霧の裏摩周・地球が丸く見える開陽台|清里~裏摩周~標津【2019夏自転車旅⑲】

昨年,一昨年は名古屋~苫小牧を太平洋フェリーで移動.

愛車で北海道内をぐるぐる走った.
おかげで北海道内はたくさん走ることができた.

【まとめ】2018北海道自転車旅|大自然に感動し、グルメを愉しみ、被災に涙した旅

「今年の夏は東北も走ってみたいな・・・」

ということで,名古屋から北海道まで東北経由で全部自転車で走ることにした.全部,自転車で
「北海道まで自転車で行く」自分の中では思い切った挑戦だ.でもこういう長い期間の放浪(?)旅は学生の間しかできない,来年からは研究の方が忙しくなるだろう.やるなら今しかない.

名古屋を出発してから北海道内を走り終えて,また名古屋に帰ってくるまで,25日.自分史上最も長い自転車旅の記録.

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<この記事の内容>
19日目:清里~裏摩周~標津

<前の日>
18日目:網走~清里

<次の日>
20日目:標津~知床~ウトロ

19日目:清里~裏摩周~標津

清里オートキャンプ場で起床.
いつも通りパスタをつくって食べる.

外は,,,天気予報通り雨が降っている(怒)

ただ,雨は午前中でやむ予報.
この予報を信じて今朝は峠登坂からスタート.摩周展望台に着く頃には止んでくれよ!

清里峠を登る(道道1115号線)

清里市街から,裏摩周展望台入口の清里峠までおよそ30キロ600mUP.北海道ツーリングが始まってから,最も獲得標高の高い峠を登る.

清里市街地は農道でパスして,斜里-清里-摩周湖をむすぶ道道1115号線へ入る.4桁道道は北海道名物だ.

斜里・清里から南へ抜ける道は,屈斜路湖と摩周湖の間を通り釧網本線と並行しながら,弟子屈方面へ抜ける国道の方がメジャー.しかし,今日は民宿を標津に予約していたので,知床半島により近い裏摩周(摩周湖の東側)を走ることにしたわけだ.

そういうわけで走り始めた道道,周囲にまったく文明がない.あるのは斜里川と森だけ.道道のすぐ脇にせまる森から,何度か「ガサガサッ!ガサッ!」と大きめの野生動物が動くような音がした.熊じゃないよな…と不安になりながら走った.

峠までの道で雨は止んだ.時折青空も覗く.これは晴れの摩周湖が見られるかもしれないぞ!期待をこめて峠へ進んで行く.

清里峠はそこそこ標高が高い(434m,国土地理院地図参照)けれど,清里側からは距離が長いので斜度はゆるい.回していればそのうち登り切れる感じ.

峠の頂上は,清里町と中標津町の町界だった.右側が裏摩周,左側のスノーシェルター(裏摩周シェルター)は中標津方面,道道1115号は清里峠頂上で終点.この分岐は両方とも道道150号となる.

分岐を右に折れて,裏摩周展望台へ向けて最後の登り.分岐から展望台まで2kmほどだけど,標高差が100m以上ある.清里峠までの登りからギアを3,4枚軽くしないと,踏めなくなるくらい斜度がキツくなった.

ヒイヒイ言いながら登っていくと,あろうことか天気が悪くなってきた.分岐は晴れていたのに…山の上だからだろうか.

道道150号の終点・裏摩周展望台駐車場にたどり着いた頃には,黒い雲が立ちこめてぱらぱらと雨が降出す始末…クソ!

「裏摩周展望台」で晴れ間を待つ

駐輪場で補給を食べて,展望台に登ってみると...真っ白.予想はしていたけど.

ただし湖面がまったく見えない,というほどではなく霧が晴れれば青い湖面が一望できそうな雰囲気ではあったので,しばし待つことに.

「裏摩周展望台」は,摩周湖の東側にある展望台.「裏」と呼ばれるくらいだから,マイナーな展望台だろう.じゃあ「表」はどこにあるかというと,下の地図を見るとわかる.川湯・弟子屈側からアクセスできる「第一展望台」とか「第三展望台」が該当する.

表の摩周湖は一昨年の道東ツーリングで訪問済.
「霧の摩周湖」は本当だった|北海道ツーリング6日目〜知床→斜里→摩周/屈斜路

こうやってちゃんとした地形図を見ると,摩周湖から流れ出る川がないことがわかる.下界との水のやりとりがないため,栄養が行き渡らず摩周湖は貧栄養湖.高い透明度で青く見える理由はそこら辺にあるのだろう.詳しくは忘れたけど,ブラタモリでやっていた気がする(#141 阿寒・摩周「“色”とりどりな宝の秘密とは!?」2019年7月27日放送

国立環境研究所の記事が面白いので,興味ある方はぜひ→摩周湖、澄んだ水は危険と隣り合わせ

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摩周湖のあれこれを調べながら待っていると..

霧が風に流されて,向こう岸が見えてきた!

写真では伝わらないこの神秘的な雰囲気…青い湖面をうっすらと包み込むように広がる白い霧がなんとも言えない美しさを醸し出す.

裏摩周展望台は,表側の展望台に比べると見える湖面の面積は少なかった.でも,観光客は少ないし摩周湖の美しさは十分堪能できた.

冬場は霧がかかることは少ないらしいので,冬北海道に来る機会があれば,再訪したい.

清里峠~養老牛~計根別

何とか晴れの摩周湖を拝めたので,中標津方面へ下ることにする.

道道150号線を清里峠分岐へ下る途中に,真正面に見えた山の景色がめちゃくちゃ綺麗で感動した(写真は撮れなかった…)

清里峠から,中標津方面最寄りのセイコーマートまで30キロ弱.

下り坂なので快適!天気も好転,気持ちよく走る.

途中,養老牛(ようろううし)というまちを通過した.山の斜面にデカデカと「牛」の文字があったのには驚いた.草をうまく刈り取って牛を書いていたけど,完成度の高さに感動した.

養老牛から計根別(けねべつ)町へ.難読地名が続く.計根別は牧場が多かった.刈り込まれた草原が美しいが,単調な道だった.

計根別市街にあるセイコーマート計根別店で昼食.最近のマイブーム「セイコーマートのエッグ&メンチロール」.セコマで昼食のときはいつもこれを買っている.

ちょっと昔の?ホットシェフのロゴ.

計根別はあまり大きな街ではないけど,そういうところにもちゃんとお店を構えるセイコーマートが素晴らしい.やっぱりセイコーマートは北海道ツーリングに欠かせない存在.

計根別~開陽台:絶景ロード道道775号

午後は計根別から開陽台を経由して標津まで走る.

気温が上がってきて,午前中ずっと着用していたモンベルのストームクルーザーを脱ぎ,半袖で走る.

開陽台までの大部分は道道775号線を走る.標津川を跨ぐあたりで,突然後方から,リードに繋がれていない番犬20匹ぐらいが,一斉に吠えながら追いかけてきたときは焦った.何でもない平地でアタックさせられるとは…

標津川を過ぎるとアップダウンが多くなった.右手に中標津空港へ離着陸するANAの飛行機が見えた.1日4往復ぐらいしか運航はないはず.珍しいものを見られたわけだ.

道道の周囲は,北海道らしい草原と森が交互に現れる.

線形がよく,直線が続く道路には逃げ水が.

普通の道道でもこんな絶景が見られるのだから,北海道は最高だ.

地球が丸く見える,2度目の「開陽台」

しばらく道道を進むと,開陽台の案内看板の誘導通り左へ折れる.

開陽台は2度目の訪問.開陽台直前の悪魔のような上り坂を死ぬ気でパスして,気持ちいい台地にたどり着いた.

天気予報通りの快晴!

開陽台は,道東屈指の絶景スポット.晴れていれば,ほぼ360度の大パノラマが見られる.

草原の中には,直線上にのびる森がみられる.これは「格子状防風林」というらしい.

キャッチフレーズは「地球が丸く見える

大げさに聞えるかもしれないけど,これは誇張でもなんでもない.本当に地球が丸く見えるのだ.

見渡す限り地平線が見える場所は,日本でもそう多くはない.

展望台の横にはキャンプができる芝生スペースもある.この日は何人かのライダー,自転車乗りが既にテントを張っていた.

開陽台は夕陽が綺麗なことでも有名.

まあこれだけ開けた景色が見られるのだから,綺麗でないわけがない.

一昨年のツーリングでは,もう少し遅い時間に来て,夕陽を眺めたなあ.懐かしい.

夕陽も美しい開陽台(2017年8月撮影)

夕陽も美しい開陽台(2017年8月撮影)

大草原!絶景!ここは日本か?北海道ツーリング3日目〜霧多布→根室→別海→中標津〜

しばし絶景に黄昏れてから,標津方面へ向かった.

標津の民宿「万月堂」に宿泊!

今日は久しぶりの100キロ越え.

標津町にたどり着く頃にはだいぶ脚の疲労が溜まっていた.

草原の中にぽつんと佇む,民宿「万月堂」

当初の予定では,知床を登り終えてから泊まるはずだったけど

知床の天気が微妙だったことから,網走から清里,摩周,そして標津方面へ迂回してきたわけだ.

青色が当初の予定,赤色が変更後

さあ,天気予報の読みは吉と出るか凶と出るか.

知床峠は晴れないとただ辛いだけだから…晴れて欲しい.

洗濯をして,広いお風呂に入って疲れをとったら

1泊2食付きなので,宿にて豪華な夕ごはん.

民宿万月堂

ロールキャベツ,鮭の塩焼き,茹でとうもろこし,つみれ汁,ホタテ,白いごはん….どれもうまい,美味すぎる!

長いツーリング,1回ぐらいは地元の民宿で宿泊するのが僕のポリシー.

地元のおいしい食材を使った食事,あたたかい出迎え,実家に帰ったかのような落ち着いた雰囲気で過ごせる部屋.ビジネスホテルやネットカフェでは味わえない雰囲気を民宿で楽しんだ.

民宿 万月堂 – 北海道 道東地方での拠点として

万月堂さんのブログ→万月堂通信

まとめ:道東らしいスケールの大きな絶景

以上,19日目の記録.

走行距離は長かったけど,道東らしい景色・道を思い切り楽しむことができた.

開陽台も摩周湖も,辛い登りをこなさなければたどり着けない絶景.達成感も相まって,一昨年以上に感動できた.

明日は知床峠.晴れてくれ~!

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雨の知床峠ヒルクライム,しかし知床五湖は快晴!世界遺産・知床連山と一湖の絶景に感動.

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19日目走行距離:110キロ
累積走行距離:1605キロ

食費:620円
宿代:5,000円(民宿「万月堂」)
合計:5,620円

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