「大学生の講義ノート」
単位が取れない,
授業について行けない,
ノートやルーズリーフでノートを保管するのが面倒くさい...
そんな大学生のために,工学部大学生である僕の講義ノートの取り方を紹介する.
一応,学部2年間で単位は全部取れているので,それなりに成果が出ている方法.
紙に書いてスキャナで電子化
基本的なスタイルは
バインダーに挟んだA4コピー用紙
に講義内容を書いていく
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大学に入って2年半,いろいろな試行錯誤を経てたどり着いた講義ノートのスタイル.
ここまで単位は落とさず来ているので,それなりに成果が出ている方法といえる.
以下に,それぞれの方法について詳しく書いていく.
ノート(講義録)をとる
まずは,講義に出席して,授業ノートをとる.さっき,板書+αと書いたけど,その+αの分について以下の記事に詳しくまとめてあるので参考にしてほしい.
【大学生】「役に立つ」講義ノートの取り方|板書より教授の言葉を書く
以下では,どのような媒体でとるかを紹介する.
ディジタルか,アナログか
最近はiPadやタブレットの性能がどんどんよくなってきていて,紙のノートと遜色ない(もしくはそれ以上の)ノートテイク手段になりつつある.実際,僕のまわりではiPadとApple Pencilで華麗にノートをとっている人もいる.学科が電子・情報系だということもあってか,他の学科よりもディジタルでノートを取る人が多いのだろう.
一度,友達のiPadを借りてApple PencilとiPadで書いてみたこともある.どんなもんかと,書いてみてびっくり,驚くほどすらすら書ける.遅延もほとんどないし,筆圧もそれなりに検知してくれる.ディジタルでも十分ノートは取れそうな気がした.
でも,自分はやっぱり紙(アナログ)がいい.いくらApple Pencilが実際のペンの感覚に近づいたといっても,ディジタルはディジタル.液晶の上をすいすいと動かしているだけだ.それは「書く」という行為には絶対に勝てない.
- 講義内容を理解して,定着させる
- 教授がポロッと言ったことをメモする
- 100%思い通りに図や文字を書く
こういうことはアナログの方が得意.
講義ノートは「思ったことを思った通りに書く」機動力が大事.
加えて(自分の経験から言えることだけど)
紙とペンの物理的な抵抗,筆圧,筆跡は,記憶と理解を助けてくれる.「書く」という運動のあとが紙の上に着実に残ってくれることで,自分の頭の中を内容が必ず通過していく.そうすると内容を主体的に理解しようとするのだ.
多少紙の方が効率は悪いけど,もともと勉強なんて非効率的なもの.センター試験のために,アタマが焼けそうになるくらいまで覚えた地理の用語は,半分以上忘れてしまった.忘れる人間は,何度も何度も遠回りしながら新しい知識を学んでいくのだ.だから,講義録をとるのは慣れ親しんだ紙(アナログ)で全然いい.無理して不慣れなディジタルでノートをとる方がよっぽど大変.「理解する」「記憶する」のがイチバンの目的なのだ.
A4のコピー用紙に書く
さて,講義ノートをアナログで取る方がいいのなら,具体的にどういう媒体を使うのがいいのか?
よく使われるのは以下の2つだ.
- ノート(大学ノート)
- ルーズリーフ
2年の前期ぐらいまではルーズリーフを使っていたけど,
現在はどちらも使っていない.
今は「A4コピー用紙+バインダー」スタイルに落ち着いている.
これに黒(たまに赤・青)のボールペンでガリガリ好きなように書いている.裏表両方使えるし,まっさらな用紙の上に自分の好きなサイズで好きな色で書いていくのは楽しい.
色,と書いたけど,特に色分けのポリシーはない.あくまでも講義ノートは「記憶し,あとで内容を思い出す」ためのものであって,教科書ではないので自分さえわかれば十分.綺麗にまとめるよりも教授が口で言っていることを漏らさずささっとメモする方が大事.
そのほか,A4無地のコピー用紙を使っている理由は以下の通り.
- あとで電子化して整理するのに便利(スキャナを通しやすい)→後述
- 実家に大量のコピー用紙が余っていた
- ルーズリーフは高い,捨てるのに躊躇してしまう
ルーズリーフは,コピー用紙に比べると高いし,親切に付けてくれている罫線やら保管用の丸穴が邪魔に感じる.線が引かれていると,その通りに書かないといけないと思うのがいけない…あと,ルーズリーフだと「専用のバインダーに保管したく」なってしまう.これもあまりよろしくない(保管方法は後述)
矛盾「大学ノートは大学の講義に合わない」
勉強の大定番「ノート」は,大学に入ってからは一度も使っていない.高校時代はあれだけ使っていたのに...
そもそもノートは「大学ノート」なんて名前がついてるけど,根本的に大学の講義に合わないのだ.
講義ノートをとるような学部の講義は,スタイルが種々様々で,
- すべての講義がPDF(数式が多い専門科目では定番)
- パワポを見せるだけ(ノートすら必要ない教養科目)
- 板書をガリガリ(工学部はこれが多い)
これらのすべてのために別々にノートを作ると,大学ノートが大量に余る科目と,微妙に足りない科目が出てくるのは自明.たとえば工学部だと,一回の授業でA4用紙5枚6枚進むものがあったりする.講義は全部で15回(セメスター制の場合,クォーター制は7回?),
つまり30枚(60ページ)ある一般的な大学ノートだと,1冊では足りないけど2冊だと大量に余ってしまうという,非常にやりきれない事態が起こるのだ.
ここから導かれる結論は
大学ノートは大学の講義にあわない
という何とも残念なものだ.
「講義録としての大学ノート」は都合が悪いことが多い.
だから僕はA4の紙にガリガリと書いている.
でも,大学ノートは,試験前とか長期休暇中の体系的な勉強には向いている.僕もこれからの院試では大学ノートを使ってみようかと考えている.散らばった知識をまとめることは,今後に役立つし資産になる.
ノートを整理する
A4用紙にゴリゴリ書き込まれた講義録の整理は,
スキャナ+Onedrive
で電子的に行っている.
「さっきアナログ派だったじゃないですか」
いや,「振り返る,整理する」ことと「講義内容をメモする」のは全く別の行為.大学3年間で,講義録をあとから見直すだけなら,電子化してしまってもまったく支障がないことがわかった.
帰宅したらすぐに整理する
90分の長い講義を終えて,精根尽き果てて下宿に帰宅.
ベッドに転がってスマホをダラダラ眺める....
ちょっと待て,
その前にまず講義録を整理するんだ.
A4用紙にゴリゴリ書かれた僕の講義録.これを放置してしまうと,日付,科目が混沌として何が何だかわからなくなってしまう.講義は一度きり,その講義録もたった一枚しかない.せっかく高い授業料を払って自由な時間を削って大学の講義に出ているのに,講義録がなくなってしまうのはもったいない.
だから,帰宅したらすぐにカバンから講義録を取り出して整理にかかる.
スキャナで電子化(画像)
書くのはアナログでも,整理はディジタル.
講義内容をメモしたA4用紙を,家にあるbrotherの複合機でスキャンしていく.複合機は大学入学時にPCと一緒に購入したもの.インクジェットプリンタの機能+スキャン機能とコピー機能がついた優れもの.
複合機が無ければスマホのカメラでもOK.
スキャンはPDF形式でも可能だけど,僕はとりあえず画像(png,jpg)で保存している.画像形式の方が編集しやすい.PDFは並べ替えや入れ替えが若干面倒くさい.
ファイル名は「日付+番号」
フォルダを科目毎に分けているので,画像ファイル名は日付と番号だけで事足りる.たとえば“20190714_1.jpg”とかそんな具合.スキャナを使えば,順番に入れるだけでカウンタ機能によって,日付の後ろに勝手に番号を割り振ってくれる.番号順に並べておけば,講義日・その日の内容順に整理することができて,あとで見直すときに非常に便利だ.
このときのために,A4用紙の右上に科目名とその日の通し番号だけメモしている.そうすれば,その日1日の講義録が混ざることがない.
Onedriveに保管
スキャンした画像データは,Onedriveのクラウドに保存している.WindowsのPCとOnedriveは親和性が高いのでオススメ.
PC直保存ではなく,ドライブを使うことで
スマホからもアクセスができるようになって,見直しや並べ替えがどこでもできる.
また,Onedriveにはドキュメントのスキャン機能がついている.これが優れもので,複合機のスキャン機能と遜色無い性能がある.パシャッと撮影すると自動的に白色補正をかけてくれてドキュメントとして見やすく保存することができる.
フォルダ構成は
\Onedrive\ドキュメント\大学\講義資料\○年○期\(科目名)\講義録
みたいな感じ.ちょっと階層が深くなっているけど,Windowsであればクイックアクセスに「○年○期」のフォルダを登録しておけば,気にならない.
気付けばOnedriveの虜になってて,今はスマホの写真も同期しているし機密性の高いドキュメントと一眼レフの写真以外は,すべてOnedriveのクラウドに投げ込んでいる.無料で使えるクラウドの容量不足はあっという間にやってきて,今ではOffice365 Soloに契約して課金しながら1TBのストレージを使っている.お金はかかるけど,嵩張るデータをクラウドに置いておけるし,どこでもアクセスできるのは便利.
【参考】一眼レフ撮影・現像データの保存方法メモ【HDD・クラウドの併用】
電子化した紙は紙ゴミへGO
さて,スキャンしてOnedriveへアップロードし終わった講義録の行先は・・・勉強机の横に鎮座している紙ゴミ用紙袋だ.
「え,捨てちゃうの?」
別に大丈夫.講義録はちゃんとドライブに保管してあるし,そもそも講義の内容が理解できれば講義ノートの役割は終わり.あくまでも講義ノートは記憶のトリガ.置いておくと整理したくなってしまうし,嵩張るし,本棚の容量を圧迫するしで良いことがない.これがルーズリーフを使わずにA4コピー用紙を使う理由の一つでもある.コピー用紙だとさくっと躊躇無く捨てられる.
講義ノートの振り返り
整理した講義ノートは,試験前に活躍する.
単元終了後か試験後にPDF化
.jpgや.pngとして保存した講義録.
単元が終わったら,単元毎にまとめてPDF化する.これは今年(B3)になってから始めた試みで今のところうまくいっている.目的は内容の整理とデータのサイズダウン・バックアップ.
画像→PDFの変換は,Windowsの場合
「Microsoft Print to PDF」という仮想プリンタを使えばカンタン.
単元の画像ファイルを選択
一番最初の画像で右クリック
印刷(P)を選択
プリンタは「Microsoft Print to PDF」を選択(実際のプリンタではない,注意)
印刷を実行すると,仮想プリンタがPDF形式で出力してくれる.
このプリンタなら,カンタンにPDFが作れるし,元画像も残るのでサイズダウン&バックアップができて便利.
講義ノートPDFで振り返り,コピー用紙で学ぶ
試験前になったら,自分の手で書いた生き生きとした講義録PDFを見返しながら,復習する.
手書きのメモの方が,見返すときに大事なポイントがわかりやすい.ディジタルのテキストデータは,どうしても内容が並列化されてしまって強弱がない.どこが大事なのか,わからない.
「あれ?ここはどういうことだったかな?」
というところは,PDFを見て,もう一度コピー用紙に内容をアウトプット(もちろん手書き)してみる.自分の手でアウトプットすると,不思議と理解が深まる.コピー用紙だからぐちゃぐちゃ書いても良し,演習に使うのもまとめを作るのも自由.これは残しておきたいな,と思ったらOnedriveで電子化すればいいし,間違ったことを書いたなら容赦なく捨てればいい.
まとめ:自分のスタイルを見つける
講義ノートのイチバンの目的は
講義内容の理解・記憶を助けること
最終的には「講義ノートなんて見なくても内容がわかります」状態まで持っていかないと,試験や大学院入試で苦労するのは目に見えている.
めったにメモをとらないことだ。ただ、ぼんやり聴いていると、大部分は忘れるが、ほんとに興味のあることは忘れない。こまかく筆記すると、おもしろいことまで忘れてしまう。
つまらないことはいくらメモしてもいい。そうすれば、安心して早く忘れられる。大切なことは書かないでおく。そして、忘れてはいけない。忘れたら、とり返しがつかないと思っているようにするのである。
人間は、文字による記憶を覚えて、忘れることがうまくなった。それだけ頭もよくなったはずである。
講義ノートはあくまでも一時的なもの.自分のやりやすいスタイルを見つければそれでいい.
ここに書いた内容を参考にするのもいいし,iPadが使いやすいならそれもよし!
さあ,そろそろ試験だ.勉強頑張るぞ.
参考記事
学部3年の抱負です.
研究室に配属されました.