昨年,一昨年は名古屋~苫小牧を太平洋フェリーで移動.
愛車で北海道内をぐるぐる走った.
おかげで北海道内はたくさん走ることができた.
「今年の夏は東北も走ってみたいな・・・」
ということで,名古屋から北海道まで東北経由で全部自転車で走ることにした.全部,自転車で.
「北海道まで自転車で行く」自分の中では思い切った挑戦だ.でもこういう長い期間の放浪(?)旅は学生の間しかできない,来年からは研究の方が忙しくなるだろう.やるなら今しかない.
名古屋を出発してから北海道内を走り終えて,また名古屋に帰ってくるまで,25日.自分史上最も長い自転車旅の記録.
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<この記事の内容>
24日目:根室~帯広(輪行)
<前の日>
23日目:根室半島一周(納沙布岬)
<次の日>
最終日:帯広観光
24日目:根室~帯広(輪行)
前日,日本最東端・納沙布岬へ到達し,今回のツーリングの目的はほぼ達成した.
もう北海道に悔いは無いので,
帯広にて観光してから帰ることにした.
自転車で走って行ってもよかったけど,天気も悪いし,根室本線の釧路から先(花咲線)は未乗車区間だったので,18きっぷを使って帯広まで一気にワープする.
朝の根室市街散歩
昨日は根室市街の公園で寝た.
いつまでも公園にいるわけにはいかないので,早朝に起きてセコマで朝ご飯を食べてから,とりあえず根室駅にやってきた.目当ての列車(快速はなさき)が出発するまではまだ3時間以上あるので,駅の周りをぶらぶら散歩しつつ時間をつぶす.
晩夏の北海道特有,霧がかったひんやりとした空気の中を歩く.
車はぽつぽつ走っているけど,人はまばらだ.
信号機には日本語・英語に加えてロシア語が併記.根室の他にも稚内とかは,標識にロシア語が書いてある.海を隔てて国境を接している街だということを実感する.
駅前の大通りは車の往来で忙しい雰囲気があったものの,海側の住宅街へ一歩足を踏み入れると,静かだ.家の数は多いけど,全体的に造りが古く感じた.
古いアパートの前にはヌシがいた.
朝が早くて素晴らしいことよ.
ニューモンブランにてエスカロップ
小1時間ほど散歩して,根室駅に戻ってきた.
ゆっくり輪行準備して,根室駅の待合にてパンフレットやお知らせを眺めて待っていると10時になった.
快速はなさきの出発まであと1時間.ちょうど駅前に根室名物「エスカロップ」発祥のお店「食事と喫茶 ニューモンブラン」があるので,10時開店に合わせて行ってみた.おとといもエスカロップを食べたのだけれど,それがあまりにも美味しかったから,根室を出る前にもう一度食べておこうと思った次第…!
(ちなみにおととい訪問した「どりあん」とはのれん分けをした姉妹店だそう)
店内に入ると,喫茶店らしい落ち着いた装飾が出迎えてくれた.すでに3人ほどお客さんが座っている.
あと1時間なので,ささっとエスカロップを注文.
入口横に鎮座していた,花咲線特集号の鉄道雑誌を読みながら待つこと15分.
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来ました,元祖エスカロップ.
一昨日食べたどりあんのエスカロップよりも,少し厚めのカツ.輝くドミグラスソース,横に添えてあるキャベツ,コクのあるバターライスはほとんど同じ.期待通りのおいしさ,ほっぺたが落ちるとはまさにこのこと.たまらない!
時間が1時間だったから行くかどうか迷ったけど,やっぱり行って正解だった.また根室に来るときには必ず立ち寄ろう.
JR花咲線快速「はなさき」
さてさて,ニューモンブランから駅に戻ると,ちょうどいい時間になった.
本日乗車するのは,根室駅から釧路方面への1日6本のうち,唯一の快速列車「はなさき」.1103に根室駅を出発して,13時過ぎに釧路駅に到着,帯広・札幌方面への特急「スーパーおおぞら8号」に接続する列車だ.
改札は時間で仕切られていて,時間外に駅のホームへ入場することはできない.
改札が始まったら,18きっぷ片手に,重い自転車とサイドバッグ2つをかかえて入場.多くの利用客がいたので,ある程度乗車し終えてから自転車とサイドバッグを列車に積み込む.
日によっては2両つなぎで運転していることもあるらしいが,今日は1両編成.
快速はなさき 釧路行
根室1103=釧路1318
「快速列車」とは名前がついているがワンマン運転だし,単行だし,他の列車とはそう変わらない.ただし,所要時間は他の列車と比べると15分~20分ほど早い.最低限の速達性は備えているわけだ.
根室駅の気温は17度.この気温では半袖だと肌寒い.
ベテランの風格漂う,裾野長いコートを着た運転手の手によって,快速はなさきはゆっくりと根室駅を出発.
曇り空の下,日本最東端の駅・東根室駅へ向かった.
花咲線の車窓|根室~釧路
かつて新幹線に使われたという豪華な転換クロスシートに収まる.窓側はすべての座席が埋まっており,通路側も5割ほどが埋まっている.
左側には太平洋,右側には草原が広がり馬が草を食んでいるのが見える.
最東端・東根室駅の隣,西和田駅.警笛を鳴らしながら出発.
ローカル線らしく,左右にゴトゴトと揺れながら進んで行く.物珍しそうにアクションカムで車窓を撮影しているアジア系の外国人の姿がある.
西和田の次は昆布盛駅.上り始発列車は通過する珍駅名の棒線駅.
昆布盛を出発してしばらくすると,眠気が襲ってきた.朝早く起きたせいか,花咲線の心地よい揺れのせいかはわからない…
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落石,別当賀(これも珍名),目が覚めると厚床駅に停車中.根室から50分が経った.釧路まではあと1時間20分ほど.
厚床までは各駅停車だったが,厚床から先は通過する駅も出てくる.さっそく11:56に姉別駅を通過して,次に停車したのは浜中駅.ここはルパン三世の生みの親・モンキーパンチ先生の出身地.写真を取り損ねたけど,駅名標の横には大きくルパン三世のパネルがあった.
茶内駅に停車.
ここで観光客数人が乗降した.
出発前に,下り列車「快速ノサップ」と交換.ルパン三世のラッピング車だった.
糸魚別を通過して,低木の真ん中を突っ切っていく.岸辺ギリギリを走る姿は,花咲線のハイライト.
厚岸に停車.厚岸は花咲線の主要駅で,この先は釧路までノンストップ.最後の最後に快速列車らしい走りを見せる.
6駅を通過して釧路駅に到着.これにて花咲線は完乗.
釧路駅でのりかえ
釧路からは根室本線の鈍行・帯広行きに乗り換える.
釧路駅のホームにはDE10の釧路湿原ノロッコ号が停車中.深緑がなかなか渋くてかっこいい.
少々時間があったので,一度改札を出る.
釧路駅は道東のターミナル駅で,根室本線と釧網本線の列車がここから出発していく.釧網本線(一部)は,北海道内の数少ない未乗路線になった.機会をつくって乗りに行きたい.
札幌行のスーパーおおぞらを見送ってから,駅構内をぶらぶらする.一昨年は特急Sおおぞらから降りたあとすぐにホテルへ入ったから,釧路駅をちゃんと見るのは初めてだ.ターミナル駅らしく近代的な部分が沢山あるけれど,横の方にある商店のならびに入ると昔の雰囲気が残っていた.
なつかし館の隣にあった「よっちゃんのおやき」から漂うあま~い香りにつられて,大判焼きを2つほど買った.
あんことクリームを買った.けっこうデカい.
改札口の前で突っ立ったまま,紙袋に手を突っ込んで食べる.
うっっま.
2つも買ったのに一瞬でなくなった.
根室本線普通釧路発帯広行
おやき食べてたら時間が来たので,改札で18きっぷを見せてホームへ戻る.
普通 帯広行
釧路1410=帯広1710
帯広まで3時間のロングラン列車だが,予想通りワンマン単行列車だった.
さて,張り切って乗車記を…と言いたいところだが,
この区間は一度スーパーおおぞらで通ったことがあるし,ここまでツーリングの疲れが出てぼーっとしていたので,ろくに乗車記録が残っていない.
池田あたりで高校生が大量に乗車してきて,満員電車状態になったことは覚えている(キツかった…).池田~帯広は,久しぶりに鈍行移動でつらいと感じた区間だった.夕方の時間帯,帯広へ向かう列車は混雑することを覚えておこう.
帯広に着いた頃には暗くなっていた.高架ホームから自転車を降ろし,駅前で輪行解除して晩飯を食べに行く.
帯広といえばインデアンカレー!
帯広でわざわざ一泊するのは,他でもない「グルメめぐり」をするため.帯広には本当においしいものが多くて,北海道に来るたびに帯広に寄っている.
そんな中でも,気軽に食べられて安くて美味しい帯広グルメが「インデアンのカレー」.本格的なグルメは明日にまわして,今日はインデアンでウォーミングアップとしよう.
インデアンは帯広を中心に(一部は釧路にもあるらしい)出店しているカレーショップ.公式HPに載っていたこちらのキャッチフレーズが素晴らしい.
帯広で2番目においしい店
一番おいしいのは妻と母の料理だから
一昨年,昨年とインデアンでカレーを食べたけど,帯広で2番目においしい店というのはあながち間違いではない,そのくらい美味しいカレーが食べられる.
本日注文したのはインデアン+カツ(大盛)
じっくり煮込まれた,うまみたっぷり濃厚なインデアンルーが,他では味わえない美味しさ!ルーだけ持ち帰ることもできて,地元の方が何人もレジにてインデアンルーを注文して帰っていた.
美味しいカレーを食べられるお店って
個人的には「値段と敷居が高い(通でなければ入りづらい)」イメージがある.
しかし,インデアンは入りづらい雰囲気なんてまったくない.カウンター席,テーブル席,明るい店員さんが愛想良く出迎えてくれる.カレー屋さんだけど,まったく気取った雰囲気はない.ファストフード店と同じくらい入りやすい.値段も安くて,今回食べた大盛りのインデアンカツカレーは¥782.お腹いっぱい美味しいカレーを食べて,800円払っておつりがくるのは,素晴らしいコストパフォーマンスだと思う.
そんなわけで帯広名物を早速堪能して,24日目を終えた.
まとめ:最東端路線を制覇!
以上,24日目の記録.
根室本線の釧路以東・花咲線を完乗して,これでJR路線のうち「最南端・最東端」は乗破したことになった(日本最南端の駅はもちろん沖縄県,あくまでもJR路線)
残すは最北端・最西端.どちらも,名古屋からはかなり遠い…でも,いつか必ず!
翌日は,いよいよ2019夏自転車旅の最終日.ここまで2000km近く走って来たご褒美として,帯広のうまいものを食べまくる…!
累積走行距離:1950キロ
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食費:2,276円
宿代:0円(帯広市内の公園)
風呂代:440円(やよい乃湯)
合計:2,710円