2021年2月18日(木)から2月11日(日)までの日記です。
2/18(木) 博士後期課程の”学生”
昨日寝る前に読んだ本が面白かった。
この本は,【日記#11】2/14(日)~2/17(水) 鮭と鰻の共通点にて紹介した「人生論・愛について(武者小路実篤)」と一緒に購入した本だった。
軽そうな内容だな,と思いつつも,独特な表紙絵と美しい挿絵,そして何よりタイトルに惹かれて購入したのだった。
「考える」ことは,どういうことか。その難しい問いに対して,哲学者がやさしく答えてくれていた。
特に印象に残ったところが2つある。
1つは,「考えることは自分の頭の中でやることではない,外でやることだ」というところだ。今まで自分は「考えることは,自分の脳みそを動かしてやること」と思っていた。しかし,実際には五感を働かせたり,身体を動かしたり,他者とコミュニケーションや議論をしたりして,考えている。だから,著者は,「考えること」は,頭の外で行われるのだ,と主張していた。これは自分にとって新しい(正反対な)概念で,新鮮だった。
もう一つは,本書最後の考えるコツ。「ゆさぶって,つめこんで,空っぽにする」。このことばには,本書で6章かけて書かれてきたことが凝縮されていた。
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今日は,午後遅くから社会人ドクター(博士後期課程)の方の公聴会に出席した。
同じ研究室の学生ということで,教授から参加を勧められたのだった。
公聴会では,50分近くに及ぶ長時間のスライド発表が行われた。
後期課程の方の発表を聴いたのは初めてだった。
内容はかなり高度だったけど,実験あり計算あり,いろいろな角度から理詰めのアプローチをして,ひとつの目的を達成した,ということはわかった。アプローチはずいぶんと広く,しかし明快な手順を踏んでいた。
博士(工学),Ph.Dをとる人が,どれだけ凄いか。
それが50分の発表でビシビシに伝わって来た。
寝ても覚めても研究のことを考えて,
かつ体調をしっかり管理できて,
スケジューリングも卒なくできる。
学位論文を英語でかけるだけの英語力もある。
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さっきの本に書いてあったようなことは,無意識にできるんだろうな。
「研究すること」のお手本を聴くことができて,とても有意義だった。