置き換え進む115系電車でゆく山陽本線の旅|新山口→徳山

115系は,国鉄時代に製造された近郊型電車だ。JR西日本では,現在も主力として活躍を続けている。現在では,山口・岡山地区がその中心だが,岡山地区では2023年に国鉄型を置き換える計画が発表された。山口地区でも,そう遠くないうちに置き換えが始まるものと思われる。

そんな115系に,山陽本線の新山口から徳山まで乗車してきた。山口地区には,元117系で改造された2扉の115系が走っており,今回乗車したN14編成もそのうちの1つだ。

この区間では,車窓に瀬戸内海が見られる。瀬戸内海は穏やかで優しく,研究に疲れていた心を癒してくれた。国鉄型車両の旅情を誘う走りと,美しい車窓とを同時に楽しめた,115系乗車記をどうぞ。

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今回の旅程

新山口駅で「SLやまぐち号」を見物してから,東へ向かう旅路へと足を運ぶ。今日中には名古屋へ帰りたいが,新幹線だけで帰るのは面白くない。でも,18きっぷ期間ではないから,どこかからは新幹線に乗って行きたい。

前の記事 >> 【SLやまぐち号】D51(デゴイチ)撮影記

そんな贅沢な願望をかなえるべく,Safariや乗換アプリ,GoogleMapでいろいろ調べてみた。結果,以下の乗継で名古屋まで帰ることにした。

新山口11:09発→(山陽線)→
徳山11:51着→・・・徳山12:22発→(こだま850号)→
新大阪16:12発→(のぞみorひかり)→名古屋

こだま850号は,博多始発の新大阪ゆき,500系新幹線での運用だ。山陽区間でなければ乗車できない500系新幹線に乗っておきたくなったので,乗り継ぎがしやすい新幹線接続駅(徳山)をえらんで,上述のような予定を組んだ。

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115系電車の旅|新山口→徳山

徳山までは,新山口から在来線(山陽本線)で移動する。ここは山口地区,国鉄型の普通電車が今でも主力で走っている地区だ。115系も,そう遠くない将来に置き換えられることは間違いない。

現に,お隣の岡山地区では,国鉄型の置き換えが発表された。また,そのお隣の広島地区では,国鉄型が227系に置き換えられた。寄る年波には勝てない。国鉄天国だったJR西日本でも,いよいよ国鉄型が姿を消し始めている。

参考: 岡山・備後エリアへの新型車両導入について|JR西日本プレスリリース(2021.11.18)

これは,在来線に限らず,新幹線でも同じことがいえる。500系や700系E編成だって,登場から相当年数が経過している。そう遠くない将来に,後輩車両へその役目を譲るだろう。

というわけで,名古屋までの帰路は,「今のうちに乗っておきたい車両」を乗り継ぐ旅となった。前置きはこの辺にして,そろそろ本題に入る。

【2扉車】115系 N-14編成

「SLやまぐち」の撮影を終えたら,跨線橋上にあるコンビニで飲料を買い,5番線へと向かう。すでに,山陽本線上り防府・徳山方面,岩国行き普通列車が入線中。

使用車両は115系4両編成,全面窓左下には「N-14」と書いてある。写真をよく見てもらうと,この車両が2扉車であることに気づく。あとで調べてみると,この編成は山口地区(下関⇔岩国)のみで運用されていることがわかった。

2扉車が連なる115系

階段を降りてちょっと後ろへ行くと,車両最後尾へとたどり着いた。前へ進みながら,1両ずつ車内を眺めていくと,座席配置がちょっとずつ違うのに気が付いた。中間車の2両は,ドア横にロングシートが配されているのに対し,先頭車の2両は,前向きの座席がずらっと並んでいる。

この115系は製造数がとにかく多い。しかも改造・再改造,転属は当たり前のようだ。今回の「N-14」編成は,両端部がクハ115-3014・クハ115-3114,中間車がモハ115-3514・モハ114-3514となっている。

参考: 115系N14編成

このうち,先頭の制御車(クハ)については,基本的に広島・下関に所属してきたようだ。体質改善を覗いては,特に改造もされていないようで,製造当時のまま走っている真正の115系といえる。

中間車は「元・新快速」

改造・再改造されて下関へと転属されたモハ114-3514

一方,中間車2両は,以下のように,2度の改造を受けてから下関に転属してきた車両のようだ。

モハ115-3514←モハ117-316←モハ117-16
モハ114-3514←モハ116-316←モハ116-16

車番を見ての通り,この車両はもともと117系だったというわけだ。117系といえば,普通電車ではなくて「快速」や「新快速」用の国鉄電車だ。調査を続けると,この車両はかつて,近畿地方の新快速として活躍していた車両であることがわかった。ドア横にロングシートがあるのは,転用の際,2扉でも乗降時間の短縮が図れるようにと,改造されたためだそうだ。

JR西日本では1988(昭和63)年度以降221系を大量増備し、それまで新快速に使用していた117系をローカル列車や他線に転用することになった。このうち、1992(平成4)年に4両編成6本24両が岡山に転属して専用塗色となって快速「SUNライナー」に充当されるようになったが、この時に余剰となった中間電動車11ユニット22両を岡山・広島地区向けに115系化したものが モハ114・115形3500番代 である。…乗降時間短縮化を図るため、各扉の中央寄り2座席を撤去してロングシート化した。…岡山と下関に配置されており、2005~09(平成17~21)年にかけて体質改善工事(30N)が施工されている。

参考: 115系近郊形直流電車|3500番代|itreni.net (太字は筆者)

この編成は,ぱっと見では「115系」の顔・形をしているが,真ん中に元・新快速車両を挟んでいるというわけだ。これだけの改造を経てもなお,現役として走っているだなんて,当の117系本人(本車?)は思いもしなかっただろう。

新山口→防府

さて,モハ115-3514のクロスシートに乗り込むと,まもなく列車は出発。流しノッチをしてから,ゆっくりと加速してゆく。

徳山までの所要時間は,およそ40分。18きっぷで長距離完乗するのもいいけど,こうやって,ちょっとしたお出かけ気分で普通列車に乗るのもいい。18きっぷシーズンでない,普段の車内や車窓をのんびりと楽しめるからだ。

そういえば,山陽本線はこれまであまり乗車したことがない。この新山口→徳山間も,おそらく初めての乗車だと思われる。

115系はスピードに乗ってくると,モータのうなりが聞こえてくる。国鉄型に乗るならやっぱりモータ車がいい。

列車は四辻よつつじ駅に停車。防府市に入る。この区間では,瀬戸内海との間には小山があり,海の景色を望むことはできないが,長閑な風景は研究で疲れた心を癒してくれる。

次は,大道だいどうに停車。さっきの四辻とは異なり,本線に停車した。駅前に「高川学園」がある。何年か前に甲子園へ出場していたような記憶がある。学生がちらほら下車していった。

いずれの駅も,山陽本線の駅だけあって,ホームが長い。そして2面3線の立派な構造だ。駅間も比較的長く,115系の快走が楽しい。

次の防府駅までの間で,佐波さば川を渡る。左前方には,中国山地が見渡せる。昨日は,あの山の裏側を横断して,そのあと縦断して山陽にやってきたわけだ。

前の記事>>【5時間超】山陰特急スーパーおき5号乗車記|鳥取→新山口

高架線に上って,長閑だった車窓が徐々に都会のそれに変わる。右手,遠くに目を凝らすと,かすかに瀬戸内海が見えるような,見えないような。それくらいの内陸部を走っているようだ。

防府ほうふ駅に到着すると,車内の半分以上の乗客が下車した。入れ替わるようにして,ほぼ同数が乗車。この防府駅が,徳山までの1つの境界駅となっているようだ。防府といえば,防府天満宮が有名。小学生の頃,スポ少の遠征で1度だけ来たことがある。

穏やかな瀬戸内海を横目に|防府→徳山

防府を出ると,工場・煙突が見えるようになってから,瀬戸内海沿岸へと近づく。

防府から,次の富海とのみまでの間,右手に美しい瀬戸内海を見ることができた。白くかすんではいるが,緩やかにカーブする山陽本線からは,広島方面の海岸線が見渡せる。

防府(ほうふ)→富美(とのみ)間の車窓

富海とのみ駅に停車。温暖な瀬戸内らしい駅舎だ。今回乗車した区間のうち,主要駅を除く駅には,こういう瓦葺・木造の駅舎が建っていることが多かった。比較的穏やかな気象条件である瀬戸内だからこそ,昔ながらの駅舎がそのまま残っていられるのだろう。

富海(とのみ)駅の駅舎。山陽本線は歴史ある幹線で,昔ながらの瓦葺・木造駅舎が多い。

富海から次の戸田まで,海沿いの小山を縫うように進む。115系は,トンネルを2,3本くぐりながら,瀬戸内海を横目にゴトゴト走る。あまりスピードを出している感じはない。80~90km/hくらいで,のんびり走っているようだ。

富海(とのみ)→戸田(へた)間の車窓

高速道路をくぐり,内陸側へ入ると,戸田へた駅に停車。さっきまで海が見えた右手車窓には,山がどっしりそびえている。この駅もホームが長くて,本数も多い。

戸田(へた)駅。「とだ」ではなく「へた」と読む。

戸田を出ると,比較的線形のよい内陸側を快走して,福川ふくがわ駅に停車。ここら辺からまた,都会の車窓に戻ってくる。沿線には住宅や小さめの商店,工場などが立ち並ぶが,木造の構造物も多いので,温かみも感じられる。

右手にプラント,煙突が何本も見えてきたところで,新南陽しんなんよう駅に停車。駅周辺に工場があることからもわかる通り,この駅はかつて貨物列車も頻繁に出入りする駅だったようだ。ホーム左側には,広い構内といくつものコンテナが積み上げられているのを見ることができた。かつては常備貨車も相当あったようだ。ちょうど,EF210牽引の下り貨物列車が出発していくのも見られた。

徳山駅で下車

そこから5分ほど走って,徳山とくやま駅に到着。防府同様,多くの客が降りて行った。

115系はここで17分停車する。山陽本線を走る普通列車は,運行区間が長く,途中駅で長時間停車する列車が多い。これは,途中にぽつぽつと拠点となる主要駅が存在するからだろう。

115系を見送ったら,こだま850号に乗り換えるべく新幹線のりかえ改札へと向かった。

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まとめ: 瀬戸内海が美しい山陽路の旅

以上,115系による山陽本線|新山口→徳山の乗車記。115系の車内から眺める瀬戸内海の風景は,また一段と美しく,ロマンあふれるものだった。

どんどん数を減らしている国鉄型。乗るなら今のうちだ。

記事中でも書いた通り,115系はどんどん置き換えが進んでいる。「聖域」であるかのように思われたJR西日本山陽エリアでも,いよいよメスが入れられ,新車の導入が進んでいる。

115系に限らず,キハ40系などの国鉄型車両がどんどん数を減らしている。また,この状況は,JR西日本のみならず,他社線でも同様だ。

自分はそこまで国鉄型に思い入れがあるわけではないが,大学生になってから乗車してきた国鉄型車両が引退するのは名残惜しい。特に北海道地区を走るキハ40系などは,ぜひもう一度,置き換え前に乗りに行きたいと考えている。コロナが春ごろまで落ち着いていることを願いつつ,旅の計画を立てていこうと思う。

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このあと,徳山駅からは「こだま850号」に乗車した。この列車に乗車したこと自体は「予定通り」だったのだが・・・詳しくは次回の記事にて紹介する。

>> 【サルーンシート】700系レールスター「こだま」でゆく山陽路

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関連記事

【そのほか115系乗車記はこちら】

しなの鉄道: 115系乗車記 (上田→篠ノ井)

JR西日本山陰本線: 115系乗車記 (出雲市→米子)

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