自分が住んでいる地域から延びるあの国道は
いったいどこまで行くのだろうか?
地図を眺めていると,その疑問に対する答えが見つかる.
この道は,名古屋からこんなところまで伸びているのか・・・途中の景色はどんなのだろうな__
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そんな疑問に駆られて走ったのが
今回の「国道153号ツーリング」.
豊田市からスタートし,ひたすら国道153号に沿って走る.
最終目的地は国道153号の終点・長野県塩尻市.
豊田から塩尻まで,200㎞の道のりを2日間かけて走った.
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今回の記事は,その2日目.
宿泊した飯田を出発し,天竜川に沿って南北に延びる「伊那谷」を北上していく.
ゴールの塩尻市内まで80km少々.バイパスあり市街地あり,2日目も変化に富んでいて面白かった!
【1日目:豊田~飯田はこちら】
【峠越え】三河から信州へ~R153豊田市・飯田・伊那谷ツーリング|その1
R153飯田~伊那~塩尻
飯田から北上
8:15にホテルを出発.ルートインの朝食バイキングはうまい.そして今日もかっこいい愛車.
両側にアルプスの山々を見ながら,ペース抑えめで走り出す.
飯田よりしばらく,R153は,市街地中心部を通る旧道と,高規格で市街地をパスするバイパスがある.
たくさんの商業施設や家々が立ち並ぶ飯田市街を抜けると,早くものどかな風景が見られるようになる.飯田から20kmほどでこの景色.たしか中川村のあたりだった気がする.
日本の夏,という雰囲気で素晴らしい.田んぼと,青い空と,大きな雲.車も少なくて,走っていて気持ちがいい.周囲に民家も少ないので,スピーカーで好きな音楽をかけつつ走る.
いつもは20km程度走ったら休憩をとるのだが,今日はまだ全然疲れていない.
気づいていなかったがどうやら追い風のようだ.
道の両脇に生えている植物が,進行方向にゆすぶられている.
自転車にとって,風というのは敵にもなり,また,味方にもなる(往々にして敵になるが・・・).追い風だし,あと10kmくらい続けて走ることにする.
伊南バイパスを抜けて
中川村からトンネルを抜けて,天竜川に沿ってさらに北上.
この辺りはゆるやかな勾配・カーブでとても走りやすかった.
飯島から田切・駒ヶ根の間には,高規格の「伊南バイパス」が走っている.
このバイパスに入ってしばらく走ると,バカみたいに大きな橋が2本くらいある.かなりの高さがあるのだが,2車線で左側路肩が狭いので,結構な高度感を味わえる.
はるか下には市街地とR153の旧道を一望でき,
集落の西端には飯田線も見ることができる.
田切のコンビニ(道の駅が隣接)にて休憩.
ここまでで30km.出発から1時間半ほど.
田切という地名は,地形にちなんでいるのだろう.以下,田切 – Wikipedia より引用.
長野県伊那地方は田切地形・地名の最も顕著な例であり、天竜川の河岸段丘や断層崖を横断するように、天竜川の各支流(太田切川、中田切川、与田切川など)が流れ、段丘面を激しく侵食し田切地形を作っている。河川と段丘面の高低差は50m以上と断崖を形成する場所もある。
河川をまたぐように,段丘面から段丘面へと
架けられた橋がいくつもあるのが,このバイパスの特徴.
飯田線はこのあたりの段丘をうねうね蛇行しながら走るので,抜けるのに時間がかかるわけだ.特急「伊那路」の表定速度がありえないほど遅いのも納得できる.
田切のコンビニを出てすぐのところには,伊南バイパス最大の橋「中央アルプス大橋」があった.あまりの高さに,渡っていると恐怖感を覚えた(高いとこ苦手・・・笑).
駒ヶ根・伊那のまち
9kmほど続いた伊南バイパスを抜けると,駒ヶ根市街の北部までたどりつく.
駒ヶ根と伊那の間で,飯田線は進行方向左側を走っている.
駒ヶ根北部にある赤木駅と沢渡(さわんど)駅の間には,JR線最急勾配箇所(44‰)がある.
走っているとき地図でちゃんと確認はしなかったのだが,このあたりにはほかにも急勾配がいくつもあった.以下の写真は,最急勾配地点ではないと思われるが,それでもかなりの勾配だった.ほんとにこんな坂を列車が登れるのか,心配になるほど.
未だ飯田線は乗ったことがないので,18きっぷでも使って乗りにこよう.そしてこのあたりの急勾配を列車の中から堪能しに行こうと思う.
駒ヶ根を抜けると,すぐに伊那市街.
伊那市街は伊那谷の中では大きな街.天竜川沿いに,たくさんの商業施設や昔ながらの飲み屋街などが軒を連ねていた.
このあたりでお昼を食べてもよかったけど,追い風で調子よく走れていたので
休憩はコンビニにとどめて,そのまま塩尻まで行くことにした.
辰野で休憩
伊那のあたりでいつの間にか旧道の方へ追いやられていたようだ.
伊那北部,箕輪町のあたりで青看板に誘導されるようにしてバイパスへ戻る.
ここから先は,飯田線と何度か交差しながら,バイパスで北上していく.
バイパスをしばらく走ると,左側から旧道が合流して,辰野を目指す.
辰野のコンビニで休憩.田切から30km以上ノンストップで走って来た.追い風だと巡航が本当にラク.
ここまでずっと並行してきた飯田線は,辰野が終点となっている.
辰野より先は,一応中央東線ということになっているが,実際は多くの列車が岡谷など中央東線の駅へ直通するため,その境界が意識されることは少ない気もする.
辰野のコンビニで,前輪タイヤのエアがかなり抜けていることに気づく.
実は出発当日朝に,ややエア抜けのペースが早いことが気になっていたのだが・・・やっぱり気密性が何らかの原因で下がっていたのだろう.念のため持ってきた携帯ポンプで空気を補充.
空気を入れ終えたところで,駐車場にいたおっちゃんが「仏式のフロアポンプあるけど使うかい?」と声をかけてくれた.ありがとうございます.
善知鳥(うとう)峠を越える
辰野のコンビニを出発後は,善知鳥峠(うとう峠)目指して走る.
このあたりは,伊那谷の南端にあたる.先ほどまで両側にひろーく見えていた山が,どんどん迫ってくる感じ.
辰野市街地を抜けると,塩尻市に入る.
飯田からあまり上った感覚はなかったが,
標高はもう800mを超えているらしい.
飯田あたりは標高400m程度だから,
60kmで400mほど標高を上げたことになる.
塩尻に入る前後には,旧中山道の宿場町・小野宿に関連する建物があった.
日本家屋風の古い家が多く,
昔の宿場町の雰囲気が色濃く残っている地区だった.
この小野宿を抜けると,しばらく直線のゆるやかな上り坂が続く.
ただし,1日目のような急激な峠ではなかった.
峠というよりも,上り坂という表現の方が適切.
谷の合間にある太平洋と日本海の分水嶺・善知鳥峠.
R153の終点は塩尻だが,青看板にはその先の松本・長野までの距離が記されている.塩尻はもう目と鼻の先だ.
善知鳥峠からの下り勾配は,登り勾配よりも急だったので,気持ちよく下らせてもらった.
1日目も,2日目も,ダラダラと登り続けてビュッと下る感じだった.
ちょうど峠からの下りが終わったところで,
R153は右へ進路をとり,塩尻市街へ.
しばらく走ると,R19・20への分岐が見えてきた.
そして・・・
R153終点に到着.高出交差点.岡谷・諏訪方面への塩尻バイパス(R20)と,名古屋から信州へのダブルネットワーク・R19が出会う,重要な交差点だ.この夏のツーリングでは,R19をずっと走って長野・松本方面へ行ったから,たぶんこの交差点を名古屋方面から左折していったはず.それを思い出してしばらく感慨に耽っていた.
塩尻駅前でそば
国道の終点から少し走って,中央線の要所・塩尻駅に到着.
塩尻駅に着いたら,お昼ごはん!
信州に来たらそばを食べずには帰れない.ということで,今回は駅そばではなく,ちゃんとしたお店でそばを食べることにした.駅の目の前にある「知春」というお店.
店内には座敷とカウンターがあって,誰も座っていないカウンターに腰掛ける.
料理屋,かつ居酒屋ということで,メニューはたくさんあった.
定食にも惹かれたけど,今回はシンプルにせいろそば,大盛で.
そばはおそらく作りたて(店内入り口横で,実際にそばを打っているところを見ることができた)
わさびとねぎを入れたつゆに,チョチョっとそばを浸してつるっとひとくち.
冷たくて舌ざわり抜群!うまい!
これが本物の信州そばか~
ふだん鉄道旅で食べるのは,駅そばばかり.
たまにはこういうところで食べるのもいいな~
日曜お昼,TVではアタック25が流れている.なかなか難しいな~なんて思いながら,3枚のせいろそばを平らげ,満腹になってごちそうさま.
1500円,ちょっと割高な気もするけど,本物の味はたしかに堪能できた.
次回塩尻に来たときは,天ぷらや揚げ物の類も食べてみたい.
塩尻駅から輪行して帰宅
昼食後は,中央西線の鈍行を乗り継いで帰宅.
輪行してから,みどりの窓口で学割乗車券を買い,駅のホームへ降りる.
快晴の塩尻駅,ホームのベンチに座って待っているとムシムシと暑かった.
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30分以上待って,松本から313系が入線.塩尻からはJR東海の運転士さんがワンマン運転を行う.
しばらく停車時間があるので,窓側の座席を確保してから自転車を持ち込む.
中央西線は,特急でも鈍行でも,もう何度も乗りとおした路線.
うつらうつらしつつ,車窓を楽しみながら,中津川までの鉄道旅.
中央西線には,中山道の宿場町を中心としたトレッキング・散策スポットが多くある.そのような駅から定年を過ぎたくらいの年齢の観光客が,ぞろぞろと乗ってくることが多々ある.今回もそうだった.にわかに車内は賑やかになる.
木曽福島の駅でしばらく停車.ワンマン列車が唯一,すべての扉を開ける,中央西線木曽周辺地区の基幹駅.
今日は車窓右側に,寝覚の床を見ることができた.このあたりの雄大な川の流れは,高い位置を走る中央線の車窓から眺めるのが楽しい.
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中津川からは211系の快速列車にのりかえて,1時間ほどで名古屋市内に入る.
今日は部分日食がみられるということだったが,その時刻の20分ほど前から一気に曇天となり,太陽は完全に隠れてしまっていた.残念...
ガタガタと前後に揺れが大きい211系に揺られ揺られて,旅はおしまい.
最寄駅から輪行解除して帰宅した.
まとめ:国道旅もおもしろい
今回の旅では,国道を自転車で走り抜ける,という今までの旅にはあまりなかった目標を立てた.
1泊2日かけてじっくり走ることで,自動車では味わえないような
周辺のまちの雰囲気や,峠の厳しさ,ふきぬける風のやさしさを味わうことができた.
終点にたどりついたときの達成感も素晴らしかった.
今度は道沿いに走るJR飯田線の旅もやってみたい.
【走行ログ】