ローカル列車で行こう!絶景を楽しむ快晴の山陰本線旅|出雲市→城崎温泉

サンライズ出雲で出雲市までやってきた。

【憧れの寝台特急】サンライズ出雲号ノビノビ座席乗車記|横浜→出雲市
はじめての寝台列車旅。憧れだったサンライズ出雲「ノビノビ座席」で横浜から出雲市へ!

到着した日に1日出雲観光をして、そのまま1泊。

この記事はその翌日の話。

せっかく出雲市まできたので
山陰本線経由で京都・名古屋方面へ帰ることにした。

冬の山陰はどんよりとした天気である日が多い。
しかし、この日は突き抜けるような青空!

美しい日本海の絶景を楽しみながら、のんびり鈍行列車旅!

快晴の山陰本線!|出雲市→鳥取

冬の日本海側でこんな青空を見られるとは!!

18きっぷ旅ではなかったし「スーパーまつかぜ」や「やくも」に乗れば
サクッと城崎温泉くらいまで行けるけど、それでは味気ないので
あえて鈍行列車で景色を楽しみながら城崎温泉まで行くことにした。

「ロイヤルホテル出雲」から路線バスで出雲市駅へ

出雲観光を終えてそのまま1泊したのは「ロイヤルホテル出雲」

Booking.comのスマートセールで素泊まり4,300円!安い!

「ロイヤルホテル出雲」は
出雲市駅から2kmくらいのところにある。

出雲市駅までは路線バスが運行されている。

ホテル最寄りのバス停から、出雲市駅まで乗車。

路線バスに乗ると土地柄というか、まちの様子がよくわかる。

年老いた利用者が多い路線、ビジネスマンが大挙して乗ってくる路線・・・鉄道とはまた違った楽しみがある。

5分ほど遅れていたけど、乗車予定の普通列車には間に合いそうだ。

”特急天国”朝の出雲市駅

出雲市駅で乗車券を買ってホームへ。

出雲市駅からは東西に山陰本線が延びている。

山陰本線は「特急天国」と呼ばれることもある路線、たくさんの特急列車が区間を異にして走っている。案内表示にも「スーパーまつかぜ」「やくも」の文字。

「山陰」は地味なイメージが拭いきれないけど、これだけ特急列車があれば観光の捗る路線であることは間違いない。

「やくも」「スーパーまつかぜ」

ホームには先ほどの案内表示にあった「やくも」と「スーパーまつかぜ」が入線中。

と思っていたが「やくも」の方はどうやら回送列車のようだ。

「やくも」の後方には「クモヤ145」が連結されている!

機関車の類いはあまり詳しくないけど、特急列車に電気機関車が連結されている姿はなかなかインパクトがあって面白い。

朝からいいモノを見られた!

115系普通列車で米子へ

乗車するのは4番線に入線中の
新見行 115系普通列車

伯耆大山から伯備線に入る列車。

僕は山陰本線を東へ進むつもりなので、伯耆大山の手前にある米子駅までこの列車で行くことにした。

 

ひさしぶりの115系。次のダイヤ改正でまた運行本数が減らされるのでは・・・なんて噂されている国鉄車両。

115系は汽笛の音が素晴らしい!
この日は一度だけ、その素晴らしい汽笛を聞くことができた。

車窓にはのどかな風景が広がる。

木次線が分岐する宍道駅。

一昨日乗車したサンライズからも見た「宍道湖」

サンライズから見たときはどんより曇り空、灰色の湖であったが
この日は青空のもと、青い湖を見ることができた!

同じ路線を何度も通ると、
天気や気温によって景色が全然違っていて楽しい。

 

玉造温泉で長めの停車。。

特急列車を待避するようだ。

 

しばらくすると反対ホームを列車が通過していく・・・

通過したのは、なんとサンライズ!!

一昨日乗っていた下りのサンライズ!

午前中に山陰線を東へ進むから、どこかですれ違うかもな~と思っていたが
案の定、玉造温泉駅ですれ違った。

外から見てもカッコイイよサンライズ。

 

115系普通列車は松江駅に到着。

松江駅で15分ほど停車する。

松江駅に停車中の115系

この停車の間に、出雲市から後を追いかけるように走ってくる「やくも12号」と

クモヤを繋いだ回送列車が追いつく。

出雲市で見たクモヤを繋いだやくも

岡山行き「やくも12号」

やくもは、今や絶滅危惧種となった国鉄型の特急列車。

現在定期の特急列車で
国鉄型の車両が用いられているのは
この「やくも(381系)」と「踊り子(185系)」のみ。

いずれもかなりの長期間走っており、数年以内での引退は必至。

 

引退する前に乗っておかねば・・・!

 

やくも12号を見送ってから、米子に向けて再び出発。

国鉄車両の心地よい揺れと、(国鉄車両には不似合いな)静かなモーター音を楽しむ。

 

朝が早かったせいかちょっと眠くなってきた。

ウトウトしていると、いつの間にか米子駅に着いていた。

 

米子駅でのりかえ・快速「とっとりライナー」

米子駅でのりかえ。

快速「とっとりライナー」鳥取行

倉吉など、鳥取県内の主要駅に停車する快速列車。

この区間に快速列車があるのは、結構ありがたい。

18きっぷシーズンにはまたお世話になるかも?

使用車両はキハ126

「名探偵コナン」ラッピング車だ。
ここ鳥取県は作者の青山剛昌先生の出身県。

側面には、なかなかインパクトのあるラッピング!

「ゲゲゲの鬼太郎」で有名な水木しげる先生も鳥取県で育ったそう。

そんなわけで鳥取県は「まんが王国」と名乗っているのだ。

カニだけじゃないのね!

 

 

出発まで少々時間があったので、米子駅の車両基地を観察。

どうです?この光景。。

気動車・国鉄車両ファンにはたまらない光景だと思われる。

気動車王国でしか見られない、貴重な光景。

大山を見ながら東へ

とっとりライナー、キハ126のボックスシート。

国鉄車両らしい、直角で沈み込みの大きい座席。

18きっぷシーズンではないため、2両編成のボックスシートには結構空きがある。

(おそらく18きっぷシーズンにはかなりの乗車率になるのだろう・・・)

 

まもなく米子駅を出発。

今回の旅ではじめての気動車。

キハ126、なかなかの爆音を上げて加速していく。

 

米子⇔鳥取の見所は、大山である。

進行方向右側に、雄大な山が見える。

雪を被った大山。

キハの窓が結構汚れていたから、イマイチ綺麗に写っていないが・・・

中国山地最高峰はなかなかの迫力である。

富士山には劣るものの、形もきれいだし雪のかぶりも良い感じ。

 

昨年末の磐越西線から見た磐梯山もそうだけど

電車から見える日本の山は美しい!

冬の磐越西線乗車記|喜多方ラーメンと猪苗代の冬景色【2018冬の18きっぷ旅④】
森と水とロマンの鉄道・磐越西線。喜多方駅では途中下車して絶品・喜多方ラーメンに舌鼓。猪苗代や阿賀野川を眺めながらの車窓は今まででも指折りの素晴らしい路線でした。

山陰本線は海沿いを走るから、大山だけでなく日本海も見ることができる。

今日は良い天気、青い海が見られた。

冬の日本海は、灰色なイメージが強すぎて
この日見た日本海は、日本海であるはずなのに日本海には見えなかった。

車内で読んでいた寺山修司「書を捨てよ、町へ出よう」にちょうど
「日本海」という力士の話が出てきた。

日本海は小柄な力士で、育ちは決して裕福ではなく「不幸」を抱えた力士だそう。
その力士を例にとって、強烈なインパクトのある一文が載っていた。

勝負の世界で、何よりも大きな武器は「不幸」ということである。これは「何が何でも勝たねばならぬ」というエネルギーを生み出す力になる。

「書を捨てよ、町へ出よう」p.p146 寺山修司

太平洋とは違う、どこか「反骨精神」のようなものを持った「日本海」が僕は好きだ。

そのあとも順調に山陰本線を走行。

キハ126、かなりハイパワーの列車だと感じた。

関西本線でキハ120に乗ったことがあるが、それに通ずるものがある。加速のときの音がすごい。

 

豪快な走行音を楽しみながら、本を読む。

ひとり鉄道旅、至福のひととき・・・!

定刻12:37、米子から1時間50分で鳥取に到着。

快晴の山陰本線!|鳥取→城崎温泉

快晴の鳥取駅!

鳥取駅でお昼ごはん&きっぷの買い足し

鳥取駅に着いたら、次の浜坂行き普通列車に乗る前に昼食をとる。

駅ナカにあったうどん屋さんでぶっかけうどんを食べた。
ぶっかけうどん、温かいのかと思ったらふつうに冷たかった。。。(先入観って恐ろしい)冬場に冷たいうどんを食べる痛恨のミス。

 

そのあとは「みどりの窓口」へ行って、本日残りの行程に必要な切符を買い足した。

城崎温泉までは普通列車

城崎温泉から先は京都まで特急
京都~名古屋は新幹線で帰る。

 

城崎温泉→京都の特急券と、
京都→名古屋の特急券・学割乗車券を買い足し。

駅員さんが忘れていた「乗継割引」をぬかりなく指摘し、しっかり割引を利かせて特急券乗車券をゲット!

みどりの窓口にあった手書きの広告。

山陰満喫パス

読んでみるとわかるが、結構太っ腹なきっぷだ。
津和野~鳥取の快速・特急が2日間乗り放題で、しかも4,000円
1日2区間ぐらい乗れば元が取れる!!

今度また、サンライズで山陰まで来て
ぜひ使ってみよう。

鳥取→浜坂|山陰のオーシャンビューを堪能!

鳥取からはまた普通列車の旅。

浜坂行普通列車
キハ121系ワンマンカーに乗車。

キハ12~は、ハイパワーで乗る分にはすごく楽しいんだけど・・・外見がね。。。ちょっと雑。

鳥取駅を出発すると、ちょっとだけ住宅街を走って
すぐに車窓には自然が増える。

 

鳥取県は日本一人口が少ない県。なんとなく納得の景色である。

飛行機雲がクロス。珍しい

それにしてもホントに良い天気!

雲一つない晴天とは
まさに今日のような天気のことを言うのだ!

 

鳥取のひとつお隣、福部駅でさっそく対向列車待ち合わせ。

県庁所在地から一駅で、この大自然である・・・!

本日のハイライト的な一枚。

単行のキハ121が良い味出してる。

自然の中、と思ったが
ちょっと離れたところにはそれなりに住宅街があった。

水が張られた水田の向こうに、高速道路も見える。

車内はかなり空いている。

1両のボックスシートは半分も埋まっていないようである。

 

僕が座っていた席の右斜め前に、鉄道旅行中だろうか?老夫婦がいらっしゃる。

ぱりっとしたフォーマル目な出で立ちの男の人は、鉄道旅をかなり楽しんでいる様子。

時々前面展望を見に行っている。

「やっぱり汽車がええの~・・・」的な話を、ちょこんと座った奥様と話している。

鉄道にも詳しそうだし、もしかして引退なさった鉄道マンだろうか?

 

時折その夫婦の会話に耳を傾けながら、冷たいうどんで満たされたお腹をさすりつつ車窓を楽しむ。

山陰本線、だいぶ海の方まで出てきたみたいだ。

 

 

車窓にはオーシャンビューが飛び込んでくる!

絶景!!

圧倒的絶景!!

空の青、海の青のコントラストがGood!

晴れの山陰、すばらしい。

この絶景で山陰の負のイメージ(灰色の重たい空、海)は完全に払拭された。

浜坂でのりかえ、城崎温泉へ

普通列車を乗り切って、終点の浜坂駅。

ここで運転系統が分離されている。
城崎温泉・豊岡・福知山方面はのりかえ。

次は豊岡行きの快速列車。

途中下車する城崎温泉は豊岡の2つ手前。

この列車で本日の鈍行列車は最後になる。

浜坂駅には特急型車両キハ189系が停車中。

先ほどの年老いた男の人が、快速列車の乗務員に「これは特急?」と聞いている。

乗務員さんは「そうですよ、はまかぜです」と。

僕も、こんなところに特急がいるのかと疑問に思っていたところだった。

なるほど、はまかぜか。

 

はまかぜは鳥取・浜坂・香住と大阪を播但線経由で結ぶ特急。

 

山陰は特急のバリエーションが豊かで面白い。

山陰各都市を結ぶスーパーおきスーパーまつかぜ
山陰から山陽の主要都市を結ぶ、スーパーはくと(智頭急行)、はまかぜ(播但線)、やくも、スーパーいなば(伯備線)そして本日夜に乗車予定のこうのとり(福知山線)、きのさき(山陰本線)、さらにははしだてまいづるまで・・・

どれもいい路線ばかりだから、機会を作ってちょっとずつ乗っていきたいな。

 

豊岡行きの快速列車は、久谷と鎧の2駅を通過するのみ。
ほとんど普通列車と同じである。

 

この区間の見所は、浜坂の次の停車駅「餘部駅」

ここは明治45年に完成した「餘部鉄橋」で有名。

トレッスル式の餘部鉄橋は、高さなんと45mの位置にあり、長さも300m以上、同じ構造の橋梁では日本一の規模を誇っていたそう。

昭和61年に発生した列車転落事故は、鉄道に興味がある人なら聞いたことのある人も多いはず。

現在では風速20m/s以上になると、橋を通過することはできない決まりになっている。

海に直接面していて、かなりの高さがある餘部鉄橋。
転落事故を起こしてしまってからは、結構な本数が強風によって運休しているそう。

参考:余部鉄橋 – Wikipedia

餘部駅をゆっくりと出発。

たくさんの観光客を横目に見ながら橋梁へさしかかる。

2010年に供用がはじまった
コンクリート造の新しい橋梁は、両側に塀のようなものがあって
直接線路の下を見ることはできないが

それでもかなりの高さを感じられる。
ここから列車が転落したなんて・・・想像しただけでもゾッとする。

 

余部橋梁を渡り終えたら、山深い山陰本線を進む。

 

途中で野生の鹿と目が合った(かなりデカかった・・・)

途中の香住あたりでぞろぞろ観光客を乗せて、列車はのんびりと進む。

定刻通り城崎温泉駅に到着!

本日の前半の行程が終了した。
このあとは城崎温泉を観光してから、特急列車で一気に京都まで向かう。

まとめ:晴れの山陰は最高だった!

以上、山陰本線鈍行列車旅の記録。

冬場は特に天気の悪い日が多い山陰だが、幸運なことに今回は天気に恵まれ

なかなかお目にかかれない「山陰の青いオーシャンビュー」を見ることができた。

鈍行列車で行くことで、のんびり景色を楽しめたし
さまざまな車両にも乗れた。

大満足の鈍行旅だった!

 

長くなったので城崎温泉より先は、また別の記事で紹介します。お楽しみに!

山陰旅の記録

【憧れの寝台特急】サンライズ出雲号ノビノビ座席乗車記|横浜→出雲市

【途中下車の旅】城崎温泉外湯めぐり&特急「こうのとり・はしだて」乗車記

男ひとり、えんむすびの地・出雲散歩|出雲大社・稲佐の浜を探訪

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