【りんご】矢立峠・青森空港の激坂超え|能代〜大館〜青森【2019夏自転車旅⑨】

昨年,一昨年は名古屋~苫小牧を太平洋フェリーで移動.

愛車で北海道内をぐるぐる走った.
おかげで北海道内はたくさん走ることができた.

【まとめ】2018北海道自転車旅|大自然に感動し、グルメを愉しみ、被災に涙した旅

「今年の夏は東北も走ってみたいな・・・」

ということで,名古屋から北海道まで東北経由で全部自転車で走ることにした.全部,自転車で
「北海道まで自転車で行く」自分の中では思い切った挑戦だ.でもこういう長い期間の放浪(?)旅は学生の間しかできない,来年からは研究の方が忙しくなるだろう.やるなら今しかない.

名古屋を出発してから北海道内を走り終えて,また名古屋に帰ってくるまで,25日.自分史上最も長い自転車旅の記録.

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<この記事の内容>
9日目:能代~大館~青森

<前の日>
8日目:にかほ~秋田~能代

<次の日>
10日目:青森~函館

9日目:能代~大館~青森

キャンプ場で起床.

テントで寝ると疲れがよく取れる.昨日120キロ走った割には,脚が元気だ.すもものビタミンが効いているのかもしれない.

北秋田・大館

今朝のごはんは食パンに缶詰ゆで小豆を載せたもの.

これまでもちょくちょく作っていた,テキトーかつ安い.

しかもカロリーをしっかり補給できるメニュー.

見た目はアレだけど,美味い.
2枚食べるともうお腹いっぱいになる.

6時過ぎにパッキングを済ませて出発.

愛車も旅慣れてきて洗練された雰囲気.

ダートな道,愛車を押し歩く.昨日登ってきた道を気持ちよく下って,国道に戻る.

能代からは二ツ杁,北秋田,大館方面へと進む.当初の予定では弘前まで走るつもりだった.だけど、台風が翌日の昼にくらいに直撃する予報だったので,今日のうちに青森まで走ることにした.今日青森まで走っておけば,台風が来る昼前までに新幹線かフェリーで函館に渡り,雨が降り出した午後は健康ランドで時間を潰せる.

キャンプ場から青森までは150キロあるけど,早朝出発なので午前中に距離を稼げば,到達可能な距離だ.

二ツ杁のコンビニに向けて,進路を東にとる.

ここまで日本海側をずっと北上してきたが,秋田県北部まで来て,久しぶりの東への進攻.いよいよ青森が近づいてきたなあと実感.

二ツ杁のファミマで一度目の休憩.

特にイベントも無く,食パンをかじってまた走り出す.国道7号線は川沿いの道.やや登り基調ではあるが,しんどい登りではない.

次の休憩は大館手前のファミマ.市街地から少し離れている.コンビニの前からは緑鮮やかな景色.

ここまでで50キロ?くらい,いいペース.

国道7号・矢立峠越え

大館から青森方面へ向かう途中には,矢立峠という県境の峠がある

今日の難関である.ここを越えればいよいよ本州最北端の青森県に入る.

矢立峠へ向かう国道7号線には,奥羽本線が並行する.

はじめは緩やかな斜度の道.

向かう方向には山がそびえている.

峠へ近づくと,やや登りがキツくなってくるが,ペースが落ちるほどの斜度ではない.二桁以上の速度を維持しながら,軽いペダリングで登る.

途中のドライブイン風穴のとなりに自販機があったので休憩.

日陰を作る建物の下から,ひんやりとした空気が噴き出してくる.道路の向かい側にある風穴がそのまま繋がっているのだろうか?涼しくて気持ちいい.

自販機に売っていた東北限定のサイダーを飲んで,身体を内側からも冷やす.

体力を回復してから,峠へ向かう.

峠へは残り6キロ弱.ゆったり登って行く.

最後は斜度が上がったが,比較的楽に越えることができた.

峠の頂上に道の駅があったが,青森まで行きたいので,峠を下ってからごはんを食べることにした.

峠を越えた少し先にある秋田=青森県境.
この旅7つ目の都道府県・青森県到達!

大鰐名物「もやしラーメン」に舌鼓

矢立峠を越えたら,黒岩・弘前方面へダウンヒル.

途中にある津軽南部の町・大鰐町にて昼食をとった.

朝日屋日景食堂で名物・もやしラーメンを食べる.

混雑していて出てくるのに時間はかかったけど,ラーメンはウマかった.

シャキシャキのもやしとたっぷりの具材が美味い.

このもやしラーメンに入っているのは,市販のもやしとは食感・見た目が異なっている「大鰐温泉もやし」.写真からも見て取れるが,大鰐温泉もやしは市販のもやしよりも細くて色が濃い.その分食感はシッカリとしていて,「食べ応えのあるもやし」だと感じる.

歯ごたえバツグンの大鰐温泉もやしを使った「もやしラーメン」で午後からのパワーをチャージした.

道の駅なみおか「アップルヒル」

大鰐温泉街までで矢立峠の下りも終わる.午前中のうちに100㌔進んでいて,残りは60㌔ほど.

大鰐温泉街から先,国道7号から外れて青森県道13号で青森方面へショートカットルートをとる.

20㌔ほど無心で走って,名前に青森名物「アップル」が入っている道の駅なみおか「アップルヒル」に寄り道.せっかく青森に来たのだから,現地のリンゴを食べてみたかった.

リンゴの美味しいシーズンではないけど,
直売所には色艶のいいリンゴがごろごろ並んでいる.

その中から一袋購入.3人で分けて食べる.

洗面所でささっと外側を洗って,そのまま丸かじり.

じゅわっと溢れる果実がうまい!疲れた身体に染みる~

甘いリンゴを食べたことで喉が渇いてしまった.

そんなわけで果汁100%リンゴジュース

220円はちょっと高く感じたけど,一口飲むとその感情は消えた.市販のジュースとは比べものにならない濃さだった.ペットボトルに入っているから220円で高く感じるけど,これは瓶に詰めて売っても良いレベルの美味さ.

リンゴパワーで疲労はとれた.

青森まであと少し.

県道27号で青森へ

アップルヒルから,青森まで20㌔少々.

浪岡から青森市街まで,国道7号県道27号の2つルートが考えられる.どちらにしようかちょっと迷った.7号線経由だと少し大回りで,交通量が多い.県道27号経由だと,青森空港の有料道路を迂回する必要がある代わりに,青森駅へ市街地経由で走れて,峠もない(はず).

走行距離が長くなっているので,交通量が多いのは疲労が倍増する気持ちがして嫌だった.ということで県道27号経由で青森へアプローチ.

道の駅を出発して,県道27号に入る.

ゆるやかで走りやすい道が続く.「いよいよ青森か~名古屋から9日でたどり着けるなんて,思ったより早かったなあ」とか考えていると,有料道路の分岐にぶつかった.

実はこの分岐,青森空港へのアクセス道路の分岐.まさか有料道路があるとは思わなかったので少々面食らった.左へ行くと,有料道路,自転車は通れない.右へ行くと無料道路.どちらも青森へは行けるので,自転車である僕たちは右へ行く.

右折した先の道は,狭い.しかし交通量はそれなりにあって,たまに大型トラックも通過していく.いうなれば県道27号の旧道であり,お金を払うのが嫌な車両はこちらの旧道を経由して青森空港をパスする訳だ.

この旧道,地図ではわからないが斜度10%を越えるアップダウンが連続する過酷な道だった.

「国道7号に峠がありそうで,県道27号に坂はない」と考えていたが,それは間違いだった.

120㌔以上走ってきて,このアップダウンは身体に響いた.青森空港が見えてきて,本道と合流する頃には左足のふくらはぎがピクピクしていた.足がつりそうになったのは久しぶりだった.過酷な県道27号だった...

名古屋から約1000㌔,青森駅に到着!

空港から東北新幹線の高架を見ながら気持ちよく下って,市街が広がる平野に入った.この下り坂では,反対側を登っていくロードバイクの方とすれ違った.本格的なウェアと軽そうな自転車.そういう装備で登るくらいツラい坂であることは間違いない.

青森駅は目と鼻の先.信号が増えてきてペースが落ちる.ゴール目前にして足踏みするもどかしさをなんとか噛み殺しながらコツコツ進んで行く.

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そして17時過ぎ,青森駅に到着

名古屋から約1000㌔.目標としていた青森駅に着いた達成感にしばし浸る.

近くに居た方に写真を撮ってもらって,きっぷを買いに青森駅へ向かった.

明日,台風が襲来する午前の間に函館に渡っておきたい.フェリーは欠航する可能性もあるし,大荒れの津軽海峡を渡るのは嫌だったので,鉄道で北海道へ渡ることにしたのだ.

青春18きっぷが3回分余っていたので,これと「青春18きっぷ北海道新幹線オプション券」を組み合わせて函館に渡ろう.北海道新幹線に乗ればすぐだけど,新幹線は帰りに乗車予定.行き帰り両方新幹線はつまらないので,行きは18きっぷで行くことにしよう.

そんなわけで,青森駅みどりの窓口で
オプション券(2300円)を購入.

明日は久しぶりの鉄道,毎日毎日自転車で走り回ってすっかり鉄分不足だった僕は,きっぷを握りしめてウキウキしながら駅を出た.

快活CLUB青森観光通り店に宿泊

夕食は観光通り近くにある中華料理屋「麺点飯 広州

青森に着いたご褒美,ちょっと奮発した.

達成感も相まって,とっても美味しかった.

広い店ではなかったけど,店員さんは愛想が良くて味もバッチリ.いいお店だった.

宿泊場所も,夕食同様奮発してネットカフェ.

ネットカフェで奮発?いやいや,青森に着くまでの8日間通算の宿代は800円.そんな僕にとってネットカフェは3つ星ホテルだ.

快活CLUB青森観光通り店.

市内中心部にある.夏のツーリングシーズンまっただ中ということもあり,自転車旅の人やバイク旅の人が何人かいた.

この快活CLUBは「鍵付き防音個室」が導入されている.

その佇まいは,ホテルと見違うほど豪華な造り.黒い扉にドアノブ,開閉はICカードをタッチする.

個室の中は,他の快活CLUBのフルフラットシートと特に変わらない.隣の部屋からの物音はほとんど聞えない.これは素晴らしい.ネットカフェ宿泊における唯一の問題点「騒音」がなくなった恰好であり,もう快活CLUBは立派なホテルだと言い切れる.ビジネスホテルに泊まる意義を見いだせなくなりつつある.

快活クラブ「鍵付き防音個室」を"ビジネスホテル"のように活用する
話題の快活CLUB鍵付き防音個室に宿泊してきた.ネットカフェでありがちな「音漏れ」がほとんどなく,快適に仮眠ができる.

そんな快適な防音個室,唯一の欠点は「個室内での飲食禁止」.僕ははじめ,このルールを知らなかったのでいつも通りソフトクリームとドリンクを自分のブースへ持ち込もうとした.トレーに載せたジュースとソフトクリームを持って,ブースへ繋がる自動ドアを開けようとすると「お客様,個室への飲食物持ち込みはできないんですよ~」と店員さんに声をかけられ,トレーごと没収された.

そんなわけで,個室利用者の飲食は,フロント横の飲食スペースにて行わなければならない.

これから広がって行くであろう快活CLUB個室利用の際には注意が必要だ.

飲食はロビー横の飲食スペースにて

この快活CLUBは,シャワールームを無料で利用できる.タオルやドライヤーも無料.

長距離を走って大量にかいた汗を,気持ちよく流して,今日はおしまい.

快適な快活CLUBの鍵付き防音個室にて,眠りにおちた.

まとめ:9日間で1000㌔

以上,9日目の記録.

名古屋を出発する前は,「本当に北海道まで自走で行くのか・・・」といろいろ不安だった.しかし,走り出してみると9日間で青森までたどり着くことができた.

道中,つらいコトの方が多かった.でも,毎日たくさん走って,美味しいものを食べて,野宿して,ぐっすり眠って,早起きしてまた走る.この繰り返しが意外と面白かったし,身体が健康になっていくのを実感するのが,たまらなく心地よかった.

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日本海貧乏ツーリングはこれにて完結.

次回からいよいよ北海道に渡る.

【特例】青春18きっぷ+北海道新幹線オプション券で青森から函館へ【2019夏自転車旅⑩】
船酔いが心配だった...18きっぷ片手に台風に追われるように北海道へ.

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7日目走行距離:160キロ
累計走行距離:980キロ

食費:2,275円
宿代:約2,000円(ネットカフェ)
温泉:0円(ネットカフェのシャワー)
雑費:167円(はさみ)
合計:4,442円

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