大学に入学してから自転車を始めた.
愛車の納車から2年以上が経過.
部活三昧,高校まで趣味という趣味がなかった自分にとって「自転車」ははじめての本格的な趣味になった.
2年間,ドロップハンドルタイプのいわゆる「スポーツバイク」で,自由気ままに走り回って感じた「自転車趣味の魅力」を書き綴っていく.
自転車趣味の5つの魅力
五感を刺激する「スピード」「振動」
まず,ロードバイクやシクロクロスはスピードが速い.
いわゆる「ママチャリ」とは段違いのスピード.
高校時代は毎朝数㌔の道のりを「ママチャリ」で突っ走っていた.汗だくになりながら,飛ばしたけど,どんなに頑張ってもせいぜい20㌔程度しか出なかった気がする.
でも,シクロクロスなら20㌔なんて割とカンタンに出せる.
ドロハンの自転車に乗るときは,いやでも前傾姿勢になる.
前傾姿勢だからこそ高速で走れるのであって,そしてこの前傾姿勢で受ける風が最高に気持ちいい.顔,腕,胸から下半身まで,前傾気味の姿勢に受ける風は唯一無二.
僕が自転車を始めたキッカケの一つが,小学生の時に宿泊研修で体験した海沿いのサイクリング.自転車こそママチャリだったけど快晴の空の下,海沿いの潮風を全身に浴びて走るのは本当に気持ちよかった.
あのとき「もっと速いスピードだったら,もっと楽しいんじゃないか?」なんて思ったことで,今の自転車趣味があるのかもしれない.
スピードだけではなくて,
ハンドルを通じて伝わってくる,ゴォーーー…という路面との摩擦振動と音
踏み込んだトルクがチェーンを介して,ギシギシと動力に変わっていく感触
ブラケットを握ってのシフトレバー操作,ぴったりと追従して移動するディレーラー
こういう「五感」に訴えかけてくる刺激が楽しい.
フレーム・タイヤ・チェーン・ワイヤー,自転車が簡素な構造だからこその「魅力」.
行ったことのないところへ,どこでも行ける
大学に入る前,1日10時間以上受験勉強しながら「大学生になったら,ひとりでいろんなところを旅行してみたいな」なんてことをたまに考えていた.そのときは「旅行」というニュアンスだったけど,とにかく行ったことがないところへ行ってみたかった.
そして大学に入ってから自転車を始めた.「行ったことがないところへ行く」手段として,自転車はぴったりの手段だった.
金は少ない大学生,車なんてとても買えないしレンタカーも面倒.交通機関を使えばそこそこの旅行(メジャーな観光地)へは行けるけど,マイナーなところはどうしても行きづらい.そもそも交通機関を使うにはそれ相応の準備が必要になってしまう.
それらの一般的手段に対して,自転車は気軽に乗れる.しかも鉄道・バス・空路がないところへも行けるし,車でも行けないようなところでも行けてしまう.もちろん時間は他の手段よりもかかるけど,だからこそ知らない土地をじっくりと,舐めるように味わえるのは,時間がある大学生にはぴったりのトレードオフ.急がない旅は楽しいものだ.
のんびりのんびりでも,1週間ぐらい走れば
九州を縦断できるし
【まとめ】2019春九州自転車旅|春の絶景と出会う旅~鹿児島_熊本_阿蘇_別府_博多
2,3週間あれば北海道をぐるっと満喫できる.
【まとめ】2018北海道自転車旅|大自然に感動し、グルメを愉しみ、被災に涙した旅
2年の間に北海道も九州もがっつり走ってしまった.
「あんなところやこんなところを,愛車で走ってみたいな」そんなゆる~い動機でも,意欲さえあれば行けてしまうのが自転車のいいところ.
自転車で走ること自体も楽しいから,自転車は「どこかへ行くキッカケ」にもなる.
そして実際に行ってみると,「達成感」を存分に味わえる.険しい山を登った先にある絶景なんかは,自転車にしかない魅力.走って登るにはキツすぎるけど,車だと味気ない.そういうところこそ,自転車で行くのが楽しい.
痩せる
受験太りしたカラダは,
自転車に乗ってたらみるみる細くなった.
高校時代までは野球をやっていて,大きい筋肉をつけることを推奨された.自転車に乗っていたら,そういう重たい筋肉はそぎ落とされて,絞られたカラダになった.
(個人差があるから,一概に「痩せる」とは言い切れないけれど)
自転車は運動量が多いので,摂取カロリーが消費カロリーを上回ることはあんまりない.走ってるときはだいたい空腹,満腹で走り続けることはまずない(胃の中にあるものがガソリンだと考えれば,わかりやすい).だから,定期的に乗っていれば良い運動になるし,ダイエットにもちょうどいいと思う.
ランニングや筋トレに比べて,お金はかかるけど,その分「せっかく自転車あるんだから乗ろう」という気持ちになるし,そもそも自転車で走ることは楽しいので,「痩せるために運動しよう」と思わなくても,勝手に運動ができる.
所有欲が満たされる
「自転車(ロードバイク)は金がかかる趣味だ」
とよく言われるけど,お金がかかるからこそ満たされるのが「所有欲」
納車した直後は「自転車」という物体を,部屋の中に置いておくだけでも,なんとなく他の人とは違う感じがしてワクワクしたものだ.
自分のお気に入りの色,メーカー,形,コンポーネントなどなど,どんな自転車でも自分の「愛車」として愛でれば必然的に所有欲が満たされる.欲が満たされるのはカラダにも良いし,新しいことにチャレンジできるようになる.
他の趣味ができた【カメラ・鉄道】
自転車からの派生で,カメラ・鉄道も趣味に加わった.
一眼レフ
まず派生したのはカメラ.
自転車で知らないところ,行ったことのないところを走っていると,たくさんの風景に出会う.1年生の頃は自転車で走ること自体が楽しかったから,風景はそのおまけだった.でも,自転車に慣れてくると「絶景」や「グルメ」も旅の目的に加わってくる.それらの風景を記録に残しておこうとすると,なんとなくスマホでは物足りなくなってきたのだ.自分の目で見た景色と,スマホで撮った写真.帰宅してから見比べてみると,,,なんとなく違う.こんなにショボい景色だったっけ.
自分はブログを書いていたのもあって,写真は結構重要な記録だった.せっかくいろんなところへ行ってるんだから,できるだけ自分の目で見た風景に近い記録を残そう,と思い切って一眼レフカメラを買ったのだ.買ったのはRICOHのPENTAX K30.メジャーなCannonやNikonを買わなかったのは,天邪鬼ではなくて,手の届く価格帯で防塵防滴機能がついていたのがPENTAXだったから.
PENTAXを買ってから,自転車で訪ねた先の風景を見て撮影するのがホントに楽しくなった.買ってしばらくは思い通りの写真が撮れなくて,現像してると「スマホの方がマシなのでは・・・?」なんて思うこともあった.でも最近になってようやく「目で見たままの風景」を撮影できるようになってきた.
一眼レフは操作すること自体も楽しい.スマホと一眼レフは,車で云うところのマニュアル(MT)車か,オートマ(AT)車か,みたいな違い.自分でパラメータをうまく調整してファインダーを覗いて,シャッターを切るまでの流れ自体も楽しさの要素.
2018年PENTAX K30で撮影した個人的に好きな写真13枚
鉄道(乗り鉄・音鉄・時刻表…)
もうひとつの派生は「鉄道」
幼い頃の自分は鉄道が好きだったので,「派生した」というよりは「自転車によって再び呼び起こされた」趣味といった方が正しい.
どうやって自転車が鉄道趣味を呼び起こしたか??
答えは「輪行」.
自転車で走っていると,すぐに近所では物足りなくなる.それじゃあ,電車を使おう.ということで自転車を鉄道に乗せて,自分の行ったことがないところへ走りに行くのだ.これが「輪行」.ロードバイクは折りたたみができて,専用の袋(輪行袋)へ入れれば鉄道に乗せることができる.
輪行のために鉄道に乗っているうちに「あぁ,やっぱり鉄道っていいな」と思ったのだ.否,思い出したのだ.
もちろん輪行だけではなくて,帰省やその他移動でも鉄道に乗った.地元に比べて,名古屋は鉄道網が発達していて,鉄道がかなり身近にある.だから,自然と鉄道にも乗るようになった.
なぜ鉄道が好きになったのか【その①】幼少期から現在までの鉄道の記憶をたどる
今では,自転車旅と双璧をなす「鉄道旅」.
18きっぷシーズンには,18きっぷ片手に,普通列車を好き放題乗り回している.お金を貯めて寝台列車にも乗りに行った.
【憧れの寝台特急】サンライズ出雲号ノビノビ座席乗車記|横浜→出雲市
鉄道に乗るだけでなく,先ほど紹介した「一眼レフ」で鉄道を撮りに行ったり,時刻表を眺めたり,YouTubeにあがっている「走行音」の動画を楽しんだり・・・どっぷり鉄道趣味にも浸かっている.
僕の場合はこの2つだったけど,もちろん他の趣味とも親和性が高い.その代表は「アウトドア系」の趣味.キャンプとか登山とかにハマっていくきっかけが自転車だった,という人も多いと思う.
まとめ:自転車はいいぞ
以上,自転車の魅力を5つ紹介した.
自分が2年間自転車を楽しんできて感じたところを書き綴ったに過ぎない.
他にもここには書き切れないほどの魅力があるのは間違いない.
自分の場合,「大学生の間は自転車で行ったことのないところへ行こう」
と決めているので,機材投資は乏しい.だから,機材自体を楽しむ,速さを追求するという楽しみはまだ味わえていない.社会人になったら,速いロードバイクを買ってみようかな…!
あと,キャンプ道具も最低限を揃えたに過ぎない.お金に余裕ができたら良い道具買って,キャンプツーリングの質も高めてみたい.
そんな感じで,まだまだ掘り下げていない「魅力」がたくさんある.
やっぱり自転車は楽しい.