鉄道で北海道へ行く.
名古屋からの第1走者は東海道新幹線ではなく,中央西線の特急「しなの」.
名古屋駅を8時ちょうどに出発する「しなの3号」の自由席で,まずは長野へ.
指定席で行くか迷ったけど,窓側に座れたのでラッキー.
中央線・篠ノ井線「しなの3号」
名古屋から北海道へ,飛行機を使わず,
また,東海道・東北新幹線を使わずに移動する鉄道旅.
ルートは以下の図,青色で示した線.
今回の行程は赤色で示した部分.名古屋から中央西線・篠ノ井線を通り,長野までの乗車記.
千種駅からスタート!
旅のはじまりは千種駅.
中央線の特急は名古屋を出ると千種に停まる.金山は通るけど停まらない.東海道方面との差別化が図られているように思う.
北海道まで行くきっぷは,千種駅に着いた時点でもまだ買っていなかった(遅い!)ので,千種の窓口で買った.千種から青森までの学割乗車券,長野までの自由席特急券,さらに飯山までの新幹線自由席特急券を発券.
ややこしい乗車券だったが,ベテラン駅員さんが高速マルス操作できっちり発行してくれた.
乗車券を青森までにしたのは,北海道に渡るのにフェリーを使おうと思っていたから(結局,新幹線で渡ったのだが・・・).
きっぷが手に入ると,旅情がかき立てられていいね!
いざ,北の大地へ!
しなの3号8号車自由席
「8時ちょうどの,あずさ2号で」
狩人の歌う「あずさ2号」のワンフレーズ.都会から田舎へと向かう,朝の特急列車といえばこのフレーズを思い出す.東京から信濃路へ向かうのは「あずさ」.その名古屋verは「しなの」だといえる.
今のダイヤ・号数の付け方では,下り列車が「2号」を与えられることはありえないから,
「8時ちょうどの,しなの3号で」が正しい.
そんな8時ちょうどに名古屋駅を出るしなの3号.
特急(ワイドビュー)しなの3号長野行
千種0806=長野1058
長野までは3時間を切る俊足特急.
指定席で行くか迷ったけど,どうせ窓側は空いてないだろうから自由席にした.
千種駅に入線してきたしなの.8両編成の一番後ろ,8号車自由席のモーター車に乗車.
車内は窓側がすべてうまっていた.今日は土曜日ということもあるけど,やっぱり朝の下りは混む・・・しなのの自由席に乗るなら名古屋から乗った方がいい.
通路側は座れるので,しばらく通路側でガマン.
恵那駅まで行くと,2人組が降りて無事に窓側が空いたので,座席を移動した.
指定席は車両によってまちまち
ちなみに指定席は,団体ツアー客で埋まっている号車と,ガラガラの号車があった.
全体的には自由席より空いていた.
中央西線は,名古屋始発で,木曽路・信濃路の景勝地を結ぶ路線.ビジネスマンより,団体のシニア世代や,登山・レジャー客の利用が多い印象.
新型肺炎が流行し,観光客の出足が鈍っている2月でもそこそこの乗車率を保っていた.
しなの自由席に乗るなら,できれば始発駅から乗るのが賢明.
そうでなければ,やっぱり指定席を早めに抑えておくのがオススメ.
木曽路を快走
小気味よいジョイント音と,ブーン…という豪快なモータ音.
383系は音鉄にはたまらない車両だ.
VVVFの音は何回聴いても飽きない.
動画貼っておきます.
木曽福島駅,駅前にあるお店がいい味出してる.
木曽路の山の中を走る区間では,左側に木曽川の織りなす美しい景色が見える.
空いた自由席が右側の窓側だったが,振り子全開で,左カーブに差し掛かるとグーッと車体を傾けてくれるので,右側からでも左側の景色が十分楽しめる.
木曽平沢辺りで多少雪が積もっているところもあったけど,沿線の雪は少ない.真冬だから,もっと積もっているものだと思っていた.今年はやっぱり暖冬だな.
峠を下って,木曽路から信濃路に入る.
塩尻の手前で鈍行に詰まって若干の遅れが出た.
塩尻からJR東日本の区間
塩尻駅は,JR東海と東日本の境界駅.ここから先は中央西線と中央東線が合流し,中央本線が1本とな
乗務員交代がてきぱきと行われたおかげで,遅れは回復したようだ.
JR東日本の区間では車掌2名,いずれも女性が乗務されていた.
東海の区間は車掌1名だった気がする.ベテランの男性だった.
同じ列車が会社を跨いで運転されると,こういう会社の雰囲気の違いを感じられて面白い.
主要駅・松本駅に到着.松本は,中央東線を走る「あずさ」のほとんどが終着駅とするターミナル駅.向かい側のホームにはあずさ12号が停車中だった.
中央東線から,しなのへの乗り継ぎ客は割と多いようで,松本から多く乗ってきた.ただし,松本で降りる人も多いので,車内の乗客が1/3くらいごそっと入れ替わった形だった.
松本から篠ノ井線
「しなの」は「あずさ」からの乗客を引き継いで,さらに北へ走る.
松本以北は「篠ノ井線」と名前が変わり,篠ノ井経由で長野まで.
篠ノ井線といえば日本三大車窓・姨捨の夜景が有名.
姨捨を通過するときに,車掌から案内放送があった.
右側に座っていた自分の座席から,はるか下に小さく町が見える.山の上から思い切り町を見下ろして,背後には山が脈々と連なる.これはスゴい・・・!かなりの高度感を感じられて良い景色だ.昼間でもなかなかレベルが高い車窓.夜景が綺麗なのも納得の景色だった.
塩尻から続く,雪化粧をした山の景色は,篠ノ井線あたりまでずっと見ることができた.
信州を走る路線全般で,こうした雪を被った山の景色は見られる.
車窓から望む冬山の景色は,お気に入りの車窓だ.
篠ノ井線は単線.途中で一回対向列車と交換があった.
篠ノ井線,中央本線に続けて複線化すればスピードアップできそうだけど,資金面が厳しいのかな?
長野駅到着
定刻通り長野駅到着.
長野駅入線後,となりで待っていた上りのしなの10号が出発.
今日は土曜日,親子連れがしなの10号の前で手を振っていた.
そのこどもたちに応えるように,警笛を鳴らして出発.微笑ましい光景!
このあと長野方の先頭を写真に収めて,乗り継ぎのために新幹線ホームへ向かった.
お腹空いたし,のりかえは時間があるし,せっかく信州に来たんだから,駅そばでも食べようかな.
まとめ:今後も末永く走ってほしい「しなの」
以上,中央線・篠ノ井線特急「しなの3号」の乗車記.
この間発表された,ダイヤ改正・在来線車両置き換えプレスリリースに絡んで,中央線特急に関してJR東海がやや含みを持たせた表現をしていたことが,ネット上で話題になった.
さすがに廃止はないと思うけど・・・そういう意見も聞かないではない.
でも,211系が315系によって置き換えられ,キハ85系はハイブリッド車両HC85系に置き換えられることが決まっている.383系も置き換えの例外ではないことは確かで,いずれ置き換えられるんだろうなと思う.
そのときに,たとえば「採算がとれないから特急はもう走らせません!」ということにならなければいいな.景勝地を振り子で駆け抜ける「しなの」は,乗っていて本当に楽しいので,これからも長く走って欲しい.
在来線で北海道をめざす旅
長野からは,北陸新幹線開通によって3セク化された長野~豊野間を回避するため,北陸新幹線に乗った.
関連記事:「しなの」グリーン車乗車記
【2021/8/28 追記】
ついに憧れだった「しなの」のグリーン車に乗って来た。