2021年2月5日(金)から2月8日(月)の日記です。
2/5(金) ラーメンとシュークリーム
昨日の夜,風呂に入っていたときに卒研発表スライドの構成を思いついた。
思い立ったアイディアはさっさと形にしないと,霧散してしまう。
湯冷めしないうちにパジャマを着て,デスクの下に置いてある大量のA4コピー用紙を1枚取り出して,イメージをできるだけそのまま,メモした。絵コンテみたいで雑なメモになったけど,各スライドに何を書くか,それがわかればいいので大丈夫。
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翌朝,8時前に起きた。ランニングに行こうかとも思ったけど,放射冷却でかなり冷えていたので止めにした。それよりも,昨日の卒研発表スライドのアイディアを形にしたかった。
ごはんを食べて,支度をしたらすぐに研究室へ行った。昨日,書きなぐったA4コピー用紙のメモを持って行った。研究室には9時過ぎに着いた。
さて,スライドは,作り始めるときが最も大変。特に今回は,研究室に配属されて初めてのスライド作成。ある程度は先輩のスライドを参考にするのだけれど,丸写しは「剽窃」となってしまう。参考にする量と程度が難しい。
そういうことを考えつつ,静かな研究室で,紙のメモに立体感を出していく。卒論の各章を,どれくらいの分量のスライドにするか,どういう図表が必要か。ある程度考えがまとまるまでは,パワーポイントを触らない。
章ごとの分量と各スライドに載せる内容がだいたい決まったところで,
各スライドにタイトルを書いていく。
スライドは研究室のテンプレートがあるので,それに載せていく。
ここまでで1時間半くらいかかった気がする。スライドを生み出すことの大変さといったら,成果報告資料の比ではないと思う。
いったん,コーヒーを入れて小休止。
ぼんやりしていると,M2の先輩方がスーツ姿で来室した。今日は午後から,M2の先輩方の修士論文発表会があるのだ。反対側の島に着席したM2の先輩方は,いつもは無い緊張感をまとっていた。何もないB4の自分も,背筋が伸びる思いがした。
コーヒーを飲みながら,必要な図の収集に取り掛かった。実験データは丁寧に整理して保存していたつもりだったけど,思っていた以上に散らばっていた。名前の付け方にも微妙に統一感がない。来年度が始まる前に,整理しておこうと痛感した。
並行して,研究背景と先行研究,目的・構成のスライドにも,思いつくアイディアを書いていった。
さらに30分くらい進めたところで,M2の先輩から早めにごはんを買いに行こうと誘われた。修論発表は13時から,いつもより15分くらい早く食べたいみたいだった。
ごはんを買って戻ってから,ぬるくなったコーヒーを飲みつつ,さらに20分ほどスライドづくりに励んだ。ここまでで,最初の方のスライド骨子が完成した。
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今日は修論発表ということで,M1の先輩方,B4の同期も続々とやってきた。
M2の先輩2人は,思ったよりも緊張していなさそうな素振りだった。実際の心境はわからないけど。
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13時の30分くらい前に,M2の先輩方が先に会場へ向かった。そのあと,15分後に,残りの研究室メンバーも会場へ向かった。座長は研究室のボスだったので,ベル係もうちの学生が担当,中間発表は自分がやったので今回は同期のHにお願いした。
コロナ禍でも対面の発表会,空調の音だけが響く静かな会場。M2の先輩方の緊張感が,こちら側まで伝わってくる。審査担当の教授1人が数分遅れて入室,予定より5分ほど遅れて発表会が始まった。
最初に発表したのは,同じテーマのK先輩。国内でも数度,国際会議での発表も経験しておられるだけあって,落ち着いて発表されていた。時間もオーバーすることなく,非常に聞きやすかった。
修士論文発表会は「審査」なので,発表後は教授陣からの質問攻めが行われた。自分は同じ研究テーマなので,質問とそれに対するK先輩の回答をメモした。意外と実機への応用に対する質問が多かった。今回用いた手法に対する本質的な質問も飛んでいた。自分はギクリとして答えられないだろう質問だったが,K先輩は落ち着いて回答していた。非常に有意義なやりとりだった。今後,自分が発表するとき,あるいは研究を進めていくときの参考にしよう。
つづいてN先輩の発表。N先輩は,結構直前まで,教授にスライドの修正を食らって大変そうだった。しかし今日の発表は,ところどころ詰まる部分はあったものの無事に進めていた。時間もなんとか15分少々に収めていた。
教授陣からの質問は,強弱が激しかった。別の研究室で似たようなテーマを扱う教授からは,そもそも手法がおかしいんじゃないの?みたいな強い質問があった。一方,専門外の教授からは比較的優しい,基礎的な質問も飛んだ。いずれの質問も,研究テーマを一から十まで把握していないと,答えられないものだった。「全部理解している」必要はないけれど,「思考の流れ」を説明する力は絶対に必要だと思った。
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こんな感じで,修論発表は無事に終了した。この感じだと,お二方とも修了は確実だろう。
そのあと,下宿に戻って,進捗報告が行われた。修論発表がある日でも進捗報告はぬかりなく行われる。
自分の報告は,先週から検討して,それなりに苦労してまとめたものだった。自分の中では,結構いい報告だったと思っていたのだが,教授からは「う~ん,,,なんか違うんだよな。いいんだけど,ちょっと違和感があるよな~」と微妙な反応だった。その理由として,AとBを別物として比較するのに,Bの側でAの根拠となっている方程式を使ってはいけないだろう,とのこと。たしかに,その通りだった。これでは,堂々巡りになっている。
そのあとしばらくあーでもないこーでもないと,画面を通して議論をした挙句,
とりあえずアタリをつけるために,値の計測を行うことになった。それで計測された値を使うことで,Bの側でAの方程式を使う必要がなくなるというアイディアだ。別の言い方をすれば,Bの側の理論で,実験的事実だけを使って完結させ,欲しい情報を導き出すというものだ。
果たしてこれがうまくいくか。まったくわからないけど,少なくとも今回の報告が「間違い」であることは確実だ。アイディアを作った段階で,助教の先生に相談すべきだったと反省した。無いアタマで走りすぎず,こまめに相談することが,間違った論理の進め方を回避するためには大切だ。
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進捗報告は18時前に終わった。
1週間頑張ってすっかり疲れてしまった。
ごはんを作る元気がなかったので,ラーメンを食べに行った。もちろんひとりで。
疲れた体に染み渡る,塩辛い味噌ラーメン,たっぷり乗ったもやし,それを完全に覆いつくすチャーシュー,最高。
居酒屋にはさすがに行けないけど,近所のごはん屋に一人で行くくらいならいいと考えている。少しでもお店に貢献できればうれしい。
TVでは,コロナ関連のニュースをやっていた。そんなにコロナの情報ばっかり流して,誰が喜ぶんだろうか。そこまで丁寧に説明するほどの情報だろうか,おいしいラーメンをすすりながら思った。
TVのニュースは,暇人が観るものだ。必要な情報は自分から取りに行けば,それで済む。余計な情報を含むTVのニュースを,TVの時間で見せられても,時間の無駄だと感じる。最近,研究ばっかりやっていて,世間から離れていっている感じがする。現世に生きていながら,現世から離れているようなそんな感覚。こういう感覚に陥ると,世間において流れている情報が,鬱陶しくなってくるのだ。だからTVのニュースを観てこんなことを感じるのだろう。
これがいいことなのか,悪いことなのか,自分では考えかねる。でも,自分は研究をやっていて面白いし,それはちょっとではあるけれども社会の役に立っていると自覚している。だから,TVのニュースをぼーっとみているだけ,よりはいいことだと思っている。
ラーメンを食べ終わったら,帰る途中でスーパーに寄り道。朝食の材料と,珍しくシュークリームを買って帰った。なんか,エヴァンゲリヲンの新作が公開になるらしい。シュークリームのパッケージにエヴァのキャラクターがデザインされていた。19時前のスーパーは混んでいた。21時過ぎに行くと何曜日でもガラガラなのだが,社会人はみんな18時過ぎに帰宅するのだろう。帰り道によって帰る人が多そうだ。
家に帰ったら,シュークリームを食べて休憩。そのあと,ちょっとだけ卒研発表スライドを進めた。研究背景はなんとなく完成した感じだ。ラーメン屋へ行く途中で思いついた,予備スライドも作った。肝心の本論部分のスライドは,白紙のままだ。
来週水曜日辺りまでに完成させることはできるだろうか。来週の自分に期待しつつ,スライドを閉じてこの日記を書いた。