電子版の新聞を読みたくなって,iPadを買って読んでいる.
- 実際読んでみてどうなの?
- 電子版と紙版どっちがいいの?
- そもそも新聞っているの?
ということについて,今思うところを書いていく.
朝日新聞デジタルを購読し始めて3か月になるが,
現段階での結論だけ書くと,
「iPadで読む新聞は最高」だ.
新聞って必要?
WebメディアやSNSが発展し,
- ネットニュース
- ニュースアプリ
- 各種SNS
などを流し読みしていれば,まあなんとなく情報を得られるようになった.
そんな時代において,自分は
「新聞こそ効率よく情報収集できるメディア」
だと考えている.
ニュースアプリやSNS
ニュースアプリやSNSでも,世の中の動きや情報は手に入れることができる.
しかしながら,それらのツールにおける「ニュース」はどうしても分野の偏りが生じてしまう.ゴシップ・芸能ニュースばかりだったり,プロ野球やらサッカーやらのニュースをすすめられるがままに読んでしまったり.
また,そのようなツールにおいては,しばしば過大な題名が付けられていることが多い.読者に対して明らかに「読ませよう」として,インパクトの大きい(記事内容と結びついていないこともある)題名さえつけておけばいいだろうという考えが,透けて見える.
このような情報収集ツールにばかり浸っていると
- 情報が偏る
- 真偽の不確かな情報にさらされる
という弊害が生まれる.
実際,自分がそうだった.
そこで,
- ニュースアプリやSNSを見る時間を減らし
- 大学図書館で新聞を読む
ことを実践し始めた.
大学図書館で新聞を読む
大学図書館には,各紙(朝・夕刊)が毎日そろっている.
そして,誰でも無料で読むことができる.
大学生は大学図書館に自由に出入りできるという特権を持っている.まず「新聞をよんでみる」という段階において,この特権を活用しない手はない.
「毎日必ず読む!」みたいな確固たる決意をすると挫折するので,3限前の空き時間(昼休み)とか,空きコマの時間に読みに行っていた.だいたい週に2~3回のペースだった.
新聞って意外と面白い?
しばらく各紙をパラパラ読んで思ったことは
「新聞って結構面白い」ということだった.
ここでの面白いという表現には,以下の3つの意がこめられている.
- 専門外の話題がわかりやすく紹介されている
- 見出しだけで世の中の動きがざっくりわかる
- 難しい用語もちゃんと解説されている
主に朝日・日経を読んでいた.上3つの「面白さ」を感じられたのは朝日新聞だった.朝日新聞は,政治や社会のニュースを「人」を軸にして書いてくれているのがよかった.日経は,数字と専門用語が多すぎて読みづらかった印象だ.
こんな風な感想を抱きつつ,新聞をしばらく読んできた.
そして,とある日に図書館で借りて読んだ本に感銘を受けることになる.
とある本との出会い
その本とは,現代の知識人として名高い
池上彰氏と佐藤優氏の共著
「僕らが毎日やっている最強の読み方」だ.
この本において,彼らは対照的な方法で大量の新聞を読みこなしていることが紹介されていた.主な違いは「電子版か,紙か」ということ.
- 池上氏→紙の新聞(出張の時は地方版を買って読むこともある)
- 佐藤氏→iPadで読む(スピードが速い)
自分がもし購読するなら,佐藤氏の方法がよさそうだと感じた.下宿は狭く,スクラップや読み終えた古新聞を保存するのが面倒だからだ.
そして,この本を読んで改めて「新聞の優位性」について実感することとなった.
今の時代に「毎月購読料を払ってまで,世の中のニュースを知る意義はあるか?」という疑問を持っていた.ネットニュースでも別にいいじゃないか,と.しかし2氏は,ネットニュースについて
- 真偽の仕分けが難しい
- ネットニュースは一次情報でない
という問題点を指摘していた.そしてインターネットは「上級者向けのメディア」であるとも語っていた.玉石混交の情報から,確度の高い・偏りのない情報を選び抜くのは,確かに難しい.それに対して新聞の利点について,こう語っていた,
- プロが取材して書いた記事(=一次情報)
- 世の中をまんべんなく掲載
- 記事サイズで重要度がわかる
上3つの利点を言い換えれば,「ざっと読めば,世の中の正確な情報がわかる」ということになる.
以上から,新聞とは,「簡潔」で「わかりやすい」メディアだと考えられる.
***
この本を読み終えて,新聞の良さについて認識することとなった.
そして,一紙ぐらいなら自分でお金を出して購読してもいいかな,と思うようになった.
大学図書館なら無料だよ・・・?
それはたしかにそうだ.しかし,大学の図書館で読むことには以下の欠点があげられる.
- 大学へ行かないと読めない(大前提)
- 興味深い記事があっても切り抜きはできない
1つめの問題点は,定期的に読み続けるにあたっては大きなハードルとなる.たとえば,コロナウイルスで図書館はしばらくお休みします.みたいな現在の状態になった場合,新聞は読みに行くことができない.新聞を読むために大学へ行くのもバカらしい....となると,新聞を続けて読まなくなる可能性が高いと思われる.
2つめの問題点は,スマホで写真を撮ってOneNoteに貼り付けることで解決を図った.しかし,静かな図書館でパシャパシャ写真を撮るのは,なんだか気が引けるし,面倒なので2日でやめてしまった.
以上から,ちゃんと購読した方が,ちゃんと読むし,心おきなくスクラップできるという結論に至った.
購読するなら紙か,電子版か
購読するにあたり問題になるのは,
紙で読むか,電子版で読むか
ということだ.
紙版の欠点
昔,実家では紙の新聞をとっていた.図書館でも紙の新聞を読んでいた.
ということで,「新聞は紙でしょ」というステレオタイプがあった.
しかし,購読するとなると,紙は欠点が多い.
- 古新聞を自分で処分しないといけない
- スクラップをおくスぺースが必要
- 外へは持ち出しづらい
- 購読料が電子版より高い
などなど・・・
一人暮らしは金がない・スペースがないので,紙の新聞を読むのは得策ではないな,と考えた.
電子版の欠点と利点
じゃあ,電子版はどうなの?ということになる.
電子版は,先に紹介した佐藤氏の購読スタイル.本で読んだ限りでは紙に比べて劣ることはなさそうだった.むしろ,いいことづくしだ.
- ゴミが出ない
- ダウンロードして持ち運べる
- ワンタッチでめくれて紙より速く読める
- 各紙,紙版より購読料が安い
快適に購読ができそうな電子版のハードルはただ一つ.
iPadを買うこと
である.
サービスに登録すれば,PCやスマホでもニュース自体は読める.しかし,紙面ビューワーを活用し,(紙に近い感覚で)読もうとする場合,PCやスマホでは非常にやりづらいと思われる.
- スマホ→画面が小さくて読みづらい
- PC→めくりづらい・拡大縮小が面倒くさい
ということで,電子版の購読にあたってはiPadはほぼ必須のツールだといえる.
とあるブログとの出会い
iPadは,今まで何度か買おうと思ったことはあるが,
- 積極的な使用動機が見いだせない
- 価格が高い
- アナログへの固執(つまらんプライドのようなもの)
という理由から,結局買わずにいた.
しかし,1つめの理由については,「電子版の新聞を読む」という目的ができたことで解消された.また,2つ目の理由についても,電子版の新聞を購読したくなった時期がちょうど,試験勉強と年末年始の帰省に重なったことで解消された(貯金がたまった).
残るは3つ目,アナログへのつまらん固執.デジタルツールで新聞を読むことをイメージできなかったことから,アナログに固執していたのだ.
その固執を取り払ってくれたのが,Google検索でたどりついた,このブログ記事である.
『黒猫陛下の書斎』という,センスあふれるブログタイトルに引き込まれて記事を読み進めていく.この記事で書かれていることを要約すると,以下の通り.
- 新聞と電子書籍専用にiPad Proを買った
- 電子版新聞を読むことになったきっかけは,池上・佐藤両氏の「僕らが毎日やっている最強の読み方」
- iPadで新聞を読むのは「最高」
自分と同じ本を読んでiPadを買うことを決意されているのに,共感を覚えた.そして結論として書かれている「iPadで新聞をよむのは「最高」である」との文章,さらに素敵な写真・ブログの雰囲気に引き込まれて,
「iPad買おう」と決心した.
朝日新聞デジタルを購読開始
いろいろな比較サイトを見つつ,自分の使用用途・懐事情などを考えつつ
iPad Air 2019
に決めた.Apple Storeにて学割を適用して購入した.あわせてApple pencilも購入した.
iPadが届くまで数日かかるようなので,先に新聞の電子版を購読し始めた.
購読にあたり,「どの新聞を選ぶか?」だが
- 紙面ビューワーが使える
- 電子版を提供する全国紙の中で最も安い
という理由から,朝日新聞デジタルを選んだ.
比較に際して,各紙の特徴は以下の記事を参考にした.
朝日新聞デジタルの購読料は,最初の1年間が2,000円/月.これは就活割という名目での割引価格.自分は就活をしていないが,大学生ならだれでも就活割が使えるようだ.
朝日新聞デジタルの詳しいサービス内容は以下のリンクから.
実際,iPadで新聞ってどうなの
朝日新聞デジタルに登録することで,朝日新聞社サービス共通の「朝日ID」が発行される.このIDでもって朝日新聞ニュースサイトや,朝日新聞アプリにログインすることで,有料会員限定の記事が読めるようになった.
iPadが下宿に届いてから,3か月ほどiPadのアプリで新聞を読んでいる.以下,実際に読んでみてどんな感じなのかをまとめておく.
紙の新聞よりラクに速く読める
iPad Airは10インチほどのサイズで,ピンチイン・ピンチアウトなしで見出しははっきり読むことができる.
記事本文については,拡大縮小がスムーズにできるので,見出し以外を読むのにもまったく苦労しない.非常に読みやすく作られていると思う.
とにかく,紙のようにデカデカと広げたり,読みたいページで折りたたんで読む必要がないのがうれしいところ.片手で新聞が読めるのはうれしい.
ページ間の移動はスワイプ.iOS版Kindleのようなページめくりアニメーションはないけれど,十分快適にページ間を行き来することができる.
ダウンロードして持ち運べる
朝,自宅を出る前にダウンロードしておけば,ネット環境がなくても読める.
iPad Airのサイズだと,満員電車で読むのは厳しいと思われるが・・・普通の電車内なら読むことができる.非光沢で照明が画面内に移りこまないので,とても快適だ.
ノートアプリにスクラップできるのが楽しい
紙の新聞でスクラップするとなると
- まずはハサミを取り出して
- 裏に大事な記事がないかな・・・チョキチョキ
- 次にスティックのり・ボールペンを用意
- スクラップブックを本棚から取り出す
- 貼って,書いて
- 完成したらまた本棚に並べる
という風にして,大変手間がかかる.せっかく有用なスクラップを作ろうとしても,作る過程が面倒くさすぎてやめてしまうということも多いと思われる.
これに対して,電子版のスクラップはとても簡単だ.
紙面ビューワーで読んでいて気になって記事があれば
- スクリーンショット
- 「共有」ボタンでノートアプリを開く
- タイトル・感想を入力
と,これだけでスクラップができる.
自分はMicrosoftの「OneNote」をスクラップブックとして活用している.
画像:https://www.onenote.com/download?omkt=ja-JP
Office365 Soloに登録しているので,容量は1TB使い放題.OneNoteはPCとも同期できるので,見直しや検索も簡単だ.新聞を読んで,スクラップを作り,書き込みをして保存する.流れは以下のような具合.
- 気になった記事をスクラップ(タイトル・出典だけ記入)
- 一通り新聞を読む
- 読み終わってからOneNoteを開く
- ApplePencilで詳しく書き込んでいく
- ある程度置いてから,アーカイブ用のフォルダに分類していく
実際にスクラップしたらこんな感じになる.Apple pencilの書き味は「極上」で,ほとんど紙同然で書くことができる.色や太さも自由に変えられるし,マーカーもあるので,ペンをそろえる必要もなくなった.これまで紙とペンにこだわっていたのがバカみたいに思えてくる.
スクラップはとりあえず「新聞切り抜き」セクションに置いておき,しばらく経ったら,別のフォルダにある分野ごとのセクションに移す(いらないものは移さず削除する).
まだ試行錯誤の段階なので,これからもうちょっとブラッシュアップできたらいいなと思っている.
まとめ:紙より電子版が快適
結論は以下の3つ.
iPad Airは高い買い物だったけど,結果的には快適に新聞が読めるようになった.
新聞は継続して読み,そして自分なりに考えを巡らせる(時には批判する)ことで血となり肉となってゆくのだと考えている.1か月あたり2,000円(正規価格は4,000円近く)するけれど,1日当たりに換算すれば100円ちょっと.ランチやカフェに行く回数を減らせば,大学生でも十分にやっていける価格だと思う.
余談だが,せっかくiPadを買ったので,新聞以外の部分でもデジタル化を進めてみようかなと思っている.
おわり.
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最近は,卒業研究に集中するため,新聞は読まなくなりました.