イヨボヤ会館,灼熱の村上,笹川流れ|新潟~村上~鶴岡【2019夏自転車旅⑥】

昨年,一昨年は名古屋~苫小牧を太平洋フェリーで移動.

愛車で北海道内をぐるぐる走った.
おかげで北海道内はたくさん走ることができた.

【まとめ】2018北海道自転車旅|大自然に感動し、グルメを愉しみ、被災に涙した旅

「今年の夏は東北も走ってみたいな・・・」

ということで,名古屋から北海道まで東北経由で全部自転車で走ることにした.全部,自転車で
「北海道まで自転車で行く」自分の中では思い切った挑戦だ.でもこういう長い期間の放浪(?)旅は学生の間しかできない,来年からは研究の方が忙しくなるだろう.やるなら今しかない.

名古屋を出発してから北海道内を走り終えて,また名古屋に帰ってくるまで,25日.自分史上最も長い自転車旅の記録.

_ _
<この記事の内容>
6日目:新潟~村上~鶴岡

<前の日>
5日目:柏崎~長岡~新潟

<次の日>
7日目:鶴岡~酒田~にかほ

6日目:新潟~村上~鶴岡

橋の下で起床.

鉄橋からゴトンゴトンと轟音が降り注いでくる.

地図で見ると,どうやらJR白新線のようだ.

まだ早朝だが,回送列車だろうか.もう数本の列車が頭上を通過した.

昨晩眠りにつくのが遅かったから.まだ眠い.

しかし,早朝出発しないと昼間の暑さにやられてしまう.テントの中でパンと水の朝食を済ませて,ささっと撤収する.野宿のときは,早めの撤収が基本.

キャリアのダボ穴を舐めた

いつも通りキャリアにサイドバッグと諸々を取り付ける.と,その前にタイヤの空気を入れて,各所のネジを確認する.もう6日目.毎日100キロ程度走っているので,そろそろ点検しておこうというわけだ.

タイヤの空気は入れ終わった.次はキャリア.

キャリアのネジを一度抜いて,もう一度増し締めしようと思い,アーレンキーでネジを回す.シートポスト側のネジはすんなり入ったが,おかしい,リアハブ側のネジが締まらない.ある程度回してしまうと,するすると滑ってしまう感覚.

おかしいなあ…ネジを見ても異常はない.
このするすると滑る感覚はどこから来ているのか.

ダボ穴の内部を見てみると,

おや.ねじと噛み合うはずの溝が………白くなって消え去っている…

これはもう「なめた」で間違いない.さあ,困った困った.

キャリアが固定できないのでは,出発すらできない.とりあえず長めのネジとワッシャーは持ってるから,ナットさえあればハブ側から止められるのだけど…ナットは持ってない

一緒に走っている2人に相談すると,片方が用意周到,ナットを持っていた.僕のキャリアネジに適合するM-5サイズのナット.助かった〜!複数人ツーリングの強み.持つべきは友.

ついでに薄型レンチを借りて,ネジとナットで何とかかんとか現状復帰.

キャリアはちゃんとくっついた.よかった…朝からメカトラは焦るよ.

今日はホームセンターによって,ナットとレンチ買い足そう.そう決めて今日も北東へ出発.

海沿いの国道を一気に

広い広い新潟市をようやく抜けて,海沿いの道に出た.国道113号.直線道路を快走.信号少ないし,路肩広いし,すごく走りやすい.昨日新潟市内が走りづらいということを書いたけど,この道は走りやすい.北海道にありそうな道だ.

国道113号を脳死で進んでいると,次第に文明が無くなってきた.20キロ手前でコンビニがあったが,まだまだ行けそうな気配だったのでそのまま通過した.30キロを過ぎてもコンビニが現れない.トレインの真ん中を走っていた僕には,どうすることもできないまま,結局寝床から44キロ近く先のコンビニまで走った.先頭を走ってくれた彼に感謝..すげえ…

コンビニでしばし休憩.イートインに電源があったので,すかさずスマホを充電.機内モードにして1秒でも早く充電.

機内モードといえば.自転車での長期ツーリングの際には基本スマホは機内モードにしている.余計なデータ通信をしないから節電になるし.自転車で旅をしているときぐらいはネットから離れようぜ,という狙いもある.

イートインにて.補給をとりつつ充電を終えたら.村上方面へ.

村上「イヨボヤ会館」

鮭!サーモン!

新潟県村上市は鮭が名産.三面(みおもて)川は鮭が遡上してくる川として.地元から大切に守られているそう.そんな鮭や,三面川について勉強できる「イヨボヤ会館」を見学することに.時間つぶしと暑い時間の回避にちょうどいい.入館料を払っていざ.

イヨボヤとは鮭のことをいうらしい.川の魚を中心にいろいろな展示がある.名前は聞いたことあるけど,よく違いのわからない川魚.

やる気のないナマズ

そんな川魚も間近で見ると結構違う.渓流釣りとか,やってみたいなあと思う.

川魚のあとは,トンネル状の水槽.日本最大の淡水魚「イトウ」がいた.

一昨年北海道の淡水魚水族館で見たイトウよりは小さい.それでも迫力十分.

隣には長く連なった鮭の稚魚の水槽.

これはかなり見応えがあった.鮭の稚魚は皆が動く方は特に何も考えてなさそうに泳いでいる.人間と同じだな…長いものには巻かれるスタイル.でも,中には流れには乗らずに逆方向に行こうとする稚魚もちらほらいた.こういう人がイノベーションを起こせる人材なんだよ.人材ではないか.魚材.

トンネルを抜けると三面川を真横から見られる水槽があった.川の断面をガラス一枚だけ隔てて見られる.珍しい展示.魚は少なかったけど,鮭の遡上シーズンには面白そう.

哲学的質問

上のフロアへ行くといよいよ,鮭に関する展示がズラリ.村上では昔から,川でのサケ漁がさかん.さまざまな漁法が研究され,確立されたそう.よく工夫したなあ.昔の人の頭の柔らかさに感心した.

イヨボヤ会館.川のことを何にも知らない僕に,川のこと鮭のことを事細かに教えてくれた.とても面白いところだったので,村上に立ち寄った際はぜひ.

【鮭といえば】北海道・標津町にあるサーモンパークもおすすめ→野付半島ツーリング&標津の旅の宿「モシリバ」~北海道ツーリング4日目〜中標津→野付半島→標津

村上市街で休憩&買い出し

イヨボヤ会館のある海側から,一度内陸側の市街地へ.郊外のショッピングセンターとか飲食チェーンは.内陸側の国道沿いに集中している.

昼ごはんはすき家.昨日のマクドナルドに続き,文明食.がっつり牛丼の大盛り.卵をかけていただく.食べたい気持ちが勝ちすぎて,つゆだくにするのを忘れた.

食後はホームセンターでキャリア用ネジ・ナット・レンチの買い出し.

それにしても暑い.ネジやレンチがある工業用資材は,ホームセンターの半屋外のスペースにあり,冷房が効いていない.汗だくになって買い物をした.

薄型モンキーレンチ.M5-15mmの六角ネジを2本.ナットを2つ.

とりあえず目的のものがあって良かった.
今日の宿でハブ側のネジは両方変えておこう.

気温は35℃を超えていたかな.フェーン現象で無茶苦茶な暑さだった.

午後1時過ぎ.こんな暑さのなか走るのは危険なのでホームセンター外にある日陰のベンチで休憩してから.出発.

14時過ぎには日が陰る時間が多くなり,多少暑さは和らいだ.信号待ちで,横に止まっていた車の中から

「どこからきたの?」

「暑いでしょ〜村上は暑いところよ」

と声を掛けてもらった.やっぱり村上って暑いとこなのか…

海沿いを進んで山形県へ!

村上からは再び海沿いに出て,羽越本線と並行しながら進む.

ここは海水浴場が沢山並んでいて,暑い中走っている僕は「泳ぎたいなぁ〜」と何度も海水浴の誘惑に駆られていた.

海水浴客の路駐が多い区間.

海水浴の誘惑と疲労も重なり結構辛い区間だった.

笹川流れの道の駅で休憩.

夕陽が綺麗らしいけど,曇り空でまだ時間も早いので夕陽は望めない.ここはJR羽越本線桑川駅も隣接している道の駅.道の駅でもあり,鉄道の駅でもある.

JR羽越本線桑川駅

今度は鉄道でも来てみたい.

_ _

笹川流れのゴツゴツとした岩の景色を眺めながら,国道345号を走る.

羽越本線をオーバーパスするときに特急「いなほ」とすれ違った.いなほって名前がかっこいいし,あの柔らかなカラーリングも好き.新潟駅で見たことはあるけど,まだ乗ったことはない.

新潟駅にて特急「いなほ」

今度,東北日本海側の路線へ鉄道でも旅したいと思った.

勝木ゆり花温泉

さて.今日の行程も残りわずか.宿泊予定の道の駅付近に温泉が無いため,今日は少し手前の勝木で先に温泉に入っていくことにした.

勝木ゆり花温泉」海沿いの海水浴場ひしめく道の真ん中にあるので,海水浴客でごった返していた.洗い場では10人以上順番待ちするくらいの混雑.それでも,風呂には入れてさっぱりするので,まあ混んでいることぐらいは全く気にしない.

露天風呂があったし気持ちよかった.

休憩所でなんとか横になれるスペースを見出して,甲子園を見ながら休憩.たまにTVが映らなくなるし.スマホの電波もあまりよくない.人が住んでるはずなのに…電波悪いのは大丈夫なのだろうか.

道の駅「あつみ」で宿泊

風呂を出てまたしばらく走ると,綺麗な夕陽が日本海に沈んでいくのが見えた.

そのあとこの旅5つ目の県・山形県に入った.

山形県鶴岡市.山形は未踏の地だったので,嬉しさがこみ上げる.

夕食はマックスバリュあつみのイートインにて,
ちょっと豪華に(安売りだけど)寿司と揚げ物を食べた.

ここ最近鍋が続いていたから,こういう惣菜が美味い!ジュースも飲んで幸せになった!

夜は道の駅「あつみ」にて宿泊.トイレは綺麗だし,屋根もあるし快適.建物内には情報ステーションみたいなところがあって本当はそこで寝るのが一番いいけど,あいにく先客がいたので外にある出店の軒下で寝ることにした.シュラフとマットだけ出してベンチで就寝.

まとめ:久しぶりの観光

以上.6日目の記録.

ツーリングの醍醐味は知らない土地を走って美味しい食事を食べることであって.観光は必ずしも必要ない要素ではない.でも.たまには観光もいい.ツーリングに変化が生まれるし.走る以外の楽しみも生まれる.

明日は山形を突っ走って秋田県境を越えてにかほまで走る.山形は一日で抜けてしまうことになるのはちょっともったいないけど.仕方ない.

クラゲ水族館と酒田の山居倉庫|鶴岡〜酒田〜にかほ【2019夏自転車旅⑦】
鶴岡の加茂水族館と酒田の山居倉庫を見学して,にかほの三崎公園キャンプ場にてキャンプ泊.

_ _

6日目走行距離:約100㌔
累計走行距離:約620㌔

食費:1,557円
宿代:0円(道の駅)
温泉:350円(勝木ゆり花温泉)
雑費:902円(イヨボヤ会館,ねじ等)
合計:2,809円