泉には以下のように書かれていた。あまり違いがわからない。

さっぱり:いやみのないさま。また、しつこくないさま。あっさり。

あっさり:人の性質や事物の状態などがしつこくないさま。複雑でないさま。さっぱり。

コトバンク:https://kotobank.jp/

同じようにコトバンクにおいて,精選版 日本国語大辞典の解説をみると,以下のように書かれていた。料理を形容する部分は,どちらも「しつこくない」と定義している。そのほかの部分は,デジタル大辞泉より違いが明確に書かれている。

さっぱり:(「と」を伴って用いることもある) それまでの気持・気分が晴れて、さわやかになるさま、身なり・衣服などがはででなく、すっきりして清潔なさま、人や物の性質・態度などがいやみなくあっさりしているさま、味が薄くてしつこくないさまなどを表わす語。

あっさり:〘副〙 (「と」を伴っても用いる)① 人や物事の状態、性質が、複雑でなく、淡泊平明であるさま。しつこくないさま。あっさら。

コトバンク: https://kotobank.jp/ ,太字は筆者編

料理に限らず一般的には,「さっぱり」というのは「いやみがなくさわやか」,「あっさり」というのは「複雑でなくて淡泊平明,しつこくない」さまを表すのに使われるようだ。

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あっさりしていた自分の現在地

僕は,幼い頃,父親にから「おまえはよくできるけど,あっさりしているとこがよくない。もうちょっと粘っこくやれるようになれ」と言われたことがある。

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先のコトバンクの検索結果から解釈すると,自分は物事に対してあっさり=しつこくなくて淡泊であるというふうに言われたわけだ。自分のことを客観的に,かつマイナスにいわれたのは,このときが最初だった。

その後,自分がこのとき淡泊であると評されたことについては,特に意識してこなかったつもりだった。ただ,無意識下では粘り強くやるように気持ちをもっていたのかもしれない。この気持ちは,野球を続け,勉学に励む中でひそかに成長していったと思われる。

そのあと中学,高校とすすみ,少しは粘り強くなったとおもわれる自分は,愛媛県を飛び出して大学へ入った。

そして今では大学院にまで進み,世界で自分しかやっていない研究をやっている。

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あっさりしていた僕が,腰を据えてじっくりと研究に取り組んでいる。人生の中で,これだけ夢中になったことはないくらい,じっくりやっている。

おかげでいまは,学術論文に投稿する論文を書くことになっている。英語で,水も漏らさぬような論理を組むのは容易ではない。研究も論文も,あっさりはできないのだ

そんなことに,幼少期はあっさりが短所と評された,あまのじゃくの大学院生が取り組んでいる。その様は,「1月は行く…」のシニカルさとよく似ている。

他者評価なんてあてにならない

1月は行く。2月は逃げる。あっさりしていた僕は,論文から逃げない。

他者評価なんて,それをバネにすれば,意外とあてにならないものだ。

シニカルに受け止めて,弾き返せばいい。

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