
後輪のチューブレスタイヤは,1年半前にリムテープを交換した。
それから,1年ほど経過すると,定期的に空気漏れが起こるようになった。ここでの空気漏れとは,最大気圧(4気圧)の状態から,1日で2気圧,2,3日でそれ以上の空気圧低下が起こるような状態。
チューブレスレディの空気漏れは,リムテープ交換で解消できるが,それはなかなか面倒くさい。ということで,この半年ほどは,空気漏れが顕著になるたびにシーラントを継ぎ足してきた。これで何とか空気漏れは解消できていたのだが,今回はそれでもダメだった。
1年半もリムテープを交換していないのだから,劣化やズレ,傷によって空気が漏れているに違いない。ということで,リムテープを新しいものに交換した。1年半前に付けたのは,80円/1mの安物チューブレスリムテープだった。今回は,前輪において実績があるシュワルベのチューブレスリムテープを付けた。
チューブレスリムテープ交換手順と,交換時期の記録として,交換のようすをこの記事にまとめておく。
チューブレスリムテープ交換
チューブレスリムテープ交換の手順は以下の通り。
- タイヤを外し古いリムテープを除去する
- リムを掃除する
- 新しいリムテープを貼りつける
- タイヤを装着してビードを上げる
- シーラントを入れずに空気を入れる
- シーラントを注入して循環させる
- 空気抜けがないことを確認する
タイヤを外し古いリムテープを除去する
まずはタイヤを外す。タイヤレバーを差し込んで,シーラントが飛び散らないよう慎重に外してゆく。片側のビードを外したら,シリンジなどで余分なシーラントを吸い取るとよい。今回は,40 mL近くのシーラント材を回収できた。
シーラント材を回収したら,タイヤをすべて外す。このときシーラント材はふき取っても拭き取らなくてもいい。今後の作業の支障になるようであれば,ボロ布や雑巾でふき取っておくといい。
タイヤに続いて,古いリムテープを外す。このときはじめて,後輪のリムテープが安物であると気付いた。てっきり,前輪のリムテープと同じようにシュワルベのものを使っていると思っていた。おそらく,空気漏れの原因はこの安物リムテープだろう。



リムを掃除する
リムテープを外したら,リムを掃除する。

リムの汚れはあなどれない。汚れが付着したままリムテープを貼ると,リムテープとリムが完全には接着されない可能性がある。このような隙間は,空気漏れを引き起こす可能性が高い。
リムの掃除については,前輪のリムテープ交換記にも書いた。
参考: リムの掃除とシュワルベのチューブレスリムテープでエア抜け解消
クリーナや水拭きなど,なんでもいいので綺麗にする。目安としては,目視でリム上に目立つ汚れ(特に固形状である程度の体積をともなうもの)が無くなるまで。

新しいリムテープを貼りつける
リムの掃除が終わったら,新しいリムテープを巻いていく。今回はシュワルベのリムテープを使った。385円/1mと,クリンチャー用のリムテープと比較すると高価だ。もちろん,チューブレスリムテープにも安物はあるが,ちゃんとしたリムテープがおすすめだ。RXD3のリム幅から,23mmのものを使っている。
おそらく今回の空気漏れも,安物を使っていたことによる劣化が原因だと考えられる。貼りづらい上に耐久性も低いリムテープは,空気漏れを引き起こす大きな原因になりうる。
リムテープを巻くときは,メンテナンススタンドがあると便利だ。スタンドにホイールを固定して,回転できる状態にしたら,それに正対するようにして巻いていく。巻くときは,アウトドア用のチェアに座るとラクだ。
リムテープの巻き方については,過去記事を参照されたい ⇒ リムの掃除とシュワルベのチューブレスリムテープでエア抜け解消

巻き終えたら,ハサミのスリーブなど,とがっていないものでリムとテープをしっかり接着する。終わったら,ズレがないことを再度確認する。確認できたら,ハサミなどでバルブコアを差し込む場所に切れ込みを入れる。あまり大きな穴をあけなくても大丈夫。
切れ込みにバルブを差し込んで,Oリングとナットでしっかり固定する。ここでの締め込みは工具を使ってはいけない。手で,しかししっかりと固定する。
参考: こんどはバルブ根元から?チューブレスタイヤのエア漏れ

*
ここまでで,チューブレスリムテープの交換は完了。あとはタイヤを組み付ける。
タイヤの装着とビード上げ
リムテープ交換ができたら,タイヤをはめてビードを上げる。ここがチューブレスタイヤ交換の難関となる。
過去にいろいろ試してきたが,インフレータを使うのがもっとも簡単だ。現在は,amazonで購入したシュワルベのタイヤブースタを使っている。インフレータ(タイヤブースタ)の使用手順は,過去記事を参照されたい。
過去記事: 【茶サイド】グラベルキングのチューブレス化|インフレーターは神
今回も,タイヤブースタが,チューブレスタイヤのビードをしっかり上げてくれた。細目のロードタイヤであれば,石鹸水とエアポンプ早押しによってビードが上げられるらしい(IRCの公式サイトには,たしかそんな風に書いてあった)。実際,IRCのタイヤであれば,石鹸水を使って,そのビードを上げることができた。
通用した記録: 【IRC】チューブレスタイヤの装着・ビード上げにフロアポンプで挑む

ただ,ある程度太さのあるタイヤであったり,そうでなくてもリムとタイヤの相性が悪い場合は,この方法は通用しない。おとなしくコンプレッサ,もしくはインフレータを使うのが賢明だ。このビード上げという障壁が取り除かれるだけで,チューブレス化に対する抵抗感がグッと下がる。
シーラントを入れずに空気入れ
高気圧にすることで,顕著な空気漏れがないことを確認する。
もしここで,タイヤやバルブが,盛大に空気を漏らしていたら,ビードやリムを再度確認する。
特に空気漏れがなければ,しばらく静置する。こうすることで,高い気圧に保たれた空気が,チューブレスリムテープとリムの接着度を高めてくれる(と思う)。これは,フロントホイールのリムテープを貼りなおした時から取り入れている手順だ。
参考: リムの掃除とシュワルベのチューブレスリムテープでエア抜け解消
これが終わったら,次の手順に進む。
シーラント注入・循環
バルブコアを外して,シーラントを入れていく。バルブコアを外すためには,付属あるいは専用の工具が必要となる。自分はamazonで買った専用工具を使っている。
シーラントは,IRCのものを使っている。
このシーラント材の規定量は,ロードタイヤで30 mL,MTBで60 mLとなっている。自分が今使っているタイヤは,グラベルキングの700*32Cだ。ロードタイヤが25C,28C程度のサイズだと考えると,それよりは太いタイヤを使っているわけだ。なので,シーラント材は30 mLより多めの方がいい。
今回は30 mLより5 mL多く注入した(空気入れ完了後,さらに10 mLほど継ぎ足した,ホイールを振ってジャバジャバ音の立つくらいは入れたほうがいい)。注入には,こちらもamazonで買ったシリンジを使っている。amazonを含め,注入に便利なシリンジが多数売られているので,買っておくとラクに作業できる。
シーラント材を注入したら,タイヤをグルグル回したり,上下左右に振ったり,軽くバウンドさせたりして,シーラント材を泡立たせ,リムやタイヤ内に行き渡らせる。これによって,シーラント材がわずかな隙間を埋めてくれる。チューブレスレディホイールは,シーラントを使うことを前提として設計されていると思われる。実際,シーラントがない状態だとエア漏れするが,シーラント注入状態だと空気圧が保たれるということがあった。
参考: チューブレスレディホイールへシーラント注入で空気漏れ解消
パンク時のことも考えて,シーラントは入れた方がいい。
放置して空気抜けがないことを確認
シーラント材を入れたら,空気を最大気圧までゆっくりと入れてゆく。
このとき,バルブは4時もしくは8時の方向くらいに向けておく。バルブが12時の方向を向いていると,バルブ内に残留しているシーラントが漏れ出てくることがあるからだ。
空気が入ったら,タイヤをしばらく静置する。一昼夜くらい置いて,顕著な空気漏れがないことを確認する。

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ここまでやって空気漏れがないなら,実走できる。
実走して問題なければ,リムテープ交換およびチューブレスタイヤの組付け完了となる。
まとめ

以上,チューブレスリムテープ交換についてまとめた。
この記事が少しでも,チューブレスレディタイヤの空気漏れ解消に役立てば幸いだ。
なお,チューブレスレディタイヤの空気漏れに対して,今回はリムテープ交換というアプローチをとった。しかし,空気漏れの原因はひとつではない。たとえば バルブのゆるみや,シーラント材不足なども考えられる。リムテープ交換は,最終手段に近いところだと思っている。まずは,バルブの増し締めやシーラント継ぎ足しによって,空気漏れが解消するか試すべきだ。
過去にも,リムテープ交換によるチューブレスタイヤの空気漏れについて,いくつか記事を書いているので,そちらも参考にしてほしい。
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