本土最東端・納沙布岬へ,根室半島一周サイクリング【2019夏自転車旅㉓】

昨年,一昨年は名古屋~苫小牧を太平洋フェリーで移動.

愛車で北海道内をぐるぐる走った.
おかげで北海道内はたくさん走ることができた.

「今年の夏は東北も走ってみたいな・・・」

ということで,名古屋から北海道まで東北経由で全部自転車で走ることにした.全部,自転車で
「北海道まで自転車で行く」自分の中では思い切った挑戦だ.でもこういう長い期間の放浪(?)旅は学生の間しかできない,来年からは研究の方が忙しくなるだろう.やるなら今しかない.

名古屋を出発してから北海道内を走り終えて,また名古屋に帰ってくるまで,25日.自分史上最も長い自転車旅の記録.

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<この記事の内容>
23日目:根室半島一周(納沙布岬)

<前の日>
22日目:標津~別海~根室

<次の日>
24日目:根室~帯広(輪行)

23日目:根室半島一周(納沙布岬)

ライダーハウスにて遅めの起床.今日は根室半島をぐるっと回るだけなので,遅めに起きても大丈夫.外を見ると,まだ霧雨が降っている.

急な階段を下って,ライダーハウスの目の前にあるセコマで朝ごはんを買う.北海道ツーリングも終わりが近づいてきた.あと何回おいしい「セコマ飯」を食べられるだろうか…セコマが本州にあったらどれだけ幸せなことか.

太平洋側周りで納沙布岬へ

ライダーハウスで朝食を食べ終え,天気予報を確認してから出発.根室半島には東から強い風が吹き付ける予報.風速10m/s...ということは根室市街から最東端・納沙布岬への道のりは,猛烈な向かい風だ.

幸いなことに雨は弱い.霧雨だ.これならまあ風が強くても走れる.距離は短いし,もう今年の北海道ツーリングも終わりだし,頑張って走ろう.

ライハのある明治町から,根室半島の太平洋側へ.半島の先を一周するように走る北海道道35号根室半島線に入る.

太平洋側は『北太平洋シーサイドライン』の別名がついていて,太平洋の絶景を眺めながら走れるはず...だったが今日の天気では全く期待できない.分厚い灰色の雲から霧雨が降り続け,向かう先からは鉛のような風が重く強く吹いている.納沙布岬までは20kmぐらいだけど,かなりきつい道のりだった.

まず,半島にはアップダウンが多い.これは根室市内も同じで,とにかく登ったり下ったりを繰り返す.「そこで下るんだったら登らなくていいだろ!」を10回以上は繰り返した.そして,向かい風と霧雨.天気が悪い日に走る自分が悪いのだけど,しんどかった…向かい風10m/s,30km/hぐらいの強度で踏んでも,10km/hそこそこしか出ない.口を開けていれば霧雨と強風で呼吸するのもしんどい.最東端への道のりは険しくて当たり前(?)と謎の暗示を自分にかけながら辛い道のりをひた走った.

最東端に近づいてくるにつれて,「日本最東端の○○」が姿を見せ始めた.ツーリングマップルに掲載されていた日本最東端の郵便局・珸瑶瑁郵便局も見た.難読地名だから,マップルを見たときに強烈に印象に残っていた.珸瑶瑁と書いて,ごようまいと読む.どう考えても漢字を後からつけたとしか・・・という地名.「珸」も「瑶」も「瑁」も,一生で一回も使わない漢字に違いない.

珸瑤瑁郵便局 · 〒087-0164 北海道根室市珸瑤瑁1丁目43−1
★★★★☆ · 郵便局

本土最東端・納沙布岬制覇!

根室市街から20kmの辛い辛い道のりを経て,ようやく日本最東端・納沙布岬にたどりついた!

背後には大荒れの海..白波を立てている.

根室市街からはバスも出ていて,自転車を漕がずともたどり着ける.でもやっぱり,自分の脚で来た達成感は格別.特に今日は向かい風でしんどかった分,余計に達成感がある.

昨年の夏に,日本最北端・宗谷岬に到達した.その宗谷岬と比べると,納沙布岬の方が「最果ての地,日本の端っこ」という雰囲気が強い.お土産屋さんの数やいくつかの食堂があることはあまり変わらない.けれど,岬にある灯台やボコボコとした岩場,打ち付ける波の音,五感に訴えかけてくるそれらを比べると納沙布岬の方が険しかった気がする.あくまでも個人的な感覚だけど.

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最東端にはいくつか食堂や土産物屋があるけど,その中でも有名なのが「鈴木食堂」.おいしいサンマ丼が食べられることで人気.ということで訪問してみたけど,この日はサンマ丼は食べることができなかった.サンマが少ないのか,ごはんの用意がないのか...ちょっと残念.

鈴木食堂

余談だけど,鈴木食堂はあと1~2年で閉店するかもしれないとの情報を,鈴木食堂さんがツイートしていた.

また別の機会に再チャレンジ,と思ったけど厳しそうだな,本当に残念.訪問はお早めに...事前に連絡を入れて行くといいと思う.

そんなわけでサンマ丼は食べられなかったので,お昼ごはんは「請望苑」で鮭イクラ丼.うまかった.

「返せ!北方領土」

最東端・納沙布岬は,ロシアとの北方領土問題の最前線にあたる場所.先ほど撮影した記念碑には「日本最東端」ではなく「本土最東端」と書かれていた.択捉島・国後島・歯舞群島・色丹島の北方四島が日本固有の領土であり,だから「日本最東端」は択捉島.したがって,ここ根室にある納沙布岬はあくまでも「本土最東端」.

いたるところに北方領土返還を願う石碑や祈念碑があった.海岸線に沿うように,祈念碑がズラリと並ぶ光景は,最北端・宗谷岬では見られないここだけのもの.壮観だった.

納沙布岬には,北方四島の歴史や現状について学べる施設「北方館」がある.せっかく来たので小1時間ほど見学した.普段はまったく目にすることがない,北方領土に関する現状を見られてよかった.

見学のあとは,「四島のかけ橋」へ.想像以上に大きくて,自分の方へ覆い被さってくるような迫力があった.

こんな感じで納沙布岬を散策した.バスもあるし,今度は鉄道で,晴れの日に来てみたい.

日本最東端のネコ?

お店の周りにいたネコちゃんに別れを告げて,帰路についた.

オホーツク海側を回って市街へ戻る

帰りはオホーツク海側を回って根室市街へ戻った.

行きは向かい風だった分,帰りは(多少)追い風の中進めた.オホーツク海側には,牧場や草原が多くて,太平洋側の方が民家や商店が多かった印象.

市街地に帰ったのは午後2時過ぎ.銭湯は15時に開くから,それまでセコマで時間をつぶした.

セコマのゴールデンコンビ・ラスクとカツゲン

銭湯が開いたら,のんびり汗を流して,それからコインランドリーで洗濯した.

回転寿司「花まる」

夕食は,根室市街にある人気の回転寿司【花まる】へ.

お昼にサンマを食べられなかったから,回転寿司で食べてやろうという魂胆.

地元で人気,ツーリングマップルにもしっかり掲載されているだけあって,味は抜群だった.

待望のさんまや,

本鮪を使ったとろたく握り

その他サーモン,いくらなど好きなネタを腹一杯食べた.

特に美味かったのは,穴子のにぎり.

これは絶品だった.口に入れた瞬間にとろける,味も濃厚.今まで食べた穴子で一番美味かった.

おいしいお寿司で,辛かった最東端への道のりも幾分美化された気がする.

やっぱり北海道の寿司は最高だ...!

まとめ:最北に続き,最東端も制覇

以上,23日目の記録.

昨夏の最北端に続き,最東端も制覇することができた.

これにて道東周遊はひと段落.翌日からは,根室本線をひたすら鈍行で進み,帯広まで向かう.

【18きっぷ】快速「はなさき」と根室本線鈍行で根室から帯広へ【2019夏自転車旅㉔】
日本最東端のJR線・花咲線唯一の優等列車,快速はなさきと普通列車を乗り継いで根室から帯広へ.

最西端と最南端は…未制覇.春に九州縦断したけど,そのときは阿蘇中心だったから端っこを制覇してやろう!という気概は一切無かった.また機会をつくって行かねば.

23日目走行距離:40キロ
累積走行距離:1935キロ
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食費:4,401円
宿代:0円
風呂代:440円
雑費:500円
合計:5,341円
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