JR東海315系に初乗車|新時代の到来を告げる最新車両

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JR東海の最新型車両「315系」は,2022年3月にデビューした。デビューから現在まで,中央西線:名古屋⇔中津川間の普通・快速列車として活躍している。

315系のデビューから1年以上の間,その中央西線には,10回近く乗車する機会があった。しかしながら,乗車する列車は,すべて211系だった。その前や,次の列車が315系,ということも多く,なかなか乗車機会に恵まれなかった。

しかし,GW後半2日目の憲法記念日に,中央線を利用する機会があり,ようやく,315系に乗ることができた。

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JR東海の最新型車両315系に乗車

315系の基本性能・仕様については,過去に,以下の記事で簡単に紹介した。詳細は,JR東海の公式HPなど,他のサイトも参照されたい。

参考:315系デビューで気になる国鉄型・特急型車両の今後

快速 瑞浪ゆきに乗車|大曽根~瑞浪

今回は,中央西線大曽根駅から,「快速瑞浪ゆき」に終点まで乗車した。315系は,2023年3月現在で,12編成96両が活躍しているらしい [参考:JR東海315系電車 – Wikipedia]。デビューから1年経ち,すでに100両近くが本線に投入されていることになる。

おかげで,本線で見かける機会がずいぶん増えている。今回,ようやく乗車できたのも,その恩恵にあずかっているわけだ。

大曽根駅へ入線するJR東海315系C3編成
大曽根駅に入線してきた315系C3編成。

315系のインテリア

車内へ入ると,すぐにドアを閉めて出発。GW後半2日目ということで,車内の座席は9割近く埋まっている。車内は,余計なものが無く,すっきりとした雰囲気になっている。照明は明るく,手すりやつり革も邪魔にならない程度に最適化されている。総じて,211系より明るく,現代的で,安心感が高い車内空間になっている。

315系の座席は,オールロングシートで,濃い青色になっている。勝川か春日井あたりで,空いた座席に座ってみると,これがなかなか座りやすい。おそらく,人間工学に基づいてつくってあるのだろう。それなりに硬さはあるのに,その硬さを感じさせないくらい,座り心地がいい

ロングシートのため,車窓は,座席の背後と向かい側となる。これらはすべて,UVカット仕様になっている。おかげで,窓から差し込む太陽光は,さほどまぶしさを感じずに済む。UVカットの窓は,首都圏の電車ではよく見かけたように記憶しているが,JR東海の在来線の車両では,この車両がはじめてではないだろうか。

JR東日本E231系の車内。窓ガラスはUVカット仕様になっている(出典:E231系湘南新宿ライン特別快速普通席|高崎→横浜乗車記【2018冬の18きっぷ旅⑥】

車窓が若干緑がかったように見えるのは少し残念だが,観光を主目的としない本形式では,全く問題ない。むしろ,乗客が日よけを降ろす必要がない点から,快適性が高い。日よけの設置が不要であることから,整備の手間も省ける。

座席からは,ドア上部を見ると,フルカラーの液晶ディスプレイに,停車駅等の案内がされている。名古屋地区だと,市営地下鉄東山線などに採用されていると思うが,ついに,JR東海の在来線車両にも投入された。カラーユニバーサル対応で,駅に関する情報が視覚的にわかりやすく表示されている。

315系の乗り心地|高い安定性

ここまで,インテリアについて書いてきたが,もっとも気になるのは,315系の乗り心地ではないだろうか。

先代の211系は,設計が国鉄時代のもので,令和の時代にあっては,少々時代遅れの乗り心地だった。211系の出発時には,加速につれ,前後方向にゴツンゴツンと,不快な振動が感じられた。これは,特に,電動車(モータを積んだ車,モハやクモハ)で顕著だったと思う。

中央西線千種=大曽根間を走行する211系5000番台(K4編成)。後続には313系を従える。(筆者撮影)|出典:中央西線の堀割線区間をゆくEF64重連と313系・211系

高速域では,211系の窓やドア周辺のたてつけの悪さ(老朽化?)から,あちこちからガンガンと,不快な騒音もあった。参考として,以前,211系に乗車した時に撮影した動画があったので,これを貼っておく。

動画を観ていただくと,211系の走行中の騒音・振動が何となくわかるかと思う。

一方,315系は,211系より安定感が高い。「滑るように走る」と形容するのが,もっとも適切かと思われる。

まず,211系のような,加減速にともなう前後方向の振動がほとんど感じられない。これがないだけでも,ずいぶん快適になっている。

加えて,上下・左右の細かな振動も,従来車輛より軽減されている。これは,211系のみならず,比較的乗り心地のよい313系よりも改善されているように感じられた。315系は,ポイント通過やカーブの立ち上がりなど,線形にともなう周期の大きな揺れのほかは,ほとんど「揺れない」といっても大げさではないと思う。

このように高い安定性を実現しているのは,台車の性能が上がっているから,らしい。315系には,日本車輌製造(株)とJR東海が共同開発した「NS台車」が採用されている。この台車は,安全性・信頼性・保守性の三方よしの日本車輌の次世代ブランド「N-QUALISシリーズ」製品の1つ。315系は,その第1号の車両だそう。

“NS台車”は、一体プレス式台車枠により安全性と保守性を向上した、次世代プラットフォーム“N-QUALIS”シリーズの台車です。軸箱支持装置は、優れた走行性能を誇るタンデム式を標準としています。
※この製品は日本車両とJR東海殿が共同で開発しました。

NS台車 動画・カタログ N-QUALIS鉄道車両製品紹介 日本車輛製造株式会社

上図のように,3方向(上下・前後・左右)のサスペンションが独立しており,個別に最適化されている。これが,315系の高い安定性を実現しているのだ。この台車は,ほかに,JR東海のHC85系や,小田急ロマンスカー70000形GSEなどに採用されている。

315系では,台車だけでなく,保安装置や電動機の二重化,非常走行用蓄電池・インバータ搭載など,目に見えない部分でも,安全性・安定性が高まっている。通常時だけでなく,非常時にも,乗客を安全に安定して運べる車両になっているのだ。

在来線通勤型電車315系
在来線通勤型電車315系 JR東海の主な駅情報・列車情報、きっぷ、運賃・乗換、時刻表、路線図などをご案内しています。| JR東海

次世代の標準型車両

以上,315系に初めて乗車した感想を紹介した。

315系は,乗り心地やインテリアなど,総じて,従来の211系より快適だった。JR東海の標準車両といえば,313系だったが,これからは315系がそれを担うだろう。313系も十分快適だったが,315系では,それをも上回る乗り心地が実現されていて,まさに「新時代の到来を告げる」車両だと感じた。

これまで長く中央線で活躍してきた211系は,安心して,引退することができるだろう。お疲れさまでした。

(おわり)

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